【砂糖が固まる理由の前に】そもそも、砂糖の原料は?
砂糖は主に「さとうきび」か「てん菜」から作られることが多いです。
「さとうきび」はイネ科の植物で、日本では沖縄や鹿児島県の南西諸島など、温暖な地域で栽培されています。竹によく似た茎部分に糖分が含まれ、搾り汁から砂糖が作られます。
「てん菜」はアガサ科の植物で、ほうれん草と同じ仲間に属します。別名「さとう大根」とも呼ばれ、寒さに強いことから北海道などの寒冷地で栽培されています。
砂糖の成分のほとんどは「ショ糖」という糖質。さとうきびやてん菜から取り出したこのショ糖を結晶化して作られます。
砂糖が固まる理由とは?
家庭でよく使われる「上白糖」(白砂糖)が固まってしまうのは、「湿度の変化」が主な原因です。
上白糖は、原料から精製した砂糖の結晶に吸湿性の高い「転化糖」(糖液)が加えられて作られます。
もともと砂糖の結晶はくっつきやすい性質がありますが、転化糖(糖液)でコーティングすることで、砂糖の結晶同士がくっつくことを防いでいます。
乾燥により、転化糖(糖液)の水分が減ってしまうと、転化糖(糖液)の中の糖分が結晶化し、この結晶が砂糖の結晶同士をくっつけて塊となってしまうのです。
ちなみに、塩は湿気を吸収してしまうことで固まってしまいます。砂糖と塩の固まる理由は「湿度」が関係している点では同じですが、仕組みは全く違うんですね。
固まった砂糖を元に戻すためには
固まった砂糖を元に戻すためには、砂糖に「適度な湿気」を与えてあげることがポイントです。具体的にどのような方法があるのでしょうか?
霧吹きなどで水分を加える方法
密閉容器やポリ袋に砂糖を入れ、霧吹きで水を吹きかけて蓋をします。数時間置くと砂糖が水分を吸収して、ほぐれやすくなるそうです。
ただし、水を加えすぎると砂糖が溶けて固まってしまうことがあるので、少量から試してみましょう。
また、水で濡らしてかたく絞ったキッチンペーパーを入れる方法もあります。砂糖がほぐれたら、キッチンペーパーは取り出してください。
食パンを使った方法
固まった砂糖を取り出し、食パンと一緒に密閉できる容器内にいれておくと、食パンの水分を砂糖が吸収して柔らかくなります。
食パンをちぎったものを1~2切れ、砂糖の入っている容器に入れてもよいようです。
ただし、パンを入れっぱなしにしてしまうとカビが生じる可能性もあるので、5〜6時間で取り出すようにしましょう。
砂糖が固まるのを防ぐ保存方法とは
砂糖は温度や湿度の変化によって固まったりベタついたりしてしまいます。買った後は密閉容器に移し、急激な温度変化がある場所や直射日光を避けて保管しましょう。
また密閉容器に移した後は、なるべく早く使い切るようにしましょう。
おわりに
砂糖は普段の生活の中で使う機会が多い調味料ですね。使いたい時に固まっていたら困ってしまうもの。砂糖が固まってしまったら、ご紹介した方法をぜひ試してみてください。また、砂糖が固まらないように保存することも大切です。日頃から保管には注意してくださいね。
参照:農林水産省「砂糖のすべて」
参照:農畜産業振興機構「砂糖に関するFAQ」
参考:三井製糖「商品に関するよくあるご質問」