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【料理研究家に聞く】さつまいもを甘くする調理と保存の方法とは?

自然な甘みが美味しいさつまいも。大人も子どもも大好きですよね。さつまいもは、ほんのちょっとの工夫で、家庭でもさらに甘みを引き出せる食材です。さまざまなメディアで活躍中の人気料理研究家、きじまりゅうたさんから教わった、おすすめの保存方法やさつまいもを甘くする調理方法についてご紹介します。

最終更新日:2024.1.29

目 次

甘いさつまいもが食べたい!

さつまいも

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秋の味覚の代表格といえば、さつまいもですよね。さつまいもには、さまざまな品種があり、品種によって甘みに差があります。また、保存方法や調理方法によっても甘みに個体差が出る野菜です。
家庭でもさつまいも特有のねっとりとした甘みを引き出すことができる、効果的な保存方法や調理方法をご紹介します。

さつまいもの甘みのメカニズム

さつまいもの収穫

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実は、収穫直後のさつまいもにはあまり甘みがありません。さつまいもの主成分であるデンプン質は、さつまいもの収穫後から酵素による分解がはじまり、糖質(ショ糖)に変わります。さつまいもは収穫してから時間を置くことで、少しずつ甘みが増していきます。

また、調理方法によってもさつまいもの糖度が変わります。さつまいもは、調理開始直後から高温で調理すると糖化が起こりづらく、甘みが感じられない場合もあるそうです。

さつまいもの甘みを引き出す温度と調理方法

さつまいものデンプン質を分解する酵素「βアミラーゼ」が働くには、デンプンが糊化している必要があります。βアミラーゼの糊化が始まるのは、60~65℃くらいの熱が加わってからだそうです。
一方で、βアミラーゼは75℃以上になると、活動できなくなるとも言われています。そのため、うまくβアミラーゼを働かせるためには、およそ65~75℃くらいの温度での調理が適していると言われています。

石焼き芋が甘いのはなぜ?

蒸し芋にすると甘みがあまり感じられない場合はありませんか? さつまいもの甘みを引き出すには、調理方法も関係します。蒸し芋は水分量が増えるため甘みがぼやけることがあります。一方で焼き芋にすると甘みをより強く感じるのは、さつまいもを焼くと水分が抜けるため甘みが濃縮されるからです。

また、自宅のオーブンなどで焼き芋を作っても甘みをあまり感じられないのは、先述した温度が関係します。
オーブンでは急激に温度を上げて調理するため、βアミラーゼの働きを生かしきれないということがあるようです。ゆっくり加熱する石焼き芋では70℃前後の温度が長時間保たれるため、デンプン質がより糖化し甘みを引き出すことができます。

監修協力:一般社団法人さつまいもアンバサダー協会

【料理研究家・きじまりゅうたさんに聞く】さつまいもを甘くする保存方法

さつまいも

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「さつまいもは冷蔵庫に入れてはいけない」と聞いたことはありませんか? さつまいもは、通気性の良い冷暗所で保管するのが理想的です。また、1本ずつ新聞紙に包んで保存すると長持ちします。しかし、納戸やパントリーなど、さつまいもの保存に適した場所があるご家庭は少なくなってきているので、通気性の良い冷暗所が用意できないご家庭もありますよね。

冷蔵庫内でも新聞紙にくるんだうえで野菜室に保管すれば、甘みを引き出すことができるそうですが、料理研究家のきじまりゅうたさんおすすめの「さつまいも保存方法」を教えていただいたのでご紹介します。

きじまさんおすすめのさつまいも保存方法とは?

きじまさんは、いも類(じゃがいも、さつまいも、里芋)の保存には、通気口の空いたフタ付きの陶器を利用しているそうです。通気口があるフタ付きの陶器は、暗さと通気性が確保できるので、いも類の保存に適しているのだそう。素焼きの壺も通気性が良く、おすすめとのことです。

暖房器具の前や日当たりが良すぎる場所は避ける必要がありますが、好きな質感やデザインのフタ付きの陶器を選べば、お部屋やキッチンのインテリアにもなじむので、ぜひ真似したい保存方法ですね。

ただ現在では、農家の方が貯蔵して、しっかり甘みを引き出してから出荷するケースがほとんどとのこと。ご家庭で保存して甘みを引き出すよりも、調理法を工夫して、食べたい時に食卓で楽しむのがおすすめだそうです。

【きじまさん直伝!】さつまいもの甘みを最大限に引き出す調理方法

フライパン

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きじまさんにご家庭でも真似できる、さつまいもの甘みを最大限に引き出す調理方法を教えていただきました。

【きじまさんおすすめの調理方法】さつまいものフライドポテト

  1. さつまいもを大きめのサイズにカットし、揚げ鍋にいれ、油を注ぐ
  2. 冷たい状態の油にさつまいもを投入し、弱火で加熱する
  3. さつまいもに火が通ったら完成


揚げ物をする際、油が温まるまでの間にさつまいもを投入して、一品増やす感覚とのこと。ねっとりとした甘みもほくほく感もある、さつまいものフライドポテトが完成しますよ。表面をパリッとした食感にしたい場合は、最後に180∼190℃くらいの高熱の油で二度揚げしましょう。
そのままフライドポテトとして食べてもよいですし、大学いもや中華風の炒め物にもアレンジできます。

さつまいもの甘みを引き立てる調理方法

コンロのグリルで「焼き芋」を作る

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さつまいもの甘みを引き出すには「じっくり加熱する」こと。石焼き芋の調理方法は理にかなっているのですね。でもご家庭でさつまいもを石焼きするには、手間も労力もかかります。そこで簡単にできる調理方法をご紹介します。

コンロのグリルで簡単! 「焼き芋」の作り方

  1. さつまいもを水洗いした後、アルミホイルで包みます。
  2. ガスコンロの「両面焼きグリル」に入れ、およそ10分~20分間焼いてから、グリルの余熱を使ってそのまま少し放置します。(加熱時間はさつまいもの大きさや形、量によって異なります)


○さつまいもの大きさにより、焼き時間は調整してください。
○直径3cm以下のものにしてください。太い場合は縦半分にし、アルミホイルで包み、なるべく間隔をあけて並べ、焼いてください。
○ガスコンロ(グリル含む)使用時は、換気扇を必ずつけましょう。

※片面焼きグリルで焼く場合
両面焼きグリルで焼く場合の設定時間の約半分が経過したところで、食材を裏返します。様子を見ながら逆の面を焼きます。(機種によって異なりますが、片面焼きグリルはトータルの焼き時間が少し長くなる場合があります)


さつまいもの真ん中に竹串を刺し、すっと通れば焼き上がり。
たったこれだけで、美味しい焼き芋が作れます! ぜひ試してみてくださいね。

バリエーションいろいろ! さつまいもを楽しむレシピ

「ふわふわ蒸しパン」

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甘いさつまいもは、おかずにもスイーツにもなり重宝しますよね。ウチコトでは、さつまいものおいしさをたっぷり味わえるレシピをご紹介しています。ぜひ試してみてください。

おわりに

秋の味覚さつまいもは、保存や調理の方法次第で、家庭でもさらに甘くできます。
きじまさんに教えていただいた調理方法や、東京ガスの人気レシピを参考に、さつまいもを楽しんでくださいね。


きじまりゅうたさん 取材箇所:【料理研究家・きじまりゅうたさんに聞く】さつまいもを甘くする保存方法 /【きじまさん直伝!】さつまいもの甘みを最大限に引き出す調理方法
一般社団法人さつまいもアンバサダー協会 代表理事 橋本亜友樹さん 監修個所:さつまいもの甘みのメカニズム

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  • この記事取材先プロフィール

    きじまりゅうた

    料理研究家

    きじまりゅうた

    祖母と母が料理研究家という家庭に育ち、幼い頃から料理に自然と親しむ。
    男性のリアルな視点から考えた「若い世代にもムリのない料理」の作り方を提案している。現在は多数のテレビ番組へのレギュラー出演をはじめ、WEB・雑誌上でのレシピ紹介や、東京ガスの料理教室をはじめ、料理教室やイベント出演などを中心に活動している。「きょうも明日も炒めもの」 (学研プラス) 「ズドン! とウマい やっこ豆腐」 (永岡書店)など著書多数。

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  • この記事監修協力

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    一般社団法人さつまいもアンバサダー協会

    代表理事 橋本亜友樹氏
    監修箇所:【さつまいもの甘みのメカニズム】

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公開日:2016.11.11

最終更新日:2024.1.29

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