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体温計の【実測式と予測式】はどう違う? 体温の正しい測定方法とは?

体温の測定は、もっとも身近な体調チェックの手段です。体温計には「実測式」と「予測式」の2種類があり、それぞれ測り方のポイントが異なります。意外と知らない体温のお話や正しい測定方法、体温計の種類について、テルモ株式会社にお聞きしました。

最終更新日:2024.1.8

目 次

37℃=発熱は誤解!? 実は個人差がある“平熱” 体温に関する基礎知識

体温計を見て頭を抱える女性

PIXTA

――「体温」を測る際、ワキや口などで計測するのはなぜですか?

テルモ(以下、テ):“体温を測る”とは、体内の温度を測ることです。皮膚の表面は、季節や環境などによる外気温の影響を受けるため、体温を測る場合は、外気に影響を受けにくい体内の温度を測る必要があります。人の体温は中心にいくほど高くて安定していますので、体に負担をかけずに簡単に検温できる場所として、ワキ(腋窩)、口(舌下)、耳、などが用いられています。

体の部位や、時間帯ごとでも体温は違います。耳とワキの温度も基本的には異なりますし、24時間単位の体温リズムがあるので、普通は1日のうちで早朝が最も低く、夕方が最も高くなります。同じ人でも測る場所や時間によって“平熱”が違いますので、あらかじめチェックしておくと、いざというときに、落ち着いて発熱を判断できます。

また、“37℃=発熱”と思われる方も多いようですが、これは水銀体温計の37℃を示す数字が赤かったことから生まれた、誤った常識。1957年に報告された東京大学の調査によると、健康な時の体温の平均値は36.89℃プラスマイナス0.34℃(ワキ下検温)。37℃が平熱という人も珍しくないんです。正しい測り方をすれば、37℃は発熱の目安というよりも、平熱の範囲内であることがわかっています。

真横はNG!ワキでの正しい測り方

体温計を見る

PIXTA

測る前の注意

・授乳や飲食、運動、入浴、外出のあとは、体温が高くなっている可能性があります。30分間ほど待ってから体温を測ってください。
・測る前には、必ずワキの汗はしっかり拭きとりましよう。

測定方法

1.ワキのくぼみの中央に体温計の先端をあてます(体温計の先を下から上にむけて、押し上げるようにはさみます)。

2.体温計が上半身に対し30度くらいになるようにしてワキをしっかり閉じます。ワキが密閉されるようにしっかり閉じ、ヒジをわき腹に密着させます。手のひらを上向きにすると、ワキがしまります。さらに体温計をはさんだ方のヒジをもう一方の手で軽く押さえます。真横や上から差すのはNG。先端がワキ下の中央に正しくあたらないために、温度が低く出てしまいます。

3.平衡温※になるまで、水銀体温計や実測式の体温計は10 分以上、予測式なら電子音がなるまでじっとしていましょう。測定中に体温計がワキから外れてしまった場合は、はじめから測りなおしになります。予測式では、すぐにくり返し検温する場合は、少し時間をあけてください。

※平衡温とは・・・ワキの温度は、しっかり閉じることで温まり、体の内部の温度が反映されます。十分に温まったときの温度を平衡温(へいこうおん)といい、これを測るのが正しい検温です。

正しい検温方法(ワキ)

正しい検温方法(ワキ)

提供:テルモ株式会社

実測式と予測式の違いとは? 電子タイプの体温計の種類を解説

電子タイプの体温計の種類の違い

提供:テルモ株式会社

――電子タイプの体温計には「実測式」「予測式」があるそうですが、どのような違いがありますか?

【実測式】=正しい測定には約10分

テ:「実測式」とは、昔からある水銀式の体温計と同じ仕組みで、体(部位)のその時の温度を測定、表示する方式です。この方式では、これ以上上がらない温度(=平衡温)になるまで測る必要があり、ワキで10分以上、口中では5分程度かかります。

【予測式】=統計データから予測する“二刀流”

テ:「予測式」は、実測式の欠点とも言える“測定時間”を短縮するもので、テルモは1983年に開発しました。多くの人の体温上昇データを元に、ワキであれば10分後の平衡温がどのくらいになるのかを予測し短時間で表示します。したがって、予測式体温計は、約20秒の短時間で正しい体温を測ることができるんです。忙しい時間帯や、お子さんの体温を測定したい時に便利だと思いますね。

「実測式」「予測式」の区別は、体温計の裏に表示しています。また、一般に予測式は、ピピッと鳴った後も測り続けると、自動的に実測式に切り替わります。

使用後はきれいに拭いて清潔に

消毒液

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――使用する上で気を付けたいポイントはありますか?

テ:繰り返しにはなりますが、ワキで体温を測る際は、中央のくぼみに体温計の先端があたるようにして、下から上に向けて挟みましょう。意外と知らない人が多く、「今までずっと横から挟んでいました」などとよく驚かれます。
また、続けて測定する際は、体温計の先端が温かい状態だと測定値が高くなることがあります。少し時間を空けるなどして先端を冷ましてから測定してください。

測定が終わったら、消毒用アルコールを染み込ませた脱脂綿で拭くなどして清潔に保ちましょう。また、かならずケースに収納して保管くださいね。

おわりに

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計測する部位や時間によっても異なる「体温」。自分の平熱を把握するには、同じ部位で起床時、午前、午後、夜の計4回体温を測り、時間帯ごとの平熱として覚えておくとよいそうです。正しい測り方で、体温計を健康管理に役立てましょう!

参考サイト:テルモ体温研究所
      テルモの体温計 

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公開日:2016.10.21

最終更新日:2024.1.8

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