今回体験したのは、イオングループが提供する「カジタク(KAJITAKU)」の家事代行サービスの中の「整理収納サービス」の「片付け名人プラン」です。今回担当してくださったのは、カジタクの山口さんとつちやしづなさん。お二人ともカジタク歴も長く、育成や研修も担当するベテランです。
キッチン下の収納の悩みも解決! カジタクの「片付け名人プラン」の収納術とは?
今回お願いした「片付け名人プランは、実際に片付けしながら「家をスッキリさせたい」「そもそも収納方法がわからない」など、片付けに関するお悩みを解決するサービスです。整理収納関連の有資格者がお客さまのご要望をヒアリング。要、不要の仕分けを行いつつ、最適な収納方法や収納用品をご提案。実際にプロの手で整理収納も行います。
サービスの流れは、次の通りです。
・ヒアリング
・収納物の量を確認する
・要、不要で仕分けをする
・収納する
・ゴミをまとめる、退室
キッチン下収納の整理手順(1)アイテムの量・置き場所・利用頻度の高さを把握
uchicoto
まずは収納物の量と問題点を順にチェック。一見整頓されているように見えるキッチンですが、紙袋などが足元にあり、収納しきれないモノで床が侵食されはじめているのがわかります。依頼主曰く「見えないように、引き出しの中に全部めちゃくちゃに詰め込んでるだけです(笑)」とのこと。
uchicoto
問題の引き出し。一番上は、キッチン用具、お箸、カトラリーなどがごちゃまぜに。どこに何があるのかわからないと、料理の手際が悪くなる原因にもなります。
uchicoto
段目の引き出しも、ついつい上に物を詰め込んでしまいがちなうえ、カテゴリーがごちゃごちゃ。排水口の袋がこんなところに・・・。しかも一番上に押し込んで、下に何があるのか全く分からない状態です。
uchicoto
一番容量が大きく、使い勝手の良い場所であるはずの「シンク下の開き」は、何でも入れてしまいがち。
乾物から掃除用品、オリーブオイルまで一緒くた。箱を使って一生懸命整理しようとしている跡がうかがえますが、手前にいろいろ置きすぎて、奥の物が取り出しづらくなっています。
「もう何を入れているのかも覚えてないんですよね…」(依頼主)
uchicoto
続いてコンロ下。きれいに納まっているように見えますが、包丁と鍋とトレイが同居。何がどこにあるのやら・・・。つちやしづなさんは見た途端、「モノの住所を決めなきゃだめですね」と一言。
uchicoto
並べて満足してしまい、そのまま忘れてしまいがちな「スパイスラックあるある」。気がつくと賞味期限切れの物ばかりに。
uchicoto
ほぼ新品の干し野菜ネットなど、「いつか使いたい」と思いつつ、使えていないグッズなども大量に収納されていました。「やってみようとして続かない物がいっぱいあるんですよね~」と依頼主。何年も使っていない物は、今回思い切って処分することに決めました。
キッチン下収納の整理手順(2)思い切って「全部出す」!
uchicoto
引き出しや調理器具入れ、スパイスラックなど状況を細かく確認したところで、まずは「全部出す」作業から。
uchicoto
キッチングッズ、調味料、掃除道具など、引き出しの中のありとあらゆる物が、プロの手でどんどん並べられていきます。
uchicoto
シンク下の開きに入っていた、「整理しているつもりの箱」からもアイテムをすべて取り出します。
この「いったん全部出す」という作業は、持っている量を目で見て把握するという、とても重要なプロセス。使える量と、持っている量とのギャップに驚き、整理する覚悟ができます。
uchicoto
一人で整理整頓する場合、陥りやすいのが「今日はここだけ」と決めて、1か所ずつ片付ける方法。これだと、アイテムの総量を把握することができないので、結局片付かないで終わるケースも多いのだとか。
自分で整理整頓する場合にも、「キッチン下は終わらせる」と覚悟を決めて、すべて取り出して「物がどれだけあるのか」を把握するのがオススメです。
今回は2人のプロにお願いしているので、キッチン下の隅から隅まで全部棚卸ししていきます。
uchicoto
この時点では細かく「捨てる/捨てない」を判断する必要はありませんが、明らかに不要だとわかる物は捨てていきます。ここで出てきた賞味期限切れの調味料や食材は廃棄用の紙袋へ。
キッチン下収納の整理手順(3)必要・不要で仕分け。社長の気持ちで辛めにジャッジ
uchicoto
続いては「必要/不要」に分類していく作業。山口さんによると、自分が社長になったつもりで「この子働いてくれてる?(=必要)」「働いてない?(=不要)」とジャッジしていくのがポイント。社長になったつもりで物を眺めると、俯瞰的な視点から冷静に判断ができるのだそうです。依頼主も「そういう視点だと早く判断できますね」と納得の様子でした。
買い置きしがちなフリーズドライや調味料の賞味期限切れ、使う見込みのない食材がこんなにどっさり! もちろんすべて処分です。
uchicoto
これは箱で仕切りをしようとして、逆に邪魔になるパターン。大量の空箱を見て「こんなに出てきた・・・」と依頼主も唖然。ここでポイントになるのは「いつか使うかもしれない」ではなく「今」使うかどうか。箱は「もったいないから」と取っておきがちですが、思い切って処分でOKです!
つちやさんによると、「要/不要」の判断は、「実際に使うかどうか」と「持っているとテンションが上がるかどうか」で判断すると良いそう。「お気に入りの調理器具」や「思い出の食器」など、使う頻度が低くても「持っていてテンションが上がる物」は残した方が良いとのことです。
キッチン下収納の整理手順(4)アイテムの「住所」を定める。
uchicoto
取捨選択したら、アイテムごとの住所(=定位置)を定めていきます。ここでのポイントは「カテゴリーにまとめる」ことと「詰め込まない」こと。まずはスパイスラックから。奥から背の順に、手前に背の低い物があったほうが見やすく取り出しやすいです。
uchicoto
置き方の順序を変えただけで、こんなにすっきり。少しの違いで「使いたい」という気になるから不思議です。
uchicoto
鍋コーナーも、詰め込まないことがポイント。調理器具は「重ねすぎない」「取り出しやすい」をとにかく重視。
uchicoto
形や大きさが不ぞろいな鍋やフライパンはごちゃっとしがちですが、「立てる」と「重ねる」をうまく使い分けるといいのだとか。ここではつちやさんが、いらない箱で仕切りを作って、ささっと鍋立てを作ってくれました。
uchicoto
素敵なやかんを発見し、「“映える”子は出しちゃいましょう!」と山口さん。使うかどうかはさておき、置いてテンションが上がる物は「使える」と判断としてOK。どんどん飾っていきます。
uchicoto
引き出し1段目のカトラリーも、使う物だけ、テンションが上がる物だけを厳選してすっきり。
uchicoto
2段目の引き出しは袋状の調味料入れに決定。ここも見事にガラガラに!「スペースに余裕があったほうがラベルが見えて、使用頻度も高くなります」とAさん。
uchicoto
3段目は、厳選したレトルトや缶詰。スペースに余裕があるので、ササッと取り出しやすくなりました。
uchicoto
シンク下の一番上の棚は、思い切ってまな板とトレイだけに。そしてそれ以外の棚はストック食品だけに。お店のように斜めに並べることで、ラベルまでハッキリ見えて、今何があるかが一瞬で把握できます。
uchicoto
シンク下の一番左は、キッチンまわりで使う掃除用品をひとまとめに。おひつなど、入りきれなかった物は奥にまとめて収納しました。
KAJITAKU
カジタク直伝、キッチン下収納のコツは?
今回お願いしたキッチン下収納の整理整頓は、短時間で効率よく片付けられる、プロのノウハウがぎっしり詰まっていました。ここでは、学んだコツをおさらいします。
・まずは「いったん全部出す」! 総量の把握がすべてのスタート。
・収納グッズを買うよりも、まず「適量」を見定める。
・買い込まない。ため込まない。半額セール品は魅力的だが、使わないまま賞味期限が切れれば、結果的に損になることも
・取捨選択は基本「今、使っているか」。今回教えてもらったジャッジ法は、自分が社長になったつもりで「この子働いてくれてる?」「働いてない?」と振り分ける。これで判断が一層早くなる。
・置いただけで「映える・テンション上がる」物も、ある意味働いてくれている。しまいこまずどんどん見せていく。
・鍋やフライパンは「立てる」と「重ねる」を使い分けるとすっきり収納できる。
カジタクにお願いしてよかった点は?(体験者の声)
カジタクにお願いしてよかった点は、まず、事前準備がいらないこと。収納グッズも今ある物を使用してくれるので、新たに買ったりする必要がないのは安心でした。持っている物で工夫できるポイントもたくさん提案してくれたのも助かりました。
また、二人来てくださるので、一人の方が引き出しからアイテムをどんどん出している間に、もう一人の方が私に「これ要りますか?」などを聞いてくれ、私は判断するだけでよいのでとてもラクでした。自分一人だと、なかなかこうはいかないですね。
カジタク「片付け名人プラン」のサービス利用の流れ
uchicoto
整理収納関連有資格を持ったプロがご訪問。日時は、月~土曜日・祝日の10:00~19:00から選べます。
予約した日時に訪問させていただき、まずは約30分(最長60分)の初回ヒアリングからスタート。サービス実施時間とは別に、しっかりお客さまの要望をヒアリング。依頼側は生活スタイルや、日頃困っていることなどを伝え、片付けの方針を決めていきます。
uchicoto
また、危険物の取扱いや大型家具の移動など、今回のサービス内ではできないことも説明してくれます。
今回、お話を伺った整理収納のプロは・・・
●カジタク 山口奈穂子
入社6年目。整理収納アドバイザー1級所持。家事代行サービスや整理収納サービスではトレーナーとして活躍中。当初は家事が特別に得意ではなかったが、「自分もうまくなるかな」と軽い気持ちで仕事を始め、今ではカジタクを代表するプロの一人に。
●カジタク つちや しづな
整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士(子供の片付けアカデミア)、自考力マイスター(子供の片付け、心理学、脳科学)などの資格を所持し、カジタクで活躍中。個人でもサービスやセミナーを開催する片付けのプロ。
おわりに
悩みがちなキッチン下の収納。一度整理してしまえば、日々の料理がグッとラクに楽しくなりそうですね。プロのアイデアを参考にしてぜひ実践してみてくださいね。
撮影/長谷英史