更新日: 2017年12月27日
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【教育研究家に聞く】子どもを早く寝かせたい! 早寝をさせる7つのコツ

現代は、子どもの寝る時間が遅くなっている、と言われています。子どもにとって適切な就寝時間は何時くらいなのでしょうか? また、どうしたら早く寝かせられるのでしょうか。幼児~小学生の子どもの理想の就寝時間や、早く寝かせる方法について、教育研究家の征矢里沙さんにご紹介いただきました。

【子どもを早く寝かせるには】今どきの子どもの就寝時間・起床時間は?

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現代の子どもは寝る時間が遅くなっている、ということが一時期盛んに言われていました。
実際に、今どきの幼児~小学生の子ども達は、何時頃に就寝して何時頃に起きているのでしょうか?

ママの努力!? 「早寝早起き」の子どもは増えている!

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実は、子どもの就寝時間・睡眠時間は、一時期は遅くなったものの、最近はまた早まっているという結果が様々な調査によって出ています。

日本小児保健協会の「幼児健康度調査」によると、夜20時以前に就寝する「早寝」の幼児(1~5・6歳)の割合は、1歳児の場合、1990年の21%から、2000年には9%に下がりました。

しかしその後、2010年度の調査では、24%にまで上がっています。
2~6歳児についても、1990年ほどではないにせよ、2000年に比べると増加傾向にありました。
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また逆に、夜22時以降に就寝する「夜更かし」の幼児の割合は、1~3歳児については2000年では非常に多くなっていました。しかし、その後の2010年度の調査では大きく減少しています。

たとえば、最も「夜更かし」割合の高かった2歳児では、41%(1990年)→59%(2000年)→35%(2010年)、と大きく変化しています。4~6歳児についても、2000年に比べると大幅に少なくなっています。

また、起床時間については、朝6時代に起きる「早起き」の子どもが全体的に増えて、9時以降の遅い起床が減っていることも分かりました。

参考:日本小児保健協会「平成22年度幼児健康度調査報告」
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同じく、小学生の就寝時間についても、一時期よりも早くなっていることが分かっています。
内閣府の「平成25年版 子ども・若者白書」によると、2006年の調査と比べて、2011年の調査では、小学生(10歳以上)の平均就寝時間が22:02から21:57に早まっています。
起床時間も6:44から6:38に早まっています。

参考:内閣府「平成25年版 子ども・若者白書(全体版)」


一時期、子どもの就寝時間が遅いことが大きな問題になりました。
そのため、行政や教育関係機関が危機感を持って指導した結果、各家庭でも意識が高まって、「早寝早起き」を意識したのではないかと考えられます。

【子どもを早く寝かせるには】睡眠不足だと何が問題なの?

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では、就寝時間が遅いことは、なぜそんなに問題なのでしょうか?
現在でも、22時以降に寝る子どもは20~30%います。学研教育総合研究所「小学生白書2016年9月調査」によると、小学生で23時以降に寝る子どもも2割近くいます。

厚生労働省の調査では、母親が働いている家庭では母親の労働時間が長いほど、22時以降に就床する子どもの割合が多いこともわかっています。親のライフスタイルによって子どもの睡眠も大きな影響を受けているようです。

寝る時間が遅いと、どうしても睡眠不足になりがちだったり、生活が不規則になりがちです。その影響として、「居眠り」「抑うつ」「イライラ」「不安」などは、大人も経験から想像できると思います。

それだけではなく、幼少期の睡眠不足について、ちょっと驚きの研究結果を2つご紹介します。

参考:学研教育総合研究所「小学生白書2016年9月調査」
参考:厚生労働省・e-ヘルスネット「子どもの睡眠」

脳の発育に影響がある!?

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睡眠不足の影響について、学力が低下するということがよく言われています。
眠くて授業に集中できない、記憶力が低下する、というのはもちろんですが、それだけではなく、「脳の発育」に影響があるという研究があります。

現・国立青少年教育振興機構の理事長鈴木みゆき氏の、2002年の研究によると、睡眠時間が不規則な子どもは、規則的な子供に比べて、5歳児の発育の目安とされている「三角形模写」ができない割合が多いことが、統計学的に分かったそうです。

これは認知能力に関係しているそうで、5歳の段階で脳の発育に差が出てしまう可能性があるようです。

参考:子どもの早起きをすすめる会「三角形を描けない子ども達」(聖徳大学短期大学部保育科 鈴木みゆき)

成長してから太りやすい!?

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また、「睡眠不足だと太りやすい」という調査結果もあります。

富山大学の研究では、1992年4月~94年3月に3歳児健診を受けた子供のうち、中学1年生の2002年6月に追跡可能だった5520人について、3歳時点の睡眠時間と、中学1年時の肥満の関係を調べました。

その結果、3歳時点の睡眠時間が短いほど、中1時点での肥満率が高かったことが分かったそうです。

睡眠には新陳代謝を促す役割があるため、睡眠不足が肥満につながりやすいほか、小さい頃からの生活習慣・生活リズムが肥満にしていると考えられます。


参考:富山大学大学院 富山スタディ  小児期からの生活習慣病予防

【子どもを早く寝かせるには】年齢別、子どもの理想の就寝時間は?

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それでは、「理想」の睡眠時間はどれくらいなのでしょうか。理想の睡眠時間にはさまざまな見解があります。

2016年に米国睡眠医学会は「Journal of Clinical Sleep Medicine」に、乳児~高校生向けの推奨睡眠時間のガイドラインを次のように発表しています。

●生後4~12ヶ月: 12~16時間(昼寝を含む)
●1~2歳: 11~14時間(昼寝を含む)
●3~5歳: 10~13時間(昼寝を含む)
●6~12歳: 9~12時間
●13~18歳: 8~10時間


なお、2015年に「アメリカ睡眠財団」から発表されている睡眠の基準は以下の通りです。

●0~3ヶ月: 14~17時間
●4~11ヶ月: 12~15時間
●1~2歳: 11~14時間
●3~5歳: 10~13時間
●6~13歳: 9~11時間
●14~17歳: 8~10時間


また、厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠指針2014」においては、健常人の睡眠時間を以下のように示しています。

●10代前半まで: 8時間以上
●25歳: 7.0時間
●45歳: 6.5時間
●65歳: 6.0時間

朝起きる時間やお昼寝の時間、個人差にもよりますが、たとえば幼児~小学生で6~7時に起きて欲しいなら、20~21時には寝かせてあげたいですね。


参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」

子どもを早く寝かせるための7つのコツ

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では、子どもを早く寝かせるにはどうしたらよいのでしょうか。
早寝のためには、「布団に入るのを早くする」ことと、「寝つくのを早くする」ことの2つが必要です。
子どもに早寝をしてもらうための、7つのコツについてご紹介します。

1. 夕飯を【20分以内】で作れるようにする

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まずは、夕方から寝るまでの間のスケジュールを前倒しすることが必要です。

最も難関なのは「夕飯」です。特に働いている方が、仕事から帰って夕飯をいちから作ると、どうしても夕飯の時間が遅くなってしまいますよね。

休日に作り置きや下ごしらえをしておいたり、ご飯は炊いて冷凍しておくなど、手際よく作る工夫で時短できるかもしれません。家族で協力して作ることも、時短方法の一つです。
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また、最近では「宅配の料理キット」にも様々な種類があります。こうしたサービスを利用すれば、下ごしらえが済んだ食材を煮たり焼いたり炒めるだけで、栄養バランスの取れた料理ができます。その時間もないときは、宅配のお弁当やスーパー等のお惣菜を利用する手も。

もしも手作りがあまりできなくても、親が一緒に食卓を囲んで食べられれば、子どもにとっては素敵な夕食です。
家庭の状況に合わせた方法でうまく時短して、まずは夕飯の時間を早めましょう。

2. お風呂は就寝の【1~2時間前】に

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次の難関はお風呂です。
お風呂は、就寝の「1~2時間前」に入ると眠りやすいと言われています。
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東京ガス調べ
このグラフは、就寝前後の深部体温(体の内部の体温)を示すものです。
深部体温が下がると、深い睡眠を得ることができますが、就寝前に入浴を行って深部体温を一度上げておくと、入眠時に体温が下がりやすくなり、寝付きやすくなります。
このために、お風呂は就寝の1~2時間前に入浴を済ませておくとよいと言われています。

場合によって、夕飯の前にお風呂に入れたり、夫婦で分担して夕飯の準備中に子どもをお風呂に入れる、などの工夫も。
また、熱すぎるお湯に入ると覚醒しやすくなるため、お湯の温度は40℃以下がおすすめです。

参考:東京ガス都市生活研究所「快適バスライフのすすめ」

3. テレビ・スマホ・ゲーム等は就寝【2時間以上前】にオフ

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テレビ・スマホ・ゲーム等は、寝かせる2時間以上前には終わりにしましょう。
内容で興奮してしまう、ということもありますが、ディスプレイの光に含まれる「ブルーライト」に問題があります。
このブルーライトは日光にも含まれているもので、身体を目覚めさせるホルモン(セロトニン)の分泌を促し、睡眠を促すホルモン(メラトニン)の分泌を抑制してしまう作用があるそうです。

寝るどれくらい前にやめたらよいのかは諸説ありますが、子どもであれば2時間以上前には終わりにしておきたいところです。

4. 【決まった時間に起こす】を続けて体内時計を調整

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夜なんとか布団には入れるようになったけど、なかなか早く寝付かない・・・
そんなときは、寝る時間が何時になっても、とにかく「決まった時間に起こす」ことを続けて、子どもの体内時計を調整しましょう。

一時的には睡眠不足になるかもしれませんが、起きる時間が早くなれば、夜は自然と眠くなるリズムができます。

5. 日中は【日光と運動】をたっぷりと

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早く起こすことができたら、日中は「日光」をたくさん浴びさせて、「運動」をたっぷりさせてあげましょう。運動はスポーツなどでなくても、遊んだり散歩するなどで十分です。

身体を目覚めさせるホルモン(セロトニン)は、こうした日光や運動によって分泌されます。このセロトニンを材料にして、睡眠を促すホルモン(メラトニン)が作られるそうです。

日中にしっかり目覚めていれば、夜はホルモンの作用で眠くなるはずです。

6. 遅くなった日は【とにかく寝かせる】優先で

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用事があって特に遅くなってしまったり、土日などお出かけをして遅くなってしまったときは、とにかく寝かせることを優先するのがおすすめです。

食事は必要としても、お着替えやお風呂は、一晩くらいしなくてもさほど問題にはなりません。それよりも、きちんと睡眠を取らせる方が大切だと言われています。

土日なども、なるべく平日と同じリズムをキープするのが理想ですね。

7. 毎日【寝る前の儀式】を繰り返す

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「寝る前にいつもすること」を作って、毎日繰り返すと、子どもは「これをやると眠くなる」という習慣がつきやすくなります。
音楽をかける、子守唄を歌う、絵本を読む、お話をする、などなど。

最近私が使っているのは、FeBeというオーディオブックの「おやすみロジャー」という「眠れる絵本」の朗読音声です。
Bookimg 出典:http://www.asukashinsha.jp/oyasumi-roger/
以前は自分でお話をしていたのですが、自分も一緒に眠たくなってしまうと、だんだん話が途切れてしまい、子どもが寝付かないときは「寝ないで!」「お話は!?」と怒られて辛い・・・ということがありました。

そんなときにも、プロの朗読音声は便利だと感じています。
30分ほど続く朗読で、聞かせるとだいたい途中で寝ています。
自分と子どもが心地よいものなら、何でもいいと思います。
何にせよ、毎日繰り返しやることで「儀式」のようにし、「これをやると眠たくなる」という回路を脳の中に作っていくことが大切です。

おわりに

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幼児~小学生の子どもの理想の就寝時間や、早く寝かせる方法についてご紹介しました。
子どもに合った睡眠時間の長さについては個人差もあるので、子どもの日中の様子を見ながら、寝かせる時間や起こす時間を調整してみて下さいね。

ライター紹介

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征矢里沙
・『生きる力』をはぐくむ教育研究家
・NPO法人いきはぐ代表

子ども達の『生きる力』をはぐくむという観点から、様々な教育を研究。大学卒業後、社会人経験を経て、NPO法人いきはぐを設立。全国100ヶ所以上の学校・幼稚園・保育園等を実際に訪問して取材をするなど、『生きる力』をはぐくむ教育を広めるために活動。現在、1歳と4歳の男児二人の母としても奮闘中。

ホームページ:NPO法人いきはぐ

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