そもそもカビとは? なぜお風呂のふたに生えるの?
お風呂のふたに付いたシャンプーや石鹸カス、皮脂汚れなどを落としたあとでも、残ってしまう黒ずみ。この黒ずみの原因はずばり、黒カビです。
黒カビは「クラドスポリウム」といい、空気中に自然に浮遊しています。普段は目に見えないものですが、このカビの胞子がお風呂のふたなどの表面に付着し、適切な温度で養分や水分などがあると、どんどん発育。やがて目に見える「黒カビ」になっていきます。
お風呂のふたにカビが生える原因は?
お風呂のふたは意外に汚れています。表面には、換気扇から舞うホコリ、手で持つ際に付着した皮脂、飛び散った石鹸カスなどが付着しがち。裏面は、お湯から出る水蒸気が結露して、ビッショリと湿ってしまいます。
お風呂のふたにはプレートタイプ、くるくると巻くタイプなどさまざまな種類がありますが、いずれも面積が大きいため、全体にまんべんなく風をあて乾かすのが難しい形状です。また、立てかけた際に床に接する面は、どうしても湿ったままになりがちです。
ふたの継ぎ目や側面などに使われているシリコンゴムも、水はけの良い素材ではないので水分が残りがちに。また柔らかいため、カビが根深くはびこりやすい場所です。シリコンゴムの深部にカビがはびこってしまうと、こするだけでは落ちないガンコなカビになり、黒い変色が取れなくなってしまいます。
加えてお風呂場は、カビの成長に適した温度は25~28℃に保たれていることが多い空間です。水分、養分、適切な温度とカビの繁殖した環境がお風呂場には揃っているんですね。
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お風呂のふたのカビには【カビ取り用洗浄剤】か【重曹】を使おう
カビ取りを簡単に行える方法を2つご紹介します。
一つはカビ取り用洗浄剤(塩素系洗浄剤)を使ってカビを除去・除菌する方法。もう一つは、重曹でカビをこすり落とす方法です。
カビ取り用洗浄剤は奥深くまではびこったカビを殺菌・漂白するため、効き目は強力。ただし薬剤の成分が強くニオイも強いため、肌が弱い方や強すぎる洗剤を使いたくない、体への影響が気になるという方もいるかもしれません。その場合は、エコで人体にも安心な重曹でこすり落とす方法がおすすめです。
【カビ取り用洗浄剤】を使ったお風呂のふたのカビ退治方法
カビ取り用洗浄剤は、「お風呂のカビ取り用」などと書かれています。カビ取り用洗浄剤に含まれる塩素系の薬剤(次亜塩素酸塩など)が、カビの細胞とカビの色素を分解する作用があります。
カビ取り用洗浄剤は、台所や衣類に使われる塩素系漂白剤に比べて、次亜塩素酸塩の濃度が低く抑えられています。浴室用の洗剤に多いスプレータイプは、飛散しにくい液状なのも特徴です。お風呂周りのカビ取りは、浴室用と書かれたものを使いましょう。
塩素系の洗浄剤には、パッケージに「まぜるな危険」の文字があります。塩素系の洗浄剤は酸性タイプの洗浄剤が混ざると危険な塩素ガスが発生するため注意しましょう。
※酸性タイプの洗剤にはクエン酸なども含まれます。同時に使用するのは絶対に避けましょう。
用意するもの
●カビ取り用洗浄剤
●中性洗剤
●ゴム手袋
●マスク
●スポンジ
●ラップ
「手順1」しっかりと乾かす
カビ取り用洗浄剤の効果を高めるためには、ふたを乾いた状態にしておくことが大切。洗浄成分を薄めずカビに密着させるため、換気扇を回す、ふたを屋外に干しておくなどして、黒ずんだカビ汚れ部分を乾かしましょう。
浴室暖房乾燥機が付いているなら「換気」より「乾燥」運転の方が速く乾燥します。
「手順2」カビ取り用洗浄剤をかけ、ラップで覆う
黒ずみが目立つ部分にカビ取り用洗浄剤をかけていきます。このときマスクと手袋や眼鏡をお忘れなく。身体に付着すると健康被害のリスクがあります。また洋服などに付くと漂白してしまうので注意が必要です。
カビ取り用洗浄剤にはスプレータイプやジェルタイプなどさまざまな種類がありますが、液体はたれやすいのが難点。キッチンペーパーやタオルなどにカビ取り用洗浄剤をしみ込ませて密着させたり、上からラップをかけて「液だれ」「乾燥」を防ぎましょう。
ラップをしておくと使用するカビ取り用洗浄剤も少量ですみ、塩素系特有のニオイが浴室に充満するのを抑えることができます。
「手順3」シャワーで流して中性洗剤でこする
所定の時間放置したら、シャワーを使ってカビ取り用洗浄剤をしっかりと洗い流します。液剤が残っていると危険なので、完全に流しきるよう注意しましょう。
さらに、カビがきちんと落ちているかどうか確認します。まだ根深く残っているようであれば、水気をしっかりと拭き取り、再度カビ取り用洗浄剤をかけてラップをして放置します。
シャワーで洗い流したあとは、ふた全体に中性洗剤をかけてスポンジかブラシでこすり、しっかりと泡を流しましょう。
浴室用の洗剤の多くは中性洗剤か弱アルカリ性ですが、中には弱酸性のものもあります。「まぜるな危険」の表示があるかどうか、よく確認を。心配な場合は「中性洗剤」の表示がある台所用洗剤を使うと安心です。
【重曹】を使ったお風呂のふたのカビ退治方法
重曹はアルカリ性。皮脂による汚れや雑菌、カビなど家中の汚れに万能に使えます。粒感があり研磨作用もあるため、カビや汚れをこすり落とすのにも適しています。
用意するもの
●重曹(粉末)
●スポンジ
●ゴム手袋
「手順1」ふた全体に重曹を振りかける
粉末の重曹をふた全体にパラパラと振りかけます。ふたが多少水で濡れていても大丈夫です。
「手順2」スポンジで汚れの目立つ部分をこする
粉が残っている状態で、スポンジを使って汚れの目立つ部分をこすります。重曹の研磨作用が、気になる汚れをこすり取ってくれます。
カビが頑固な根を張ってしまっていると、重曹でカビを落としきることはできません。その場合はカビ取り用洗浄剤を使うか、ふたを買い替える、またはプロのクリーニングを頼むなどを考えましょう。
カビを増やさないための日々の予防法
カビを繁殖させないためには、カビの大好物をいかに排除するかがポイント。湿度・温度・栄養源を浴室内にとどめないためには、入浴後の行動が大事です。
カビ予防の手順1:高温のシャワーでふたの汚れを洗い流す
上述したようにカビの成長に適した温度は25~28℃で、40℃を超えると繁殖できなくなります。40℃以上の熱めのシャワーでふたの汚れをしっかりと流し、カビの生育を止めましょう。
カビ予防の手順2:水分を拭き取る
熱いシャワーをかけても、そのまま水分が残ってしまうとカビのもとになるため、できるだけ速く乾かす必要があります。水滴を落とすワイパーをざっとかけたり、タオルで拭き取るなどして、ふたの水分を取りましょう。
カビ予防の手順3:乾燥させる
お風呂のドアを開け、換気扇を回し、風通しをよくして乾燥させましょう。巻くタイプのふたは、丸めてしまうのではなくS字カーブを描くようにして、お風呂の床に立てておきましょう。時々屋外で天日干しするのもおすすめです。
浴室乾燥機能を利用する
浴室暖房乾燥機が付いている場合は、入浴後に2時間ほどの「乾燥」運転がおすすめです。
上の図は浴室のカビの生え方を比較実験したものです。
「何もしない」浴室にカビが生えるのは当然の事ですが、「換気だけ」していてもカビは生えてきます。それに比べて「浴室乾燥」をすると、すばやく湿気が取り除かれ、カビが生えにくくなることが分かります。
「浴室乾燥」は浴室をカラッと乾いた状態をキープできるので、カビの発生も抑えて浴室のお掃除の手間を減らすことができます。夜、洗濯と入浴をした場合、就寝中に洗濯物と浴室を一緒に乾燥するのも経済的でおすすめです。
お風呂の頑固な汚れはプロに依頼するのもおススメ!
日々掃除をしていても、意外と手の行き届かない場所も多い浴室。気づかないうちに頑固な黒ずみやカビが蓄積してしまった・・・なんてことも。
そんな時は、一度ハウスクリーニングのプロにお願いしてみるのもおススメです。
東京ガスのハウスクリーニングは、自社研修を受けたプロが汚れの種類や場所に合わせて、専用の機材や洗剤を使い分け、浴槽だけでなく、手の届きにくい天井・壁・扉などを徹底洗浄してくれますよ。オプションで、自分ではなかなか掃除できない浴槽エプロン内部なども掃除してくれます。
利用した方の中には、せっかくお金をかけて綺麗にしてもらったのだから、綺麗な状態を維持しようと感じる方も多いそう。
ご自宅向けにはもちろん、ご両親へのプレゼントにも喜ばれること間違いなしです。
Webで簡単にお申し込みできます。ぜひお試しください!
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おわりに
こまめに掃除をしていたつもりだった、お風呂のふた。表面、裏面のほかにも、立てかけて乾かす際に床と接する側面部分が、思ったよりもカビが目立っていて驚きました。毎日使っているからこそ、慣れてしまって目が行き届かなくなることもあるのだなと実感した次第。客観的な目で見てみると、普段スルーしてしまっていた住まいの汚れを改めて発見することができます。
あと一歩の汚れを落としきれないとき、浴室掃除に時間をかけられないときは、ぜひプロも頼ってみてくださいね。