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【専門家に聞く】お風呂遊びとおもちゃ選びのコツ! 年齢別に伝授

東京ガス都市生活研究所のレポートによると、小学校4年生頃には親と一緒に入浴しなくなる子どもが半数以上になるそうです。子どもはあっという間に成長するもの。子どもと一緒に入れるうちに、親子でのバスタイムを楽しみましょう。今回は親子で楽しめるお風呂遊びとおもちゃ選びのコツを、おもちゃコンサルタントで東京おもちゃ美術館ディレクターの岡田哲也さんに伝授していただきました。

最終更新日:2023.12.31

目 次

お風呂遊びにおもちゃを取り入れるメリットとは?

岡田哲也さん

Tetsuya Okada

子どもがお風呂を好きになるためには、お風呂での遊びが欠かせません。そこでクローズアップされるのが、お風呂のおもちゃです。

「お風呂のおもちゃに限らず、子どもにとっておもちゃ自体が実は重要な役割を果たしています」と教えてくれるのは、おもちゃコンサルタントで東京おもちゃ美術館ディレクターの岡田哲也さん。その理由は子どもにとっておもちゃで遊ぶことは、遊びを通じて自分を知り、ひいては身の回りの世界を知るきっかけにもなるからだそう。

さらに岡田さんによると、おもちゃの中でもお風呂のおもちゃには、3つのメリットがあるとのこと。
それは
○子どもたちの五感を刺激する
○水の性質や特性を知ることができる
○水をめぐる人間の生活全般について思いをはせることができる
というものです。

この3つのメリットは、子どもの年齢別のお風呂のおもちゃ選びにも関係しているといいます。
「子どもたちにとってお風呂タイムという特別な時間が、五感を通して水と関わり興味を持ってもらう時間になればうれしいですね」と岡田さん。

親子バスタイムを、より豊かにするお風呂のおもちゃは奥が深いですね。
岡田さんに伺った年齢による遊び方を参考に、子どもたちの興味や関心を踏まえて選ぶことができたら、お家のバスタイムがより充実することはもちろん、お風呂のおもちゃをギフトとして選ぶ場合にも大いに役立ちそうです。

年齢別お風呂での遊び方とそれに適したおもちゃを知ろう

お風呂でペットボトルをおもちゃに遊ぶ幼児

uchicoto

先に書いた3つのメリットを子どもの年齢にあてはめると、「五感を刺激する」お風呂のおもちゃは1歳から3歳くらい、「水の性質や特性を知ることができる」お風呂のおもちゃは4歳から6歳くらい、「水をめぐる人間の生活全般について思いをはせることができる」おもちゃは小学生以上が目安になるそうです。

「お風呂は子どもの実験室ととらえれば親子でのバスタイムがより充実したものになりますよ」と岡田さん。岡田さんに聞いたお風呂での遊び方、おもちゃの選び方を子どもの年齢別にまとめ ました。

また、岡田さんのアドバイスに従って実際にお風呂遊びを行ったママやパパの声もあわせてご紹介します。

【0歳児】親子でのスキンシップが重要・大人の顔や手がおもちゃにもなる

お風呂に入っている赤ちゃん

PIXTA

0歳児はお父さんお母さんのスキンシップが何よりも重要な時期です。そのためお風呂のおもちゃで遊ぶというよりは、お父さんお母さんの手や顔などが時には赤ちゃんにとっておもちゃとなります。赤ちゃんにほほ笑みながら触れ合いましょう。

また一例として、湯船のお湯を手ですくい、赤ちゃんの身体に掛けてみたり、水面で手を動かしバシャバシャと音を立ててみたりするのもよいでしょう。一見単純な動作でも、赤ちゃんにとっては面白く、よい刺激になります。

以上の観点から、0歳の頃はお父さんお母さんとのコミュニケーションを第一に、あえておもちゃを使って遊ぶ必要はない時期といえるかもしれません。とはいえ、おもちゃを選びたいのであれば、優しい音や柔らかい素材のものを選んであげるといいでしょう。

【1歳~3歳】五感を刺激するお風呂のおもちゃがおすすめ

岡田哲也さん

Tetsuya Okada

岡田さんによると最近の3歳くらいまでの幼児は、五感を刺激する生活が減っているそうです。そのような状況だからこそ、お風呂タイムを生かさない手はないそうです。
なぜならお風呂は子どもたちにとって、身体全体で水を感じ、五感も刺激される場だからです。その感覚を手助けできるようなお風呂のおもちゃを選ぶといいでしょう。

シリコンのおもちゃ

PIXTA

具体的にいうと音や色、香りや触覚を楽しめるお風呂のおもちゃです。例えばヒノキを使った木のおもちゃは香りを楽しむことができます。シリコン素材でできているものなら、鮮やかな色や独特の触感を楽しめます。シリコン素材のおもちゃには、ひっくり返すと形が変化するおもちゃなどもあるので、お風呂の中でも飽きずに楽しむことができておすすめです。

【試してみたママ・パパの声】視覚を刺激する、きれいな色のおもちゃでお風呂遊び

お風呂でキラキラしたおもちゃで遊ぶ女の子

uchicoto

4歳と1歳のお子さんと一緒に視覚や触覚を刺激するおもちゃ遊びを試してみた方の声をご紹介します。

「家に色がきれいで握って遊べるおもちゃがあったので、岡田さんのアドバイスを元に、お風呂での遊びに使ってみました。濡れるとキラキラ輝いてより色鮮やかになることや、お湯に浸けることで見え方が変わるのが楽しかったようで、お風呂の中に入れて誰がたくさん取れるか宝探し遊びをしたり、コップに入れてジュース屋さんごっこを楽しんでいました」

【4歳~6歳】水の性質や特性を知ることができるお風呂のおもちゃを!

釣りを楽しめるおもちゃ

PIXTA

良いお風呂のおもちゃとは、水の特性や性質を知ることができるものだと岡田さんは言います。
例としては、船などお湯に浮かべて遊ぶものや、水鉄砲、魚釣りのおもちゃなどです。
特に魚釣りのおもちゃは室内遊びとお風呂の中での遊びが比較できるので、子どもの知的好奇心を満たしてくれることでしょう。

また、水の性質や特性を知るためには、子どもと一緒に水そのものを観察してみましょう。例えばタオルを使って泡のブクブクを作ってみたり、お風呂のお湯の波紋を楽しんでみたり、お風呂のおもちゃを浮かべたり沈ませてその変化を観察したり。さらに湯気で鏡やお風呂のドアが曇ると、お絵かきタイムの始まりです。存分に落書きを楽しみましょう。

【試してみたママ・パパの声】簡単に楽しめるお風呂のお絵かき

お風呂の鏡にお絵描きしているところ

uchicoto

8歳の娘さんと試してみた方のお話です。鏡の絵もかわいいですね。

「最近はお風呂用のクレヨンなどもありますが、湯気で曇った鏡やドアに指で描くのは簡単に楽しめていいです。あらためて消す必要もないですし。うちでは鏡のほか浴室のドアの内側や壁にも絵を描いています。親子で描いた絵のことや、なぜ湯気で鏡が曇るのか(これも岡田さんのアドバイスにあった水の特性を知ることですね!)という話が弾むのは楽しい時間でした」

【試してみたママ・パパの声】タオルのブクブクに興味津々

お風呂にタオルを沈めてブクブクしているところ

uchicoto

4歳と1歳のお子さんとお風呂に入った時に試してみた方の感想です。岡田さんが言われている通り、タオルを使った簡単な遊びも水を観察することにつながり、子どもたちの好奇心を大いに刺激するようです。

「タオルを使って泡をぶくぶく出すのを初めてやってみたところ、子どもたちは、『わー!!どうやってしたの?! やってみたい』『泡きれいだねー』と、興味津々でした。何度も飽きずに見ていましたが、まだ自分でうまく膨らますのは少し難しかったようで、その分、タオルをゆらゆらしたり、絞ったりもしながら遊びました」

【小学生】大人も一緒に遊べるお風呂のおもちゃを手作りで!

手作りの船

PIXTA

小学生になると親子でのバスタイムは、より貴重な時間になるでしょう。お風呂のおもちゃで一緒に遊べる時間のリミットが迫ってくるからです。成長したわが子とのお風呂タイムをより楽しめるおすすめのお風呂のおもちゃは、ズバリ手作りのおもちゃです。

手作りのお風呂のおもちゃというと、ペットボトルなどプラスチックの容器や牛乳パックを使った船、ゴム動力を使用したものなどがあります。親子で相談し、アイデアを出しながら一緒に作ると親子のコミュニケーションも図れますね。

子どもが小学生になるとおもちゃを作りながら、あるいは、お風呂で遊びながら、水の大切さや水から受ける恩恵などについて、親子で一緒に考えることができます。さらには水の怖さについても学べるでしょう。

お風呂のおもちゃや水の観察などを通して、子どもが水をめぐる人間の生活全般について思いをはせることができる年齢に成長している証拠です。親は子どもの成長を、お風呂のおもちゃを通して実感することができますね。

【試してみたママ・パパの声】お風呂用の手作り積み木

手作り積み木をお風呂に浮かべている様子

uchicoto

岡田さんのアドバイスを元に、小学生の息子さんと一緒におもちゃを手作りしたパパもいます。

「以前はペットボトルで潜水艦を作ったこともありますが、お風呂遊びには、香りが楽しめるヒノキを使った木のおもちゃもおすすめだというのを知って、今回は8歳の息子と相談しながらヒノキ材を使ってお風呂遊び用の積み木を作りました。元々は湯船の縁にパズルのように積んで遊ぶつもりでしたが、お湯に浮かべての遊び方もいろいろ発見。『木も水がないと育たないよね』というような真面目な話もしましたが、なにより親はヒノキの香りにとても癒やされました(笑)。次は、下の3歳の子用に角をとった積み木も作ってみるつもりです」

お風呂遊びでおもちゃを使う時に覚えておきたいこと

お風呂のおもちゃ

PIXTA

お風呂のおもちゃが他のおもちゃと違う点は、濡れるのが前提ということ。そのため、管理には注意が必要です。お風呂のおもちゃはどうしても中に水が入りやすく、その水がたまったままだと劣化が進みますので、水が中にたまりやすいおもちゃは、なるべく避けた方が賢明です。

管理方法は、プラスチック製や木製のお風呂のおもちゃはできるだけ濡れたままにせず、時々は陰干ししましょう。この陰干しをしないと、カビが生えてしまうことがあるので注意が必要です。

また、子どもが大切にしているおもちゃの扱いには配慮したいものです。子どもが大切にしているものを親がぞんざいに扱うと、子どもの心は傷ついてしまう可能性も・・・。もう使えないから、汚いからと、簡単に捨てることは控えましょう。

大切なことは、子どもがなぜそのおもちゃを大事にしているのか、その気持ちに寄り添ってあげることです。子どもにとっては、時間が経ってもそのおもちゃを持っていること自体で安心感を得ているケースも多いようです。

おわりに

お風呂のおもちゃに限らず子どもがおもちゃで親と一緒に遊ぶということは、子どもにとって無条件の安心感を得られることだと岡田さんはいいます。つまり子どもにとって大好きなママ・パパが自分と一緒に同じおもちゃで遊んでくれているというのはとてもうれしいことであり、その安心感の中だからこそ子どもは成長できるのだともいえます。これからは親子のバスタイムをお風呂のおもちゃを使って、さらに充実させてみませんか。

参考:東京ガス都市生活研究所 都市生活レポート 東京ガスの「浴育のすすめ™」 親子入浴のすすめ

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親子でお風呂に入っているところ

PIXTA

  • この記事取材先プロフィール

    岡田哲也

    芸術と遊び創造協会 おもちゃコンサルタント / 東京おもちゃ美術館ディレクター 

    岡田哲也

    おもちゃと遊びによる社会貢献活動の実現をめざす芸術と遊び創造協会に所属。東京おもちゃ美術館にてイベント等の企画、運営を担当。また「おもちゃインストラクター」「おもちゃコンサルタント」養成講座の講師として、全国でおもちゃを使った遊びの研究・実践・ワークショップを開催している。NHK Eテレ『まいにちスクスク』など各種メディアにも出演。駒沢女子短期大学・植草学園大学非常勤講師

    東京おもちゃ美術館

    おもちゃコンサルタント養成講座

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公開日:2021.11.15

最終更新日:2023.12.31

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