ローリングストックとは?
備蓄というと、災害などの緊急時に備えて、長期保存可能な特別な食材【非常食】などを保存しておくというイメージですよね。
今、いつも使える食材を多めに購入し、食べた分だけ買い足していく、新しい備蓄法「ローリングストック法」が注目されています。
「ローリング」=回転させながら、「ストック」=蓄えておく 備蓄法です。
ローリンストック法のメリット
非常食用の食材であるカンパンや長期保存向け食品は、食べ慣れていない方が多いのではないでしょうか。実際に災害時に「そればかり食べていると味気なく感じた」という意見も有ったそうです。
そこで、災害時用として特別に用意した「非常食」ではなく、非常時にも食べられる食品を多めに備蓄し、定期的にその備蓄した食材を食事に取り入れ、食べた分だけ買い足していくのが「ローリングストック法」です。
その食材での調理を経験しておけば、災害時でも「慣れた味」の食事がとれるので安心です。災害時のストレス軽減にも役立つと言われています。
また、食べた分だけ補充するので、いざという時に消費期限切れの心配がないのもメリットの一つです。
消費しながら買い足していく方法とは?
月に1度、非常食ごはんの日を決めるのもいいでしょう。
その食材での調理を経験しておいたり、家族で食べながら、「この缶詰使いやすい」「このレトルトは味が濃い」「このメーカーの方が好みだ」など味を評価して、食べ慣れておくことも大切です。
そして、食べた分をまた買い足していきます。
何を用意したらいいの?
ローリングストックなら、非常食のように保存期間が長くなくてもよいので、食べなれた自分好みのものを備えておけるのもうれしいポイントです。選ぶ際には賞味期限だけでなく、常温保存できるか、缶切りなどの道具を必要としないかもチェックしておくといいですね。
また、災害時はストレスがたまりやすいもの。食べなれたお菓子なども入れておくといいかもしれません。以下に、食材の例をご紹介します。
主食になるもの
米、パックごはん、乾麺(パスタなど)、餅、シリアル、レトルトおかゆ、フリーズドライ(パスタ、リゾットなど)、アルファ化米、粉もの(ホットケーキミックス、お好み焼き粉など)
おかずになるもの(そのまま食べられるもの)
缶詰(ツナ缶、焼き鳥缶、サバ缶、コンビーフ、コーン、大豆、ひじきなど)
レトルト食品(カレー、パスタソース、スープ、中華丼の具、牛丼など)
瓶詰(ピクルス、鮭フレーク、佃煮など)
おかずになるもの(水や湯を使うもの)
フリーズドライ(スープ、味噌汁など)
乾物(高野豆腐、麩、切り干し大根、乾物野菜、乾燥わかめ、乾燥しじみなど)
おやつになるもの
ゆであずき缶、フルーツ缶、ドライフルーツ、ナッツ類、飴、羊羹など
飲み物(水分)になるもの
水、野菜ジュース、スポーツ飲料、経口補水液、お茶、コーヒー、ゼリー飲料など
どれくらいの量を備蓄しておけばいいの?
以前は「備蓄は3日分あれば十分」という考え方が一般的でしたが、最近では、1週間やその先も見据えて備蓄しておくことが望ましいとされています。
1週間というとかなりの量に思えるかもしれませんね。
最初の3日間は冷蔵庫の中のものでしのいで、残りはローリングストックで蓄えた食材で乗り切るという考え方もあるようです。
【水の量の目安】
水は1人1日3リットルが必要と言われています。
3リットル×7日×家族人数分の用意があると安心です。
【食材の量の目安】
1食分の食材×3回×7日×家族の人数分が必要ですが、ローリングストックなら、普段の食料が備蓄になります。備蓄食料を日常的に使い続けることで、いざという時に生きる本当の備えになります。
あると便利な調理器具など
食材とともにカセットコンロと交換用ボンベを用意しておくと、ガスや電気が止まった時にも簡単な調理ができて便利です。
ふた付きのフライパンを調理に使えば、熱を逃さず調理時間も短縮できます。
新聞紙やラップ、ポリ袋などを用意しておくと、新聞で折ったお皿にラップやポリ袋をかぶせて即席のお皿になります。お皿を水洗いできないときも、こんな工夫があれば乗り切れそうですね。
【日頃からの実践が大事! 】家にあるものだけで作る「防災・缶詰レシピ」
ストック食材(缶詰)を上手に使って、日頃から災害時も鍋やフライパンひとつでできるレシピをご紹介します。
ぜひ、実践してみてくださいね。
おわりに
無理なく万が一のときに備えられる「ローリングストック法」についてご紹介しました。
日頃から、非常時に備えて確認・訓練をしておくことは、いざという時に落ち着いた行動を取るためにも大切です。この機会にぜひ、下記の地震の時のガスの対処法も確認しておきましょう。
参考:東京都防災ホームページ 「日常備蓄」を進めましょうリーフレット
参考:内閣府「できることから始めよう! 防災対策」
参考:ウチコト 防災のプロに学ぶ!「もしも」の災害に備えて「日々」を過ごす備蓄食料のコツとは?