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【キッチンジャーナリスト取材】炊飯器不要!?「お鍋炊きご飯」がキッチンレイアウトも変える!

「お鍋で炊くご飯はおいしい」と聞きますね。でも「難しそう」「本当に味に違いがあるの? 」と言った心配も。そこで、キッチンジャーナリストの本間美紀さんに、お鍋炊きご飯のメリット、簡単においしく炊くコツについて取材していただきました。

最終更新日:2024.9.27

目 次

炊飯器を置かず、お鍋炊きご飯にする家庭が増えている!?

鍋でご飯を炊く

TOKYOGAS

最近、キッチンの取材をしていて、あることに気づいた。炊飯器がない家が多いのである。特に30代の若い世代だ。

「炊飯器はどこに置いているんですか? 」もしかしてご飯を食べない人が増えているのかしら、などと思いつつ、聞くと、意外な答えが返ってきた。

「わたし、お鍋でご飯を炊くんですよ。だから炊飯器はいらないんです」。

キッチン家電

PIXTA

日本のキッチンは置き型の家電が多く、オーブントースター、電子レンジ、フードプロセッサー、コーヒーメーカーなど、家電置き場はキッチンプランの大切なところ。

炊飯器から出る蒸気

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中でも炊飯器は蒸気が出る、ふたを上に開ける、配膳する食卓に近くなければいけないなど、プランナー泣かせの家電。

けれども鍋とガスコンロがあれば炊飯器はいらない、という人が増えているのだ。

鍋炊きご飯が流行しているのは知っていたけれど、キッチンプランに関わり始めていたとは。まさにキッチン上手な人たちの解決法だ。

ご飯・おかず・汁物をガスコンロで一度に作る

TOKYOGAS

「それにお鍋で炊くご飯は早くて、美味しいんですよ。最近はご飯炊き向けの、かわいいお鍋がたくさんあるんです。」

3合のご飯が火をつけてから20分程度で炊きあがる(蒸らし時間は除く)。

土鍋で炊いたごはん

PIXTA

お鍋ごと、食卓にだすと配膳も楽な上、テーブルのコーディネートとしてもさまになる。ふたを開けると熱々の炊きたてご飯。たいしたおかずがなかったとしても、それだけでごちそうだ。

かまどさん

TOKYOGAS

三重県の陶器メーカー、長谷製陶ではご飯炊き専用の土鍋「かまどさん」を出したところ、これが大ヒット。

かまどさん2合炊き

TOKYOGAS

お鍋のご飯炊きは、吹きこぼれがやはり泣き所なのだけれど、これは内フタがついて、吹きこぼれにくいという点が好評のようだ。

かまどさん

TOKYOGAS

理想的な炊飯ラインを実現できるので、粘りが強く甘みもより引きだす。

中くらいの強火(中強火)で火にかけ、ふたの穴から蒸気が噴出し始めたら1~2分後に火を止めて、蒸らすこと20分で炊きあがり!

火加減調整いらずで美味しいごはんが炊けるうえに、普通の鍋としてもかなり優秀な土鍋。

お鍋でおいしくご飯を炊くコツとは?

土鍋ごはんの炊き方

参考資料:絶品土鍋ご飯の炊き方(東京ガス都市生活研究所 小西雅子著)


お鍋でご飯を炊くコツを調べてみた。

まず「水の量は、軽く水切りをした米に同容積の水を加える」とある。ただしこの先の注釈が面白い。「まずはこの方法で炊飯をして、2回目以降はお好みに応じた水加減がベスト」という。まさに的を得た言葉だ。

ご飯はお米の水分量やその日食べたい好みで炊きあがり(柔らかめ、かため)が変わるのが、日本人だろう。それにお鍋の特長を知りながら、火加減をし、「自分のものにしていく」のが、お鍋炊きご飯の本当の面白さじゃないだろうか。分量通り、時間通りでいいなら、炊飯器で用が足りるからだ。

おいしい炊飯ライン

TOKYOGAS

そしてポイントは炊き始めから沸騰するまでの間だという。「この間に10分前後の時間をかけると甘みがしっかり引き出せ、ふっくらと質感のよいご飯にしあがります」。この最初の10分を「おいしい上昇ライン」というそう。

お鍋炊きご飯派に共通する人のキッチン

お鍋炊きご飯派に共通する人のキッチンは、次の通りである。

1. 加熱はガスコンロを選んでいる。‘はじめちょろちょろ中ぱっぱ‘がしやすいし、ぱりぱりとおこげの音と香りも楽しい。

2. 炊飯器を置くスペースがいらず、キッチンをすっきり使っている。

多機能コンロの中にはグリル部でトーストが焼けるものもあり、その場合はオーブントースターも持っていない。ごちゃごちゃ家電を持たない暮らしを好む。

3. お気に入りのお鍋を持っている。「ル・クルーゼ」や「かまどさん」など、土鍋、鋳物鍋、アルミやステンレスの文化鍋、圧力鍋。種類はさまざまである。使っておいしく、食卓に置いて楽しいものが人気があるようだ。中には飾るようにしまえる棚をつくる人もいる。

土鍋で炊いたごはん

鋳物鍋に土鍋、お気に入りのお鍋をそろえる人が増えている。

そんなわけで私も夕べ、土鍋でご飯を炊いてみた。知り合いから、新米が届いたのである。水分の多い新米。炊飯器で炊いても、いつもべたべたご飯にしてしまう私だが、火加減を楽しみながら調節し、なんとか炊き上げた。
まさに一粒一粒がピカピカと光って、ほどよいかたさのご飯。ぎゅっと噛みしめると甘い味が広がった。

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炊きたてのご飯

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  • この記事ライター

    本間美紀

    キッチンジャーナリスト

    本間美紀

    早稲田大学卒業後、インテリアの専門誌の編集部を経てインテリアやキッチン、暮らしに関する執筆、編集で活動中。日本国内や海外のキッチンライフを取材し、「パーフェクトキッチン」「インターナショナルキッチンAtoZ」ほか、ライフスタイル系キッチンムックを刊行。2010年秋には「ザ・リアルキッチンガイド」を出版。

    ブログ:キッチンジャーナル「キッチンのこころ」

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公開日:2016.10.5

最終更新日:2024.9.27

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