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【教育研究家に聞く】マタニティマークの配布はどこで? もらえる場所と種類

妊婦さんが身につける「マタニティマーク」。母子手帳と一緒に貰えることも多いですが、電車などで、自分とは違うタイプのものを見かけることもありますよね。マタニティマークの配布場所・入手方法と、種類について教育研究家・征矢里沙さんに取材いただきました。

最終更新日:2024.1.15

目 次

マタニティマークは何のために配布されてるの?

マタニティマーク

PIXTA

「マタニティマーク」は、特に外見からは分かりにくい初期の妊婦さんのために、周囲の人が配慮しやすくなるように、という目的で作られたマークです。

もともとは各地域や団体で異なるデザインが存在していていましたが、誰が見ても分かりやすくなるように、厚生労働省が2006年頃にデザインを統一して、配布を始めました。

マタニティマークの主な配布場所は?

マタニティマークの主な配布場所は、「自治体の窓口」と「鉄道会社の窓口」です。

自治体の母子保健の窓口

母子手帳とマタニティマーク

PIXTA

多くの自治体では、窓口で母子手帳を交付するときに、身につけられるマタニティマークを一緒に配布しています。

母子手帳を交付される時は、同時にいろんな書類を配布されることも多いので、きちんと確認しておきましょう。

自治体の母子保健の窓口

駅の改札口

PIXTA

電車などを利用する際に、「妊娠初期の場合は外見からは分かりにくいため、周囲の方に妊婦と気づいてもらえない」「外見から妊婦の方だと思っても、勘違いに対する恐れから席を譲ることができない」といった意見を踏まえて、鉄道会社がマタニティマークを無償提供しています。

駅事務室やお客様相談室で、ボールチェーン式のマタニティマークを無料で貰えます。妊婦本人だけでなく家族も配布対象のため、特に証明などが求められないことも。
改札で「マタニティマークを下さい」と声をかければ、案内してもらえますよ。

ちょっと違ったデザインのマタニティマークはどこで配布?

マタニティマーク

PIXTA

電車などで、「あれ、あのマタニティマーク、よく見るやつと違うな」と思うこともありますよね。

実はマタニティマークは、厚生労働省がマークを無償提供していて、マタニティマーク使用規定を守れば、誰でもデザインを自由にダウンロードして使用することができるのです。

持ち歩くカバンを変えるたびに付け替えるのは大変というときにも、いくつか持っておくと便利かもしれません。

雑誌の付録で人気のマタニティマーク

雑誌を読む

PIXTA

妊娠・出産情報雑誌の付録などでは、可愛く装飾されたマタニティマークのグッズがよく付いています。チャームやリボンやストラップなど、色々なタイプが作られています。

航空会社から貰えるマタニティマークも

飛行機

PIXTA

妊娠中に飛行機に乗る際は、妊娠中であることを申告すると、座席指定や優先搭乗など配慮が受けられる場合があります。

その際、カウンター等で自己申告すれば、航空会社オリジナルのマタニティマークが貰えることがあります。

※航空会社により、妊婦さんへのサービス内容は異なります。マタニティマークの配布については、ANAやAIRDOなど様々な航空会社で配布されています。ただし、JALは抽選制になっているなど、実施方法が各社異なります(2020年9月時点)。利用希望時は、事前に公式サイトなのでご確認下さい。

市販しているマタニティマークも

マタニティマークのキーホルダー

PIXTA

マタニティマークは市販されており、通販サイト等で買うことができます。

厚生労働省のマタニティマークは「営利目的での使用」は禁止されており、「実費相当分での販売のみ可」とされているので、比較的安価に買うことができます。

ちなみに、厚生労働省以外のデザインには特に規定がないので、オリジナルデザインで妊婦であることを示すマークが販売されていることもあります。

ただ、公共マークとして全国共通で知られているマタニティマークは、現在厚生労働省のデザインのみであることは覚えておきましょう。

手作りしてもOK!

手芸箱

PIXTA

厚生省のデザインデータは誰でも使用できるので、それを使って、自分で手作りすることもできます。自分で作れば、大きさや装飾、身に付け方も自由にできますね。

ただし、「マーク自体のデザイン改変」は、規約で禁じられています。
また、作ったグッズを営利目的で販売することもNGです。

マタニティマーク使用の注意点

周囲の人にやさしい心遣いを、という願いから作られたマタニティマークですが、使用上で注意するべきところもあります。

周囲への配慮が必要なときも

電車の座席

PIXTA

マタニティマークは、公共の場などで、誰でもその人が妊婦と分かるように作られたマークです。

ただ、公共の場には様々な人がいます。
例えば、不妊治療をしていて辛い気持ちの人や、妊婦さんに対してあまりいい感情を持たない人も、中にはいるかもしれません。

また、妊娠以外でも、見えない障害や体調不良を抱えている人もいます。

以前テレビ番組で、マタニティマークを付けた妊婦さんがトラブルに遭ったという話が取上げられ、話題になりました。

妊婦と気づけば気遣ってくれる人がほとんどであり、警戒しすぎる必要はありませんが、色々な事情の人がいて気遣い合う必要があるということも、頭に入れておくとよいかもしれません。

見せないとしても携帯することがおすすめ

お腹をさする女性

PIXTA

上記のこともあって、特に周囲に知られたくない場合は、マタニティマークを身につける義務はありません。

ただ、ぱっと見で見えなくても、こっそり携帯しておくことがおすすめです。
妊娠中は、予想外の体調トラブルが起る場合もあります。そうした緊急事態に、マタニティマークに気づいてもらえれば、適切な処置に繋がる可能性もあります。

同じ理由で、母子手帳も携帯しておくと良いでしょう。

マタニティマークと選べる!? 「ヘルプマーク」の配布

「ヘルプマーク」とは?

ヘルプマーク

PIXTA

マタニティマークとは別に、「ヘルプマーク」というものもあります。
外見では分からなくても、援助や配慮を必要としている方々が周囲の援助を得やすくなるようにと、東京都が2012年から配布を始めた、比較的新しいマークです。

このヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病等の方も対象となりますが、「妊娠初期の妊婦さん」も対象に含まれています。
ですので、妊娠初期については、マタニティマークではなく、こちらを選ぶことも可能です。

東京都発のマークですが、2017年に全国共通のマークとして、JIS(案内用図記号)に採用されました。
2020年5月時点で1道2府40県で導入されており、ヘルプマークの普及、認知度の向上も期待されています。

「ヘルプマーク」の配布場所は?

モノレールの改札口

PIXTA

東京都では、2020年9月現在、都営地下鉄の駅(一部の駅を除く)や、都内を走る私鉄やモノレール、都営バス等の駅事務室や営業所でヘルプマークを配布しています。

また、東京都心身障害者福祉センター(多摩支所を含む)、都立病院、公益財団法人東京都保健医療公社の病院等でも貰うことができます。

他の都道府県でも、ヘルプマークやヘルプマークと同様の意味をもつ「ヘルプカード」を配布しています。ヘルプカードを持っていたことで、災害時に役に立った事例もあるそうです。詳しくは以下のサイトでご確認下さい。

東京都「全国の普及状況(ヘルプマーク)」

また、自社の社員にヘルプマークを配布している企業もあります。全国共通のマークとして、配布場所も増えてきています。

おわりに

マタニティマークの配布場所や種類、使用時の注意点や、妊娠初期に使える「ヘルプマーク」についてもご紹介しました。
妊娠中は、何かと大変なことが多いもの。
体調が心配なときは、上手に活用できるといいですね。



参考:厚生労働省「首都圏の鉄道事業者20社局によるマタニティマークの配布等について」
参考:厚生労働省「マタニティマークについて」
参考:東京都福祉保健局「ヘルプマーク」
参考:東京都福祉保健局「ヘルプカード」
参考:東京都「ヘルプマーク」

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公開日:2016.10.1

最終更新日:2024.1.15

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