【アルミ鍋の使い方の前に】アルミ鍋には2種類あります
アルミは熱伝導率が銅の次に高いので「茹でもの」などに最適です。比較的安価で軽いのも特徴です。
ただし、酸やアルカリに弱いので、料理を長時間入れておくのは避けましょう。アルミ鍋の多くはアルマイトや、フッ素樹脂で表面加工されています。
アルマイト加工のアルミ鍋とは
アルミニウム自体を電気分解により酸化させて、表面に丈夫な固い皮膜を生成させたもの。メッキではありません。
黄金色(電解液にしゅう酸を使用)のもの。
(例)和鍋など。
銀白色(電解液に硫酸を使用)のもの。
(例)ソースパン、ミルクパンなど。
その他、硬質アルマイトという、アルマイト加工をより丈夫にしたものもあります。硬質アルマイトは、一般のアルマイトに比べて数倍の強度があり、主に黒灰色をしています。
フッ素樹脂加工のアルミ鍋とは
アルミの素地にフッ素樹脂(テフロン、シルバーストーン、スミフロンなど)を塗布・焼き付けたもの。
料理がこびりつきにくく、汚れが落としやすいですが、強火に向かない・衝撃に弱いという短所もあります。(例)フライパンなど。
【アルミ鍋の使い方】フッ素樹脂加工の場合
フッ素樹脂はデリケートですから、金属製の調理器具を使用すると表面を傷つけてしまうことがあります。できれば専用の調理器具を用いましょう。傷のつきにくいプラスチックや木製をお勧めします。
また、急冷、急加熱は避けるようにします。
はじめは薄く油を敷いたほうがよいでしょう。フッ素樹脂加工はふきつけ作業であるため、目にみえない小さな穴があいています。この穴に油をしみこませることにより、食品がフライパンにつきにくく、すべりやすくさせるとともに、コーティング皮膜の耐久性も増します。
買ってすぐの使い始めは普通に洗って使用します。「米のとぎ汁かたっぷりの水に野菜くず、レモンの輪切りなどを入れて火にかけた方がよい」といわれたりしますが、これは雪平鍋のように表面処理加工をしていない鍋のお化粧のようなもの。
表面に酸化皮膜ができ、腐食を防ぐことができますが、アルマイト加工に比べると一時的なもので、気休め程度なものです。なお、時間は5分程度で、長くかければよいというわけではありません。
使った後のお手入れ
使った後は余熱が残っているうちに台所用中性洗剤とスポンジで洗います。汚れがこびりついたときは、湯を入れてふやかしてから洗うようにします。
洗う際には、スポンジと台所用中性洗剤を使い、タワシやクレンザーなどの使用は避けます。
空焼きはしないで下さい。また収納する時は、重ねないようにしたほうがよいようです。
【アルミ鍋の使い方】アルマイト加工の場合
残った料理は早めに別の容器に移しかえましょう。使用後の鍋は、ぬるま湯を入れて汚れをふやかし、台所用中性洗剤とスポンジで洗います。洗った後はきちんと水気を拭き取ります。水滴をつけたままの状態ですと、水道水に含まれる塩素などによって腐食のもとになります。
表面処理加工のしてある鍋はクレンザーや金タワシを使用すると、皮膜を傷つけ、腐食の原因となります。特にフッ素樹脂加工の場合は、傷がついてしまうと加工の利点がなくなってしまうので、注意が必要です。
【アルミ鍋の使い方】使用上の注意
空炊きは避けます。アルミニウムの溶融点(約600℃)は、鉄に比べて低いため、空炊きすると傷むので、注意してください。
煮炊きをする場合、酢、重層などの使用はなるべく避けます。アルミニウムはもともと、酸・アルカリとの相性がよくありません。これらを使って調理したものを鍋に長時間保存しないようにします。
表面処理加工をした鍋は、急冷、急加熱を避けて下さい。鍋の寿命を短くします。
【アルミ鍋の使い方】表面加工をしていない鍋の場合
焦げ付いてしまった場合、料理していたものを出し、鍋に湯をはって沸騰させ、こびりついた汚れをふやかします。その後、水気をきって2~3日天日に干します。この方法を2~3回繰り返します。
それでも落ちないときは、金属タワシなどでこすります。
ただし、アルマイトなど表面を加工してあるものは、鋭利な刃物や金属タワシを使うと皮膜を傷つけ腐食の原因になりますので、汚れをふやかす方法で気長に取ることをお勧めします。
表面処理加工のしていない鍋や、長年の使用によりアルミニウムなどの表面処理加工が剥がれてしまった鍋は、使っているうちに内部(側面、底面)の色が白っぽくなったり、黒ずんだりすることがあります。
白い粉状のものは、酸化によって析出した水酸化アルミニウムや水道水中の微量物質で、黒ずみは水道水に含まれる微量成分がアルミに付着したために起こったものです。人体には影響ありませんので安心してお使いください。ただし、見た目に好ましくないので鍋を磨きましょう。
鍋磨きの方法
【用意するもの】
なるべく目の細かいスチールウール、スポンジ、台所用中性洗剤、台ぶきん、ゴム手袋。
【ピカピカにするコツ】
鍋を洗った後、ぬらした台ぶきんを敷いた上に置いて安定させ、ぬらしたスチールウールに台所用中性洗剤をつけて軽く円を描くようにしてこすります。きれいになったらすすぎ、仕上げに熱湯をかけ水気をよく拭き取ります。
スチールウールは持ちにくいので、スポンジを一緒に持ちます。
力を入れ過ぎると、キズがつくばかりで輝きません。
洗剤はクレンザーなどを使用すると、汚れは落ちますが光沢が出にくくなります。
鍋磨き中に水がグレーになっていきますが、これはスチールウールの鉄が粉状になって混ざったもので、鍋が削れていくわけではありません。ただ、手が汚れてしまうので、ゴム手袋を使用するとよいでしょう。
使用後のスチールウールはサビるので、必要な分をハサミで切って使用します。
すすぎの湯は、熱めのほうが水きれがよく、仕上がりがきれいです。
フッ素加工のアルミ鍋で起きる皮膜剥離とは?
フッ素樹脂のフライパンは、異なる二つの材質を組み合わせ表面を加工し、こびりつきにくく、熱効率を高めてあります。このため火力は中火で十分で、空焼きする必要もありません。逆に空焼きを行ったり、水分の少ない食品や油を多く使った料理で必要以上に加熱すると、表面にヒビ割れを生じ、耐久性が低下します。(水分の多い料理は温度が上昇しにくく、過熱状態になることが、比較的避けられます)。
皮膜の剥がれた部分は熱ムラが起こり、こびりつきやすくなります。しかし、フッ素樹脂加工は密着力が高いため、一カ所剥がれても、そこからすぐに全部剥がれるというわけではなく、皮膜の浮いた場所をこそげ落とし、表面に油を塗って使用できます。
また、剥がれたコーティング皮膜は、誤って食べてしまっても、食品衛生上、特に問題ありません。
雪平鍋の柄がとれてしまったら…
古くなってしまったものや柄がとれてしまっても、簡単に修理することができる場合も。
柄や釘は、鍋の購入店などで別売しています。価格は柄の元の部分の直径によって異なりますが、200~300円程度のようです。また、購入時に柄と釘が別売されていて、自分で打ち付けるようになっているものもありますが、できれば購入時に店でしっかり打ち付けてもらうと安心です。
おわりに
アルミ鍋を選ぶときは、ある程度厚手で、形が単純で柄のしっかりした安定性の良いものを選びます。蓋のあるものはつまみの部分や本体とのバランスもしっかり見るようにします。
特に家庭用のものは「使いやすさ」を重視して、家族構成によってサイズ、容量、煮炊きの種類による形状(浅型、標準型、深型)、調理する用途(煮魚、味噌汁、シチューなど)を考えて選びましょう。
出典:東京ガス 食情報センター企画「料理道具100%活用百科」
【アルミ鍋のおすすめの使い方】ご飯を炊こう!
アルミ鍋は熱伝導率が高く、軽いのが魅力。ただ、IHでは使えない機種もあるので注意してください。
ガスコンロならさまざまなアルミ鍋を使えます。また、アルミ鍋はご飯を炊くのにもおすすめなんです。
ご飯を炊ける専用のアルミ鍋もあります。
厚手アルミニウム鋳物製のものは、熱まわりも早く均一なため、炊飯にも適しています。
鍋の内側にお米の量にあわせた水加減の線も入っているので、計量も簡単ですよ。
コンロと鍋を使った【ご飯の炊き方】は、ぜひ下記の記事をぜひご参考にしてください。
【コンロのプロ直伝】意外と簡単! お鍋を使った「ご飯の炊き方と美味しい理由」
最新のガスコンロなら、ボタン一つで「自動炊飯」
最新のガスコンロなら、自動で簡単にご飯が炊けるって、ご存じでしたか?
ガスコンロの「自動炊飯」機能は、ボタン1つで火加減の調節から消火まで全て自動で「かまど炊きのようなご飯」を炊きあげます。※
1合から美味しく炊けて、しかも炊飯時間は3合で約20分程度! (蒸らし時間は除く)
「自動炊飯」機能では、水位目盛りが付いた水加減が簡単な自動炊飯専用鍋などもありますが、ご家庭にあるでフタ付きで深めの金属製のお鍋(アルミ、ステンレス、ホーロー製など)で簡単にご飯を炊くことができます。
土鍋など一部「自動炊飯」機能に対応していない鍋があります。詳しくはコンロの取扱説明書をご確認ください。
目盛りがついていない鍋の場合は、お米の容積の1.2倍の水で炊いてください。水分を多く含んだ新米の場合は1~1.1倍で炊いてくださいね。
その他にも「ガスコンロ」には自動でおまかせの便利な機能がいっぱい!
ガスコンロを使いこなせば、調理グッズをたくさん買いそろえるよりも、時短&上手に料理ができますよ!
(※各機能は搭載されていない機種もあります。各画像はイメージです。専用容器は別売の場合もございます。)