牛乳、加工乳、乳飲料、違いをご存じですか?
スーパーマーケットなどの店頭で見ると、様々な牛乳や乳製品がありますね。
例えば、【鉄分カルシウム増量】【低脂肪】【特濃】と3種類の商品があったとして、この中で牛乳と呼べるものはいくつあるでしょうか?
正解は、【低脂肪】のラベルのみ。
その他の2つは加工乳や乳飲料に分類され、「牛乳」ではないのです。
一般的に販売されている牛乳の種類(牛乳類)は大きく3つに分けられます。
- 牛乳(牛乳・特別牛乳・成分調整牛乳・低脂肪牛乳・無脂肪牛乳)
- 加工乳
- 乳飲料
牛乳・加工乳の規定は、食品衛生法に基づいて国が定めた「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(略して「乳等省令」)で、乳飲料については、乳業界が規定した「飲用乳の表示に関する公正競争規約」という自主基準で定められています。
乳等省令では、成分規格や製造方法だけではなく、容器包装の規格まで定められています。牛乳や加工乳のパッケージに「公正」マークがついているのは、この規約を守っている事を示しているのです。
製造方法や成分が国や業界で定めた基準に基づいていると知ると、安心ですね。
それでは、牛乳類それぞれの特徴をご紹介します。
牛乳の種類(牛乳類)は原料によって3つに分けられる!
上記でご紹介した通り、牛乳の種類(牛乳類)は使用原材料によって分けられます。
- 牛乳・・・生乳(牛から搾ったままの乳)のみを原料としたもの
- 加工乳・・・牛乳に他の乳製品を加えたもの
- 乳飲料・・・牛乳に乳製品以外の原料を加えたもの
詳しくご紹介していきましょう。
【1. 牛乳】「牛乳」と名乗れるのはこれだけ!? 5種類の牛乳とは?
生乳以外に何かを加えた飲料は「牛乳」とは呼べません。
なお、牛乳は成分規格で、さらに大きく5つに分けられます。
1.「牛乳」
生乳を加熱殺菌したもの。
生乳100%を原料とし、水や他の原料を加えることも、成分を減らすことも一切しません。
無脂乳固形分8.0%以上含んでいることが条件づけられています。
無脂乳固形分とは、牛乳に含まれるたんぱく質・炭水化物・ミネラル・ビタミン類など、脂肪分以外の成分のことを指します。
2.「成分調整牛乳」
水分、乳脂肪分、無脂乳固形分などの成分を一部除去したもの。無脂乳固形分は、牛乳と同じく8.0%以上あります。乳脂肪分の量には規定が無いので、乳脂肪分由来のコクや旨味に関しては商品によって差があります。
3.「低脂肪牛乳」
「成分調整牛乳」の仲間。生乳から乳脂肪分の一部を減らして「低脂肪」にしたもの。
牛乳に含まれる脂肪分だけを調整しているので、それ以外の成分は牛乳とほとんど同じです。水や他の原料は全く加えていません。
4.「無脂肪牛乳」
「成分調整牛乳」の仲間。低脂肪よりさらに脂肪を取り除き、乳脂肪分を0.5%未満に仕上げたもの。
「低脂肪牛乳」と同様に乳脂肪分以外の成分は牛乳とほとんど同じで、水や他の原料は全く加えていません。
5.「特別牛乳」
各地域の保健所で「特別牛乳さく取処理業」の許可を受けた施設で搾った生乳を処理したもの。全国数ヶ所の施設だけがこの許可を受けています。
生乳を搾ったあと、殺菌しないか、又は低温殺菌をして、厚生労働省令で定める品質規格になるよう作られています。
他の牛乳に比べて乳脂肪分・無脂乳固形分の基準が高く、乳脂肪分は3.3%以上、無脂乳固形分は8.5%以上と定められています。
【2. 加工乳】乳脂肪の調整が自由自在!?
生乳にバターや脱脂粉乳など他の乳製品を加え、成分を調整したものを「加工乳」といいます。加えてもよいものは乳製品と水だけに限定されています。
脂肪分を高めた「特濃」や、脂肪分を少なくした「低脂肪」などがあります。
【3. 乳飲料】甘いものだけとは限らない!?
生乳に乳製品以外の原料を加えたものが「乳飲料」です。特定の乳製品だけを加える加工乳とは違い、加えてもよい物の対象が広いです。
ただし、無脂乳固形分・乳脂肪分を合わせた乳固形分が3.0%以上という決まりがあります。
- 栄養強化タイプ・・・カルシウムやビタミン、鉄分などの栄養素を増やしたもの
- 嗜好飲料タイプ・・・コーヒーや果汁などの風味素材を加えたもの
「コーヒー牛乳」は存在しない?!
一般的に、「コーヒー牛乳」「いちご牛乳」とよばれる飲料。「牛乳」と表記するためには、生乳以外の原料を加えてはいけません。なので、種類別は「乳飲料」と表記されています。
おわりに
牛乳、加工乳、乳飲料の違いについてご紹介しました。それぞれに美味しさや楽しみ方があるので、シーンに合わせて選ぶのも楽しいかもしれませんね。
参考: 雪印メグミルク株式会社「ミルクアカデミー」
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