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かつお? 昆布? 煮干し? 料理を一層美味しくする「だし」の使い分け方とは?

普段の料理に欠かせない「だし」。かつお節や昆布などさまざまな「だし」がありますが、皆さんはどのように使っていますか? 使い分けていなかったり、なんとなく選びがちな「だし」ですが、それぞれの素材によって特徴や合う料理があります。今回は料理を一層美味しくする【だしの使い分け方】についてご紹介します。

最終更新日:2024.1.22

目 次

【だしの使い分け方の前に】そもそも「だし」とは?

だし汁

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「だし」は魚介や野菜など味の出る素材を水につけたり煮出すことで、うま味成分を抽出した液体です。

味には「五味」と呼ばれる5つの基本味があります。「だし」に含まれるうま味は、甘味、塩味、酸味、苦味に次ぐ第5の味覚といわれています。

うま味成分には、植物性の素材から取れる「グルタミン酸」、動物性の素材から取れる「イノシン酸」、しいたけに含まれる「グアニル酸」などがあります。

【だしの使い分け方】かつおだし

かつお節

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かつお節は、水揚げしたかつおの身をおろして煮熟(煮詰めること)し、骨抜きしたものを何度も燻し、乾燥を繰り返して作られます。燻すことでかつお節独特の香りが生まれます。
燻し終わったら、カビがつきやすくなるように表面を削り、カビ付けを行います。カビを付けることで、カビの成長の過程で内部の水分を吸収し、乾燥を助けると共に、微生物の働きによって発酵・熟成が進みます。

その後天日干し、カビの払い落とし、カビ付けを繰り返してさらに水分を抜いていきます。最終的にできたかつお節は、水分含有量が12~15%まで低下し、重量は約6分の1にまでなるそうです。

このように多くの工程を経て作られたかつお節は、豊かな風味とうま味を持ち、「イノシン酸」が豊富に含まれています。

かつおだしは、「すまし汁」や「茶碗蒸し」など、だしが主役の和食に向いています。

【だしの使い分け方】昆布だし

昆布だし

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昆布だしは上品で控えめなうま味を持ち、「グルタミン酸」が豊富に含まれています。
日本の昆布の約90%は北海道全域でとれるそう。昆布は産地によってさまざまな種類があり、特徴が異なります。主な昆布の種類と特徴をご紹介します。

真昆布(まこんぶ)

真昆布

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厚みがあり幅が広く、最高級の昆布と言われています。主に「だし昆布」や「佃煮」、「塩昆布」に使われます。上品な甘みをもつだしが取れるので、「お吸い物」などにおススメです。

羅臼昆布(らうすこんぶ)

羅臼昆布

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香りが良く黄色味を帯びた濃厚でコクのあるだしが取れます。「だし昆布」として使用する他、「佃煮」や「おやつ昆布」などに使われます。細切りにしてそのまま食べたり、「酢こんぶ」にするのも良いそうです。

利尻昆布(りしりこんぶ)

利尻昆布

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透明で風味の良い高級だしが取れ、「会席料理」などによく使われるそうです。「だし昆布」として使う他、「湯豆腐」などにもオススメです。

日高昆布(ひだかこんぶ)

日高昆布

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濃い緑に黒味を帯びた昆布で、柔らかく煮上がるので「昆布巻き」などに使われる他、「佃煮」や「おでん」などにも使われます。

【だしの使い分け方】合わせだし

合わせだし

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アミノ酸系(昆布などに含まれるグルタミン酸)の成分と、核酸系(鰹節などに含まれるイノシン酸)の成分を合わせることでうま味の相乗効果が生まれ、うま味が強くなると言われています。

昔の人々はこの相乗効果を感覚的に理解し、昆布とかつおの合わせ出汁は昔から使われてきました。素材の味を引き出すことができる合わせだしは、【幅広い料理】にオススメです。

【だしの使い分け方】煮干しだし

煮干しだし

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煮干しだしのうま味成分は、かつおだしと同じイノシン酸です。
煮干しだしは、かつおだしに比べて酸味が弱く、香りが強く濃厚な風味のだしが取れます。「みそ汁」や「麺類のつゆ」、「煮物」などに向いています。

そのまま使用したり、頭と腹わたを取り除いて苦味を抑えたりと、地方や料理によってさまざまな使い方があります。

【だしの使い分け方】しいたけだし

しいたけだし

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干ししいたけから得られるグアニル酸は、鰹節や煮干しと同じ核酸系に分類されます。

干ししいたけは、低温でゆっくり戻すとうま味がよく出ます。時間はかかりますが、水でゆっくりもどしましょう。香りとコクのある味わいになります。
急いでいるからとお湯などでもどすと、苦味が出てしまうことがあります。

干ししいたけのだしは、かつおや昆布とあわせることがほとんどです。独特な風味をいかし「煮物」「中華の炒め物」「炊き込みご飯」など、戻したしいたけ自体も一緒に料理に使うのがおススメです。

おわりに

様々なだし

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いかがでしたか? 和食に欠かせない「だし」。素材によって風味が異なり、それぞれに相性の良い料理があります。だしを上手に使うことで、いつもの料理がひと味違ったものになるかもしれませんね。料理やお好みに合わせて、ぜひ使い分けてみてくださいね。


参考:株式会社にんべん「鰹節が出来るまで」
参考:日本昆布協会「昆布の種類(昆布いろいろ)」

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公開日:2017.7.19

最終更新日:2024.1.22

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