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小学生の自由研究に! 食がテーマの実験で楽しく食育レッスン【東京ガス 食情報センター】

2005年7月に食育基本法が施行され今では「食育」という言葉をよく耳にしますが、東京ガスでは1992年から子どもたちの五感を養い、食を通じて心の豊かさを育むことを目的に、お子さま向けの料理教室や食育講座、味覚体験レッスンなどを行ってきました。今回は親子でできる味と五感のレッスンの一部をご紹介します。夏休みの自由研究としてそのまま使えるワークシートもダウンロードできます。ぜひ挑戦してみてくださいね。

最終更新日:2023.12.31

目 次

今注目の「食育」とは?

料理をする子どもの様子

TOKYO GAS

子どもを取り巻く食環境が大きく変化してきた近年、日本では「食育」が注目されています。東京ガスでは1992年から子どもたちの五感を養い、食を通じて心の豊かさを育むことを目的に、お子さま向けの料理教室や食育講座、味覚体験レッスンなどを行ってきました。おいしさがわかるようになると、「もっとおいしいものを食べたい」という意欲や前向きな行動を生み、それは生きる力につながると私たちは考えています。今回は、手軽に親子でできる味と五感のレッスンの一部をご紹介します。最後にお子さまの自由研究にもおすすめの、調理を通じて 「食材の変化の様子を『五感』を使って確認する」ための方法も紹介します。いろいろな食材で、ぜひ試してみてくださいね。

おいしさってなんだろう?

野菜を食べる男の子

PIXTA

口の中に食べ物が入って、その食べ物の味を舌で感じること。これを「味覚」といいます。味覚とは、味そのものではなく、舌で味を感じることです。では、私たちがものを食べて「おいしい」と感じる時、舌で感じる味だけで判断しているのでしょうか?

人間には、「目で見る視覚」「耳で聞く聴覚」「鼻でかぐ嗅覚」「口のなかや手などで触る触覚」「舌で味わう味覚」と5つの感覚(五感)があり、食べ物を食べて甘いなと思ったり、においいをかいでおいしそうだなと思ったりするのは、この5つの感覚が働いているからです。

いくつかの例を挙げますので、お子さまと一緒に実験してみましょう。

【自由研究で食育レッスン1】目で感じる感覚「視覚」

切ってすぐのりんごと30分ほど経ったりんごの比較

TOKYO GAS

りんごを切ってすぐのもの(左)と、30分ほど経ったもの(右)

まずは、簡単な視覚のレッスンをしてみましょう。

【視覚のレッスン】
1. りんごを切って30分ほど置いたものと、切ってすぐのものを用意する
2. 2つを見比べて感じたことなどを話し合ってみる
3. 実際に食べ比べてみて感じたことを話し合ってみる

変色したりんごを見て、「おいしくなさそう」という感想も出たのではないでしょうか? しかし実際に食べてみると、見た目は違っても、味にはさほど違いがありません。

新鮮な食材を選びたいときや、おいしそうかどうかを判断するときなど、見た目でおいしさを判断していることも多いのではないでしょうか。私たちは見た目の情報に惑わされてしまうこともある、ということですね。

【自由研究で食育レッスン2】耳で感じる感覚「聴覚」

粉々に割ったおせんべいとそのままのおせんべいの比較

TOKYO GAS

粉々に割ったおせんべい(左)と、そのままのおせんべい(右)

ものを食べている時の音も、おいしさの大切な要素です。次に、お子さまと簡単な聴覚のレッスンをしてみましょう。

【聴覚のレッスン】
1. 2枚のおせんべいを用意する
2. 1枚は粉々に割り、もう1枚はそのままで、両方をお皿に出して食べ比べてみる
3. 実際に食べ比べてみて、感じたことを話し合ってみる

粉々のおせんべいを食べても、あまり音がせず、もう片方からはバリバリ・ポリポリと軽快な音が聞こえます。

どちらをおいしいと感じるでしょうか? 自分以外の人が おせんべいを食べている音も、お互いに聞いてみましょう。

また、おせんべい以外のほかの食品も 気を付けて聞いてみると、食べている時にはいろいろな音がすることがわかりますね。

【自由研究で食育レッスン3】鼻で感じる感覚「嗅覚」

色鮮やかなグミキャンディー

PIXTA

次に、味は口の中だけで感じているのか、それともそれ以外でも感じるのか、もうひとつ実験をしてみましょう。

【嗅覚のレッスン】
1. グミ(またはアメ)を用意する
2. グミを利き手で持ち、反対の手で鼻をつまむ
3. 鼻をつまんだまま、グミを口に入れて5回かむ(アメなら5秒くらいなめる)
4. 鼻をつまんでいた手を離す
5. 感じた味の違いなどを話し合ってみる

いかがでしょうか? 味は口の中(舌)だけでも感じることができますが、鼻から手を離した時により強く感じたのではないでしょうか? 味はそのにおいでも感じているということがわかりますね。

「おいしい」を感じるのは「五感」が働いているから!

スイカを食べようとしている2人の男の子

PIXTA

上記3つの実験を通して、おいしさを感じるためには「舌で味わう(=味覚)」という以外にもいろいろな身体の感覚を使っているということがおわかりいただけたと思います。つまり、おいしさは舌で感じる味以外にも、見た目やにおい、温度などに影響を受けているのです。

このように 、私たちが食べ物を口に運んで食べて味わう時は、「目で見る視覚」「耳で聞く聴覚」「鼻でかぐ嗅覚」「口のなかや手などで触る触覚」「舌で味わう味覚」という五感を使って味わっていることを実感していただけたと思います。

いろいろな味を味わってみよう!

さまざまな調味料が計量スプーンに乗っている様子

PIXTA

次に、味についても考えてみましょう。食べ物や飲み物の中には、いろいろな味があります。お子さまも、すでにいろいろな味を知っていると思いますが、基本味といわれるのは、甘い(甘味)、しょっぱい(塩味)、酸っぱい(酸味)、苦い(苦味)、うまい(うま味)の5つの味です。

シンプルにこの基本味を味わうために、次のような食材や、あるいはお子さまが考えたものを用意してひとつひとつ味わってみましょう。

例えば、甘いはハチミツや砂糖。しょっぱいは、塩やお醤油で試すのが手軽です。酸っぱいは、レモンなど。苦いは、ビターチョコレートやコーヒー、抹茶など。うま味は、鰹節などが例として挙げられます。

もちろん、いま挙げたもの以外にも、いろいろな食べ物に5つの味があります。
甘いものは他に何があるでしょうか? かぼちゃ、さつまいもなどの食材を挙げる人もいれば、ケーキという答えもあるかもしれません。
しょっぱいは? 酸っぱいは? 苦いは? うま味がわかるものは? 野菜などの食材や、料理になっているもの、お菓子でもよいので、お子さまと一緒にいろいろ考えて、実際に味わってみましょう。そして、どんな味が含まれているか、言い合いっこしてみてください。

五感を使って調理してみよう!

親子で料理をするところ

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おいしさが分かるためには先ほどご紹介した五感を普段から意識していくことが大切です。でも、そのためにはどうすればよいのでしょうか。

とても身近な方法は、「自分で調理し、食べること」です。
調理をする時には、「見る・聴く・嗅ぐ・触る・味わう」の全ての感覚を使っています。

例えば、フライパンに食材を入れて、始めはシーンとしているけれど、火をつけて加熱していくとジュージュー音がしますね。そうすると、音で「温度が上がったな」と分かります。そして、目で見ていると、こんがり焼き色がついてきたな、いいニオイがしてきたな、など五感で状態を感じていることに気が付くと思います。

以下で五感を使って作れるレシピをご紹介します。材料の加熱前と後を比べて、色や硬さやにおいなどに どんな違いがあるかなど、お子さまと一緒に確かめながら調理をしてみてください。

五感を使った調理その1「カラフルおすし」

カラフルおすし

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材料(8個分)

【すし飯】
米・・・2合
昆布(5cm×5cm)・・・1枚
水・・・水線に合わせます

<合わせ酢>
 酢・・・50ml
 砂糖・・・大さじ2
 塩・・・小さじ1
 炒りゴマ(白)・・・大さじ1

【カラフルおすし】
すし飯・・・2合分
卵・・・4コ
砂糖・・・大さじ1
ニンジン(うす切り)・・・8枚
サヤインゲン・・・6本

【作り方】

1. 米は洗って、ザルに上げ、専用炊飯鍋に入れます。分量の水を加えて昆布と共に30分以上浸け、自動炊飯機能で炊きます。
2. 合わせ酢の材料をよく混ぜ合わせて1.に回しかけ、しゃもじで切るように混ぜます。さらに炒りゴマを加えて混ぜ、粗熱がとれたら食べやすい大きさに丸く握ります。
3. ニンジンやサヤインゲンを茹でます。ニンジンは水から入れ、やわらかくなるまで茹でます。サヤインゲンは沸騰した湯に加えて色よく茹で、水にとって冷まします。
4. ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えてよく混ぜます。フライパンに入れて温度調節機能を140~160℃に設定し、菜箸で混ぜながら炒り卵を作ります。
5. 3.のニンジンを型で抜きます。サヤインゲンは水気をとり、小口切りにします。
6. ラップを広げた上に、ニンジン、サヤインゲン、炒り卵を並べ、2.をのせて、包むように丸めます。

五感を使うポイント!

・「生のニンジン」と「茹でたニンジン」を食べ比べてみましょう。かんだ時の歯ごたえや、音はどんな違いがありますか?(触覚・聴覚)
・卵を加熱するとどのような変化があるでしょうか? 形や色に注目しましょう。(視覚)
・お米が炊けている時の音やにおいを感じましょう。(聴覚・嗅覚)

五感を使った調理その2「焼きぶどうのヨーグルト添え」

焼きぶどうのヨーグルト添え

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【材料】作りやすい分量

ぶどう(皮ごと食べられるもの)・・・1房
プレーンヨーグルト・・・1パック
はちみつ・・・大さじ1
ミント・・・適量

【作り方】

1. プレーンヨーグルトは、キッチンペーパーを敷いたザルに入れ、冷蔵庫内で一晩ほど水切りをします。
2. ぶどうは皮つきのままアルミ箔にのせ、グリルで加熱します。
両面焼き水なしグリル 上・下 強火7分
3. 1.のヨーグルトにはちみつを加え、混ぜます。
4. ぶどうを器に盛り、ヨーグルトを添えてミントを飾ります。

五感を使うポイント!

・「生のぶどう」と「焼いたぶどう」を比べてみましょう。色はどんな違いがありますか? また、触った時の弾力、味(甘い/酸っぱい)に違いがあるか、においの変化も確かめましょう。(視覚、触覚、味覚、嗅覚)

五感を使った調理その3「グリル野菜」

グリル野菜

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【材料】4人分

ミニトマト・・・8コ
ズッキーニ・・・1/2本

【作り方】

1. ズッキーニは食べやすい大きさに切ります。ミニトマトはヘタをはずします。
2. 両面焼き水なしグリルに並べ、上下強火で5~7分ほど焼きます。

五感を使うポイント!

・「生のミニトマト」と「焼いたミニトマト」を比べてみましょう。色はどんな違いがありますか? また、甘さ、酸っぱさの違いや、味に違いがあるか、かんだ時の硬さの違いなどを確かめましょう。(視覚、味覚、触覚)
・ズッキーニは、焼く前と焼いた後で色や形、においはどう変化したでしょうか? 確かめましょう。(視覚、嗅覚)

調理のあとは味と五感の復習!

味と五感のワークシートイメージ

TOKYO GAS

調理をしていくと、食材が変化していく様子を見ることができます。どんな風に変わったか、「五感」をもとに気付いたことをお子さんと話し合ってみましょう。

夏休みの自由研究として、そのまま使えるワークシートをご用意していますので、ぜひダウンロードして、書き込みながら話し合ってみるといいですね。調理中に五感で気づいたことを記入するのもおすすめです。

おわりに

おいしさとは、「食べることにより得られる快感や喜びである」と言われています。
はじめにお伝えしたことの繰り返しになりますが、おいしさがわかるようになると心身が満たされ、「もっと美味しいものを食べたい」という意欲や前向きな行動を生み、それは生きる力につながると私たちは考えています。

何を食べるかではなく、食べて何を感じるか。味以外のおいしさについて発見があると楽しく、興味が高まります。お子さまの年齢に合わせて、「この野菜は色が鮮やかでおいしそうだね」「いいニオイだね」 と声かけをしてみる、一緒に調理をするなど食を通して楽しみながらお子さまの五感の育成をはじめてみませんか。

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公開日:2021.6.25

最終更新日:2023.12.31

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