安くて便利な「こんにゃく」。どのように保存していますか?
食べ応えもあり腹持ちする「こんにゃく」は、様々な料理に活用できる優れもの。
価格も安いので、スーパーの特売でついつい購入しがちですよね。アレンジ自在で便利な食材ですが、きちんと保存ができないとすぐに劣化してしまうことも・・・。
保存状態によっては、長期の保存が可能な「こんにゃく」。ここからは、こんにゃくをきちんと保存するためのコツについて、一般財団法人 日本こんにゃく協会の方に伺いました。
【保存方法の前に】そもそも、こんにゃくの材料って何?
こんにゃくの原材料は、「こんにゃく芋」というサトイモ科の球茎です。
こんにゃく芋はデリケートな作物で、こんにゃくの材料となるまでに2〜3年かかるそうです。収穫後も腐りやすく保存が難しいため、大昔、こんにゃくはこんにゃく芋が採れる秋限定の食品でした。
1700年代に、こんにゃく芋を乾燥させて粉にした「精粉(せいこ)」からこんにゃくを作る製法が発見され、精粉は保存が可能なことから一年を通してこんにゃくが食べられるようになったと言われています。
現在は、精粉に石灰水を加えて固める製法が一般的ですが、この製法が発見されるまでは、生もしくは茹でたこんにゃく芋をすりおろして作られていたようです。
【保存方法の前に】新鮮なこんにゃくを選びましょう
こんにゃくは古くなると水分が抜けるため、弾力がなくなり、食感が固くなります。保存による劣化を減らすためにも、購入するときは新鮮なこんにゃくを選びましょう。ポイントは、さわった時に弾力があって見た目にハリがあるものです。
【こんにゃくの保存方法】こんにゃくを開封する前
こんにゃくを買った後、そのまま冷蔵庫に入れて保存する人が多いのではないでしょうか? 実は、こんにゃくの製品によっては、常温で保存できるものもあるんです。
「直射日光、高温多湿を避けて保存」と書いている商品は、直射日光が当たらなければ冷蔵庫ではなく常温で保存できます。こんにゃくは、昔は日持ちしないものでしたが、今では殺菌や包装などの保存技術が発達したため常温保存でも大丈夫だそうです。ただし、メーカーや製品によって適切な保存方法が異なるので、表示をしっかり確認しましょう。
なお、常温保存で良いのは未開封のこんにゃくです。開封したこんにゃくは、次の方法で保存します。
【こんにゃくの保存方法】こんにゃくを開封した後
こんにゃくが余ってしまったら、袋に入っていた「封入水」とこんにゃくを容器に入れて、表面が乾かないようにラップして、冷蔵庫で保存しましょう。こんにゃくが余りそうだと思ったら、封入水を捨てずに別容器に入れておくと良いですね。
こんにゃくと一緒に袋に入っている封入水は、アルカリ性の水です。この水は殺菌作用があるので、こんにゃくの日持ちを助けてくれます。そのため、余ったこんにゃくを保存するときは、封入水を捨てずに使った方がいいと言われています。
ただし万が一、封入水を捨ててしまっても大丈夫。封入水よりも傷みやすくなりますが、水でも代用できるようです。容器にこんにゃくと水を入れた後に、ラップをして冷蔵庫で保存しましょう。
保存したこんにゃくは使う前に傷んでいないか確認し、早めに使い切るようにしましょう。
【こんにゃくの保存方法】こんにゃくを茹でた後
茹でたこんにゃくは冷蔵庫に保存して、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
【こんにゃくの保存方法】こんにゃくは冷凍できるの?
こんにゃくは冷凍保存した後に解凍すると、スポンジのような穴が空き食感もボソボソと硬くなります。
冷凍前の弾力ある食感には戻りませんが、スポンジ状になることから煮汁が染み込みやすく、通常のこんにゃくとは違う「お肉のような食感」が楽しめます。こんにゃくをあえて凍らせる「凍りこんにゃく」という料理もありますよ。
冷凍保存したこんにゃくの活用術には、お肉のような食感を利用して、から揚げや酢豚、細切りにしてきんぴらにする、などの方法があります。
余ったこんにゃくは冷凍保存して、別の料理にアレンジすると、レパートリーも増えてお得ですね。
冷凍こんにゃくの作り方
1. こんにゃくを好みの大きさに切る、もしくは、丸ごと保存容器に入れて密閉して冷凍する
2. 自然解凍するか、流水で解凍する
3. キッチンペーパーで水気を切って、料理に入れる
保存したこんにゃくを美味しく食べるための下ごしらえは?
せっかく上手に保存したこんにゃくは、できるだけ美味しく食べたいですよね。ここでは、調理方法別にこんにゃくを美味しく食べるための下ごしらえを紹介します。
和え物・炒め物
こんにゃくを鍋に入れて、中火でかき混ぜながらから炒りします。そうすることで、こんにゃくの身がしまって食感が良くなり、味がなじみ易くなるのだとか。
煮物・汁物・みそ漬け
1. 乾いたまな板に水気を取り除いたこんにゃくを置いて、まんべんなく塩または砂糖をふる
2. めん棒で軽く叩いて、水分を外に出す
【こんにゃくの豆知識】こんにゃくの体に嬉しい役割とは?
弾力性と歯ごたえがあるこんにゃくは、噛む回数が増えるので食事に満足感が得られて、食べ過ぎを防いでくれます。また、カロリーが低いのに食べ応えがあるので、料理のかさも増やしてくれますね。
【こんにゃくの豆知識】東西でこんにゃくの色が違う!?
こんにゃくには「白い」ものと「黒い」ものがあることをご存知ですか?
こんにゃくの色の違いは、こんにゃくの原料でこんにゃく芋を粉末状にした「精粉」によるもの。精粉で作るこんにゃくは白色になります。
精粉が登場する前は、生芋からこんにゃくを作っていたため、芋の皮などにより黒色のこんにゃくだったそう。
精粉を使った製造が主流となる今でも黒色のこんにゃくがあるのは、昔ながらのものに似せるため、海藻粉末を混ぜて作っているからです。
おわりに
独特な食感のこんにゃくは、料理に少し入れるだけでもアクセントになります。ちょっとだけ使いたい時に、開封後の正しい保存方法を知っていると便利です。開封したこんにゃくを保存するときは、早めに使い切るように心がけてくださいね。
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