目 次
届ける時期をしっかり確認

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そもそも「暑中」というのは、二十四節気(にじゅうしせっき)の、「小暑」(7月7日頃)から「大暑」(7月23日頃)の一年で最も暑さが厳しい期間を示しています。その期間に親しい人やお世話になった人たちへ送る挨拶状が「暑中見舞い」ということです。
ですから、暑中見舞いは、その期間中に送れば一番無難であると考えられます。その後も立秋(8月7日頃)になるまでに送るのは差し支えありません。ただ、立秋を過ぎてから暑中見舞いを送るのはNGで、立秋を過ぎて送る場合は、残暑見舞いに変えなければいけません。
いつから出してよい?

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このように「いつまでに出す」という期限は、はっきりしていますが、「いつから出せばいいのか」については、いくつか説があるようで、明確に決められているわけではないようです。
小暑(7月7日頃)から出せるという説もあれば、夏の土用(7月20日頃)からという説や、漠然と、梅雨があけてから出すという説があります。地域によって違いがあるものの、梅雨が明ける頃には、小暑や夏の土用を迎えていると考えられるので、どの説もそれほど大きなズレはないようです。
立秋前に郵便で送ったとしても届くのは立秋すぎていた、ということにならないようにその点だけは気を付けてください。
意外と自由? 暑中お見舞いの書き方

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暑中見舞いの書き方については、明確なきまりがあるわけではないようです。ただ、季節の挨拶状であるということで、季節の挨拶、相手の安否を気遣うなどの本文、日付の3点をおさえておく必要はありそうです。
季節の挨拶は、「暑中お見舞い申し上げます」が決まり文句で、ほぼ書き出しはこれで統一されています。わざわざ「拝啓」「前略」などを使う必要はありません。ただ、恩師や目上の人に出す際には、「暑中お伺い申し上げます」とする場合もあります。
次の本文は、相手の安否をたずねる言葉、自分の近況を伝える言葉、相手の無事を祈る言葉で構成されることが多く、そこに、必要に応じて書き添えたい文面を加えることになります。
日付は、「○○年 盛夏」とするのが一般的ですが、盛夏をほかの言葉にしたり、「○○年 ○月」としてもよいでしょう。
おわりに
暑中見舞いは、本来、「暑さが厳しいですが、お身体を大切にしてください」という相手への気遣いを伝えるために出すべき類のもので、単なる義理立てや社交辞令で出すべき性質のものではありません。形式や書き方にとらわれすぎず、真心が伝わるような暑中見舞いを心がけてくださいね。
この記事の監修
もっと見る和文化研究家
三浦康子
古を紐解きながら、季節の行事や生活の知恵など、今の暮らしを楽しむ方法をメディアにて提案。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『粋なおとなの花鳥風月』(中経出版)、監修書『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)、『おうち歳時記』(朝日新聞出版)ほか多数
三浦康子 和文化研究家
コピーされました
公開日:2016.7.14
最終更新日:2023.2.9
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