更新日: 2017年11月14日
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【教育研究家に聞く】子どもの「かんしゃく」に上手に対応する方法8つ

子どもがかんしゃくを起こして困ったこと、子育て中のパパ・ママなら一度はありますよね。子どものかんしゃくは、どんな原因が考えられるのでしょうか。また、かんしゃくを起こした時はどう対応するのがよいのでしょうか。子どものかんしゃくに上手に対応する8つの方法について、教育研究家の征矢里沙さんにご紹介いただきました。

そもそも、子どもの「かんしゃく」とはどんな行動のこと?

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かんしゃくとは、「癇癪」と書きます。

「癇(かん)」は、もとは発作的に全身がけいれんする病気のこと。「癪(しゃく)」は胸や腹などの激しい痛みのことを指しました。転じて、神経が過敏で、怒りやすい性質を意味するようになったそうです。

カンにさわるとか、シャクにさわるという言い方もありますよね。
「癇癪玉が破裂する」、という言い方も古くからあります。

子どものかんしゃくは、怒りや苛立ちが沸き起こって爆発的な行動に出ることを言います。
具体的には、

 ●泣き喚く
 ●大声で叫ぶ
 ●暴れる、足を踏みならす
 ●床にひっくり返る
 ●物を投げたり叩いたりする
 ●人を叩いたり蹴ったりする
 ●自分を叩く、自分の髪の毛を引っ張る

といった突発的な行動に出ることを指すようです。

子どもの「かんしゃく」は育て方のせい? いつまで続く?

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子どものかんしゃくは、1歳頃から始まり、2~3歳のイヤイヤ期をピークにして、4歳前後まで続くことが多いそうです。

また、子どもがかんしゃくを起こすことは決して珍しいことではなく、成長過程の一つだと言われています。

○「かんしゃく」は育て方のせいじゃない!

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子どもがよくかんしゃくを起こすと、「どうしてこんな子になってしまったんだろう」、と思ってしまいますよね。でも、多くの場合、2~4歳の子どもがかんしゃくを起こすのは「よくあること」で、育て方が間違っていた、というわけではないそうです。

子どもが順調に成長して自己主張が出てくると、「こうしたい」という要求は出てきても、それを周囲とうまく折り合わせることができません。

もっと小さな赤ちゃんとは違い、周囲の要望もなんとなく分かります。ただ、自分の気持ちとどう折り合わせていいのかは、まだ分からないのです。

自分の要求が通らないことも不満ですが、相手の要望に応えられない自分にも腹が立つことがあります。その結果、かんしゃくを起こして、泣いたり暴れたりしてしまうようです。

また、かんしゃくを起こす子どもは多いですが、起こしにくい子どももいます。
これは生まれ持った性格や性質による違いで、どちらがいい・悪いということはなく、その子の個性だと言えます。

○こんな「かんしゃく」にはちょっと注意

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あまりに激しい「かんしゃく」が起こると、「この子大丈夫かしら・・・」と不安になりますよね。多くの場合は、上記の通り、通常の子どもの成長過程なのだと思ってよいそうです。

ただ、かんしゃくに激しい自傷や他傷が伴なってなかなか収まらない場合や、8・9歳頃になっても頻繁にかんしゃくを起こすような場合は、専門機関に相談した方がよい可能性もあるようです。何らかの発達障害を抱えた子どもは、気持ちをコントロールするのが特に難しい場合もあるそうです。

もしも発達障害でも、親の育て方のせいではありません。少しでも不安がある場合は、地域の子育て支援センターなどに気軽に相談してみることがおすすめです。

子どもの「かんしゃく」への上手な対応方法8つ

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かんしゃくのパターンとして、ひっくり返ったり暴れたりするだけではありません。

例えば、「もう帰る!!」と言うので「じゃあ帰ろう」と言ったらますます怒ったり、「あっち行って!!」と言うのであっちへ行ったら怒ったり・・・など、親にとっては手がつけられず、ほとほと困ってしまう行動もたくさんあります。

かんしゃくへの上手な対応方法を、8つご紹介します。

○1. 子どもの状態を考慮する

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かんしゃくを起こすきっかけ自体は、欲求がうまく通らないことですが、かんしゃくを起こしやすくなる状況というものがあります。

●お腹がすいた
●疲れた
●体調が悪い
●生活リズムが乱れている
●眠い
●環境の変化があった

つまり、子どもの体調がいつも通りでなかったり、精神的に不安があったりすると、苛立ちやすくなりかんしゃくを起こしやすくなります。
まずは、親が落ち着いて、子どもの状態を思いやってみましょう。

○2. 子どもの気持ちを受け止めてあげる

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かんしゃくを起こしている子どもは、自分の気持ちや行動をコントロールできず、どうしたらいいのか分からなくなっている状況です。

そんなときに、「何言ってるの!」と子どもの気持ちを否定したり、「そんなことしちゃダメ!」と行動を咎めたりしても、あまり意味がありません。

まずは、子どもの「怒っている」「腹が立っている」という感情を受け止めてあげることが大切です。

これが欲しいと言ったら「これが欲しかったんだね」と繰り返したり、泣いて気持ちが混乱
しているときは、「○○したかったんだね」と子どもの気持ちを代弁してあげるのも効果的だと言われています。
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そんなとき、イライラしながら「はいはい、○○したかったんだね!」などと口だけで言っても、あまり意味がありません。

感情を親にぶつけている子どもには、「自分の気持ちを分かって欲しい」「こんな自分でも愛して欲しい」という気持ちがあると言われています。本当に自分を思いやってくれているか、子どもは敏感に察します。

かんしゃくをぶつけられると親も腹が立ちますから、なかなか難しいことですが、「0歳の赤ちゃん」に戻ったような状態だと思ってみるといいかもしれません。子どもに心から寄り添って、「お~よしよし」、と気持ちを受け止めてあげられたら理想です。

○3. スキンシップを取る

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気持ちが高ぶっているときは、抱きしめて落ち着かせてあげるのもよいと言われています。
子どもにとって、スキンシップは愛情の印。いくらやっても、マイナスになることはないと言われています。

たとえ言葉がなくても、抱きしめてもらったり背中を撫でてもらえば、子どもは、親に受け入れてもらっている、愛してもらっているという気持ちを感じることができるそうです。

最近では、スキンシップによってオキシトシンというホルモンが分泌され、それが親子の愛着だけでなく、「人への信頼感」をはぐくむということも研究されています。

特に、環境の変化があって気持ちが不安定になっているときなどは、普段からできるだけスキンシップを増やしてあげると、子どもは親を信頼できて、安心しやすくなるそうです。

○4. クールダウンを待つ

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子どもが興奮しすぎていて、抱きしめようとしても嫌がるときは、いったん落ち着くまで待つ、という方法もあります。

できれば、かんしゃくのきっかけになった物が目に入らない場所などに連れていって、近くに座り、子どもの感情の爆発が収まるのをひたすら見守る、というのが理想的です。

子どもがかんしゃくを起こすと、親も思わず逃げ出したり、無視して放っておきたくなりますが、そうすると、構って欲しくて余計に怒る場合もあります。
また、押し入れなどに入れたり、部屋に一人ぼっちにするのは、罰になってしまい、不安と恐怖を与えるのでやめましょう。

逃げたり無視せずに、ただ見守っていると、子どももだんだん落ち着いて、話ができるようになっていきます。たびたび癇癪を起こすようなら、暴れても危険の少ない「クールダウン場所」を決めておくとよいかもしれません。

○5. 迷惑をかける行動は物理的に止める

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子どもの気持ちを認めることは大切ですが、その場のマナーを守ることは必要ですよね。
そんなときは、「気持ちは分かるよ。理由もあるんだよね。でも、その行動はママとして止めるね」というスタンスで、物理的に行動を制限することがおすすめです。
たとえば、抱き締めたり、両腕を掴んだり、抱えて違う場所へ連れて行ったりすることです。

人に暴力を振るったり、物を投げたりする場合も同じです。
その場で「叩いちゃダメ!」「物を投げないの!」などと叱っても意味がありません。
かんしゃくを起こして暴れる子どもは、自分の感情をどうしたらいいか分からないからそうしているだけで、面白がったり、嫌がらせでやっているわけではないのです。

やってはいけない行動は身体を張って止めつつ、まずは子どもの興奮が収まるのを待ちましょう。そして落ち着いてから、「ママは叩かれて痛かったな」「物を投げたら壊れちゃうよ」と言い聞かせ、反省を促した方が効果的です。

もちろん、興奮したらまたやるかもしれませんが、落ち着いた状態で言い聞かせることを繰り返せば、徐々に学習していくはずです。

○6. お菓子やおもちゃはほどほどに

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スキンシップなど「情緒的な欲求」は、そのまま受け入れてあげるのがよいと言われていますが、「お菓子食べたい」「おもちゃ買って」などの「物質的な欲求」は、そのまま言うことを聞きすぎるのは、あまりよくありません。

かんしゃくを起こしたからといって、お菓子などでご機嫌を取ろうとするのも注意が必要です。太るとか虫歯になるとかいうことだけでなく、極端に言えば、心の不安やさみしさを、食べ物や物でごまかす癖がついてしまうからだそうです。

厳しくしすぎても、かえってお互いマイナスな状況もありますから、お菓子やおもちゃが必要なときもあるでしょう。ただ、基本的には、「おやつは○時」などと決めて生活リズムを整えてあげたり、おもちゃを買うときは特別なときだけにするなど、ルールをしっかり決めてあげた方が、子どももかえって安心できると言われています。

○7. 親がストレスを溜めないようにする

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どんなに頭では分かっていても、怒り狂う子どもに冷静に対応するのは難しいもの。忍耐力も必要なので、親のストレスが溜まるのは当然のことです。

それを解消するためには、何か自分が心からリラックスできる趣味や、楽しみを持つことがおススメです。

親がストレスを溜めていると、かんしゃくに対して余裕を持って上手に対応できなくなってしまいます。また、子どもが親のストレスを感じとり、子どもの気持ちがますます不安定になることもあります。

親がストレスを溜めないことこそが、子どもにもいい影響を与えます。

○8. 人に相談する、協力してもらう

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ママやパパ自身の話をじっくり聞いてくれたり、協力してくれたり、時には代わりに子どもの面倒をみてくれる人も必要です。

親が参ってしまうということのないよう、自分のパートナーはもちろん、親、知人・友人、幼稚園・保育園の先生、自治体の子育て支援センターの相談窓口など、自分が安心できそうな人に相談することが、とても大切です。

子どもがかんしゃくを起こした後、なだめて落ち着かせるまではママの役割、あとから「ママを叩いたのはいけなかった、謝ろう」などと反省を促すのはパパの役割、など、あらかじめ話し合って、役割分担をするのもいいかもしれません。

おわりに

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かんしゃくの原因、かんしゃくを起こしたときの上手な対応方法についてご紹介しました。
いくら順調な成長の過程だと言っても、突発的に泣き喚く子どもに対応するのは、とても大変なことです。
適度にストレスを解消したり、色々な人に協力してもらいながら、乗り切っていけたらいいですね。

ライター紹介

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征矢里沙
・『生きる力』をはぐくむ教育研究家
・NPO法人いきはぐ代表

子ども達の『生きる力』をはぐくむという観点から、様々な教育を研究。大学卒業後、社会人経験を経て、NPO法人いきはぐを設立。全国100ヶ所以上の学校・幼稚園・保育園等を実際に訪問して取材をするなど、『生きる力』をはぐくむ教育を広めるために活動。現在、1歳と4歳の男児二人の母としても奮闘中。

ホームページ:NPO法人いきはぐ

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