エアコンから嫌なニオイ! 原因はなに?
エアコンのニオイの原因は、大きく3つあります。1つ目はエアコン内部のカビ、2つ目はホコリ、3つ目は煙草や料理、汗、ペットなどの生活臭です。以下に、詳しくご紹介します。
【エアコンのニオイの原因 その1】内部のカビ
エアコンのニオイの主な原因であるカビ。エアコンの内部は、適度な湿気があり、カビが繁殖するのに最適な環境なのです。繁殖したカビの胞子が送風口から吹き出されると、カビ特有のニオイが部屋に広がってしまいます。ニオイが問題になるだけではなく、カビを吸い込むと健康被害に繋がる可能性もあります。
風が出てくる吹き出し口を覗いた時、風向きを変える羽(ルーバー)やその周辺に黒いポツポツがあれば要注意。奥にはさらに多くのカビが発生していて、それがニオイの原因となっている可能性があります。
【エアコンのニオイの原因 その2】ホコリ
ホコリには特有のホコリ臭さがあります。エアコンのフィルターにはホコリがたまりやすく、稼働させることでそのニオイが部屋中に広がってしまうことも。ホコリがたまるとエアコンの運転効率が悪くなり、ニオイの問題だけではなく電気代が余計にかかってしまうこともあります。
【エアコンのニオイの原因 その3】生活臭
エアコンは室内の空気を取り込み、その空気を冷やしたり温めたりして送風口から吹き出す仕組みなので、室内のニオイを拡散しやすくなります。室内の生活臭やペットのニオイなどもその原因に。
料理中は換気扇を回し、1日の中で1時間に1度程度、窓を開けて換気をしましょう。
また、室内で喫煙習慣がある場合は、エアコンのフィルターに煙草のヤニが付着してしまい、ニオイの原因となっている可能性もあります。この場合は、フィルターを掃除する必要があります。
エアコンはなぜカビが発生しやすい?
カビは温度・湿度・養分の3つの条件が揃うと繁殖します。エアコンの内部は、実は、この3つの条件が揃いやすい環境なのです。
温度
カビは約20~30℃で発生し、特に25~28℃の時に最も繁殖しやすくなります。この温度帯はエアコンを設定する際の温度帯と一緒です。理由はカビが繁殖しやすい温度は、人間が快適だと感じる温度と同じであるため。こうして、エアコン内部は1年中カビが増えやすい環境となってしまうんです。
湿度
カビは湿度60%以上で発生し、80%を超えると急激に繁殖し始めます。特にエアコン内部の湿度が高くなるのは夏。冷房や除湿をかけると、エアコンは室内の高温で湿った空気を吸い込み、エアコン内部のアルミフィン(熱交換器)で熱を奪い、冷えた空気を室内に送り出します。この時、エアコン内部では温度差で結露が発生します。
密閉した空間であるエアコンの内部では、一旦発生した結露はなかなか蒸発しません。こうして高い湿度が保たれ、カビの繁殖に繋がってしまうのです。
養分
カビはホコリや汚れを栄養源にして繁殖します。エアコン内部は稼働中、常に空気が出入りするため、汚れやホコリがたまりやすいにも関わらず、構造が複雑で定期的に掃除しにくくなっています。カビにとっての栄養源が常にある場所なのです。
エアコンの「自動お掃除機能」は有効?
最新のエアコンの「自動お掃除機能」を使えば、内部クリーニングは不要だとお考えの方もいるかもしれません。
しかし、この機能でお手入れできるのは、前面の「フィルター」と呼ばれる部分だけ。もちろんフィルターをお手入れすることで、カビやホコリの蓄積の防止につながりますが、内部までキレイにしてくれる訳ではありません。定期的にエアコン内部を掃除することは、やはり必要です。
エアコンのニオイの対処法とは?
エアコンの不快なニオイを取り除くためには、エアコン内部の掃除が有効です。特に、カビとホコリがたまりやすいフィルターとフィンのお手入れ方法をご紹介します。
【エアコンのニオイ対策の前に】掃除前の前準備
まずは、掃除中にエアコンが稼働してしまうと、感電や怪我をするリスクがあるので電源をオフにしてコンセントを抜きます。
また、ホコリが落ちやすくなるので、エアコンの下にビニールシートを敷くなどして部屋が汚れないようにしましょう。
【エアコンのニオイ対策1】 フィルターを洗う
エアコンに設置されているフィルターは、内部にホコリが入るのを防止する役割があります。つまり、フィルターは1番ホコリが溜まりやすい場所なのです。2週間に1回を目安に掃除しましょう。
パネルを開けてフィルターをはずします。この時、エアコンから取り外す前に掃除機でホコリを吸い取ってしまうと、ホコリが飛び散らなくなるので作業が楽です。
「ハンディタイプの掃除機」や、コンセントへの接続が不要な「コードレス掃除機」があると便利です。ホコリを吸い取ったらフィルターを取り外します。
その次は、水洗いをしましょう。シャワーの水圧を使うと汚れが落としやすくなります。シャワーを使用する場合は、フィルターの裏側からシャワーをかけてください。※水洗いできないフィルターもあります。取扱説明書にてご確認ください。
水だけで汚れが落ちないときは、中性洗剤を薄めたぬるま湯にフィルターをつけて、古い歯ブラシを使って優しく洗います。フィルターの細かい目には意外とホコリが詰まっているので、きちんと洗いましょう。強くこすってしまうと、フィルターの網目が崩れてしまうことがあるので力加減には注意してください。洗ったあとは、乾いたタオル2枚でフィルターをはさむように拭いて水気を取り、その後はしっかり陰干しをして乾かします。
この時、半乾きのままエアコンに設置してしまうと、カビの原因になるので、しっかりと乾かしてからエアコンに取り付けてください。
【エアコンのニオイ対策2】 フィンの汚れを落とす
次にフィルターを外すと見える、薄い金属の板が並んでいる部分「フィン」の汚れを落とします。ここは、空気の温度を変える役割があり、結露によってカビが発生しやすい部品です。
まずは、掃除機でフィンのホコリを取り除き、細かい汚れは歯ブラシや綿棒を使って落としましょう。その後、水で薄めた中性洗剤にひたしてから固く絞った雑巾で念入りに汚れを落とします。頑固な油汚れなどは、強いアルカリ性を持つセスキ炭酸ソーダ水を活用するのが良いでしょう。割りばしに薄い雑巾を巻き付けて拭くと、奥の汚れまで拭き取れますよ。
エアコン用の洗浄スプレーを利用するのも便利です。スプレーをした後にしばらく放置しておくと、カビや汚れがスルスルと落ちます。汚れが残っている部分は、軽くこするだけでお手入れ完了です。
ある程度カビが落ちたら、最後に水拭きをして洗剤を拭き取ります。
【エアコンのニオイ対策3】 ファンの汚れを落とす
エアコンのファンは室内の空気を吸い込んだ後に温度調節した空気を部屋に送り出すといった、空気を循環させる役割を持った部品です。ここもホコリやカビが溜まりやすいので、掃除が必要です。
エアコンのファンは、自分で掃除することもできます。ただし何かの拍子に触ってはいけない部分を触ったり、濡らしたりしてしまうと故障に繋がります。難しいと感じたら、無理せずプロの業者に頼むのが良いでしょう。
まず目視できるホコリは、掃除機などで取り除きます。コードレスでハンディタイプの掃除機が便利ですが、無ければハンディモップや、割りばしの先端にティッシュを巻きつけてモップ代わりに活用するのも一つの方法です。
ホコリを取り除いたら、風の向きを調節する役割のルーバーを取り外します。そうしたらファンが現れるので、ファン専用の掃除スプレーを吹きかけましょう。この時、スプレーが電子部品にかからないように最新の注意を払います。予めビニールシートなどで養生しておくと安心ですよ。
ファン全体にスプレーがかかるように、手動でファンを回転させながらスプレーを吹きかけてください。全体にスプレーがかかったら20分ほど放置して、その後、古い歯ブラシなどを使って浮いた汚れを優しくこすり落とします。
最後に市販の洗剤を流す専用のリンスか、それがない場合は霧吹きスプレーで水を吹きかけます。洗剤が落ちたらタオルで軽く水気を拭き取り、1時間ほど送風モードで運転して完全に乾燥させましょう。
エアコンを掃除する時に気をつけることは?
ご自宅やホームセンターにあるアイテムを使って自分でエアコンを掃除することもできますが、その際には以下の点に注意しましょう。
マスクや花粉症のメガネを着用
掃除中はホコリがたつので、気になる人はマスクを着用しましょう。花粉症用のメガネなどもあると便利です。
脚立や踏み台など、固定できる足場を用意する
エアコンの掃除は、高い場所での作業になる上に時間もかかるので、脚立や踏み台など、しっかりと固定できる足場を用意しましょう。椅子を使う場合は、キャスターが付いていないものを使ってください。足場が不安定だと、怪我に繋がる恐れがあります。
必ず電源を抜いた状態で作業する
エアコンのカバーを開ける場合は、電源をオフにするだけではなく、必ず電源を抜きましょう。誤った操作や誤作動によりエアコンが稼働してしまうと、感電や怪我をする危険性があります。
ビニールシートで養生をする
エアコンを掃除すると、ホコリや汚れた水が飛び散ります。室内に汚れが飛び散らないように、エアコン周囲はビニールシートで養生しましょう。特に、エアコン洗浄用のスプレーを使う時は、大量の水が垂れ落ちることも。水受け用のビニールシートを準備しておくと安心です。
エアコンの嫌なニオイを防ぐために日々できること
日々のちょっとした習慣で、エアコンのカビや汚れがたまりにくくなり、嫌なニオイを防ぐことができます。
エアコンの「送風運転」モードを使う
エアコン内部をカビが繁殖しにくい環境にしておけば、嫌なニオイの原因となるカビを防ぐことができます。カビは高温多湿を好むので、エアコンの冷房・除湿運転を終えた後は「送風運転」モードを活用して湿気を飛ばします。送風運転モードで30分以上運転すると、エアコン内部の湿度を大きく下げることができます。
内部クリーン機能があるエアコンなら、設定しておけば、冷房や除湿使用後に自動的にエアコン内の湿度を下げておいてくれますよ。
こまめにフィルターを掃除する
フィルターにホコリが溜まるとカビの栄養源になってしまいます。こまめに掃除しておけば、カビの繁殖を防ぐ効果があります。
部屋の換気や掃除をする
室内の空気を活用するエアコンは、生活臭も不快なニオイの原因となります。部屋の換気や掃除をこまめに行うことで、生活臭がたまらない環境を心がけましょう。
エアコン内部の掃除は、プロによる【エアコンクリーニング】がオススメ
梅雨から夏、冬と使用頻度の高いエアコン。いざ使おうとしたらなんだかカビ臭い・・・という経験はありませんか?
カビの繁殖や汚れの蓄積を防ぐには、定期的に専門業者にクリーニングをお願いするのがオススメです。
東京ガスのハウスクリーニングは、自社研修を受けたプロが、フィルターやカバーはもちろんフィルターの奥にあるアルミフィンやファンについたカビ等の汚れも、専用の洗剤と高圧洗浄機を使って徹底的に洗浄してくれますよ!
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おわりに
快適に過ごすのに不可欠な「エアコン」。ニオイを気にせず、清潔に使いたいもの。ぜひ参考にしてみてください。