残りご飯、どう保存してる? 王道の冷凍保存の問題点とは?
一般的な保存方法と言えばやはり冷凍。老舗米屋の「八代目儀兵衛」さんによると、2人に1人が残りご飯を冷凍しているそうです。でも同社の調査によると、約63%が「食感に不満」と回答したとのこと。残りご飯を冷凍して温め直すと、ベチャッとしたり、ボソボソしたりと食感が変わってしまうという意見が多かったそうです。
なぜ残りご飯を保存すると食感が変わってしまうの?
「八代目儀兵衛」さんによると、生米などの穀物に含まれるデンプンは「βデンプン」と呼ばれ、このままでは食べることができないそう。でも、水を加えて加熱すると、デンプンに水分が入り込み、粘り気のある状態の「αデンプン」に変化します。α化したデンプンは、やわらかく甘味があり、消化しやすい状態に。
この水分と粘り気が美味しさや食感の鍵。つまり、残りご飯を美味しく保存するには、水分をご飯粒に残した状態にしておく必要があるのだそう。では、どうすれば、残りご飯を美味しく冷凍できるのでしょうか? 詳しい方法をみていきましょう。
美味しく残りご飯を冷凍保存する方法とは?
1.ご飯が炊きあがったらすぐ、しゃもじでほぐす
全体にふんわりと空気を含ませるよう手早く動かすのがポイントです。
2.炊きたてご飯を1食分ずつ、すぐにラップに乗せる
炊きあがったご飯をすぐにラップで包むのがポイント。ご飯を冷ましてから包むと、水分が抜けてしまいます。
3.「2cm程度の均一な厚み」にしてラップで包む
ご飯の厚みが均一でないと、温め直す際に外側と内側で温度差が出てしまいます。2cm程度を目安にして、均一な厚みにして包みましょう。ご飯はおにぎりのように丸めて包むことが多いかもしれませんが、「広く薄く」と意識することが大切です。
4.ラップの上からアルミホイルでふんわり包み、余熱が取れるまでねかせておく
ラップで包んだ後はアルミホイルで包みます。アルミホイルには、空気や水分を遮断する機能があるので、さらに水分が逃げにくくなります。また、アルミホイルは冷気の伝わり方が早いので、冷凍庫に入れた際に急速冷凍してくれる効果も。
5.余熱が取れたら冷凍庫の平らな場所にそっと置く
熱いまま冷凍庫に入れてしまうと、庫内の温度が上がってしまいます。粗熱が取れるまで冷まし、冷めてから冷凍庫に移しましょう。ただし、冷たくなってからでは、美味しさも逃げてしまいます。粗熱が取れたらすぐに冷凍庫に入れましょう。
冷凍した残りご飯、どれくらい保存できる?
冷凍保存する場合は、一般的には、3週間から1カ月が目安のようです。ただ、冷凍庫の中でも、時間の経過と共にご飯の中から凍った水分が蒸発して美味しさが失われてしまいます。やはり早めに食べるほど美味しいようです。
「八代目儀兵衛」さんによれば、「より美味しく食べられるのは3日目まで」とのこと。冷凍したら3日以内に食べ切りたいですね。
やってはいけない!? 残りご飯の冷蔵保存
ご飯の冷蔵保存はNGと聞いたことはありませんか? 常温での保存は心配だけど、冷凍するほど長期間保存しなくてもいい時は、ついつい冷蔵保存しがちですよね。
ご飯のデンプンは0~3℃の低温で劣化しやすく、冷蔵庫はこの温度に近いのだそう。冷蔵保存するとご飯の食感が悪くなったり、パサパサしてしまう原因になるのだとか。
やってはいけない!? 炊飯器の保温機能
炊き上がったご飯に熱を加え続けると、ご飯がでんぷん化して糊のようになってしまいます。それだけでなく、ご飯のツヤがなくなったり、黄色く変色して硬くなったりすることも。これは、ご飯に含まれるアミノ酸が糖と反応して褐色になるためだそう。
美味しく保温できる機能がついている炊飯器も販売されていますが、いつまでも美味しさを保てるわけではないので、できるだけ早く食べきるか、冷凍保存がおススメです。炊飯器の保温機能を使わないことで、節電にもつながりますよ。
冷めても美味しい「ガスで炊いたご飯」
ガスで炊いたご飯は、冷めても美味しいので、お弁当や再加熱にもピッタリです。
強火ですばやく炊くので、高温の水分をお米の芯まで行き渡らせ、デンプンを十分に糊化させることができます。十分に糊化が行われたご飯は、冷めてもおいしさが損なわれにくいのが特徴です。
炊きたてはもちろん、冷めた状態でも水分を多く含み、軟らかさを保ちます。冷凍したごはんを温め直してもツヤがありお米が潰れずしっかりしています。冷めてもおいしいのでお弁当にもうれしいですね。
ふた付きのお鍋さえあれば簡単に炊けるので、まだ試したことがない方は、ぜひ試してみてください!
以下の記事では、コンロのプロ直伝の炊き方をご紹介しています。参考にしてみてくださいね。
【コンロのプロ直伝】意外と簡単! お鍋を使った「ご飯の炊き方と美味しい理由」
最新のガスコンロなら、ボタン一つで「自動炊飯」
最新のガスコンロなら、自動で簡単にご飯が炊けるって、ご存じでしたか?
ガスコンロの「自動炊飯」機能は、ボタン1つで火加減の調節から消火まで全て自動で「かまど炊きのようなご飯」を炊きあげます。※
1合から美味しく炊けて、しかも炊飯時間は3合で約20分程度! (蒸らし時間は除く)
「自動炊飯」機能では、水位目盛りが付いた水加減が簡単な自動炊飯専用鍋などもありますが、ご家庭にあるでフタ付きで深めの金属製のお鍋(アルミ、ステンレス、ホーロー製など)で簡単にご飯を炊くことができます。
土鍋など一部「自動炊飯」機能に対応していない鍋があります。詳しくはコンロの取扱説明書をご確認ください。
目盛りがついていない鍋の場合は、お米の容積の1.2倍の水で炊いてください。水分を多く含んだ新米の場合は1~1.1倍で炊いてくださいね。
その他にも「ガスコンロ」には自動でおまかせの便利な機能がいっぱい!
ガスコンロを使いこなせば、調理グッズをたくさん買いそろえるよりも、時短&上手に料理ができますよ!
(※各機能は搭載されていない機種もあります。各画像はイメージです。専用容器は別売の場合もございます。)
おわりに
いかがでしたか? 毎日食べるご飯は美味しくいただきたいもの。ご飯が残ってしまった時は、今回ご紹介した方法を参考に、上手に保存してくださいね。
参考:一般社団法人日本アルミニウム協会「アルミ箔の料理・実験・おもしろ活用法」