帰り道でやるべき防犯対策とは?
一人暮らしの女性の生活には、自宅への空き巣の心配だけでなく、下着泥棒や強盗、ストーカーなど、多くの危険が潜んでいます。私は被害に遭わないだろう、と防犯対策を怠っていると犯罪に巻き込まれてしまう可能性も。しかし、ちょっとした生活の工夫や心がけ次第で、未然に被害を防ぐことができます。
今回は女性ならではの視点を生かし、講演や情報番組など多方面で防犯の啓蒙活動をされている、防犯アドバイザーの京師美佳さんに、帰り道や家にいる時など、生活のシーン別に気を付けるべきことを教えていただきました。
まずは、帰り道でできる防犯対策をご紹介します。
家が突き止められないように帰ろう
京師さんによると、襲われるかもしれないという意識を持って、遠回りでも広く明るい道を通ることが大事なのだそう。
京師さん「もしつけられていると感じたときは、走ってすぐに家に帰ろうとしてはいけません。早く帰りたい気持ちも分かりますが、つけられたまま家に帰ってしまうと家の場所を教えてしまうことになります。そのようなときは、お店に入ったり、タクシーで遠回りして帰るなど、自分の家が突き止められないようにしましょう」
帰り際の買い物ではエコバッグを使おう
帰り道に最寄りのコンビニやスーパーでお買い物をされる方も多いのではないでしょうか。京師さんは「不審者は最寄りのコンビニなどで買い物しているふりをして、自分の好みの女性を物色していることがある」と潜む危険を話します。
京師さん「買い物のときに一人暮らしだと思われると、そのままつけられてしまうこともあるんです。スーパーやコンビニの袋だと中身が見えて、一人暮らしだとばれてしまうこともありますので、エコバックを使用して中身が外から見えないようにしましょう」
ながら歩きに気を付けよう
ついついやってしまう、歩きスマホや音楽を聴きながらの帰宅。京師さんは「ながら行動、ながら歩きはできるだけ避けていただきたいですね」と、ながら歩きの危険性について教えてくださいました。
京師さん「電話で話したり、音楽を聴きながら帰っていると注意力が散漫になって、後ろから近づくバイクの音や足音に気付かず、後ろから抱きつかれたりひったくりに遭うことも。できればカバンは胸の前に抱えて、家まではさっと帰っていただくのが安全です」
家にいるときにやるべき防犯対策とは?
リモートワークが主流になりつつある昨今、ご自宅で過ごす時間が増えた方も多いかと思います。おうち時間を安心して過ごすために、ご自宅でちょっとの工夫でできる防犯対策を京師さんに伺いました。
洗濯物はなるべく室内に干そう
洗濯物はできれば室内で干した方がよい、とよく言いますよね。しかし晴れている日には洗濯物を外で干したくなるものです。
京師さん「今は目隠し用のネットも市販されていますし、それがなくても、シーツやシャツをかけた中に下着を干すなど、外から手を伸ばしても取れない状態にして外干ししていただくのがよいかと思います」
また、過去に泥棒が雨どいをつたって4階まで上がってきた事件があったそう。2階以上に住んでいる方も、自分は大丈夫と思い込まず、外から洗濯物の中身が見えないように対策を行いましょう。
一人暮らしだと悟られないようにしよう
特に女性は一人暮らしをしていることを悟られないことが大事になります。京師さんは「古典的でアナログですが男性のパンツを干しておくことも、実はすごく効果があるんです」と教えてくださいました。
また、玄関に男性の靴を置いておくことも効果的ですが、これにはコツがあるようです。
京師さん「セールスの方や集金の方がたまたま悪い人で襲われた事件も起こっています。女性は慎重にドアロックをかけて開ける方が多いのですが、その状態でも見えるように男性物の靴を置くのがポイントです」
個人情報を盗まれないようにしよう
京師さん「郵便物が無くなるようなことがあったら要注意です。強盗かストーカーか、何かしらに狙われている可能性があります。」
京師さんも過去に郵便物から行きつけのお店を知られ、行く先々にストーカーが現れたことがあったそう。必ずポストにはカギをかけるように気を付けましょう。
また、個人情報を得られるのは郵便物だけではありません。
京師さん「ごみを捨てるとき、明細書・お手紙・レシートなど個人情報を書かれているものは、家庭用のシュレッダーやハサミで細かくするなど、内容が見えなくなるようにしましょう」
ここにも気を付けて! その他の防犯対策
帰り道や家での防犯対策以外にも、気を付けるべき防犯対策をご紹介します。
京師さん「例えば、公共料金の支払いで毎回同じコンビニに行くことも、一人暮らしであることに気付かれやすいんです」
支払い用紙には住所が書かれているため、ストーカー被害につながる可能性もあります。支払いはコンビニではなく、口座振替やクレジットカード払いにするようにしましょう。難しい場合は近くのコンビニをローテーションするようにするだけでも効果があるそうです。
また、家の表札でも一人暮らしが悟られない工夫ができるそうです。
京師さん「一人しか住んでない家でも、家族の名前を表札に入れておくか、名字だけにする、または名前を一切出さないようにしましょう。決してご自分のフルネームを出さないようにし、女性の一人暮らしを特定されないことが最優先です」
すぐに(手軽に)出来る! 防犯グッズのご紹介
日常生活を送る上で気を付けたいポイントを押さえたところで、より防犯性を高めるためのおすすめ防犯グッズも京師さんに伺いました。
防犯グッズというと高価なものだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、100円ショップにも十分に対策できるものがあります。まずは簡単に手に入るものから試してみてはいかがでしょうか。
窓に補助錠をつけよう
補助錠とは、窓につける第二の鍵です。居空きや空き巣対策に使われるもので、「100円ショップのものでも十分効果を発揮する」と京師さん。また、値段は少し高くなりますが、工事いらずで貼り付けるだけの補助錠も売っているのだそう。
京師さん「貼り付けるタイプの補助錠はスマートフォンで施錠ができるものもあり、外出先でしめ忘れに気付いた時も安心です」
防犯用の照明タイマーを設置しよう
一人暮らしだと思われないために、1,000円程度で防犯用の照明タイマーを購入するのもおすすめです。夜になると家の照明がつくようにタイマーをかけておくことで、仕事で遅くなった日や出張の時も自動で電気がつき、誰かが家にいるように見せることができるといいます。
京師さん「明かりのついている家に『ただいま』と声を掛けて帰ることで、誰かと暮らしていることを周囲に伝えることができます」
防犯ステッカーを貼ろう
100円や200円で安価に売られている防犯ステッカーにも、しっかり防犯効果があります。京師さんがおっしゃるには「防犯ステッカーはコスパ最高」とのこと。
京師さん「いかにも偽物だと思うようなステッカーでも、貼っているだけで『この家の人は防犯意識がある』と犯罪者に伝わります。それだけで家へ侵入する可能性をぐっと低くできます」
おわりに
今回は女性向けに、防犯アドバイザーの京師さんに防犯対策や防犯グッズを教えていただきました。何事にも危機感を持ち、「かもしれない」と考えて対策をしていくことが大事だということが分かりました。今まで防犯対策をされていなかった方も、安心で快適な生活を送るために、自分に合った防犯対策や防犯グッズを取り入れてみてはいかがでしょうか。