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【はんこの種類の前に】はんこの歴史

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日本における印章の歴史は古く、千数百年前までさかのぼると言われています。現存する最古の印章は、漢の光武帝が倭の国王に贈った「漢委奴国王」とされる金印で、国宝にも指定されています。
本格的な印章制度が始まったのは、「大化の改新」で大宝律令と共に印章制度が制定された時からのようです。
【はんこの種類】個人で使うはんこ

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実印
実印とは、住民登録している自治体に登録申請し、受理され「印鑑登録」されている印をさします。実印は不動産取引や官公庁での諸手続きなど、重要な契約の際に必要となることが多いので、偽造が困難な手彫りのはんこがオススメです。また登録する自治体によってはんこの印面の規定がされているようなので、実印を作成する時はあらかじめ調べてから作ったほうがいいかもしれませんね。

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銀行印
銀行などで口座を開設する際に届け出を行ったはんこを「銀行印」といいます。預金口座の開設や小切手・手形の作成など金融関係で使うはんこなので、実印と同様に慎重に取り扱いましょう。認印
郵便物の受け取りなど、日常的に用いるはんこを「認印」といいます。実印や銀行印と比べて気軽に使用するイメージがありますが、印を押せば「承認」「確認」する行為であることに変わりはありません。注意深く扱ったほうがいいでしょう。
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シャチハタ
シャチハタとは、朱肉をつけなくても捺印できるスランプタイプのはんこのことです。シヤチハタ株式会社が販売したネームスタンプのことを「シャチハタ」と呼んでいます。一般的には、認印として使われています。
シャチハタの印面の素材はゴムなので劣化しやすいことや、インクは朱肉と比べて時間がたつと消えやすいことから、実印や銀行印、会社など正式な書類には使うことができません。
三文判
「三文判」とはホームセンターや100円ショップでも売っているプラスチック製の大量生産された出来合いのはんこです。一般的には認印として使われることが多いです。銀行印などに使えることもあるようですが、万が一のことを考えて契約時には避けたほうがいいかもしれません。書類などの認印に「シャチハタ」がNGで、「三文判」はOKになっていることが多いのは、「朱肉」の印が必要ということです。
【はんこの種類】会社で使うはんこ

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会社実印(法人実印、法人登記印)
個人の実印と同じように、企業は代表印を法務局に登録する必要があります。会社を設立した時や、代表者が変更した時に登記を行います。会社銀行印(法人銀行印)
会社銀行印とは、会社が銀行と取引するために届け出を行ったはんこです。財務全般で使用されます。角印(社印)
角印は個人の認印に相当するはんこで、その形から角印と呼ばれています。請求書や領収書などに使用します。【はんこの種類】趣味で使うはんこ

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落款印
落款印とは、自ら手がけた作品であることを示すはんこです。書や水墨画、日本画などの作品に使われます。蔵書印
蔵書印とは、本の所蔵を明らかにするためのはんこです。日本における蔵書印の歴史は、8世紀までさかのぼります。おわりに
用途によって、様々なはんこがありますね。はんこは「承認」「確認」の意思を示すもの。そのため、判を押す行為には責任が伴います。はんこの種類を間違えて余計な手間をかけてしまわないように、種類と使い方をきちんと理解しておきましょう。
この記事の監修者
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三浦康子
古を紐解きながら、季節の行事や生活の知恵など、今の暮らしを楽しむ方法をメディアにて提案。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『粋なおとなの花鳥風月』(中経出版)、監修書『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)、『おうち歳時記』(朝日新聞出版)ほか多数
三浦康子 和文化研究家
コピーされました
公開日:2017.8.4
最終更新日:2023.3.14
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