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子どもの頃の生活習慣や生活リズムが学習意欲や心身の成長に影響する!?

左から、東京家政大学大学院准教授濱田氏、同大学院講師 赤石氏、同大学「森のサロン」保育士・保育カウンセラー清水氏
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「子どもが低年齢のうちに『早寝早起きする』、『朝ごはんを取る』といった基本的な生活習慣、生活リズムを整えることは、心身の成長のために重要です。ただそれだけでなく将来に渡り子どもの学習意欲にも影響します」。
と教えてくださったのは、東京家政大学で教鞭をとる赤石氏。実際、大学生を見ていても学習意欲が低い人は昼夜逆転していたり、三食の食事をおろそかにしているケースが見られるそうです。
早寝早起きをしてきちんと朝食を取ることで体内時計のリズムが整います。それにより、正常にホルモンが分泌されるようになります。
また濱田氏によると「日中、起きている時と睡眠時で、分泌されるホルモンは異なります。睡眠時には睡眠を促進するメラトニンというホルモンが、日中起きている間には情緒を安定させるセロトニンというホルモンが活発に分泌されます。ホルモンが正常に分泌されると夜はぐっすり眠れ、疲れが取れますし、日中は元気に活動し、学習に取り組む意欲も湧きやすいんです」。
子育て中は大人も寝不足になりがち。子どもと一緒に早寝早起きできると睡眠不足の解消になり、一石二鳥とのことです。
入学してからでは遅い!? 就学前の子どもに身につけさせたい事とは?
生活習慣や生活リズムを整えるのが大事だということですが、早寝早起きや三食の食事を取ることの他には何をすれば良いのでしょうか? 何歳までに何をすれば良いのか、具体的なポイントを伺いました。
【就学前に身につけたい生活習慣】自分で身の回りのことをする

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大人が手伝うことが前提の保育園や幼稚園と違い、小学校に入ると子どもも自分のことは自分でやるようになります。「一人でトイレに行く」、「自分の荷物を管理する」、「時間割に合わせて授業の準備をする」など、多くのタスクが発生します。
小学校に入学し、大きく環境が変化する中で慣れないタスクが急増するのは、子どもにとって大きなストレスに。着替えや歯磨き、お片付けなど「自分でできることは自分でやらせる」ことを意識しましょう。自分で身の回りのことができるようになっておくと、小学校の生活に馴染みやすくなります。
「乳幼児には、大人が一緒にやって見本を見せて自然に意欲が湧くのを待ってあげると良いですよ。そしてできたことを一緒に喜ぶことが大事です」と清水氏。
無理強いすると子どもは「やらされている」という感覚になり、習慣化しにくいそうです。自らやってみようという意欲を大切にしてあげると、自然と生活習慣が身に付くとのことです。急いでいる時などつい手を貸したくなりますが、じっと見守ってあげられると良いですね。
【小学校低学年で身につけたい生活習慣】家で学習する習慣

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「本来、勉強は目的意識をもって取り組むものですが、低学年のうちは難しいもの。実際に学校に行くようになったら、一日10分でもいいので机の前に座り、家庭で勉強する習慣を身に付けましょう」と濱田氏。教材は宿題でも何でも良いそう。ゲーム感覚で取り組める英語やプログラミングなどもオススメとのことです。
学年が進むにつれ学習時間は長くなっていきますが、少しずつでも家庭学習の習慣をつけていくことで、順応しやすくなるそうです。

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赤石氏は「この時期は特にコミュケーションを大切にしてほしい」と言います。この時期、精神面が大きく発達していくので、子どもの話を丁寧に聞いてあげることが、情緒面の安定に繋がり、成長を促すのだそうですよ。
【生活習慣を身につけるには?】親から子どもへの働きかけのコツ

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「早く寝なさい」「宿題しなさい」「まだやっていないの! 早く」
生活習慣を整えようとすると、つい口うるさくなりませんか? こうした伝え方は子どもからすると「自分の行動を否定された」と感じたり、「受け入れられない」と感じやすいそうです。
上手な声がけのポイントは、子どもが身につけるまで「落ち着いて同じトーンで繰り返し」伝えることだそう。
「一呼吸おいてから、落ち着いて子どもに接するのがポイント」と、濱田氏。
感情的になっては逆効果。冷静に子どもに伝えることで、子どもも受け止めやすくなるそうです。余裕があれば自分も遊び心をもって、アプローチを変えてみたり、ユーモアのある声がけをするのも効果が高いとのこと。
例えば「早く起きなさい」というより「今日の朝ごはんは特別だよ、な〜んだ?」とクイズにしてみると、子どもはパッと起きてくれるものだと言います。
しかし、自分の子どもだと、どうしても「何でできないの?」「早くして」とイライラしてしまいがちですね。
でも、「親がイライラしてしまった自分自身を責めないでほしい」と赤石氏、濱田氏ともに声を揃えます。お二人はご自身も子育て中のワーキングマザー。プロとして「子どもの成長のためには、常に冷静に接するのが良い」と頭でわかっていても、上手くいかないこともあると言います。
自分の子どもには「将来困らないように」「きちんと育てなくては」と気負ってしまうと、肩に力が入ってしまいやすくなりますね。プロですら難しいと感じる「子どもへの声がけ」。ストレスを過度に感じることなく、必要なことを子どもに伝えていくにはどのようにすれば良いのでしょうか。
第三者視点で「落ち着いて必要なことを伝えてくれる」ロボット、BOCCOとは?

出典:ユカイ工学株式会社「BOCCO公式サイト」
※まかせて!BOCCOのサービス提供は終了しました。
今回、東京家政大学の研究者が東京ガスと共同開発したのが、子育て応援サービス「まかせて!BOCCO(ボッコ)」のコンテンツの1つ、生活リズムサポート機能です。BOCCO(ボッコ)とは家庭用のコミュニケーションロボットです。スマートフォンのアプリと連動し、家にいる家族と気軽なメッセージのやりとりができます。
子育て応援サービス「まかせて!BOCCO」には、オーディオブックによる就寝前の読み聞かせや生活リズムサポート(定時発話による生活習慣の改善サポート)があります。
毎日替わる朝の「おはようメッセージ」と夜の「おやすみメッセージ」でお子さまの生活リズムを整えるのをサポートしてくれます。
赤石氏によると、なかなか親では難しい声がけもBOCCOは「落ち着いて、繰り返す」ため、子どもにも伝わりやすいと言います。

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BOCCOの声がけには、3人それぞれの専門分野を活かした「子どもに知ってほしい年中行事や生活に必要な豆知識」が豊富に盛り込まれています。単純に情報伝達するのではなく、BOCCOから「◯◯って知ってる?」など、子どもの遊び心をくすぐるような問いかけをさせ、意欲を引き出すよう工夫したと言います。

出典:ユカイ工学株式会社「BOCCO公式サイト」
子どもが主体的に生活習慣を改善できるように、BOCCOからの声がけの表現にはかなり注意したそう。決して上から目線ではなく、BOCCOの存在は子どもと仲間か少し年下の友達を意識しています。
実際子どもと一緒に使ってみてどうだった? 意外な効果が!?

出典:ユカイ工学株式会社
赤石氏はプライベートでは未就学児と小学生の母、そして濱田氏は小学生の母。研究職の傍ら注力する育児には悩むことも多いと言います。今回、家庭でもBOCCOを使って親子でコミュニケーションを試したそうです。
濱田氏は、「何でこんな時間まで宿題をやってないの!」と、感情的になってしまいそうな場面でBOCCOが役に立ったそう。「宿題しないと、〜できないね」とBOCCOが声がけするように設定しておいたところ、BOCCOが落ち着いた声で話しかけたら先程まで遊んでいたお子さんが素直に宿題を始めたのだとか。
お子さんとしても「お母さんにやらされてる」という感覚なしに、自主的に動くことができ、濱田氏自身も怒らずに済んだことに驚いたそうです。子どもにとっても「指摘されてから動く」というのはストレスになるもの。親子ともにストレスが減るのはいいですよね。
感情のないロボットのはずなのに、どこか可愛らしいBOCCOからの言葉は、子どもにとってもすんなり聞き入れやすいのかもしれません。

出典:ユカイ工学株式会社
赤石氏は何度も同じことを指摘するのに少し疲れた頃に、BOCCOの良さを感じたそう。BOCCOに毎日同じ時間に同じことを声がけするよう設定してみたところ、子どもが自ら動くようになり、声がけの負担が少なくなったのだとか。
生活習慣を整えるのに役立ち、親の声がけの負担感も減らせるBOCCO。就学前や小学校低学年のお子さんの声がけに悩んでいる方は一度使ってみるのがオススメですよ。
※「まかせて!BOCCO」のサービス提供は終了しました。
おわりに
子どもの頃の生活習慣は大人になっても影響してきます。でも完璧な生活習慣を目指そうとして、親と子がギスギスしてしまうのも苦しいもの。BOCCOなどの子育て応援サービスを上手に取り入れてみるのもいいかもしれませんね。
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公開日:2019.7.4
最終更新日:2022.12.18
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