失敗しないクリームコロッケのコツが知りたい!
揚げ物の中でもクリームコロッケは、家庭で作るには特にハードルが高いですよね。うまく成形できなかったり、揚げている最中に破裂したり・・・。そこで人気洋食店「レストラン大宮」の大宮勝雄シェフに、家庭で簡単にできるクリームコロッケのレシピや基本となるホワイトソースの作り方、破裂しない揚げ方のコツを伺いました。
【大宮シェフ直伝】家庭でできる基本のカニクリームコロッケ
大宮シェフ直伝の「基本のカニクリームコロッケ」のレシピをご紹介します。プロならではのワザを取り入れつつ、ご家庭でも作りやすいレシピになっています。作り方のポイントは、レシピの後に詳しくご紹介していきますね。
材料(4人分・8個)
《ホワイトソース(約500g)》
牛乳・・・2カップ
バター・・・50g
薄力粉・・・50g
玉ねぎ・・・1/2コ
マッシュルーム・・・6コ
バター・・・大さじ1
カニ缶・・・200g
塩・・・小さじ2
コショウ・・・少々
《バッター液》
薄力粉・・・大さじ4
卵・・・1コ
水・・・小さじ2
《その他》
バター・・・10g
パン粉・・・適量
揚げ油・・・適量
作り方
- ホワイトソースを作ります。薄力粉を耐熱容器に入れて、電子レンジ600Wで10秒加熱した後、レンジから取り出してよく混ぜます。これを2∼3回繰り返すことで、ダマになりにくいサラサラの小麦粉ができます。
- お鍋に弱火でバターを溶かし、ふつふつと沸いてきたら1の小麦粉をすべて入れ、ヘラでよく混ぜます。焦がさないように注意しましょう。
- 牛乳を温めて2の鍋に少しずつ注ぎ、泡だて器で全体が一つになるようゆっくりと混ぜます。ホワイトソースがふつふつと沸いて、混ぜていると、鍋底が見えるような硬さになればホワイトソースの完成です。
- 具を作ります。玉ねぎは1cmの角切り、マッシュルームは5mm位の厚さにカットします。フライパンにバターを溶かし、中火で炒めて塩、コショウを適量入れ、味を整えます。
- タネを作ります。ホワイトソースの鍋に塩(小さじ1弱)、コショウを適量入れ混ぜます。そこに、4の玉ねぎ・マッシュルームとカニ缶を汁ごと入れてよく混ぜます。
- バターをバットに塗り、タネを流し込み、乾かないようタネの表面に薄くバターを塗ります。粗熱でバターが解けるので常温や冷えたままのバターでOKです。粗熱が取れるまで常温で冷ましてから、ラップをかけ、さらに冷蔵庫で冷やし固めます。
- しっかりタネが冷えたら、ラップの上からタネをたたき空気を抜きます。タネを8等分にし空気を抜きながら俵型になるよう形を整えて、冷凍庫で10分ほど冷やします。
- 冷えた俵型のタネをバッター液に浸し、パン粉の上でやさしく転がします。破裂を防ぐためにしっかりと衣をつけます。衣をつけたタネをもう一度冷凍庫にいれ、30分ほど冷やします。
- 冷凍庫からタネを取り出し、180℃の油で揚げます。全体が色づいたら、弱火(150℃程度)にします。ふつふつと細かい泡になったら、完成です。
【クリームコロッケ作りのポイント1】ホワイトソース作り
クリームコロッケの魅力の一つは、口にいれた時に中からトロリと流れ出るホワイトソースですよね。クリームコロッケのホワイトソースは味や食感の決め手となるため、しっかりとコツを踏まえて作りましょう。
大宮シェフによると、クリームコロッケ用のホワイトソースは、グラタンやシチューに使うホワイトソースと少々異なるそうです。口当たりがよく、しかも揚げやすいホワイトソースの作り方のコツをご紹介します。
小麦粉をレンジで加熱!
大宮シェフによると、ホワイトソース用の小麦粉は、まず、600Wの電子レンジで加熱するのがおすすめとのこと。こうすることで小麦粉の水分が抜け、サラサラになります。ホワイトソースを作る際にダマになりにくく、口当たりの良いソースができます。
また、ソースの煮込み時間が少なくなるメリットもあります。小麦粉を指で押して、コーンスターチのようなキュっとした触感になったらダマになりにくい、ホワイトソース向けの小麦粉が完成します。
水分量に注意しよう!
ホワイトソースは、水分が多いと揚げた時に水蒸気になって、衣の薄い部分を突き破ってしまいます。これが、クリームコロッケが破裂しやすい理由です。
クリームコロッケ用のホワイトソースは、牛乳やカニ缶の汁の量を控えて、固めのタネを作りましょう。
バターと牛乳は常温に戻しておく
バターと牛乳は、火にかける前に常温に戻しておくと、なじみやすくなります。
弱火で鍋にバターを溶かしたら、小麦粉を加えてサラサラになるまで色づかない程度に炒めます。その後牛乳を少しずつ加え、さらに混ぜます。
ホワイトソースはゆる過ぎず、若干固さがある方が、成形しやすいです。木べらなどで混ぜながら加熱し、手に重みを感じるくらいの固さを目指しましょう。焦げやすいので気をつけてください。
具材は下味を付けて、しっかり炒める
別の鍋にバターを溶かし、みじん切りにした玉ねぎを、中火でしんなりと透き通るまで炒めます。具材として、カニ缶の代わりにエビや鶏モモ肉などを使う場合には、ここで投入します。塩やコショウで下味をつけ、よく炒めてください。そうすると、ホワイトソースに味がよくなじみます。
また、クリームコロッケは衣をカラリと仕上げるためには短時間で揚げるのが大切です。この段階で食材にしっかり火を通しておきましょう。
冷ましてから空気抜きを
できあがったタネは、バットにあけて粗熱を取った上でラップをしっかり表面に密着させて、1時間ほど冷蔵庫に入れましょう。冷やすことで固くなり成形しやすくなります。取り出す際はラップの上から表面を押し、適度な弾力があれば、しっかり冷えた合図です。
冷めたら、上から叩いて空気を抜きます。混ぜた時に入り込んだ空気を抜くことで、揚げた時の破裂を防げます。これでタネの完成です。
【クリームコロッケ作りのポイント2】小判型でなく、なぜ俵型? 成形のコツは?
クリームコロッケは成形が難しいですよね。固めのクリームソースでもうまく俵型に成形するにはコツがあるのだそう。クリームコロッケが俵型の理由も含め、大宮シェフに教えていただきました。
クリームコロッケはなぜ俵型なの?
他のコロッケは小判型が多いですが、クリームコロッケはたいてい俵型です。
その理由は、クリームコロッケのタネが他のコロッケと比べて柔らかいためだそう。角を減らし丸みのある俵型にすることで、フライパンの中で転がしながら揚げやすくなるというメリットがあるのです。
成形には温度が重要
成形するのに時間がかかってしまうと手の温度でホワイトクリームが溶け出します。成形はスピーディーに行いましょう。
冷蔵庫で冷やしたタネを取り出したら、ヘラで手のひらにのる程度の大きさに等分します。手に載せたら、空気を抜きながら俵型にまとめます。手にオリーブオイルなどを塗ると、くっつきにくくなります。
ホワイトソースを俵型に成形した後は、10分ほど冷凍庫で冷やしましょう。タネを冷やすことで丁度良い固さになり、揚げた時に割れづらくなります。
バッター液で簡単衣付け!
小麦粉と卵を混ぜたバッター液を作ります。バッター液を作ることで、小麦粉をつけ、卵にくぐらせる工程を、一度で終えることができます。そのため手でホワイトソースに触れる時間が短縮され、型崩れを防ぐことができます。
バッター液に付けた後は、パン粉をつけて冷凍庫で冷やします。揚げる前に再び冷やすことで、きれいな形が保たれます。
【クリームコロッケ作りのポイント3】爆発なし! 失敗しない揚げ方のコツ
きれいに成形できたら最後は「揚げ方」です。コロッケを破裂させないためには、揚げ方にもコツがあります。
油の温度に気をつけて!
冷凍庫からクリームコロッケを取り出したら、180℃を目安に熱した油でカラリと揚げましょう。油の温度が低すぎると、衣が固まらないうちに、中のクリームが温まって流れ出てしまいます。
揚げ油の中に一度にたくさん入れると、油の温度が下がってしまうので、1∼2個ずつ静かに入れてください。周りがしっかり固まったら、150℃位に油の温度を落として中に火を通します。
動かすのは最小限に!
クリームコロッケの油に接している側が色づいてきたら、優しく転がしながら返します。持ち上げると形が崩れてしまうので、転がすように返すのがポイントです。
また、箸で触りすぎて、コロッケに刺さないように注意しましょう。破裂の原因になります。
最後は余熱で
コロッケの中まで火を通しすぎると破裂しやすくなってしまうので、完成の少し手前で油から取り出し、5~10分ほど、冷めない場所に置いておきます。
余熱で火を入れると、中心までしっかりと熱が入ります。
揚げ油の温度の調整が苦手な方にもおすすめ
ガスコンロの「温度調整」機能なら、温度調節が難しい【揚げ物】も、簡単にカラッとおいしく! センサーが自動で火加減を調節して、設定温度をキープしてくれるんです。ボタンを押すだけで、自動で設定温度をキープしてくれるなんて心強いですね。
【大宮シェフが教える】冷凍クリームコロッケの保存方法と揚げるコツとは?
多めに作ったクリームコロッケは冷凍保存することもできます。大宮シェフがおすすめするのは、コロッケをパン粉の中に埋める冷凍方法。フリーザーバッグにたっぷりのパン粉を入れ、その中にコロッケを埋めてパン粉ごと冷凍します。
食べるときは、30分ほど常温に置き、解凍してから揚げてください。
冷凍コロッケが爆発する原因は、中のホワイトソースと衣の温度差にあります。完全に凍っているコロッケは、油に入れた時に衣だけに火が通り、破れてしまうことがあります。
解凍しやすくするためには、冷凍用には小さめサイズで作ると良いそうですよ。
総菜コーナーのクリームコロッケを復活させる驚きの方法!
クリームコロッケにかかわらず、お惣菜の揚げ物は、水にさっとくぐらせて、高温の油で揚げなおすと、くたっとしたパン粉がカリカリに復活するそうです。手早く美味しいクリームコロッケを食べたいときには、重宝するワザですね。
手軽に温めなおすなら、グリルもおすすめ!
揚げ物の温めなおし、電子レンジでチンして、べチャッとなってしまった経験はありませんか?
「魚を焼く」イメージの強いガスコンロのグリルですが、オーブンの代わりになったり、トースターとしてパンを焼いたり、レンジのかわりに揚げ物の温めなおしにも使えたり、実はとっても万能な調理機器です。
グリルは直火で表面を焼きながら衣の余分な水分を蒸発させ飛ばし、放射熱で包み込むように加熱するので、表面はパリッと中はジューシーに。揚げたてのサクサク感がよみがえります。
加熱時間は1~2分が目安。焦げ目が気になる場合は、アルミホイルをかぶせるなどで調整してください。
おわりに
本格的なクリームコロッケを自宅で作ったことがない方も、コツを押えてぜひ挑戦してみてくださいね!
基本の作り方をマスターしたらアレンジレシピもおすすめです。ウチコトでも「クリームコロッケ」のレシピをご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
アレンジも楽しもう!「クリームコロッケ」レシピ
熱々トロトロで美味しい「クリームコロッケ」。カニや牡蠣、枝豆など多様な「クリームコロッケ」レシピをご紹介します。
最新のガスコンロなら、お料理を強力サポート!
最新のガスコンロには、料理を強力にサポートする便利機能が満載です。
自動で火加減を調整する揚げ物・焼き物に便利な「温度調節」機能や、ボタン一つでガス火炊きのご飯が炊き上がる「自動炊飯」機能。お湯が沸いたり、設定した時間になると消火する「湯わかし」や「コンロタイマー」機能など、「ガスコンロ」には調理をサポートする機能がたくさんあります。(※)
また、“魚を焼く”イメージの強い「グリル」ですが、実は肉や野菜料理、トーストやピザ、揚げもののあたため直しにも使える万能調理器です。
専用容器対応のグリルでは、手軽にオーブン料理も楽しめますよ。(※)
ガスコンロで「おいしい」をもっと簡単に! レパートリーをグンと増やしましょう!
(※)搭載機能や機能名は機種によって異なります。