更新日: 2017年09月19日
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上手に甘えさせるのが鍵!? 教育研究家に聞く「幼児期の男の子の正しい育て方」とは?

「男の子の育て方」は、女性であるママにとって悩ましいテーマの一つかもしれませんね。ママには理解が難しい行動に、どうしたらいいのか途方にくれることもあるのでは? そこで今回は、幼児期の男の子の育て方について、教育研究家の征矢里沙さんにご紹介いただきました。

幼児期の男の子の育て方、何に気をつけたらいいの?

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女性であるママにとって、「男の子」の育て方は永遠のチャレンジですね。

私は子どもが二人とも男の子ですが、その行動特性は、明らかに私よりパパに似ている・・・と思うことがあります。でも、それがこの子だけの個性なのか、性別からくる特性なのか分からなくて、悩む方も多いと思います。

今回は、「幼児期(0歳~5歳頃)の男の子の育て方」についてご紹介します。

【幼児期の男の子の育て方】「男」と「女」の違いを理解する

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男の子は、ママにとってはれっきとした「異性」です。そう言うと大袈裟なようですが、男女の身体に生まれつき違う部分があるように、男女の脳も違います。

性機能は第一次性徴から顕著にあるので、大きくなるにつれて男女差が広がるというイメージもあるかと思います。でも、性機能以外の「男の子」と「女の子」の行動の違いは、むしろ、理性が育っておらず本能行動の強い幼児期の方が、顕著に表れるという説もあるそうです。

「男の子」「女の子」の違いあるある

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教育実習を通して、幼児の男女差を観察した学生の研究論文があります。

ママから見ると「あるある」という感じで面白いのですが、幼児期からの男女差の一例として、その一部に「→」で簡単な解説を加えてご紹介します。

【男の子】の特徴

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・自転車に乗って遊ぶ子が多い
 → 自分を速くするものが好き

・広告紙を使って武器を作る
 → 自分を強くするものが好き

・滑り台、うんてい、鉄棒遊びが好き
 → 思い切り身体を動かすのが好き

・石を集めるのが好き
 → 収集癖がある

・読み聞かせの際に前に近づいてくる
 → 興味があると周りが目に入らない

・食事中に席を立つ子が多い
 → じっとしているのが苦手

・(工作で)セロハンテープを大量に使う
 → 手先を細かく使うのが苦手

・図鑑が好き
 → 人より、モノや他の生き物に興味がある

【女の子】の特徴

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・お菓子の交換をよくする
 → 甘い物が好き

・おままごとが好き
 → 室内遊びが好き

・身支度の作業が早い
 → 行動が速やかに切り替えられる

・色塗りの時の色の配色や塗り方が上手
 → 色彩の識別能力が高い

・折り紙が好き
 → 手先を細かく使うのが得意

・絵本の挿絵を見ながら自分でストーリーを作って読む
 → お話が好き

・よくおしゃべりをする
 → 人に興味がある

・好き嫌いの喧嘩が多い
 → 人間関係が密で違いに敏感
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こうして見ると、男の子の行動の多くは、原始時代からの狩猟本能ではないか・・・とも思われる行動が多いことがわかります。

もちろん個人差も大きいですし、いわゆる「男脳・女脳」の研究でも「中間脳」という分類があったり、男性でも女性的な脳を持っている人が一定の割合いますし、もちろんその逆もあります。

ただ、大きな傾向としては、男の子は身体を動かすことが好きで、人よりモノに興味がある。手先が比較的不器用で、熱中すると周りが目に入らない、という特徴がありそうです。

【幼児期の男の子の育て方】「甘えさせる」と「甘やかす」を分ける

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「男の子は甘やかしてはいけない」という話を聞くことがあります。
確かに男の子だけでなく、全ての子どもにとって「自立」は大切な課題です。

ただし、一つ気をつけたいことがあります。
それは、「甘えさせる」と「甘やかす」の違いを知ることです。

○「甘やかす」とは?

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「甘やかす」というのは、一言で言えば「過保護」です。
子どもが自分でできる・やろうとしていることに手を出す(過干渉)、「お菓子食べたい」「おもちゃ買って」などの物質的な欲求をそのまま受け入れる、といったことです。

ゼロにするのは難しいかもしれませんが、甘やかすのはほどほどにしておきたいものです。
特に、手出し・口出しをしすぎると、子どもは反発したり、やる気がなくなったり、親の顔色ばかり見たりするようになります。

それが極端に進むと、爆発して非行や家庭内暴力等に走るケースもあるそうです。
犯罪を起こしてしまった大人が、幼少期に、虐待や育児放棄(ネグレクト)ではなく、親からの「過干渉」を受けていたという事例も多くあると言われています。

○「甘えさせる」とは?

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一方、「甘えさせる」というのは、一言で言うと「手助け」することです。

子どもがどうしてもできないことを手伝ってあげる、「抱っこして」「話を聞いて」などの情緒的な欲求を受け止めてあげる、といったことです。ここで言う「どうしてもできないこと」とは、能力だけではなく精神的にできないことも含みます。

この「甘えさせる」というのは、言い換えれば「甘え(=愛情を求めること)を、受け止める」ことです。これはいくらやってもいい、子どもの成長にとって必要なことだと言われています。

これを「甘やかしてはいけない」と突き放すと、子どもは「僕は愛してもらっていない」と感じてしまい、自分の存在に自信がなくなって、結果としてかえって自立できなくなってしまうそうです。
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特に、10歳まではたくさん「甘えさせる」ことが大切だと言われています。
10歳までに、親にたっぷり甘えを受け止めてもらった子どもは、自分に対する信頼と人に対する信頼がしっかり育ち、自然と自立していけるそうです。

この「甘やかす」と「甘えさせる」の違いを見極めるのは、難しいときもあります。でも、どっちだろう? と、その都度立ち止まって考えることが大切なのではないでしょうか。


参考:明橋大二「子育てハッピーアドバイス」「子育てハッピーアドバイス2」、1万年堂出版、2005~2006

【幼児期の男の子の育て方】うんち! おしっこ! おちんちん! への対応

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ママを悩ませる「男の子らしい行動」の一つ。それは「お下品」な言葉が大好きなこと!
うちの息子も「うんち! おしっこ! おちんちん!」と、大声で叫んでは大爆笑。どんなに機嫌が悪くても、「うんち」と言ってあげれば爆笑するくらい大好きです。

この傾向が幼児期だけではないのは、小学生向けの「うんこ漢字ドリル」が大ヒットしたことからも分かります。

○なぜ男の子は「うんち」「おしっこ」「おちんちん」が好きなの!?

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この理由は諸説ありますが、その一説は、精神分析の始祖フロイトが提唱している「肛門期」です。

1~3、4歳頃から、子どもはうんちをすることが「気持ちいい」ということを覚えて好きになるそうです。また、お腹の中にあったうんちは身体の一部として捉えているので、うんちを無意識に「外の世界への贈り物」と考えているとか。
こんな深層心理が、うんちへの愛着となっているのかもしれません。

なお、5~6歳は「男根期」と呼ばれ、男女の身体の違いに気づいたり、「おちんちん」に特に興味を持ち始める時期と言われています。

また別の説として、親や周りの大人が反応しやすい言葉なので、「この言葉はすごい」と思ってしまう、とも言われています。親が大げさに嫌がったり笑ったりすると、余計に面白がって言うようになることもあります。

○TPOをわきまえれば大丈夫

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この時期にこうした言葉に興味を持つのは、健全に発達している証です。
やたらと言いたがるのも一時期のことなので、興味を持ったり言葉を発するのを禁止する必要はありません。

基本的には、「はいはい」と流して放っておくこと。
また、公共の場所や静かな場所では、「家ではいいけど、ここではやめようね」と、しっかり言い聞かせてやめさせたり、やめないようなら他の場所へ連れて行くといった「TPO」を教えることが大切です。

TPOをわきまえるのなら好きにして、としばらく様子を見てみましょう。
成長とともに色々な世界を知り、他にも興味の対象が増えてくると、自然と固執しなくなるそうです。

○「おっぱい大好き」への対応

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もう一つ、ママを悩ませるのが、男の子の「おっぱい大好き」。
女の子に比べて、男の子の方が卒乳が遅い傾向があったり、おっぱいに執着しやすい、というのはよく聞く話です。

赤ちゃんのような小さいうちならまだしも、もう体も大きい子にべたべたされると、「この子、大丈夫かしら・・・」とちょっと心配になりますよね。

でも、幼児のうちはおっぱいに触るのは授乳の延長で、スキンシップの一環。決して「スケベ心」ではないそうです。基本的には、うんちおしっこと同じで、家ではいいけど外ではダメだよ、とTPOを教えることが大切です。
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ただ、ママ自身が、どうしても触られるのが嫌なときもあります。
そういうときは、「ママがどうしても嫌だからやめて欲しい」ときちんと伝えてみましょう。

そのときに、「そんなことしちゃダメ」「他の子はもうこんなことしてないよ」などと一方的に一般論的に言うのではなく、「ママはおっぱい触られたくないの」と、「自分」を主語にして伝えるとよいそうです。

子どもは基本的に、親に喜んで欲しい、悲しませたくないという気持ちが強いので、本気で伝えれば理解してくれるはずです。

でも、スキンシップを求めているなら、それを満たして「甘えさせて」あげることは大切です。代わりにぎゅうぎゅう抱っこする時間を増やしたり、「お腹」や「二の腕」など、触ってもいいところを提案するとよいかもしれません。

【幼児期の男の子の育て方】「リスク」と「ハザード」を分ける

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もう一つ、男の子を育てるときに気をつけたいことがあります。
前章でご紹介した通り、男の子は身体を動かすことが好きで、熱中すると周りが目に入らなくなるという傾向があります。そのため、女の子よりも「怪我」「ケンカ」「事故」等、危ない目に遭う確率は高いようです。

しかし、「甘やかす」のところでお伝えした通り、何でも親が先回りして、危険や困難が一切ないようにしてしまうと、それは過保護であり、過干渉になってしまいます。自分で判断したり、危ないことを避けたり、力加減をする能力が育たなくなってしまう可能性もあります。

○「リスク」と「ハザード」の違いとは?

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そこで考えたいのが、「リスク」と「ハザード」を分けて考えること。これは、以前取材した、自然体験活動を中心に保育をしている団体の方に教えていただいたことです。

日本語ではどちらも「危険」と訳されますが、「成長のために必要な、挑戦に伴う危険」=「リスク」、「成長につながらない、致命的な危険」=「ハザード」、と呼び分ける考え方があるそうです。

「リスク」の例は、走って転ぶ、ちょっとした虫に刺される、友達と喧嘩する、など。
「ハザード」の例は、高所から転落する、有毒生物に噛まれる、天災に巻き込まれる、などです。

「リスク」は、あえて避けずに、できるだけ見守ることが大切ですが、「ハザード」は大人の責任として、しっかり防止策を立てるべきだそうです。

○「小さな勇者」を見守る勇気を

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危険はなるべく避けなきゃと思いがちですが、小さな怪我(リスク)を体験することで、自分で危険を避ける力が育ちます。
大人にとって、手を出さずに見守るのは度胸がいりますが、そうして子どもが積み重ねる経験が、「生きる力」につながります。

避けるべき「ハザード」への対策の立て方も、例えば「高いところは登らない」と禁止するのではなく、落ちても大丈夫なマットを敷く、ヘルメットをかぶる、大人と一緒のときだけ登ると約束するなど、少しでもチャレンジできる形にしてあげられると良いですね。

もちろん、崖など絶対に危ないところは禁止すべきですが、できるだけ「ハザードをリスクにしていく」ことが必要かもしれません。

女の子は「賢者に習おうとする」そうですが、男の子は「勇者になりたがる」そうです。
ママから見ると「なんでわざわざ危ないことするの!?」と思うこともありますよね。
でも、成長に必要な「リスク」はあえて避けないというママの勇気も、ときには大切かもしれません。

おわりに

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「幼児期(0歳~5歳頃)の男の子の育て方」についてお伝えしました。
子どもの行動は個人差が大きいですし、ここに書いた「男の子の行動」をあまりしないからといって、逆に心配する必要はありません。
「甘えさせる」と「甘やかす」、「リスク」と「ハザード」などは、女の子にも共通する話です。
その子がその子らしく、元気に成長していける力を育ててあげられたらいいですね。


参考:東京福祉大学 卒業研究レポート「幼児の行動と脳機能における男女差について-幼稚園・保育所実習を通して-」(2013,3)

ライター紹介

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征矢里沙
・『生きる力』をはぐくむ教育研究家
・NPO法人いきはぐ代表

子ども達の『生きる力』をはぐくむという観点から、様々な教育を研究。大学卒業後、社会人経験を経て、NPO法人いきはぐを設立。全国100ヶ所以上の学校・幼稚園・保育園等を実際に訪問して取材をするなど、『生きる力』をはぐくむ教育を広めるために活動。現在、1歳と4歳の男児二人の母としても奮闘中。

ホームページ:NPO法人いきはぐ

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