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小1の壁に向けて! 「乗り越えるための対策」を育休後コンサルタントに聞く

子どもの小学校入学前に話題になる「小一の壁」。子どもの成長がうれしい反面、乗り切れるかどうか不安になる共働き家庭は少なくないのではないでしょうか。ご自身も大企業で2度の育休を経た後に育休後コンサルタントとして独立し、10年以上、働くママ・パパに寄り添い続ける山口理栄さんに、小一の壁が起こる原因や乗り切るための対策について伺いました。

最終更新日:2023.12.27

目 次

「小一の壁」とは? 働く親にとっての障壁になる理由は?

小学一年生

PIXTA

子どもの小学校入学と同時に訪れると聞く「小一の壁」。保育園に比べ、放課後児童クラブや学童は預かり時間が短いなど環境が異なります。「小一の壁」とはこうした理由で、親が同じように働くのが厳しくなることを指します。育休後コンサルタントとして活躍し、10年以上、働くママに寄り添ってきた山口理栄さんに、小一の壁やその対策についてお話を伺いました。

山口さんによると、「小一の壁」とは20年以上前から話題になってきた言葉だそう。子どもが小学生になると以下のような環境の変化が出てきます。

・保育所と比べると、放課後児童クラブ・学童の開所時間が短い
・放課後児童クラブ・学童に入れず、待機児童になってしまう
・会社の制度により、子どもが小学生になる時点で時短制度を利用できなくなる
・長期休暇中のお弁当の用意など、親の準備事項が増える

小1の壁になりうる要素

提供:育休後コンサルタント 山口理栄

さらに、学校やPTA、学童とのやり取りが発生したり、地域の子ども会など地域とのつながりが深くなったりと、親の負担が増えていく面もあります。子ども自身が一人で行動する範囲が広がるのに伴い、親が関わる相手が増えていくことになるともいえるでしょう。

自分と仕事は変化がないけれども、付き合う相手が増え、新しいタスクや制約がかかってくる。これがいわゆる「小一の壁」になります。

小一の壁を乗り越えるための事前の対策

お家で勉強をする小学生

PIXTA

山口さんによると、小学校入学が「壁」となるかどうかは、親の働き方や子どもの性格・特性など家庭によって異なります。なるべくハードルを下げるために、事前にできる対策を伺いました。

【対策1】学童やアフタースクールに関する情報収集

学童のイメージ

PIXTA

放課後児童クラブ・学童の定員数や待機状況、預かり時間は地域によって異なります。待機児童の多い地域では、あらかじめ民間学童やアフタースクールを探しておきましょう。学童の預かり時間が短く、親の勤務スタイルと合わない場合にも便利です。民間学童やアフタースクールの中には、ただ預かるだけではなく、習い事やスポーツをさせてくれる施設もあります。学校付属の放課後児童クラブ・学童とこうした施設を併用する方法もあります。

せっかく学童に入れたものの、子どもが嫌だと言い出して学童に行かなくなってしまうケースも多くあります。子どもの性格や特性にあった施設かどうかも、見極めておけるとよいですね。

【対策2】夫婦で意識合わせしておく

話し合う夫婦

PIXTA

保育園では親の送り迎えがあり、先生と話す機会もありますし、連絡帳で日々の様子を報告してもらえます。一方、小学校では先生とのこうした密なやり取りがなくなるため、日々の様子はわかりにくくなることも。そうした場合、ある程度親が手助けしながら本人の自立をサポートしていく必要が出てきます。

また、保育園と比較すると、学校や学童などの施設、地域のコミュニティとのやり取りも増えていきます。夫婦での協力が必要な場面も増えてくるので、夫婦間で率直に思いをぶつけ合い、仕事や生き方について話し合っておくとよいでしょう。

また、夫婦間で何をどれくらい分担しあうのかも決めておけると理想的です。例えば、学校の開校時間前に親が出勤する場合、出勤時刻をパートナーと調整するのか、鍵を持たせるのか、マンションのロビーやお友達の家で登校時間まで待たせるのか。複数の選択肢を視野に入れて検討していきましょう。

小一の壁を乗り越える! 小学生の親がすべきこととは?

登下校中の小学生

PIXTA

山口さんは、小一になると子どもの自己主張が強くなることも特徴だと言います。

「小学1年生になると、子ども自身も好き嫌いや意志をハッキリ示すようになります。今まで親が決めていた通りにしていた子でも、本人の意志を確認しながら決めることが出てきます」(山口さん)

通っていた学童や習い事に行きたくないと嫌がることもあります。こうした場合も頭ごなしに叱るのではなく、本人の意志を尊重して嫌な理由を一緒に考えたり、他の選択肢を検討したり、しばらく休ませて様子を見たりと優しく見守るのが大事ですね。

このように子どもの自立をサポートしながら、小一の壁を乗り越えるためのヒントについても伺いました。

【小一の壁を乗り越えるためのヒント1】地域のコミュニティやイベントに参加する

地域のイベントのイメージ

PIXTA

「子どもは地域で育てるもの。地域での子どもの安全を守るためにも、子ども見守りの包囲網を意識し、地域のコミュニティには積極的に参加しましょう」と山口さん。

自治会や子ども会、マンション理事会などに積極的に参加し、責任ある役割を引き受け、親が地域の大人と信頼関係を築いていく必要があると言います。山口さん自身、お子さんが小さい頃に「子どもが通学路で泣いてたよ」などの情報を地域の知り合いから聞き、子どものトラブルが発覚した経験や、お子さんが鍵を落とした時に近所の人に助けてもらえた経験があるとのこと。

親が職場にいて、不在の時にも子どもを守ってくれるのは地域の大人。また子どもが間違ったことをした時や、トラブルに巻き込まれそうな時にも声を掛けてもらえるかもしれません。災害や事故に巻き込まれる可能性もあります。単独行動が増える小学生だからこそ、地域のコミュニティが大事になってきますね。

【小一の壁を乗り越えるためのヒント2】学校の参観日や保護者会には参加する

学校の行事のイメージ

PIXTA

保育園時代は送り迎えで先生と密に連絡が取れますが、小学校では親が意識しないと子どもの状況が分からなくなってしまうと山口さんは指摘します。

学校や学童の参観日や保護者会には、欠かさず出席して担任の先生に挨拶する。掲示物や机の中の整頓の様子などもチェックして、子どもが提出物や宿題を出し忘れていないか確認する。こうしたことが大切です。普段の子どもの様子やクラスの雰囲気も見てわかることがあります。

低学年の子どもは提出物の管理ができていない場合もあれば、「授業についていけない」「お友達とのトラブルを抱えている」など自分の身に起きていることがあっても、親に言わない場合もあります。大人の目でクラスの様子を確認しておくことは大事ですね。

また、担任の先生に挨拶する際には、親に「忙しいだろう」と気を使って先生側が連絡を控えていることもあるので、「何かありましたら携帯に電話をください」と伝えておくとよいでしょう。学校が始まると4月には年間スケジュールが配られるので、参観日や行事予定を家族で共有しておくのもおすすめだそうです。

【小一の壁を乗り越えるためのヒント3】必要に応じて勉強のサポートをする

子どもを見守る母親

PIXTA

「小学生になると学習が始まります。授業を理解して付いていける子とサポートが必要な子がいます」と山口さん。

授業に付いていけない子の場合は、早めに親が家庭学習でフォローする必要があります。集団生活への適応がうまくいかないケースもあり、そうした場合は子どもの様子を丁寧に観察しつつ、学校や学童の先生と連携していくとよいでしょう。

【小一の壁を乗り越えるためのヒント4】PTAに参加する

PTAのイメージ

PIXTA

PTAにあえて参加しないという選択肢も増えてきていますが、山口さんは状況によって参加した方がよいと言います。

「参加しないという選択を、PTA側に受け入れてもらうことの難易度が高いケースも多いです。また、PTAに入らないことで子どもが仲間外れになるような環境もあるかもしれません。そうした場合に親が主体的にPTAと戦えないのであれば、参加した方がよいでしょう」(山口さん)

特に山口さんが勧めるのが、低学年でPTAの役員をやること。比較的重い役割は巡ってこないし、PTAの仕事を通して話せる相手が増えていきます。他の学年の保護者と知り合い、情報を得られます。忙しく働く親の場合、地域にママ友が少ない人もいるかもしれませんが、学校内に居場所ができ、アウェイな環境ではなくなるというメリットもあるようです。

【小一の壁を乗り越えるためのヒント5】セキュリティサービスを検討する

鍵をランドセルにつけている小学生

PIXTA

せっかく学童に入れても、子どもが行くのを嫌がることもありますし、習い事に行く前に一度家に帰宅する必要が出てくることもあります。また、学校や学童の開所時間より前に親が出勤するケースもあります。

このように小学生になると、一人で行動したり、家で留守番することも出てくるでしょう。こうした場合には、セキュリティサービスを検討するのも手です。東京ガスのくらし見守りサービス含め、多様なサービスがあるので比較検討してみるとよいですね。

【小一の壁を乗り越えるためのヒント6】勤務先の制度を活用する

リモート勤務をする父親のイメージ

PIXTA

「小一の壁」と一言で言っても、職種や個人の働き方によって、そのハードルの高さは異なり、壁にならない場合もあると山口さん。リモート勤務やフレックス制度の活用により乗り越えている人も多いと言います。

「以前は小一の壁というとママの抱える課題という側面が大きかったものの、昨今ではパパとママが一緒に抱える課題として取り組み、上手に両立している家庭が増えている印象です」(山口さん)

男性の育休取得率も急増し、ごく自然に夫婦で仕事をして育児も分担する家庭も増えています。ただ、会社によって対応が大きく異なるところなので、どんな制度を利用できるか、子どもが小学生になる前に確認しておくとよいですね。

おわりに

小一の壁という言葉にはネガティブな印象がありますが、小学校への入学は自立に向けた大きな一歩。本来は喜ばしいことだと山口さんは言います。

「働くママも子どもが小学生になったら、子どもの自立を促しつつ親も本来の自分に戻っていきましょう。子どもに手を掛け続けると、子どもはいつまでも自立できず、親も自分の好きなことができない状態が続きます。子どもには目だけ掛けておいて、手は少しずつ離していくのです。これまでママが子どものケアを一手に担っていた場合は、パートナーと子ども、パートナーと自分の関係を再構築していくのにも良いタイミングです」(山口さん)

子どもの性格や特性によって難しいケースもあり、一概には言えないものの、少しずつ子どものケアを手離し、親が自分のやりたいことにもトライしていけると良いですね。

参考:【データで検証! 】みんなどうしてる?「小1の壁」への対策【東京ガス都市生活研究所】

  • この記事取材先プロフィール

    山口理栄

    株式会社山口企画 代表取締役

    山口理栄

    育休後コンサルタント.com

    1984年4月総合電機メーカーにてソフトウェア開発に従事、2度育休を取り、部長職まで務める。2006年から2年間社内の女性活躍推進プロジェクトのリーダーに就任。2010年6月育休後コンサルタント(R)として独立。数多くの企業や自治体にコンサルティングやセミナーを提供。個人向けには育休後カフェ(R)を提供。2016年5月「改訂版 さあ、育休後からはじめよう 〜働くママへの応援歌~ 」 (労働調査会)はじめ、著書多数。

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公開日:2022.8.31

最終更新日:2023.12.27

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