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ローストビーフをおいしく科学する~グリルを活用した簡単な作り方~【東京ガス調べ】

クリスマスなど、イベントやちょっと豪華な食事の席などで食べることが多いローストビーフですが、張り切って自宅で作ってみたものの、中までちゃんと火が通っているのか心配になったことはありませんか? しっかり加熱されているけれど、中がピンク色のローストビーフはどうしたら簡単・おいしく調理できるのか、東京ガス都市生活研究所と食情報センターの研究から、肉への「熱の伝わり方」に基づいた作り方をご紹介します。

ローストビーフ、火の通り加減はちょっと心配?!

ローストビーフ
写真:東京ガス 食情報センター

一般的なローストビーフの調理方法は、「オーブンに塊肉を入れて200℃程度で数十分間焼く」、という方法がよく知られています。オーブン任せでできるローストビーフですが、ご家庭で調理する際、切り口が赤かったりピンク色をしていたりと、ちゃんと加熱されているのか心配になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、販売されている調理済みのローストビーフなどの食肉製品には、皆さまに安心して食べていただけるよう、「特定加熱食肉製品(ローストビーフなど)の製造基準」が設けられているのです。
厚生労働省の食品別の規格基準「食肉製品」で定められた基準(※1)として、特定加熱食肉製品(ローストビーフなど)は、肉塊のままで、「63℃瞬時または同等以上」の加熱殺菌が求められています。この「63℃瞬時または同等以上」とは、下の表に示す温度帯に対する加熱時間を指しています。

特定加熱食肉製品の製造基準
表:特定加熱食肉製品の製造基準より作成
出典:厚生労働省
(※1)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000071198.pdf

ご家庭で調理する際も、この基準をクリアしていれば安心して食べることができますが、どのように調理すればクリアすることができるのでしょうか?

そこで今回は、東京ガスがおすすめするガスコンロのグリルを使ったローストビーフの調理方法について、東京ガス都市生活研究所と東京ガス食情報センターが行った実験結果をご紹介します。

【実験】グリルを活用したローストビーフの作り方

ガスコンログリルを開いたところ
写真:東京ガス 食情報センター

今回の実験では、ガスコンロのグリルを使ったローストビーフの調理方法で、肉の中心温度がどのように変化するかを調べてみました。実験で使用したレシピは、ガスコンロのグリルで加熱時間はたった十数分、後はホイルとタオルに包んで放置しておくだけ、というとても簡単なものです。

ポイントは、肉を冷蔵庫から出し室温に戻しておくこと、そして、グリルの庫内の高さに合わせて、肉の厚み(高さ)を3cm以下にすることだけです。

このレシピを参考に、次のように実験を行いました。

【試料】

牛もも肉(塊)厚み(高さ)約3cm、重さ約400g

【加熱方法】

肉に切り込みを入れ、ニンニクの薄切りを刺した状態
肉に切り込みを入れ、ニンニクの薄切りを刺した状態
写真:東京ガス 食情報センター

牛もも肉に塩をすり込み、肉の大きさに合わせて肉の両面に2、3cmおきに切り込みをいれて、ニンニクの薄切りを刺してからグリルの焼き網の上に載せ、両面焼きグリル上下強火で11分加熱しました。

ここでのポイントは、「肉の厚み(高さ)を3㎝以内にする」、ということです。それよりも厚すぎると、グリルの上火に近すぎ、肉が焦げてしまう原因となりますので、ご注意ください。(使用ガスコンロ:Rinnai RHS71W22E6VC)

焼き上がり直後のローストビーフ
焼き上がり直後のローストビーフ
写真:東京ガス 食情報センター

11分グリルで加熱した直後の肉の様子がこちらです。良い色に焼き目がついていますね。

【保温方法】

ローストビーフの保温方法
写真:東京ガス 食情報センター

加熱終了後すぐに取り出し、二重にしたアルミホイルで包み、さらにタオルで包んで調理台の上に室温で1時間程度放置しました。

【測定方法】

熱電対(シース型Kタイプ)の先端が牛肉の中心部に来るように挿入し、1秒ごとに温度を測定しました。

【実験結果】グリルで調理したローストビーフの温度履歴は?

ローストビーフ肉中心温度の変化
データ出典:東京ガス 食情報センター(2021年10月)

ローストビーフの中心温度を測定した温度履歴のグラフを見てみましょう(図1)。ローストビーフは、グリル点火後11分間加熱した後消火し、その後、取り出してアルミホイル、タオルで巻いて室温に放置しました。グラフからは、ローストビーフをグリルから取り出した後も、中心温度が上昇しているのが分かります。加熱は終了していても、肉の内部へ熱は伝わり続けているのです。

つまり、11分グリルで加熱しただけでは、ローストビーフの表面は良い色に焼き目がついていても、肉の中心温度はまだ50℃にも満たず、それだけでは肉の内部までは火が通っていない状態であることが分かります。ホイル、タオルで包んでしばらく保温しておくことで余熱で火が入り、調理開始から32分後に61℃以上9分間の基準をクリアしたことが確認できました。

保温終了後のローストビーフの外観、断面の様子
保温終了後のローストビーフの外観、断面の様子
写真:東京ガス 食情報センター

中を切ってみても、上の写真のようにきれいなピンク色をしており、程よく火が通っていることが分かります。

肉に入れた切り込みの役割とは?

今回は肉に切り込みを入れて、ニンニクの薄切りを差し込んで調理をしました。この切り込みは、実は単にニンニクの風味付けだけではなく、肉に切り込みを入れることで、肉への火の通りがよくなる、という重要な役割があるのです。

実際、切り込みあり、なしのローストビーフの加熱調理時の温度変化を測定して比較すると、切り込みありのローストビーフの方が中心温度が高くなる傾向が見られました。

ちょっとしたひと手間ですが、おいしくなるだけでなく、より安心して食べることができる工夫なのですね。

表面の焼き色はおいしさの証

ガスコンログリルとガスオーブンから与えられる熱量の違い
東京ガス都市生活研究所 都市生活レポート「グリルとオーブンの加熱特性」(2016)より
https://www.toshiken.com/report/food27.html

ところで、表面にこんがりとした焼き色がついていると、とてもおいしそうに見えますね。
肉の表面では、温度約155℃以上で食品に含まれる糖とアミノ酸やたんぱく質が反応する、メイラード反応と呼ばれる化学反応が生じ、褐色の物質が作られます。これが「焼き色」であり、「香ばしさ」の元になっているのです。

ガスコンロのグリルでは、オーブンと比較して全体的に熱源から与えられる熱量が多い上に、放射伝熱(※2)による加熱の割合が高いため、表面の温度が上がりやすいと考えられます。
上の図2に示すように、東京ガス都市生活研究所が2016年に行った実験では、ガスグリルはオーブンよりも放射で温められる熱量が5.4倍も多いことが分かりました。簡単に言えば、オーブンよりもグリルの方が「表面をよく焼くのが得意」なのです。オーブンでは焼き目をつけるのが難しい、と感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(※2)放射伝熱:熱源から発生する赤外線などが固体の表面に吸収されることで伝わる熱。食品の焼き色に影響を与える、炭火焼など。

焼き上がり直後のローストビーフ表面の様子
焼き上がり直後のローストビーフ表面の様子(左:サーモグラフィー写真)
写真:東京ガス 食情報センター

サーモグラフィーでグリルから出した直後のローストビーフ表面の温度を撮影してみても、メイラード反応が起こるとされる155℃を超え、実際の焼き上がりも表面がこんがりと色づいています。しかも、この状態から余熱を利用して中まで火を通すことから、これ以上表面を焼きすぎることがありません。つまり、表面は焼き色がつき、中は適度に火が入った状態が可能となります。
そのため、ガスコンログリルで作ると、ローストビーフは香ばしい風味を持ちつつ、歯切れの良い食感に仕上げることができるのです。

実験から、少しハードルが高いローストビーフも、ガスコンログリルを使えばお手軽で安心な調理が可能なことが分かりました。

次に、ローストビーフに合わせた手作りソースと、タルティーヌのレシピをご紹介します。ソースは、ゴルゴンゾーラソースとチミチュリソースの2種です。チミチュリソースは、アルゼンチン発祥のパクチーとイタリアンパセリを使ったソースでお肉ととても相性がよいですよ。
今年のクリスマスには、ぜひご自宅でローストビーフを焼いて、ご家族や友人と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか? いつもよりもワンランクアップの、クリスマスのご馳走になること間違いなしです!

クリスマスに! 「ローストビーフの野菜添え~2種のソース~」

ローストビーフの野菜添え~2種のソース~
写真・レシピ:東京ガス 食情報センター

【材料(4人分)】

牛モモ肉(塊・3cm厚さ)・・・400g
塩・・・小さじ1/2
コショウ(黒)・・・適量
ニンニク・・・2片

≪付け合わせ≫
カリフラワー・・・150g
芽キャベツ・・・8コ
パプリカ(赤)・・・1/2コ
塩・・・ひとつまみ
水・・・1/4カップ

≪ゴルゴンゾーラソース≫
ゴルゴンゾーラチーズ・・・50g
生クリーム・・・50g

≪チミチュリソース≫
パクチー・・・20g
イタリアンパセリ・・・10g
ニンニク・・・2片
オリーブ油・・・大さじ4
ワインビネガー(白)・・・大さじ1
塩・・・小さじ2/3
コショウ(黒)、チリペッパー・・・各少々

クレソン・・・適量

【準備】

・牛モモ肉は室温に戻します。

【作り方】

1. 牛モモ肉に塩、コショウをすり込みます。数カ所に切り込みを入れ、薄く切ったニンニクを差し込みます。

ローストビーフをグリルで焼く前と焼いた後
写真:東京ガス 食情報センター

2. 1をグリルで焼きます。
  両面焼き水なしグリル 上・下強火 11分
焼き上がったら2重にしたアルミホイルで包み、さらにタオルで包んで30分程度おきます。

3. 付け合わせを作ります。
カリフラワーは小房に分け、芽キャベツは根元に十文字の切り込みを入れます。パプリカはヘタと種を取り、食べやすい大きさに切ります。

4. フライパンに3を入れ、塩をふって水を加えます。ふたをして火にかけ、コンロ調理タイマーを6分に設定して蒸します(中火)。

5. ゴルゴンゾーラソースを作ります。
鍋に材料を合わせて火にかけ、ゴルゴンゾーラチーズを溶かします(中火)。

6. チミチュリソースを作ります。
パクチー、イタリアンパセリ、ニンニクはみじん切りにし、残りの材料を加えて混ぜます。

7. 2を薄切りにし、4、クレソンと共に皿に盛りつけ、5、6を添えます。

ローストビーフと一緒に召し上がれ! 「タルティーヌ3種」

タルティーヌ3種
写真・レシピ:東京ガス 食情報センター

【材料(4人分)】

バゲット(1cm厚さ)・・・12枚

≪アボカド≫
アボカド・・・1/2コ
[A]
├マヨネーズ・・・小さじ1
├レモン汁・・・小さじ1/2
└塩、コショウ・・・各少々
ピンクペッパー・・・少々
バルサミコ酢・・・適量

≪サーモン&クリームチーズ≫
スモークサーモン・・・4切れ(40g)
クリームチーズ・・・30g
ディル・・・適量
レモン(薄切り)・・・4枚
ケイパー・・・少々

≪イチゴ&マスカルポーネ≫
[B]
├マスカルポーネチーズ・・・30g
└ハチミツ ・・・小さじ1
イチゴ・・・小4コ
セルフィーユ・・・適量
クルミ(ロースト)・・・適量

【準備】

・鍋にバルサミコ酢を入れて火にかけ、とろみがつくまで煮詰めます(中火→弱火)。

【作り方】

1.バゲットを焼きます。
 両面焼き水なしグリル(グリルプレート使用) 上・下強火 3分

2. アボカドのタルティーヌを作ります。
アボカドは種と皮を取り、半量を薄くスライスします。残りはボウルに入れてつぶし、Aを加えて混ぜ合わせ、ペースト状にします。バゲット4枚にペーストを塗り、スライスをのせます。バルサミコ酢をかけ、ピンクペッパーを飾ります。

3. サーモン&クリームチーズのタルティーヌを作ります。
バゲット4枚にクリームチーズを塗り、スモークサーモンをのせます。ディル、レモン、ケイパーを飾ります。

4. イチゴ&マスカルポーネのタルティーヌを作ります。
バゲット4枚に混ぜ合わせたBを塗り、薄切りにしたイチゴをのせます。セルフィーユ、砕いたクルミを飾ります。

おわりに

ガスコンロのグリルを使って作るローストビーフは、とても手軽に作れる上、余熱で中心までしっかり加熱され、安心して食べることができる調理法であることをご紹介しました。
ポイントは肉の厚さ(高さ)です。火が当たりすぎて、大切な肉を焦がさないためにも、肉の厚み(高さ)を3㎝以下にしてくださいね!
ぜひ、ご家庭でも気軽にお試しください!

参考資料:厚生労働省 食品別 規格基準「食肉製品」

グリルの加熱特性についてもっと詳しく知りたい方は、以下の都市生活レポートをご覧ください。
東京ガス都市生活研究所 都市生活レポート「グリルとオーブンの加熱特性」(2016)

東京ガス都市生活研究所

東京ガス都市生活研究所ロゴ

東京ガス都市生活研究所は、1986年7月に設立されました。社会の変化や都市に暮らす生活者についての多面的な調査・分析を実施。将来のライフスタイルやニーズを予測し、生活者が豊かな暮らしを創造するための情報を提供するとともに、さまざまな提言を行っています。

東京ガス都市生活研究所

執筆者:東京ガス都市生活研究所兼食情報センター 統括研究員 松葉佐 智子
レシピ監修:東京ガス食情報センター 田中 有美

2021年11月30日

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