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メロンパン

目からウロコのパン作り!「ポリパン®」~Vol.5 おやつパンの王様! 一番簡単なメロンパン

「ポリパン®」レシピ連載5回目はおやつパンの王様メロンパンが登場! ポリパン®の生みの親、梶晶子さんからおうちで手軽にできるとっておきのレシピを教わりました。ポリパン®なら作り方はいたってシンプル。材料をそろえたら難しいことを考えずにパン生地とクッキー生地を別々のポリ袋に入れてフリフリ! するとあら簡単、サクサクふわふわのパン専門店にも負けない本格的なメロンパンが焼き上がりますよ。

最終更新日:2023.5.26

目 次

クッキー生地もパン生地もポリ袋にお任せ! サクふわメロンパン

クッキー生地もパン生地もポリ袋にお任せ! サクふわメロンパン

uchicoto

ポリパン®レシピ連載5回目は待望のメロンパンです。
パン生地の上にクッキー生地を乗せて、サクサクふわふわの両方の食感が楽しめる、言わずと知れたおやつパンの王様です。焼きたての甘い香りはそれだけで幸せな気分になれそうです。

今回もおうちでできる一番簡単なメロンパンレシピをポリパン®の生みの親、天然酵母パン工房&ナチュラルフードスクールhappyDELI代表梶晶子さん(以下、梶さん)に教えていただきます。なんとパン生地とクッキー生地のどちらもポリ袋で作ってしまいます。みるみるうちにメロンパンの形にできあがっていく様子は驚きの連続ですよ。

「パン生地とクッキー生地の両方にバターを加えてリッチで芳醇なパンに仕上げました。バターが入る生地はこれまでと少し手順が違うので、しっかりと予習してから始めてくださいね」(梶さん)

生地にバターが入るパンはこの連載では初めてですね。ポリパン®の世界がますます広がりそうです。基本はいつもと同じ工程ですので肩の力を抜いて挑戦してみてください。

そして、今回はパンだけでなく、スイーツへの展開も! 
「パンと同じ要領でいろいろな種類のスイーツを作ることができます。手軽なだけでなく、実はポリ袋でフリフリすることがとても理にかなった方法なんです」(梶さん)

パン作り以上に調理道具を大量に使うのがスイーツ作り。ポリパン®なら鬱陶しい洗い物からも解放されそうですね。後章のスイーツレシピは要チェックです!
 
それでは材料をそろえて、フリフリスタートしましょう!

メロンパン作りスタート

メロンパン

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最初に材料と道具をチェックしましょう。  
クッキー生地にもポリ袋を使用します。バターを加える生地では、粉を振る用とバターを練る用にポリ袋が2枚必要です。パン生地、クッキー生地のどちらのにもバターが入る今回のレシピでは、ご用意していただくポリ袋は合計で4枚です。他に、レモンの皮をするためにおろし器があると便利です。 

材料(5コ分)

材料(5コ分)

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左がパン生地、右がクッキー生地の材料です。
卵はそれぞれの生地に1/2個分を加えるので割りほぐしてから半量にしましょう。クッキー生地をサクサク食感にするためにバターは冬は常温、夏は冷蔵庫から取り出したばかりのものを使用してください。

「クッキー生地にはレモンの皮を少々。なければ入れなくてもいいですが、爽やかな香りがアクセントになるので出始めの青いレモンや完熟した黄色いレモンなど、その時売り場に並んでいるものを使ってくださいね。クッキー生地に入る砂糖は上白糖の方が仕上がりの色がきれいですよ」(梶さん)

【パン生地】

  • 強力粉・・・100g
  • 薄力粉・・・50g
  • 牛乳・・・65g 
  • 卵・・・25g(1/2個分)

※牛乳と卵を合わせて90gになるように

  • ホシノ天然酵母パン種の生種・・・12g(大さじ1)
  • バター・・・20g
  • 砂糖・・・15g(大さじ1・1/2)
  • 塩・・・2g(小さじ1/3)


【クッキー生地】

  • 薄力粉・・・75g
  • 卵・・・1/2個分
  • バター・・・25g
  • 砂糖・・・35g
  • レモンの皮(すりおろし)・・・適宜 
  • グラニュー糖・・・適量


※ホシノ天然酵母パン種の生種の作り方はこちら

Vol.1のイングリッシュマフィンの回でもご紹介した通り、ポリパン®はホシノ天然酵母パン種の生種を使うのがおすすめではありますが、インスタントドライイーストを使っても作ることができます。以下にその分量をご紹介しておきます。

  • ゆっくり発酵させたい場合:インスタントドライイースト・・・小さじ1/20 (0.15g)
  • 早めに発酵させたい場合:インスタントドライイースト・・・小さじ1/4(0.75g)

いずれの場合も、もともとの水分量に、甘酒大さじ1か、水10gを足したものに、インスタントドライイーストを振り入れ、2~3分ふやかしてから混ぜて使います。

用意するもの

用意するもの

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  • ポリ袋・・・4枚
  • スケッパー
  • 密閉容器(小・大)
  • バット
  • ラップ
  • フライパン用アルミホイル
  • めん棒
  • ゴムベラ
  • ハサミ

【パン生地】バターが入る生地作り~一次発酵まで

バター用、粉類用の2枚のポリ袋を用意します。生地作りのポイントは2つです。
まずは砂糖を粉類とバターの袋へそれぞれ半量ずつ加えること。もう一つは2つの袋を混ぜ合わせる順番です。バターが入った袋に粉類を加えましょう。そしてバターがまぶされた粉に水分を加えます。フラワーバッター法という製法で、さっくりした食感のパンになります。これさえ押さえておけば難しいことはありませんよ。

パン生地の準備1

生地作り~一次発酵まで1.2

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ポリ袋を2枚用意する。一方に粉類と砂糖の半量を加える。

パン生地の準備2

軽くフリフリ!

パン生地の準備3

生地作り~一次発酵まで3

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もう一方の袋にバターを加える。バターは冬は常温で戻したもの、夏は冷蔵庫から出してすぐの状態が〇。

パン生地の準備4

生地作り~一次発酵まで4

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クリーム状になるまで手でしっかりとするように揉む。布巾をゴシゴシ洗う要領で。

パン生地の準備5

生地作り~一次発酵まで5

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砂糖の残り半量を加え、さらにすり混ぜる。

パン生地の準備6

生地作り~一次発酵まで6

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袋の内側面にバターと砂糖がくっ付いた状態でOK。

パン生地の準備7

生地作り~一次発酵まで7

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振っておいた粉類をバターの袋に加える。

パン生地の準備8

生地作り~一次発酵まで8

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袋の口を右手でしっかりと持ち、袋の角を左手でつまんで、しっかりとフリフリする。

パン生地の準備9

生地作り~一次発酵まで9

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全体が混ざった様子(粉にバターがまぶされた状態)。

パン生地の準備10

生地作り~一次発酵まで10

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水分(牛乳、卵、ホシノ天然酵母パン種の生種)をあらかじめ混ぜ合わせておく。

パン生地の準備11

生地作り~一次発酵まで11

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牛乳と卵を混ぜたものを粉の袋に加える。

パン生地の準備12

生地作り~一次発酵まで12

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さらにしっかりとフリフリする。

パン生地の準備13

生地作り~一次発酵まで13

uchicoto

材料が混ざり合った様子。他のパン生地のように袋の側面は透明にならないので要注意。

パン生地の準備14

  • 生地作り~一次発酵まで14

    uchicoto

  • 生地作り~一次発酵まで14

    uchicoto

    袋の側面に残った生地をまとめるように掴み、ひとかたまりにする。

    パン生地の準備15

    生地の完成。袋の口を指2本分余裕を持たせて縛り、一次発酵へ進みましょう。約3倍に膨らんだら完了です。

    【クッキー生地】生地作り

    「ポリ袋の中で粉をフリフリすることが、粉をふるう工程の代わりになります。バターと粉を合わせてフリフリすると専門用語いうところのサブラージュという工程の代用になります。これは粉とバターを手ですり合わせること。慣れないと難しい作業ですがポリ袋だとこれが簡単にできてしまうのは発見でした」(梶さん)

    本来ならばお菓子を作る上でちょっと苦戦してしまいそうな作業が、ポリ袋でできてしまうということですね。しかも、調理道具をほとんど必要としないので洗い物が最小限になり、手も汚れません。

    クッキー生地の準備1

    袋を2枚用意する。一方に粉類と砂糖半量を入れ、一方にバターを入れる。

    クッキー生地の準備2

    〈クッキー生地〉生地作り2

    uchicoto

    バターをよく揉んでクリーム状にする。

    クッキー生地の準備3

    〈クッキー生地〉生地作り3

    uchicoto

    バターの袋にレモンの皮と砂糖の残り半量を加えて揉み込む。粉類はフリフリしておく。

    クッキー生地の準備4

    〈クッキー生地〉生地作り4

    uchicoto

    バターが入った袋へ粉類を加える。袋の口を閉じて軽くふる。

    クッキー生地の準備5

    〈クッキー生地〉生地作り5

    uchicoto

    卵を加えて再度フリフリする。

    クッキー生地の準備6

    〈クッキー生地〉生地作り6

    uchicoto

    あらかた混ざったら側面に残った生地を袋の外側からスケッパーでまとめてひとかたまりにする。

    クッキー生地の準備7

    30gずつ5つに分割したら、丸めて冷蔵庫で30分寝かせる。

    【パン生地】分割~二次発酵

    メロンパンではベンチタイムは取りません。一次発酵が終わったらすぐに分割して成形しましょう。

    「二次発酵では生地の乾燥防止のために密封容器を利用します。分割した生地が入ればどんなサイズでもOKです。ひとつに入りきらなければ2~3個に分けてもいいですよ。ただ、2倍に膨らむことを想定してスペースに余裕を持たせてくださいね」(梶さん)

    パン生地の分割~二次発酵1

    〈パン生地〉分割~二次発酵1

    uchicoto

    袋の側面と底辺をL字にカットして開き、スケッパーで生地を5等分する。手やスケッパーに打ち粉をしてから生地に触ると扱いやすい。

    パン生地の分割~二次発酵2

    〈パン生地〉分割~二次発酵2

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    手に打ち粉を振って、1つを手に取り生地のきれいな面が外側になるように上から下に半分にたたむ。

    パン生地の分割~二次発酵3

    〈パン生地〉分割~二次発酵3

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    90度に回転させてから、再度上から下にハンカチをたたむようにさらに半分にたたむ。

    パン生地の分割~二次発酵4

    〈パン生地〉分割~二次発酵4

    uchicoto

    つるんとした面を上にして左手に乗せ、生地の表面が張るように右手で生地を下に巻き込んでいく。

    パン生地の分割~二次発酵5

    〈パン生地〉分割~二次発酵5

    uchicoto

    裏側のお尻をつまんで閉じる。残り4つも同様に成形する。

    パン生地の分割~二次発酵6

    • 〈パン生地〉分割~二次発酵6

      uchicoto

    • 〈パン生地〉分割~二次発酵6

      uchicoto

      密封容器のふたにアルミホイルを敷いてから余裕をもたせて生地を置く。容器の本体を被せて二次発酵へ。約2倍に膨らんだら発酵完了。

      〈パン生地〉分割~二次発酵7

      uchicoto

      仕上げ~焼き上がり

      いよいよクライマックスです。パン生地とクッキー生地を組み立てて、皆さんがよく知るメロンパンの形を作り出します。

      「クッキーのサクサク食感を生かしたいので、生地はぺらぺらに薄く伸ばし過ぎないようにしましょう」(梶さん)

      仕上げ1

      • 成形~焼き上がり1

        uchicoto

      • 成形~焼き上がり1

        uchicoto

        クッキー生地をラップに挟んで、バットや鍋の底でつぶす。

        仕上げ2

        成形~焼き上がり2

        uchicoto

        めん棒で円の長径12cm位に整える。

        仕上げ3

        • 成形~焼き上がり3

          uchicoto

        • 成形~焼き上がり3

          uchicoto

          パン生地を用意し、バットにグラニュー糖を広げる。クッキー生地の片面にグラニュー糖を付ける。

          仕上げ4

          成形~焼き上がり4

          uchicoto

          グラニュー糖の付いた面を上にして、クッキー生地をパン生地の上にふわりとのせる。

          仕上げ5

          • 成形~焼き上がり5

            uchicoto

          • 成形~焼き上がり5

            uchicoto

            アルミホイルごとオーブン板にスライドさせる。

            仕上げ6

            焼き上げ。

            • ガスオーブンなら180℃予熱し、予熱完了後そのまま180℃で10~12分焼く。
            • 電気オーブンなら200℃で予熱し、予熱完了後そのまま200℃で12~13分焼く。

            オーブンの性能によって、焼き時間、焼き温度は変わります。


            成形~焼き上がり6

            uchicoto

            キュートな姿に焼き上がりました! 粗熱が取れるとクッキー生地が落ち着いてサックリとした食感に変わりますよ。 

            もっとポリパン®が好きになる! スイーツ作りにトライ

            メロンパンの上の生地を焼いたクッキー

            uchicoto

            メロンパンの上の生地はそのまま焼けばクッキーになります! 

            1. クッキー生地をバットの底で9mm厚さに四角く伸ばし広げて、包丁で9等分します。
            2. お好みでグラニュー糖を振ります。
            3. ガスオーブンなら予熱なしで170℃で予熱し、そのまま170℃で15分。電気オーブンなら予熱180℃、180℃で焼き色を見ながら15分焼きます。

            作ってみて気付くのがボウルや粉ふるいなどの調理道具をほとんど使わずにキッチンがすっきりとしていること。気が重い片付けから解放されるのはもしかしたら一番うれしいポイントかもしれませんね。

            「私のおすすめはパウンドケーキです。ポリパン®ならシュークリームだって難しくないし、カスタードクリームまでできてしまいますよ」(梶さん)

            ここでは紹介しきれないレシピはまだまだたくさん。気になる方は梶さんの本を手に取ってみてくださいね。

            ガスオーブンなら、クッキーもケーキもお手のもの!

            ガスオーブンは炎の力で燃焼するため、火力が強く、短時間で中まで火が入ります。そのため、クッキーやケーキのようにバターの風味を大切にしたい時や、さっくりとした食感を感じたい時は断然ガスオーブンがおすすめです。また、短時間で焼くことができるのでスイーツ作りでも時短調理が叶うのもポイントですね。

            おわりに

            手軽さのイメージが先行してしまうポリパン®ですが、全ての作業が理にかなっていることを分かりました。それがパン作りだけではなく、スイーツ作りにまで応用できるとは、今までのスイーツ作りの概念がいい意味で覆されました。特にクッキーはこれから何度も作りたくなるレシピですね。

            次回は、アウトドアでも大活躍する茹でパンを作ります。ぜひお楽しみに!

            • この記事取材先

              梶晶子

              天然酵母パン工房&ナチュラルフードスクール「happyDELI」主宰

              梶晶子

              ポリ袋で作るパン、ポリパン®考案者。2004年東京・三鷹で天然酵母パンとヘルシースープの店を開店。店舗販売、通信販売、移動販売、卸売の傍ら、天然酵母パン教室をスタートさせ人気を呼ぶ。2012年より東京・西荻窪に拠点を移しパンカフェやパン・発酵教室をメインに活動中。東日本大震災後から支援活動も積極的に行っており「東北応援ハッピーデリプロジェクト 笑顔を届けよう!」と題して被災地各地でポリパン®を通じた支援を行う。
              2018年より一般社団法人ポリパンスマイル協会を設立。「食べる喜び、作る幸せ、つながる笑顔」をモットーに、笑顔の魔法ポリパン®を通して、孤立防止、地域のつながりつくり、防災時の食と心のケアなどを提案している。パン製造技能士一級、防災士、発酵プロフェッショナル。
              著書に「ポリパン! ポリ袋でつくる、オーブンのいらない世界一かんたんなパン」(学研プラス)、「ポリ袋でかんたん! 甘酒&酒粕でつくる天然酵母パン」(河出書房新社)などがある。

              天然酵母パン工房&ナチュラルフードスクール「happyDELI

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            公開日:2023.5.26

            最終更新日:2023.5.26

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