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ドイツで発見! インテリアに溶け込む最新のおしゃれキッチン6選

ドイツは世界で最もキッチンが発達した国と言われています。ヨーロッパの台所は、暖炉やキッチンストーブなど加熱する場所を中心に発達し、その周りに食器や道具を入れるキャビネット、洗い物をする桶や水の壷が置かれていました。この要素を一つにまとめたらもっと料理が楽になるのではと考えて生まれたのが「システムキッチン」です。ドイツのキッチン事情について、キッチンジャーナリストの本間美紀さんが取材してくれました。

最終更新日:2024.2.12

目 次

近代化キッチンの先駆け! ドイツの1920年代のインテリアキッチン

1920~1930年代のドイツのキッチン

Miki Honma

上の写真は1920~1930年代につくられたキッチンで、ドイツの近代化キッチンの先駆けと言われるモデルの一つです。このコンロは、中に焼いた薪を入れ、トップの鉄プレートを直火で熱するタイプです。

さて、そんな国のキッチンはいま、どんな風に進化しているのでしょう。
今回は、ドイツに行った際に見つけた、ちょっと変わったキッチンをお目にかけましょう。

ダイニングテーブルを省略!? オープンキッチンにテーブル配置

cosmo / rational

cosmo / rational

キッチンをオープン化して料理の場所とテーブルが一体化しているキッチン空間が、主流になりつつあります。

このモデルは、アイランドキッチンが左右に分かれてしまったような、変わったレイアウトですね。左では火を使う料理、右では水を使う作業をするようです。

ダイニングテーブルは省略され、キッチンに椅子が置かれています。キッチンのすぐ前はリビング的な空間になっています。

温かみあるデザインのオーストリア製キッチン

Loft / team7

Loft / team7

こちらはドイツのお隣、オーストリアのキッチンです。このメーカーは無垢の木や石を使った温かみあるデザインが特長です。

キッチンイメージ

Miki Honma

木目の入った木や石目調の壁はカントリー風にも見えますが、全体のデザインが直線的で、モダンでバランスがとれています。

温かみのあるデザインにはガスの炎がよく似合いそうです。

ブッチャーズブロック

Miki Honma

お肉をたたき切るようなブッチャーズブロックは、ヨーロッパのキッチンではよく見かけます。日本のまな板とはちょっと違った感覚ですね。
棚の一部がオープンになっているので、オイルや調味料をさっと手に取れます。

モノトーンのおしゃれデザイン! 東洋風のシンプルキッチン

zen / Rational

zen / Rational

「ゼン」という名前のキッチンも見つけました。

だいたいこういう名前がついている時は、東洋風のミニマル(最小限に抑えた表現法)なものであることが大半です。ということで、直線的で色も抑えたシンプルキッチン!

zen / Rational

Miki Honma

開けてみるとこうなります。取っ手がなくてもすーっと開く引き戸のような扉は、全体を見渡すことができて便利です。資料によると、これは日本庭園をイメージしてデザインされたとか。

徹底的に無駄を排除! ドイツのワゴン風キッチン

Concept kitchen / Naber

Concept kitchen / Naber

ドイツと言えば無駄も徹底して省く国。
こちらは必要最小限の要素でつくった自由なキッチンです。

モデルキッチン

Miki Honma

こちらのキッチン、日本人は好きなのではないでしょうか? シンプルなワゴンやシェルフのようなユニットをベースに、シンクや加熱部を組み合わせていきます。

収納は全部隠さないとイヤ、という人もいるかもしれませんが、私は自分の持っている道具が全部見えていた方が使いやすいなあ、と思うタイプ。つい、こういうキッチンに惹かれてしまいます。

さて同じユニットをガーデン家具やオフィス家具として使うこともできるそうです。そもそもキッチン用として重い鍋や食器、水や熱を使っても頑丈につくられているので、他の用途でも十分に対応できるのです。

高齢者にも! 車椅子に乗って片手でも作業できるキッチン

Chopchop / Dirk biott

Chopchop / Dirk biott

同じようにシンプルに見えて、実は奥が深かったのがこちらのキッチン。
実はこれ、体の不自由な方や高齢の方をサポートしてくれるキッチンです。

ベルリンの若手デザイナーがデザインした試作モデルで、彼の90歳のおばあさまとの暮らしから着想を得たそうです。握力が弱い、手が伸ばせないなど、健常者には当たり前のことが大変だったりします。その解決になるのがこのキッチンです。

パンカットのイメージ

Miki Honma

デザイナーが実際に体に重りを付けたり、片腕だけで食事をしたり、車いすにのって作業をしてみて、その体験から機能を開発したそうです。

調理台はそのままカッティングボードになり、パンをくぼみにおさめれば、パンを切ったり片手でバターが塗れる・・・と説明がありました。

はめ込まれたグレーター

Miki Honma

はめ込まれたグレイターなら、抑える力は確かに要りませんね。
引き出しになった野菜受けがユーモラス。

シンク

Miki Honma

洗いものも手元に引き寄せたホースで・・・。お皿を持ち上げなくても、水流を当てればいいのです。

シビアな目で見れば、本当に使えるの? と思うところはありますが、このキッチンはあくまでもトライアル。キッチンそのものが道具化することで、料理をあきらめていた人にもその楽しさを広げることができる。そんな気持ちに心を動かされました。

いずれのキッチンも、機能を重視しながらもデザインは美しい。そんなキッチンの数々には本当にいつも感心してしまいますね。

キッチンはリフォームでも素敵に

おしゃれで使いやすいキッチン、憧れてしまいますね。
新築でなくても、リフォームで素敵なキッチンを取り入れることもできます。

キッチンリフォームについて気になる方は、リフォーム・リノベーション専門会社にぜひご相談ください!

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  • この記事ライター

    本間美紀

    キッチンジャーナリスト

    本間美紀

    早稲田大学卒業後、インテリアの専門誌の編集部を経てインテリアやキッチン、暮らしに関する執筆、編集で活動中。日本国内や海外のキッチンライフを取材し、「パーフェクトキッチン」「インターナショナルキッチンAtoZ」ほか、ライフスタイル系キッチンムックを刊行。2010年秋には「ザ・リアルキッチンガイド」を出版。

    ブログ:キッチンジャーナル「キッチンのこころ」

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公開日:2016.10.5

最終更新日:2024.2.12

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