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【専門家に聞く】留守番・登下校に潜む危険とは? 子どもが犯罪に巻き込まれない為の犯罪対策

小さな子どもが犯罪に巻き込まれるケースは、後を絶ちません。お子さまが小学校に入学すると、留守番や登下校など心配なシーンも増えてきます。危険な犯罪から子どもを未然に防ぐには、どのような方法があるのでしょうか。ALSOK広報部でセキュリティ・プランナーの瀬戸拓郎さんにお話をお伺いしました。

最終更新日:2024.1.8

目 次

【留守番での防犯対策】1.合言葉は「いいゆだな」

手を握る親子

PIXTA

――子どもだけでお留守番をするケースは、少なくありません。

瀬戸:小学校の長期休校に伴い、子どもだけで長時間お留守番せざるを得ず、気がかりなご家庭も多いと思います。ALSOKが提供している見守り用のWebカメラについても、例年の2倍を超えるお問い合わせをいただきました。

留守番中の子どもを狙う犯罪手口として代表的なのは、以下の3つです。

・未施錠の窓や扉からの侵入
・帰宅時ドアを開けた瞬間に、子どもの背後から押し入る
・宅配便や点検業者の人物を装う“なりすまし”

これらの行為から子どもを守るためには、“留守番する前”から気を付ける必要があります。留守番前の約束事として、ALSOKの防犯教室で提唱している合言葉「いいゆだな」をご紹介します。

留守番する前の約束「いいゆだな」

「い」……いえのカギをみせない
これから留守番することが悟られてしまわないよう、家に着くまでカギは周囲から見えない場所で所持する

「い」……いえのまわりをよく見る
子どもの背後から押し入られないよう、家の近くに人が隠れてないか・尾行されていないか、家に入る前に確認する

「ゆ」……ゆうびん受けをチェック
郵便受けが一杯の場合、空き巣が入ってきてしまう可能性が高まるため、留守番前に取り来むようにする

「だ」……だれもいなくても「ただいま!」
家の中に家族がいるように見せかけ、子どもだけで留守番していると悟られないようにする

「な」……なかに入ってすぐ戸締り
家の中に入ったら、すぐにカギをかける。不審者の侵入を防ぐため、玄関だけでなく、家全体の戸締りを確認してから留守番を開始する。
     
家の中は安全な場所だと思いがちですが、一旦、悪意を持った人に入られてしまうと、とても危険な場所に早変わりしてしまいます。自宅に到着するとどうしても安心感から気が緩んでしまいがち。家に入るまでしっかりと気を引き締めて、これらの約束を守ってほしいです。

【留守番での防犯対策】2.なりすましに注意! “玄関の扉を開けない”“留守番を悟られない”

自習する子ども

PIXTA

――留守番をしている際には、どのようなことに気を付けるべきでしょうか。

瀬戸:知らない人が家に来たときの対応として、以下の2点が大事になります。

不審な訪問者への対応

・一人で留守番していることを悟られないようにする
・チャイムが鳴っても絶対に玄関の扉を開けない

宅配業者や点検業者を装って子どもを狙うケースがありますので、「中に子どもがいる」と把握されないための工夫は必要です。また、チャイムが鳴ったときに、訪問者を視認できないとリスクが高まってしまいます。

訪問者の姿を確認・録画できる「カメラ付きインターホン」や、身の危険を感じたときに緊急通報をし、ガードマンの駆けつけ要請ができる「ホームセキュリティ」といった防犯設備を導入しておくことも、留守番を狙った犯罪の予防や抑止に有効です。安全な方法で外から来た人を視認できるのは、お子さんの安心にもつながると思います。

意外に盲点なのが、玄関のドアスコープ。小さいお子さんの場合はそもそも背が届かないことも多いですが、背が届く場合、影の変化で中に人がいることが容易にわかってしまいます。

さらに専用の道具を持っていれば、中の様子をクリアに覗くこともできてしまいますので、子どもだけで留守番する際は、十分注意したいポイントです。内側から「ドアスコープカバー」などで目隠ししておくのがよいでしょう。

【留守番での防犯対策】3.連絡先や避難先を共有。SNSで特定されやすい投稿は避ける

スマホを見る人

PIXTA

瀬戸:留守番、登下校両方に言えることですが、困ったことが起こった時のための、連絡先や避難先を共有しておくことも大事です。避難先としては、家から近い場所で、よく事情を知っている方、公共施設、お店などが良いと思います。

また、これは空き巣犯罪で実際に確認されている手段なのですが、SNSで発信したことを元に、居住場所や留守であることが第三者にわかってしまい、侵入につながる可能性があります。保護者はもちろんのこと、スマートフォンを持っている子どもにも一人で留守番をしていることがわかる記述や、個人情報などを掲載しないよう徹底させてください。

【登下校時の防犯対策】1.小学校入学で危険度は一気にアップ! まずは通学路の危険をチェック

登下校中の子ども

PIXTA

――保護者にとって、子供が登下校時に犯罪に巻き込まれないかどうかというポイントは、とても気がかりだと思います。

瀬戸:小学校入学を機に、子どもの行動範囲が広くなることで、心配が増える保護者の方は多いと思います。警察庁の調べ(「平成30年の犯罪」より)によりますと、未就学児童と比べて、小学生では「連れ去り(略取)・誘拐」が1.8倍、「強制わいせつ」は10倍に増えています。

誘拐のケースで見てみると、道路上が約4割、一戸建てや共同住宅などの自宅で2割、駐車場で1割程度発生しています(警察庁「平成25年の犯罪情勢」より)。一人での行動が発生しやすい登下校や、留守番時は特に注意が必要です。

そこで、小学校入学シーズンにはまず、登下校の予行演習を呼び掛けています。通学路を親子で実際に歩いてみることで、どの道が安全なのか、どこに危険が潜んでいるかを確認します。

犯罪が起こりやすい場所としては「周りから見えにくく、誰でも入れてしまう」ところ。死角になりうる場所であったり、不審者が潜んでいても怪しまれにくい場所はあらかじめチェックし、できるだけ避けて通るよう指導していただきたいです。

また、大人と子どもでは目線が違うので、大人にとっては視界が開けた場所でも、子どもには死角になるスポットもあり得ます。なるべく子どもの目線に思いを至らせながらチェックすることが必要かと思います。

【登下校の防犯対策】2.駐車場・エレベーターなど“死角”“密室”になりやすい場所は特に注意

駐車場

PIXTA

――具体的に、「周りから見えにくく、誰でも入れてしまう」場所とはどういったところでしょうか。

瀬戸:わかりやすいのが、駐車場です。不特定多数の人が出入りする場所であり、車の陰は死角にもなりやすい。犯罪ツールとしても車が使われることが多いので、連れ去りや誘拐を目的にした場合、都合の良い場所になってしまいます。“近道になるので横切る”といったことはしないよう、リスクを避ける習慣をつけさせることが大事だと思います。

人通りが少ない道路など、犯行に及んだ時に気づかれない場所もリスクが高まります。登校時には人気が多い場所でも、午後には少ないことも。下校時間でも人通りが多い道路を通学路に選びましょう。

また、共同住宅内で発生した小学生の性的被害に関しては、約3分の1がエレベーターで起こっています。乗っているわずかな時間で被害に遭っていますので、密室は危険。“見知らぬ人とは同乗しない”ことが重要かと思います。

【登下校の防犯対策】3.防犯ブザーは複数持ちがオススメ

防犯ブザー

PIXTA

瀬戸:危険を察知したら、大きな声で「たすけて!」と叫んだり、防犯ブザーを鳴らして周囲に異常を知らせ、すぐにその場から逃げる必要があります。防犯ブザーはランドセルに装着しているケースが多いと思いますが、放課後や休日の外出など、通学時以外の状況下でも犯罪に巻き込まれてしまうケースがあるため、常に持ち歩く習慣をつけておくのが良いですね。

ALSOKの調査では、登下校時に防犯ブザーを持ち歩いている子どもは62.6%でしたが、帰宅後や休日にも持ち歩くとなるとぐっと数が減少、「放課後、近所の公園や友達の家に遊びに行くとき」では16.0%にとどまりました。

1つの防犯ブザーを、出かけるたびにランドセルから取り外して使用する方法だと、面倒なうえに、外し忘れや着け忘れが多くなってしまいがちです。常時ランドセルにつけておく「通学用」と、それ以外の「外出用」の複数個を用意しておくのがお勧めです。

【登下校の防犯対策】4.不審な車には「接近しない」「逆の方向に避難」

細い道路

PIXTA

――子どもを連れ去る手口について、教えてください。

瀬戸:パターンとしては、主に「無理やり引っ張る」「誘い文句で騙す」というものがあります。ひと気のないところに停車している車や、ノロノロと低速度で走る車には注意しましょう。不審な車には「接近しない」こと、そして危険を感じたら車の進行と逆の方向に避難するのが鉄則です。

ご家庭では、大人が車内から手が伸ばせる距離を確認し、どこまで離れる必要があるかを子どもに教えておくとよいと思います。

【登下校の防犯対策】5.子どもを騙す手口に注意!声をかけられたら「断る」よう指導を

登下校中の子ども

PIXTA

瀬戸:「誘い文句で騙す」手口には、主に以下の4パターンがあります。

子どもを騙す手口パターン

・子どもの興味のあるもので誘う
→「好きなものを買ってあげる」「可愛い猫がいるから見においで」「タレントにならない?」など、関心のあるもので誘惑する
・ハプニングを装う
→「家族が倒れて救急車で運ばれた」など、緊急事態を装い、冷静な判断力を失わせる
・親切な大人を装う
→「雨が降っているから車に乗せてあげる」など、子どもが困っているところにつけ込む
・困った大人を装う
→「子犬を一緒に探して」「道に迷ったから案内して」など、子どもの親切心につけ込む

一般的に、子どもは“断る”のがすごく苦手です。しかし、上記のパターンに遭遇したときにはきっぱり断ることが大事ですので、親子でどのように答えればいいか練習をしておきたいですね。知らない人と話し込み、距離を詰められるのも危険です。あいさつ程度なら別として、自分に近づいて来ようとする見知らぬ人から声をかけられたらすぐに“一定の距離を取る”よう指導することもお勧めしたいです。

【登下校の防犯対策】6.持ち物に名前を書くときは、他人から見えない場所に

ランドセルを背負った子ども

PIXTA

瀬戸:「知らない人についていかない」というのは口酸っぱく言われていると思いますが、「知らない人」という定義自体に曖昧なところがあると思います。例えば子どもがふいに名前を呼ばれた場合、「知っている人かな」と思い、ついていってしまうケースも考えられます。「名前を呼ばれたからといって、知っている人と判断してはいけない」と言い聞かせることが重要。また、最近は配慮する学校も多いですが、「目につくところに名前を書かない」ことも大事です。

一方で、連れ去りの3割は「顔見知り」の犯行という事実もあります。それぞれのご家庭で、「OK」「NG」パターンの線引きをしておく必要があるでしょう。

おわりに

防犯意識を身に付けさせることとは、「何が危険で、どうしたらその危険から身を守ることができるのかを自分で判断する力を養うこと」です。これは、一朝一夕で身に付くものではありません。日々の小さな積み重ねによって定着していくものですので、日ごろから防犯について話し合う習慣をつけていただきたいなと思います。

また、犯罪などの被害に遭っても、恥ずかしさや「叱られる」との思いから相談できずに抱えてしまう子もいます。日頃から子どもの変化をよく観察するとともに、子どもが相談しやすい空気づくりを心がけてください。

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公開日:2016.9.7

最終更新日:2024.1.8

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