目 次
「災害時のトイレ」考えたことありますか?
uchicoto
東京ガスでは、2017年より、NPO法人 日本トイレ研究所と共に、プログラム「災害時のトイレをそなえよう!」を開発し、 主に地域の防災イベント等で実施していました。
「災害に備える」と言った時に真っ先に思い浮かぶのは、食料のことではないでしょうか? なかなかトイレにまで気が回りませんよね。でも災害時のトイレ環境はとっても重要な問題なのです。
東京ガスのトイレプログラムって? なぜガス会社がトイレのことを?

出典:平成23年度東日本大震災における学校等の対応等に関する調査研究報告書(文部科学省)
2011年に起きた東日本大震災の際のアンケート結果。困ったことの第1位が「トイレ」でした。
東京ガスグループは、阪神・淡路大震災や東日本大震災など、過去の震災でガスの復旧支援活動に取り組んできました。復旧に携わる中で、被災地の状況を目の当たりにします。特に、たくさんの被災者の方たちが困っていたのが、トイレでした。
東京ガスでは、復旧支援活動での体験を活かし、安心・安全な暮らし、いのちを守る活動の一つとして、NPO法人日本トイレ研究所の知見を得ながら、災害時のトイレに関するプログラムを実施することになったのです。(※現在、プログラムは実施しておりません。)
災害時のトイレ問題って?

TOKYOGAS
大地震が起きて水が止まってしまうと、水洗トイレは流れなくなります。避難所には、くみ取り式の仮設トイレが設置されますが、道路などの被災状況によってはすぐに設置されるとも限りませんし、数にも限りがあります。くみ取りをするバキュームカーも不足し、あっという間に使えない仮設トイレが続出してしまうことも・・・。
また、屋外に設置されるため、防犯上も不安がありますし、雨や雪の日は傘をさしながら行かなければなりません。それに仮設トイレは和式がほとんどで段差があるので、ご高齢の方者や身体が不自由な方、またお子さんにも使いづらいかもしれません。

TOKYOGAS
このように不衛生で安心して使えないトイレには、できるだけ行きたくないものですよね。そうすると、トイレに行く回数を減らそうとして、水分や食事を控えてしまう・・・。
その結果、体調を崩して、エコノミークラス症候群や脳梗塞、心筋梗塞などの病気になるリスクが高くなります。災害時のトイレ環境は、心身の健康につながる、時には命に関わる、とても重要な問題なのです。
災害時に備えておきたい「携帯トイレ」とは!?
uchicoto
もし、自宅のトイレが使えなくなったらどうしたらよいでしょうか。水洗トイレを無理に流そうとすると、詰まったり壊れた排水管からもれてしまうことがあります。
大切なのは、「災害時は、排水管が使えるかどうか確認ができるまで水を流さないほうがいい」ということ。水が流せなくてもトイレ空間そのものはそのまま使うことができます。そこで、活躍するのが「携帯トイレ」です。
携帯トイレには、凝固剤で固めるタイプと吸水剤で吸水するタイプの主に2種類があります。今回は、凝固剤で固めるタイプの使い方をご紹介します。
今回のイベントで紹介された携帯トイレのセットの中には、汚物袋(黒い大きなポリ袋)、処理袋(白い小さめのポリ袋)、凝固剤の3点が入っていました。それでは、さっそく使い方を見ていきましょう。
とっても簡単! 災害用の携帯トイレの使い方
まず用意するものは、携帯簡易トイレの他に大きめのポリ袋です。45リットルタイプがおすすめです。
携帯トイレの使い方1
uchicoto
まず、便座を上げて便器に携帯簡易トイレとは別に用意した、大きめのポリ袋をかぶせます。
この時、便器の底に溜まっている水は捨てないでください。この水は、排水管から臭いが上がってこないようにするフタの役割をしています。このポリ袋は一回ごとに取り換える必要はありません。
携帯トイレの使い方2
uchicoto
便座をおろして、その上から携帯トイレの汚物袋をかぶせます。
袋が下に落ちないように、便座と便器の隙間に挟み込みましょう。
携帯トイレの使い方3
uchicoto
本来なら排泄物を入れるのですが、今回は代用で水350mlを入れます。
携帯トイレの使い方4
uchicoto
凝固剤を汚物袋の中に振り入れます。
uchicoto
こんな感じにすぐに固まります。
携帯トイレの使い方5
uchicoto
排泄後は、便座に取り付けていた排泄袋を外して、口をしっかりしばります。
携帯トイレの使い方6
uchicoto
汚物袋を処理袋に入れて二重にします。
使用済みの携帯トイレは、たいていは可燃ごみ(燃えるごみ)として捨てることができますが、自治体によって異なる場合があるかもしれませんので、確認しておくことをおすすめします。
災害用の携帯トイレ、何日分備えればいいの?
さて、この携帯トイレ、いったい何日分備えておけばよいと思いますか?
その目安は、7日分。水洗トイレが使えるようになるまで、一カ月以上かかる場合もありますが、少なくとも7日分は備えておきましょう。
7日分とすると、必要となる携帯トイレの数は下記の式で分かります。
・一日当たりの家族のトイレ回数×7日間
3人家族で、一人当たりのトイレ回数が一日平均5回とすると、5回×3人=15個。1日15個が7日分なので、105個必要ということになります。
「そんなにたくさん!」と驚かれるかもしれませんが、いざという時のために、トイレットペーパーとセットで備えておけば安心ですね。
おわりに
災害が発生した場合、行政による救助や支援には限界があります。日頃から「自分の身は自分で守る」という意識を持つことはとても大切。飲み水や食料の備蓄に加えて、「トイレの備え」もしておくと安心ですね。
※この記事は2022年3月時点の情報です。
災害時に役立つ 東京ガスの防災関連情報

Tokyo Gas Network
東京ガスでは、ホームページや公式Twitter、災害時のガスの供給・復旧状況が分かる復旧マイマップなど防災関連情報を発信しています。普段からブックマークなどで登録しておけば災害時にすぐに確認することができますね。
東京ガスホームページ
東京ガス供給エリア内で地震などが発生した場合、関連情報を提供します。
東京ガス公式Twitter
防災など安全に関する情報を中心にお届けします。
復旧マイマップ
ガスの供給停止を伴う大規模な地震が発生した際に、地図で色分け表示されたガスの供給・復旧状況を確認いただけます。
家族を守る 3分防災

myTOKYOGAS「家族を守る3分防災」
身近なものでも、工夫と知恵次第で立派な「防災グッズ」に。自宅でのスーツケースの活用方法や、ポリ袋や新聞紙、ラップなど身近なものを知恵と工夫で「防災グッズ」にするノウハウなど、多くの役立つ【防災対策のコツ】をご紹介しています。
詳しくは、下記ページを参考にしてみてください。

TOKYO GAS
東京ガスのmyTOKYOGASは、毎月のガスや電気の使用量や料金を確認できる登録無料のWeb会員サービスです。
myTOKYOGASのご利用によってポイントがたまるサービスや、省エネにつながる便利なサービス、生活に役立つ情報をお届けするサービスもあります。登録がまだの方はぜひご登録ください。
コピーされました
公開日:2020.1.14
最終更新日:2023.9.4
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の責任において行ってください。
本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
詳しくは、「サイトのご利用について」をご覧下さい。