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「陶器」「磁器」「炻器」の違いと見分け方、種類と特徴とお手入れのコツ

陶磁器といわれるものは、大別すると「陶器」「磁器」「炻器」の3種類があります。特徴や種類を知れば、食器選びがもっと楽しくなりますね。今回は、産地ごとの特徴・種類とともに、陶磁器を長持ちさせるためのお手入れのコツについてご紹介します。

最終更新日:2024.9.27

目 次

陶磁器の種類と産地ごとの特徴とは?

主な陶磁器の産地

TOKYOGAS

陶磁器の産地は日本全国にあり、産地や種類によってその特徴は異なります。
「陶器」「磁器」「炻器」の3種類に分けて、それぞれの特徴についてご紹介します。

陶器

陶器

PIXTA

素地が不透光性で吸水性があり、たたくと低くにごった音がします。陶器には、粗陶器と精陶器があり、粗陶器の素地は粗く、有色粘土を主原料としたもので、楽焼や土鍋のようなものです。

一方、精陶器の素地は白く緻密で、長石質や石灰質を高温で焼きしめてからうわ薬をかけてあるので、吸水はしません。西欧の陶器や多くの陶器がこのタイプです。

例)萩焼、益子(ましこ)焼、唐津(からつ)焼など。

磁器

九谷焼

九谷焼(PIXTA)

素地が緻密で、たたくと高い澄んだ音がします。吸水性はありません。透光性(太陽にかざすとわずかに光を通す半透明)があり、洋食器のほとんどがこれにあたります。

例)有田焼、九谷焼、清水(きよみず)焼、ボーンチャイナなど。

●ボーンチャイナとは

ボーンチャイナ

ボーンチャイナ


牛骨の入った透明性のある磁器です。これは18世紀末、英国において象牙色に模して作られたもので、薄クリーム色の落ち着いた色味が珍重され、その人気は現在に至っています。

炻器(せっき)

炻器

PIXTA

陶器と磁器の中間的なもので、陶器同様、不透明でたたくとにごった音がしますが、吸水性はありません。

例)信楽(しがらき)焼、備前(びぜん)焼、常滑(とこなめ)焼など。

備前焼は煮沸する!? 使い始めのお手入れとは?

使い始めのお手入れ方法

TOKYOGAS

洗剤で洗ってから使いはじめますが、それでも匂いが消えない場合は、たっぷりの水に入れて火にかけ、煮沸します。備前焼など、特に匂いの強い焼締めといわれる器は、水を替えてもう一度煮沸を繰り返すとよいようです。

貫入(網目のようなひび割れ)がある器は、使っていくうちに貫入に煮汁や茶渋が染み込み、色が着いてきてしまいます。これを防ぐには、米を加え、煮沸するのが効果的です。

異なった材質は重ねない! 陶磁器の収納のポイントとは?

重ねた陶磁器

PIXTA

普段使う茶碗や皿は重ねて収納しますが、陶器と磁器はもちろん、異なった材質や形のものは、一緒に重ねないようにします。

大切な器や頻繁に使わないものは、器と器の間に布か紙ナプキン、ペーパータオルをクッションとして挟んでおきます。

最後は自然乾燥で! 陶磁器の使用後のお手入れの手順とは?

使用後のお手入れ方法

TOKYOGAS

1. 陶器と磁器は分けて洗います。お皿に残っている余分な油などを、紙などで拭きとっておきます。長時間水につけておかず、早めに洗います。

※ 洗い桶に一度に食器類をガチャガチャと入れると、ふちが欠けやすいので注意しましょう。

スポンジなどでの洗い方

TOKYOGAS

2. 洗い桶にぬるま湯を張り、台所用中性洗剤を溶かして洗剤液を作り、柔らかいスポンジを使って洗います。

【ポイント】
・タワシやスチールウールは使用しないでください。
 油のついていないものから、同じ形、同じ材質のものに分けて洗っていきます。

・コーヒーカップや急須の取っ手のつけ根など、洗いにくい部分は、歯ブラシに洗剤をつけて
 こすり洗いをしておけば、汚れがたまりません。


3. ぬるま湯でよくすすぎ、最後に熱いお湯ですすぐと水きれがよくなります。


4. すすぎ終わったら、かごなどに伏せて水をきります。

ふきんで拭く

TOKYOGAS

5. 清潔な乾いたふきんで拭くか、上にふきんなどをかけてそのまま自然乾燥させます。

【陶磁器のお手入れのコツ】茶渋をとるとき

茶渋のとり方

TOKYOGAS

上等な食器の場合は、塩をスポンジやふきんにつけるか、レモンでこすります。ただし、上絵や金線の上などは避けるようにします。普段使う食器は、漂白剤を使うほうが簡単です。

※ 洋食器などの皿の表面に灰色の傷がつくことがありますが、これは「ナイフマーク」と呼ばれるもので、ナイフから削り取られた金属粉の付着が原因です。食器専用のクリームクレンザーをスポンジに付け、こすってみて下さい。

【陶磁器のお手入れのコツ】漂白剤の使い方

漂白剤には「酸素系」と「塩素系」の2種類があります。酸素系は高価なものやデリケートなものに、塩素系は漂白力が強いので、普段使うものに、というのが目安です。

いずれにしても、使用量や浸す時間などの使用基準を守らないと、食器の肌荒れや絵柄の退色を引き起こします。

【陶磁器のお手入れのコツ】クレンザーの選び方

食器を洗う時は、傷がつくため粉末のものは適しません。クリームタイプを選びましょう。

クリームクレンザーは、研磨剤成分によって珪酸系鉱物が含まれているもの(例:ホーミングタフなど)と、炭酸カルシウムが含まれているもの(例、ホーミングレモンなど)があります。前者は研磨力が強いので鍋磨き用に、後者は食器やガラス磨きに適しています。

おわりに

陶磁器

PIXTA

ステキな陶磁器を見かけると、つい手に取りたくなりますね。種類や特徴を知ると、器選びがもっと楽しくなりますよ。陶磁器はデリケートなもの。お手入れ方法には注意して、大切に使ってくださいね。

出典 : 東京ガス 食情報センター企画「料理道具100%活用百科」

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公開日:2016.3.30

最終更新日:2024.9.27

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