火事になったらまずは「逃げ遅れない」こと
「総務省消防庁「平成30年(1月~12月)における火災の状況(確定値)」によると、住宅火災の死に至った経過状況(放火自殺者等を除く・不明・調査中を除く)では、逃げ遅れが原因で死亡した人が全体の8割以上です。逃げ遅れないために早く気づくことが大切です。
火災で本当に怖いのは、炎ではなく煙!?
火事で発生する煙は、想像以上に早く迫ってきます。本当に怖いのは、炎ではなく煙です。
まず、不完全燃焼の煙を大量に吸い込むと、体内の酸素が少なくなり呼吸困難で自由に体を動かせなくなります。いわゆる、一酸化炭素中毒の状態です。また、熱い煙を吸い込むと気道や肺がヤケドしてしまい、同じく呼吸困難の原因になります。
火事が起きた時、意識することは?
火事が起きると、恐怖心でパニック状態に陥りやすいもの。きちんと対処法を理解しておくことで、少しでも冷静に身を守れるようにしましょう。
【避難時に心がかげること1】冷静さを保つ
突然のトラブルに、普段何気なくできている行動ができなくなることもあります。人間はいざ避難しなければいけない時、無意識にもと来た道を戻る、慣れてる道を選ぶ、多くの人が逃げる方向に行ってしまう習性があるそう。まずは少しでも冷静になるように心がけ、適切に避難できる方法を見つけましょう。
【避難時に心がかげること2】エレベーターには乗らない
もしビルなど複数階がある建物で火事にあった場合、エレベーターを使うのは止めましょう。閉じ込められて避難できない可能性もあります。必ず階段で移動しましょう。
【避難時に心がかげること3】煙を吸わない
避難時は煙を絶対に吸わないように、細心の注意を払うことが大切です。濡れたタオルなどで口や鼻を押さえ、低い姿勢で逃げましょう。煙やススで周囲が見えにくくなっているかもしれませんが、地面に近いほど新鮮な空気や視界が確保されます。低い姿勢で壁伝いに避難しましょう。
火事への対処で、まず知っておきたい初期消火の3原則とは?
1. 見つけたら早く知らせる
火事を見つけたら、近隣の方や住人にいち早く知らせましょう。すぐに消火できず、火が広がってしまう可能性もあります。小さな火でも消防車を呼ぶことが大切です。
2. 早く消火する
出火から3分以内が、消火できる限度だそうです。消火器だけに頼らず、座布団で火を叩く、塗れた毛布で火を覆うなど、身の回りで使える消火方法をおさえておきましょう。
3. 早く逃げる
天井に火がうつったり、自分の手に負えない場合は迷わず逃げましょう。逃げる際は扉などを閉め、火に空気が入らないようにすることも重要です。
住宅用火災警報器の設置が義務付けられています
消防法により、すべての住宅に「住宅用火災警報器の設置」が義務付けられています。原則として寝室に設置が必要です。階段やキッチンなども条件によって、または市町村条例で設置が必要となる場合があります。
詳細は地域の消防署にお問い合わせください(ただし、未設置の場合でも罰則等はありません)。
ガス漏れだけでなく熱中症の警報もできる!?「快適ウォッチ」とは?
快適ウォッチ※1は、火災※2、ガス漏れ、不完全燃焼(CO)に加え、暑さ指数(WBGT※3)を算出し、熱中症の危険がある状態やインフルエンザなどにかかりやすい乾燥の警戒度をランプと音声でお知らせする警報器です。お客さまの暮らしがより快適になるようにサポートします。
※1 快適ウォッチは、新コスモス電機(株)の登録商標です。
※2 火災警報機能はXW-726SとSC-715Tに搭載。
※3 温度と湿度から「暑さ指数(WBGT)」(暑熱環境下におけるリスクの度合いを判断するために用いられる指標)を算出し、熱中症の危険がある状態をお知らせする機能です。
※4 空気が乾燥したインフルエンザなどにかかりやすい状態をお知らせする機能です。
【火事の対処法】出火元別に知りたい! 初期消火のコツとは?
1. 油なべ
慌てて水をかけるのは危険です。水が飛び跳ね火傷したり、燃えた油が飛び散り火災が大きくなる可能性もあります。まずは消火器を吹きかけて消火しましょう。消火器がなければ、濡らした大きめのタオルやシーツを手前からかけ、空気を遮断します。空気の遮断により消火することができます。
2. 石油ストーブ
真上から一気に水をかけて消火しましょう。斜めに水をかけると石油が飛び散って危険です。石油が流れて広がっている場合は、大きめの濡れた毛布などでまず燃えているストーブを覆い、空気を遮断します。その上から水をかけて消火しましょう。
3. 風呂場
風呂場からの出火に気づいた場合、いきなり扉を開けることは厳禁です。空気が浴室内に供給されると、火の勢いが強まる可能性があります。徐々に扉を開けて一気に消火しましょう。
4. 電気製品
いきなり水をかけると感電の危険があります。コードをコンセントから抜いてから消火しましょう。できればブレーカーも落としてから消火しましょう。
最近では、配電盤やコンセントなどの初期消火に素早く対応できるステッカータイプの消火剤もあります。万が一に備えて、準備しておくと良いですね!
5. 衣類
衣類に火がついてしまったら、周りに水があれば水をかぶって消しましょう。ない場合は、地面に転がって、燃えている部分を押し付けて消すのがよいようです。髪の毛が燃えてしまったら、濡れた衣類やタオルなどを頭からかぶって消火しましょう。
6. カーテン・ふすま
カーテンやふすまなどに火が燃え広がったら、すぐに引きちぎったり、蹴り倒すなどして、火元を天井から遠ざけます。その上で消火をしましょう。
【火事の対処法】消火器の正しい使い方
万が一のために、消火器の使い方をおさえておきましょう。
消火器の使い方
消火器は次の3ステップで使用します。
1. 安全ピンに指をかけ、上に引き抜く
2. ホースをはずして火元に向ける
3. レバーを強く握って噴射する
消火器の使い方
消火器の構え方のポイントは次の3つです。
- 風上に回り、風上から消す
- やや腰を落として姿勢を低くし、熱や煙を避けるように構える
- 燃えているものにノズルを向け、火の根元を掃くように左右に振る
消火器を使うための準備
消火器を使うための準備は以下の6つです。
- 安全ピンのはずし方を確認しておく
- 使い方を読むだけでなく、実際に動かしてみて確認しておく
- 火災の種類によってラベルが異なるので、どの火災に適した消火器か確認しておく
- 高温多湿を避けて設置する
- さびついたり変形しているものは、専門業者に点検を依頼する
- 一度安全ピンを抜いた場合、噴射していなくても専門業者に点検を依頼する
警報器の取り換えなど、住まいの安全対策については東京ガスにご相談ください。
意外と知らない火事の対処法の常識、ウソ・ホント?
以下の火事の対処法で正しいのはどれでしょうか? 当たり前だと思っていた常識が意外と間違っている可能性も。
- IH調理器だと天ぷら火災は起きない?
- 調理中、油に引火したら水をかける?
以下に詳しく解説します。
IH調理器だと天ぷら火災は起きない?
これはウソです。よく心配される天ぷら火災は、油が高温になって自然発火するのが主な原因です。炎の有無や熱源にかかわらず、油の温度が約370 ℃になると油自体から自然発火します。直火のないIH調理器でも同じです。
調理中、油に引火したら水をかける?
これも上にもありますがウソです。余計火が燃え広がる可能性もあります。濡らした毛布などをかぶせ、空気を遮断して鎮火しましょう。
「Siセンサーコンロ(ピピッとコンロ)」なら防火対策も万全!
Siセンサーコンロならセンサーが鍋底の温度を感知し、約250℃になるとガスを自動的にストップ。油の自然発火を未然に防いでくれます。
2008年4月以降に製造してる家庭用のガスコンロは、全てのバーナーに、「調理油過熱防止装置(安心センサー)」「コンロ・グリル消し忘れ消火機能」「立ち消え安全装置」が搭載されていて、安全性の高いコンロ(Siセンサーコンロ)となっており、火災の発生防止に効果を発揮し、火災は減少傾向となっています。
ぜひお使いのガスコンロの安全機能もこの機会に確認しておくことをおすすめします。まだSiセンサーコンロを使用していないご家庭ではこの機会に是非検討してみてはいかがでしょうか。
おわりに
万一火事になったとき、慌ててどう対処したらいいのか、分からなくなることも多いもの。普段からこうした情報を確認しておくことが、自分や家族を守ることにもつながりそうですね。
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