【要対策! 小1の壁】子育てと仕事、「両立困難」が5割に!
データは共働きママに、仕事と子育てを両立できているか尋ねた結果を第1子の学齢別に見たものです。
「両立できている」という回答が、保育園・0~4歳児ママで約5割、5歳児ママで6割超に。これが小学1年生ママになると約5割と減っています。
これは子供が保育園に入園してから徐々に保育園生活に慣れ、年長クラスになる頃には親の負担が少なくなったことから仕事と子育てのバランスがとりやすくなったと推察されます。子供が大きくなり病気をしにくくなった、日常的なことが子供自身でできるようになったなどの理由もあるでしょう。
ところが、小1になると、保育園・0~4歳児と同程度に「両立できている」という回答が減っています。小1ママが両立の困難さを感じていることがわかりますね。
小学校に入った時、環境の変化に大変だと感じた共働きママは約7割に(上図)。小学校に入ることは子供にとって大きな変化ですが、共働きママも大きな変化に戸惑いを感じるようです。働き方を変えたり、転職をした人もいるかもしれませんね。
【要対策! 小1の壁】共働きママは子供が小さい頃から不安に
共働きママに「小1の壁」への不安の有無を尋ねると、どの年齢でも過半数のママが不安を感じると答えています。入学直前の保育園・5歳児ママが最も不安に感じる割合が高く、6割弱が不安と回答していますが、0~4歳児ママも5割強が不安と答えており、早い段階から不安を感じているようです。
【要対策! 小1の壁】共働きママの入学前の不安1位「PTA」
小学1年生の子供がいる共働きママに、小学校入学前と入学後の、不安や困りごとを聞きました。
入学前の不安・困りごとは、保護者の役回りや行事、子供に友達ができるか、担任の先生との相性など、多岐にわたっています。
ところが、すべての項目で入学後は入学前より割合が低くなっています。
子供が学校生活に慣れて自然に解消できたことや、放課後や長期休暇時の居場所を確保したなど、共働きママ自身が対策をとったことなどが理由と考えられます。
では具体的にどんな対策が有効だったのか以下に見ていきましょう。
【小1の壁の対策1】学校行事や活動は取捨選択する
上でご紹介したように、入学前の不安のトップはPTAや学校行事でした。
上の図は、共働きママにそれらへの参加状況などについて聞いたものです。見ると自分の価値観で参加するかどうか、取捨選択している様子がうかがえます。どんな行事や活動を選んでいるのでしょうか。
・学校公開・保護者会・防災引取り訓練・・・過半数の共働きママが参加。これらの行事は、小学校入学前の不安に挙げられていた「授業をきちんと受けられるか」「学校での様子がわからなくなる」不安を払拭するうえでも重要と考えているのではないでしょうか。
・運動会の協力やPTAなどその他の活動・・・参加している、参加すべきと回答が半数を下回っている。
・パトロールや清掃活動・・・参加している・参加すべきが約2割。外部委託しても良いが約5割。必ずしも保護者が行うことはなく、第三者に委託してもよいと思われている活動のようです。
【小1の壁の対策2】放課後・長期休暇は親・配偶者・学童に
小学1年生の子供の共働きママが現在利用しているサポートを聞きました。
その結果、「配偶者」「自分の親」「自治体の学童や放課後子ども広場」がトップ3でした。次に「民間の学童」「配偶者の親」「ママ友・パパ友」が挙げられており、ほか様々なサポートを利用していることが分かりました。配偶者と役割を分担したり、自治体や民間の学童を利用したり、自分・配偶者の親や友達の協力を得るなどして、小1の壁を乗り切っている様子がうかがわれます。
【小1の壁の対策3】子育て施設・サービスへの利用希望
上の図は、小学1年生の子供の共働きママに、子育て施設・サービスにどんなサービスをしてほしいか聞いたものです。
「子供だけで遊べる」「自宅ではできない遊びができる」「習い事へ行かせてくれる」「病気やけがの時も預けられる」など多様なニーズがあるようで、6-7割にのぼっています。共働きママ自身で対応できない、様々なシーンで活用できる施設やサービスへの希望が高いようです。
学童の時間延長や土曜休日の利用希望は5割程度でした。自治体でサービスを提供しているところも多いためでしょうか。
共働きママが子供や学校と関われる時間は限られています。自分自身が関わること、他の誰かにゆだねること、子供に任せることを、状況に応じてコントロールできる働き方やサポートの充実が求められているのかもしれませんね。
おわりに
上図は未就園児~小学生の長子を持つママとパパに、「小1の壁」についての説明文を提示し、知っているかどうか聞いたものです。
共働きママの64.1%が「説明文の内容を知っている」と答えたのに対し、非共働きママは37.8%にとどまっています。また、パパの認知は共働き、非共働き共に2割台と、知らない人が約半数となっています。
共働きママを悩ます「小1の壁」。同じ年頃の子供をもつ親であっても、共働きママ以外には、自分ごとと捉えられていないようです。家族・地域・自治体などみんなで問題の解決に取り組むことが求められているのかもしれませんね。
【調査概要】
「子育て世帯の地域コミュニティに関する調査」
定量調査
・調査時期:2016年9~10月
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:一都三県在住 25~49歳既婚 男女1785名
・分析対象:子あり男女
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