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やかん

クエン酸や重曹を使った「やかん」の内側・外側の洗い方&頑固な汚れの落とし方

やかんは水しか入れていなくても、案外汚れてしまう調理器具の一つです。そのためついお手入れを先延ばしにして汚れがひどくなってしまうことも。でも、実は洗い方を工夫すれば簡単に美しさがよみがえります。クエン酸や重曹を使ってやかんをキレイにする洗い方を、ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんに教えていただきました。

最終更新日:2024.3.11

目 次

やかんの汚れの種類

やけ落しで磨くステンレス

PIXTA

お湯を沸かすだけのやかんなのに気が付けばどうしてこんなに汚れているの? と不思議に思う方もいるかもしれません。やかんの汚れの正体は何なのでしょうか。汚れの原因を本橋さんに伺いました。

やかんの内側の汚れ

やかんの内側に、白く固まったような汚れを見つけたことがあると思います。それは「水アカ」とよばれるもので、水道水に含まれるミネラル分が付着したものだと本橋さんは言います。

「水道水を加熱することで水分が蒸発し、ミネラル分の濃度が高まることによって水アカ汚れが付着します。またやかんの内側の汚れは水アカだけでなく、中に残っていた水が腐敗して雑菌が繁殖し、ぬるぬる汚れになることもあります」(本橋さん)

やかんの外側の汚れ

やかんの外側の黒ずみや汚れは、本橋さんによると調理中に飛んだ油やほこりが付着したものだそう。「やかんを熱することでその汚れが焦げつき、徐々に黒くなっていきます」とのことです。

やかんの汚れをキレイに落とせる洗い方を解説!

重曹とクエン酸パッケージ

提供:シャボン玉石けん

やかんの内側や外側に蓄積された頑固な汚れを一気に落とすのは大変そうで、つい先送りにしてしまいがち。
でも実は簡単にキレイにできる方法があります。自然由来のナチュラル洗剤で安心して使えるクエン酸と重曹を使用した洗い方を、本橋さんに解説していただきました。
ここでは、家庭でよく使用されているステンレス製のやかんの洗い方を紹介します。

やかんの内側の洗い方

重曹とやかん

uchicoto

「ステンレス製の場合、やかんの内側の水アカ汚れには、アルカリ性の汚れ落としに効果があるクエン酸が有効です」と本橋さん。クエン酸を使用したやかんの洗い方を伺いました。

  1. やかんにたっぷり水を入れ、水に対しクエン酸が1%になるくらい(1カップに小さじ1/2くらい)を溶かします。
  2. 水を沸騰させた後、やかんが手で触れるようになるくらいに冷めるまで待ちます。
  3. やかんの中のクエン酸入りの水を洗い流して、スポンジでこすり洗いをします。(クエン酸が洗剤の役割をするので、洗剤はつけなくてOK)
  4. やかんの中をすすぎ、しっかりと乾かします。


「クエン酸と同様に、酸性の性質を持つ酢でも水アカを掃除することができます。酢を100cc(1/2カップ)ほど入れた水500mlを沸騰させ、10~20分ほど放置すると汚れをゆるませることができます。やかんが冷めたら、水を流し、そのあとはスポンジでこすり洗いをしてください、仕上げに水ですすいだあとはよく乾かしましょう」(本橋さん)

クエン酸も酢も、長い時間浸けたからといって汚れ落ちがよくなるわけではないそうです。お湯が冷めたら洗い流しましょう。

ウチコト編集部でやってみました!

やかん 掃除後と前

uchicoto

内側に黒ずみがついたステンレスのやかんに、水とクエン酸入れて沸騰させた後、スポンジでこすり洗いしました。洗ったあとは、内部にこびりついていた茶色の汚れが落ちてピカピカになっているのが分かります。

夜間の内側の汚れが取れたところ

uchicoto

やかんの内側をこすり洗いしたあとのスポンジには、茶色の汚れがつきました。さほど強い力ではなく、軽くこすっただけで汚れが落ちたことに驚きました。手軽にできる方法ですっきりきれいに汚れが落とせてうれしいですね。

やかんの外側の洗い方

重曹水にやかんをつける

uchicoto

やかんの外側の汚れは、油やほこりがこびりついた酸性の汚れなので、ステンレス製の場合はアルカリ性の重曹を使って洗うのが有効だと本橋さんは言います。

「汚れの強さの段階によって、次のようにお手入れ方法を変えるとよいでしょう」(本橋さん)

  1. 簡単な汚れであれば、重曹水をスポンジに含ませ、こすり洗いをします。(重曹の量は、水に対し1%でOK。1リットルであれば大さじ1程度)
  2. 汚れが簡単に落ちないときには、重曹水にやかんを浸けます。油汚れは温度が高いほど汚れ落ちがよくなるので、鍋に重曹水とやかんを入れ、そのまま加熱するとよいでしょう。
  3. やかんを浸けられる大きさの鍋がないなど、浸けるのが大変な場合は、重曹水をキッチンペーパーに浸してやかんの外側に貼り付けパックします。加熱はできませんが、10~15分待つと汚れをゆるめてくれます。長く置きすぎるとキッチンペーパーが乾いてしまうので注意してください。パック後はこすり洗いをします。
  4. パックをしてこすっても汚れが落ちないときは、ぬらしたスポンジに重曹パウダーを付けて汚れている箇所をこすります。重曹の研磨力で落とすことができます。こすり洗いを終えたら水でよく洗い流しましょう。

ウチコト編集部でやってみました!

やかん

uchicoto

普段、湯沸かしに使用しているやかんを、キッチンペーパーを使う方法で洗っていきます。洗う前のやかんには、外側全体に水アカと茶色の汚れがまだらについています。

キッチンペーパーパック

uchicoto

重曹水を含ませたキッチンペーパーを貼り付けてパックしていきます。キッチンペーパーを折って細長くすることで、取っ手や注ぎ口の付近など細かい部分も覆うことができました。

uchicoto

重曹パックをはずした後、スポンジでこすっていくと、油汚れやほこりが焦げ付いたものが落ちていきました! ふたの部分も、ステンレスが輝きを取り戻していることが分かります。

やかんの外側は曲面で洗いにくい部分ですが、パックすることでしっかり汚れを落とすことができました。

取っ手の洗い方

やかんは、胴部分だけでなく、取っ手の汚れも気になります。本橋さんに洗い方のアドバイスをいただきました。

「取っ手はやかん本体と材質が違ったり、細かい溝にスポンジが届かなかったりと、洗い残しが発生しやすい箇所なので、ブラシに重曹水をつけて、こすり洗いするとよいでしょう。しつこい汚れには、やかんの胴部分と同様にキッチンペーパーに重曹水を含ませたものでパックすることをおすすめします」(本橋さん)

注ぎ口や取っ手の付け根などの洗い方

やかんの注ぎ口や取っ手の付け根などにも汚れは付着します。そういった洗いにくい部分は、どのようにお手入れすればよいのでしょうか。

「取っ手の付け根などを洗う際は歯ブラシを使ってもよいですが、注ぎ口の内部は歯ブラシでは洗いにくいので、注ぎ口専用のブラシを使うとよいと思います。ホームセンターなどでは、さまざまなサイズの注ぎ口用ブラシが売っていますよ」(本橋さん)

洗う前に注意! やかんの材質をチェックしよう

やかん

PIXTA

やかんにはさまざまな素材のものがありますが、素材ごとにお手入れの方法が異なることをご存じでしょうか。素材それぞれの特徴や洗い方の注意点などを本橋さんに伺いました。

ステンレス

「一般的なステンレス製のやかんは、熱や酸、アルカリ性に強いので、クエン酸や重曹、どちらの洗剤も使用することができます。金属の中では傷がつきにくい丈夫な素材ではありますが、金属性のタワシやクレンザーなどを使用すると傷がつくことがあるので、洗うときは柔らかいスポンジや布巾を使うことをおすすめします」(本橋さん)

アルミ製

アルミ製のやかんは軽くて扱いやすいのがメリットですが、アルミは柔らかいため硬いブラシや金属性のタワシなどで洗うと傷がつくので注意が必要です。
またアルミの表面には腐食を防いでくれる「酸化皮膜」がありますが、やかんを洗う際に傷をつけたり、アルカリ性の強い油汚れ用洗剤や漂白剤を使ったりすると、この皮膜がはがれて腐食しやすくなるだけでなく、皮膜がはがれた部分のアルミに水の成分が反応して黒ずみができやすくなります。
洗剤を使う場合は中性のものを選びましょう。

しかし黒ずみができてしまっても色が変わるだけで、健康被害があるというわけではないと本橋さんは言います。しかも色を戻す方法があるそうです!

「アルミのやかんに黒ずみができても、酸を使うことで元に戻せますよ。やかんの内側の場合はクエン酸を入れた水を沸騰させる、外側の場合はクエン酸水に浸したキッチンペーパーを10~15分パックするとよいでしょう。黒ずんでしまってから時間がたつと戻せなくなることもあるので、早めに行うといいですね」(本橋さん)

鉄製

「鉄製のやかんは、クエン酸に限らず、酢など酸性のものすべてがサビの原因になるので使用できません。またやかんの中に水が残ったままにしてしまうとサビてしまうので、使用後はよく乾かすようにしましょう。サビが付着したやかんを使用すると水が鉄っぽい味になってしまいます。水分を残さないように気をつけていても、空気中の湿度だけでもサビてしまうことがあるので、鉄製のやかんは扱いが難しいとされています」(本橋さん)

一方で、サビてしまったやかんのサビを除去する方法を本橋さんが教えてくれました。

「サビてしまったやかんに水とお茶のパックを入れて沸騰させます。沸騰後はお湯が冷めるまで待ち、よく洗ってください。そうすることでサビは除去できます。鉄製は水分に弱いので、布巾で拭いた後に加熱し、しっかり水分を飛ばしてください。保管する際は紙や布に包み、乾燥剤を入れて保管するとよいでしょう」(本橋さん)

ホーロー製

「色の種類も多くデザイン性に優れたホーロー製品は、金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けたものであるため酸にもアルカリ性にも強く、使用してはいけない洗剤はありません。洗いやすく清潔を保ちやすいため、使い勝手がよいでしょう。

しかしガラスなのでぶつけたり落としたりすると表面が割れたり、亀裂やひびが入ってしまうことがあります。表面が割れてしまっても内側の金属には支障はありませんが、コーティングが割れたり剥げれると、サビが発生します。隙間から汚れが入ってしまうこともあるので注意してください。

またお湯を沸かしているのを忘れてしまったなど、空だきには注意が必要です。空だきをすると中の金属が加熱され膨張し、ホーローの部分が割れてしまう可能性があります」(本橋さん)

銅製

「銅は酸性のものと塩分に弱いので、クエン酸は使用できません。使用すると青緑色のサビが発生し、変色の原因になります。銅製品専用のクリーナーが販売されているので、必ず専用のものを使用して外側を磨きましょう。

また空だきは禁止です。水分にも弱いので、保管する際は水分が残らないように、布や紙を入れ保管しましょう。銅製のやかんは高価で扱いも難しいといえます」(本橋さん)

やかんの汚れを予防する方法

女性 ライフスタイル キッチン

PIXTA

そもそもやかんが汚れないようにするには、何に気をつければよいのでしょうか。
本橋さんによると、まず大切なのは、やかんの中に水を残したままにしないことだそう。

「やかんの中に水が残っていると水が腐敗して新たな汚れをつくります。使用後は必ず水を出し切り、よく乾かすことが大切です。特にお湯を残したままにすると、水分が蒸発することでミネラル濃度が高まり、水アカの原因になってしまいます」(本橋さん)

またやかんをコンロの上に出しっぱなしにしているのもNGだそう。「調理中の油はねを受けたりして汚れやすくなります。使用しないときは収納するようにすれば、汚れの予防につながります」(本橋さん)

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おわりに

やかんにこびりついた汚れは落とすのが大変そうと、つい洗うのがおっくうになりがちです。でも、汚れの種類を理解した上で、相性のよい洗剤を選んで的確な洗い方をすれば驚くほど簡単にキレイになりますよ。一度キレイにすると毎日気持ちよくやかんを使えるようになるので、ぜひ試してみてくださいね!

  • この記事監修

    本橋ひろえ

    ナチュラルクリーニング講師

    本橋ひろえ

    北里大学 衛生学部化学科卒業後、化学薬品会社で合成洗剤の製造を担当。
    2006年より、東京を中心に各地でナチュラルクリーニング講座を実施。
    子どもの頃よりアトピーに悩み、洗剤の裏面を読む習慣がついたことから大学では化学を専攻。会社員時代には合成洗剤の製造を経験し洗剤に専門的に詳しくなる。
    自宅で飼う可愛い3匹のネコたちのためにも無臭で安心安全なナチュラルクリーニングを実践中。
    『ナチュラルお掃除大全』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
    『ナチュラル洗剤そうじ術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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公開日:2016.3.31

最終更新日:2024.3.11

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