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【ディスポーザーメーカーに聞く】ディスポーザーとは? 使い方やメリットをご紹介

生ごみの処理ができる設備「ディスポーザー」。名前は聞いたことがあるけれど、その使い方やメリットをご存じない方もいるのではないでしょうか。そこで、ディスポーザーの専業メーカーである株式会社フロム工業の武田拓真さんに、ディスポーザーの仕組みから基本的な使い方、メリットなどを伺いました。

最終更新日:2024.2.8

目 次

ディスポーザーとは?

ディスポーザー

株式会社フロム工業 提供

ディスポーザーという名前を聞いたことはあるけれど、「どのような設備なのか分からない・・・」という方も多いのではないでしょうか? ディスポーザーの専業メーカーである株式会社フロム工業で、ディスポーザーの設計を担当されている武田拓真さんに、ディスポーザーの仕組みや使い方、メリットなど、ディスポーザーについて幅広くお話を伺いました。

ディスポーザーの仕組みって? 戸建て住宅にも設置できる?

キッチンに取り付けられているディスポーザー

株式会社フロム工業 提供

生ごみの処理が簡単にできるディスポーザーは、どのような仕組みになっているのでしょうか。

武田さん「ディスポーザーは、キッチンシンクの排水口部に取り付けて、生ごみを水と一緒に細かく粉砕する生ごみ処理機です。砕かれた生ごみはジュース状になり、(処理槽を経由して)下水道に流れていきます」

ディスポーザーの仕組み

株式会社フロム工業 提供

生ごみの処理が排水口に流すだけで済むのはとてもうれしいですよね。その利便性から、一度使うとディスポーザー無しの生活に戻れなくなってしまう方が多いのだとか。

そんな便利なディスポーザーですが、比較的マンションで普及している設備なのだそう。

武田さん「ディスポーザーが1960年ごろにアメリカから伝わってきましたが、当時の日本は、今のように下水道が普及していませんでした。また浄化槽エリアも合併浄化槽(生活雑排水を微生物の働きなどを利用して浄化し、きれいな水にして放流するための施設)が義務付けられておらず、結果として砕かれた生ごみがそのまま一部の河川に放流されていたことから環境汚染が問題視され、国からディスポーザーの使用自粛要請が出てしまいました。

そこから、1996年には、ゴミ出しが大変な高層マンションにディスポーザーを導入すべく、『ディスポーザー排水処理システム』が考案され、主に都心部のマンションでディスポーザーが設備として導入されるようになりました」

ディスポーザー排水処理システムのイメージ図

株式会社フロム工業 提供

ディスポーザー排水処理システムとは、ディスポーザーで粉砕された生ごみを含む台所排水を専用排水管で専用処理槽に送り、微生物によって浄化された水を下水に放流するシステムのこと。

武田さん「ディスポーザー排水処理システムを使用するには処理槽が必要になります。ですが、処理槽の設置費用や維持費が高額であったり、処理槽を埋設するスペースが必要だったりします。そのため、今の日本では戸建て住宅に処理槽を入れるハードルが高く、あまり普及していない状況です」

現在多くの自治体では、処理槽を設置しないディスポーザーの単独使用(下水道直接放流)は環境に悪影響を与えてしまうと考えられており、単独使用を条例で禁止している自治体が多いのだそう。しかし、その一方で徐々に単独使用を認める動きも増えてきていると武田さんは言います。

武田さん「アメリカでは、ディスポーザーの単独使用(下水道直接放流)が一般家庭の約6割に当たり前のように普及しています。実は、日本でも2000年に北海道でディスポーザー単独使用の社会実験が行われ、処理槽を設置していない状態でも、環境に悪影響がないとの結果が出ているんです。以降、少しずつですがディスポーザーの単独使用を許可する自治体が増えてきています。中には補助金を出してまでディスポーザーを推奨している自治体もあります。ディスポーザーは街のごみの量を減らすことのできる、環境によい設備として注目されつつあるんです」

ディスポーザーは利便性だけでなく、環境面でも期待されている設備なんですね。
導入を検討する際には、お住まいの自治体の条例などを確認してみましょう。

ディスポーザーを使うメリット

ディスポーザーのあるキッチン

PIXTA

ディスポーザーを使用することで、生ごみを簡単に処理できる利便性の高さや、環境によい影響を与えることが期待できる点などが分かりました。ここからは、その他のメリットについて具体的にご紹介します。

【メリット1】台所の衛生環境の向上

キッチン

PIXTA

武田さん「ディスポーザーを導入することで、台所の衛生環境が向上するというメリットがあります。すぐに生ごみを処理できるので、異臭の発生源をなくすことができ、コバエなどの害虫を寄せ付けずに済みます」

特に、夏場などは生ごみから異臭が発生し害虫が寄り付きやすくなりますが、それらを気にせず快適に過ごせるのはうれしいですね。

【メリット2】排水口のお手入れが楽に!

排水口のお手入れ

PIXTA

武田さん「排水口の網カゴに生ごみが溜まることがなくなるので、排水口のぬめりが発生せず、お手入れがとても楽になります」

排水口のお手入れが楽になることで、家事の時間を削減することができますね。

【メリット3】ごみ出しの頻度が減る

ごみ出しをする様子

PIXTA

武田さん「一般家庭のごみの約4割は生ごみだと言われています。そのため、ディスポーザーを導入することで生ごみの量を減らすことができるため、ごみ出しの重量や頻度を減らすことができます」

ごみ出しも面倒な家事の一つですよね。今はごみ袋が有料になっている自治体も多いので、家庭から出るごみが減ることで節約にもつながります。

【メリット4】地球環境に優しい

三角コーナーにたまった生ごみ

PIXTA

武田さん「ごみの中でも、生ごみは特に水分を多く含んでいます。生ごみを可燃ごみに出すと、燃焼効率が悪いためたくさんの燃焼コストが必要になります。また燃焼時には二酸化炭素も排出します。ディスポーザーではその生ごみの発生を減らすことができるので、環境への負荷を減らすことができます」

家事の負担も減らしつつ、環境にやさしくエコにつながるのはとても魅力的ですね。

ディスポーザーの使い方をご紹介

ディスポーザーに水を流す様子

PIXTA

ディスポーザーの運転方式は、世界標準の『連続運転式』と日本標準の『バッチ運転式』の2種類があります。それぞれ生ごみを投入するタイミングなどが異なるので、確認していきましょう。

連続運転式(外部スイッチ)の使い方

連続運転式ディスポーザーの使い方

株式会社フロム工業 提供(画像はウチコト編集部にて編集)

1.水を流す
2.スイッチを入れる
3.生ごみを投入する
4.処理が終わったら、水を止めスイッチを切る

武田さん「連続運転式は海外で使われている運転方式です。アメリカから日本にディスポーザーが普及し始めたときに導入された昔のものは、連続運転式が多いです。バッチ運転式と違い、粉砕が終了しているかの確認を待たずに次々生ごみを処理することができます」

バッチ運転式(フタスイッチ)の使い方

バッチ運転式ディスポーザーの使い方

株式会社フロム工業 提供(画像はウチコト編集部にて編集)

1.生ゴミを投入する
2.ふたを投入口にセット
3.水を流し、ふたを回してスイッチを入れる
4.処理が終わったら、ふたを回して運転を終了させ、水を止める
※ほとんどの製品は切り忘れ防止として60秒タイマー運転となっているため、ふたを戻さなくても60秒で停止します。

武田さん「日本のマンションで使用されているディスポーザーは大体バッチ運転式のものです。ふたがついており、ふたを回転させることでディスポーザーのスイッチが入ります。運転中には投入口に手が入らないため安全に使用できます」

長く使うための使用上のポイント

ディスポーザーが取り付けられているキッチン

株式会社フロム工業 提供

ディスポーザーの使用方法は簡単ではありますが、一方で気を付けたいポイントもあります。使用上の注意点を押さえて、日々の暮らしを快適にしてくれるディスポーザーをトラブルなく使っていきましょう。

【使用上の注意ポイント1】流してはいけないものを把握しておこう

ディスポーザーの中の生ごみ

PIXTA

武田さん「基本的に投入してよいものは、残飯や野菜くず、魚の骨、鶏の骨などです。一方で、たけのこの皮やたまねぎの薄皮のような繊維質の強いものを入れてしまうと、製品によっては故障の原因となったり、繊維質が絡まり合って配管を詰まらせてしまう可能性があるので、投入しないように気を付けましょう」

生ごみだからと何でも投入しまうのではなく、投入する前に一度、使用するディスポーザーの取扱説明書を確認してから使用するように心掛けたいですね。また、ディスポーザーの破損を防ぐため、生ごみではない茶碗や箸などを誤って投入しないように気を付けましょう。

さらに、粉砕はできても、投入を控えた方がよい生ごみもあるのだとか。

武田さん「卵の殻や貝類は、粉砕することは可能ですが、排水管内に堆積して詰まりの原因となったり、処理槽でも分解されにくい生ごみとなります。ディスポーザーへの投入は控えて、可燃ごみとして捨てるようにしましょう」

【使用上の注意ポイント2】適量の水を流しながら運転スイッチを入れる

ディスポーザーと排水管

PIXTA

武田さん「粉砕の音がなくなったので、すぐにスイッチを切って水を止めてしまう方がいらっしゃいます。ディスポーザーの粉砕室からは生ごみがなくなっていても、排水管にはまだ生ごみが残っている可能性があります。音がなくなってから10秒ほどは水を流すようにしておきましょう」

また、ときどき桶で一度にたくさんの水を排水口に流してあげると、排水管に残っている生ごみが流され、排水管の詰まりが防げるそうです。
生ごみを粉砕して終わりではなく、排水管の中で生ごみを詰まらせないように注意することを習慣にしたいですね。

ディスポーザーの汚れが気になる場合の洗い方は?

スポンジと台所用洗剤

PIXTA

ディスポーザーは生ごみを処理する場所なので、汚れが気になる場合もあるかもしれません。その場合はどうしたらよいのでしょう。

武田さんによると、投入口周りの汚れが気になる場合は、スポンジに台所用中性洗剤を適量つけて洗うとよいのだそうです。

また、ディスポーザー内部の汚れやニオイが気になる場合は、氷を5~6個投入して運転しましょう。この時、氷と一緒に台所用中性洗剤やレモン汁、食酢などを数滴投入しておくと効果的です。氷がシャーベット状になり、粉砕室内の付着した汚れを洗い流し、気になるニオイも緩和されます。

※洗剤は必ず中性洗剤を使用してください。中性以外の洗剤(酸・アルカリ系など)を使用すると処理槽の微生物が死滅して処理槽の能力が低下する恐れがあります。

ディスポーザーの寿命は?

ディスポーザー

株式会社フロム工業 提供

メリットの多いディスポーザーですが、どれくらい使えるものなのか気になるところですよね。

武田さん「一般的にディスポーザーの耐用年数は10年程度といわれていて、水漏れ・動作不良・異音などを感じたときが交換時期になります。特に定期的な部品交換は必要のない設備ですが、使用上のポイントを押さえることで長く使うことができます」

適切な使い方を心掛け、できるだけ長く使っていきたいですね。

おわりに

ディスポーザーの使い方やメリットについて、株式会社フロム工業の武田さんにお話を伺いました。ディスポーザーは生ごみを簡単に処理できるという利便性だけでなく、環境にもやさしい設備であるということがよく分かりました。今までディスポーザーについてどのような設備か分からなかった方も、この機会にご自宅への導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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  • この記事取材協力

    株式会社フロム工業

    株式会社フロム工業

    技術部 HDクリエイティブデザイナー 家庭用ディスポーザー担当 武田拓真さん

    1983年に尾畑宇喜雄(現:代表取締役会長)が創業し、アメリカ発のディスポーザーを日本の食文化に対応すべく、製品改良をおこなってきた日本で唯一のディスポーザー専業メーカーです。業務用、船舶用ともに国内No.1のシェア。家庭用YSシリーズは、高い粉砕性能だけでなく、生ごみの粉砕終了を検知して自動停止、ジェット洗浄機能など、他にはない高機能・高性能ディスポーザーとなっています。

    株式会社フロム工業

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公開日:2022.6.14

最終更新日:2024.2.8

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