ここから本文です。

ガス代の節約はお風呂から! 節約のプロに聞く光熱費カット方法

毎月掛かるガス代はなるべく減らしたいもの。節約アドバイザーの丸山晴美さんによると、ちょっとした心掛けで、大きく減らす方法があるそうです。具体的なガス代の節約方法について詳しく伺いました。東京ガス都市生活研究所や資源エネルギー庁の調査で判明した節約できる金額とともにお伝えします。

最終更新日:2024.9.26

目 次

ガス代はお風呂の入り方の工夫で大きく節約できる!

資源エネルギー庁「家庭でできる省エネ:2019年世帯あたり用途別エネルギー消費」

出典:資源エネルギー庁 「家庭でできる省エネ:2019年世帯あたり用途別エネルギー消費」

食費などと異なり、ガス代は節約が難しいコストですね。何にどれくらい掛かっているか分かりにくく、どうすれば安くできるのか把握しにくいのが難点です。

節約アドバイザーの丸山晴美さんによると、家庭で支払うガス代の中で多くを占めるのは、給湯、ガスコンロ、床暖房の順で、特に大きいのがお風呂の給湯だそうです。

お風呂の給湯で節約するというと「お風呂を我慢してシャワーで済ませる」「入浴回数を減らす」など極端な倹約生活をイメージするかもしれませんが、丸山さんによると、生活レベルを下げるような無理をしなくても、お風呂の使い方を少し見直すだけで、ガス代の大きな節約につながるそうです。お風呂、ガスコンロなどガス機器の使い方のポイントを伺いました。

以下でご紹介するガス代の節約術で、年間24,200円の節約に!

節約イメージ

PIXTA

丸山さんおすすめの以下のガス代節約術をご紹介します。資源エネルギー庁や東京ガス都市生活研究所の調査によると、これらの節約術を実践することで、1日あたり73.4円、毎日実践すれば、年間で約26,700円の節約になります。
※こちらで紹介している節約金額にはガス代の他に水道代も含まれるものもあります。

  • 追い焚きを1回減らす:8.7円
  • 湯量を20リットル減らす:13.3円
  • シャワーで給湯温度を42℃から40℃に下げる:8.1円
  • お風呂の設定温度を42℃から40℃に下げる:7.2円
  • シャワーの使用を1分減らす:26.6円
  • ガスコンロの炎の大きさを強火ではなく中火にする:1.6円
  • 1日2回の食器洗いを手洗いから食洗機に変更:7.9円


それでは、ガス代の節約術7選をご紹介していきます。

ガス代の節約術1「お風呂の初期設定を変更する」

お風呂の給湯パネル

PIXTA

お風呂の給湯パネルで「自動運転」機能がオンになっていませんか? これは、お湯の温度が下がると自動的に追い焚きしてくれ、お湯の温度を一定に保つ機能です。

自動でお湯を温め直してくれ、便利で快適な機能ですが、丸山さんによると、追い焚きは必要なタイミングに必要最低限の回数で行う方が節約になるそう。しばらく次に湯舟に入る人がいない場合には、自動運転機能をオフにするのもおすすめとのことです。

お風呂の給湯パネル

uchicoto

お風呂には十分な量のお湯を張って入浴するのが快適ですが、とにかくガス代を抑えたい時には「お風呂の水位を低めに設定する」という手もあると丸山さんは教えてくれました。

お風呂の水位は給湯パネルのふろ湯量のボタンで調整可能です。200リットルのお湯を張ると132.9円、180リットルでは119.6円と20リットル分減らすだけで、1回のお湯張りで13.3円も節約になります(※1)

「給湯の温度も季節に応じて設定を変更しましょう。夏場は38∼40℃、冬は40∼42℃でしょうか。お皿洗いでお湯を使う場合も、38~40℃あれば汚れは落とせます」(丸山さん)

給湯の設定温度を42℃から40℃に変更すると、シャワーのガス代が1日8.1円(※2)安くなり、お風呂の設定温度を42℃から40℃に変更することで、7.2円(※3)のガス代節約になります。夏場や油ものでなければ、水でも汚れは落ちるので、季節や汚れによって、温度設定を見直すと良いですね。

※1.40℃にお風呂を沸かす際、180Lを沸かす場合と200Lを沸かす場合
出典:東京ガス都市生活研究所「ウルトラ省エネブック:バスルーム・トイレ編 機器の設定でもっと省エネ」
※2.1人あたり5分(50L)シャワーを使用したときに、シャワーの給湯温度を42℃から40℃に下げた場合
出典:東京ガス都市生活研究所「ウルトラ省エネブック:バスルーム・トイレ編 機器の設定でもっと省エネ」
※3.180Lの水を20℃から40℃に沸かす場合と42℃に沸かす場合
出典:東京ガス都市生活研究所「ウルトラ省エネブック:バスルーム・トイレ編 手軽にできてしかもお得」

給湯パネルの運転ボタンは常時オフにしておく

洗い物をする人

PIXTA

給湯パネルの運転ボタン、いつも「入」の状態にしていませんか? 丸山さんによると、お湯を使う時以外は「切」の状態にしておくのがオススメだそう。

待機時の消費電力の割合

出典:経済産業省 資源エネルギー庁「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査)報告書概要 」より作成

「給湯パネルがオンの状態でも、蛇口をひねってから給湯器はお湯を沸かし始めます。給湯パネルの電気を付けっぱなしでもガス代が上がるわけではありませんが、気になるのは電気代。給湯パネルは古い物ほど待機電力も大きくなります。2012年の資源エネルギー庁の調査では、全消費電力の中の5∼6%が待機電力で、うち20%が給湯パネルという結果も出ています」(丸山さん)

最近では、給湯パネルの液晶を自動で消灯する省エネモードも搭載された機種もあります。ガス代ではありませんが、電気代も節約するに越したことはありません。お湯を使わない時には「切」ボタンを押しておくとよいですね。

ガス代の節約術2「お風呂はこまめにふたをする」「できるだけ続けて入浴する」

ふたをした浴槽

PIXTA

丸山さんによると、お風呂のふたの効果は絶大だそう。お湯を張り始める時にふたをして、家族はできるだけ続けて入浴をし、間隔が空く時には都度必ずふたをするのが良いそうです。

実際にふたをした場合としなかった場合で、どれくらい湯温に差が出るのかを試してみました。

※お風呂のふたは二枚に分かれたタイプを使用しており、下の写真では一枚のふたのみを閉めた状態ですが、測定時には、二枚のふたで覆うようにしました。

ふたをしない浴槽

uchicoto

最初の温度設定を40℃にしておき、2時間でどれくらい温度が下がるのかを確認したところ、ふたをしなかった場合には4.8℃も下がっていました(給湯開始時の室温18℃)。

お湯の温度

uchicoto

一方、ふたをした場合には、上の写真の通り0.3℃しか下がりませんでした。お風呂のふたをしておけば、追い焚きや足し湯の頻度を減らせますね。

家族でお風呂に入る時間がバラバラな場合は・・・?

入浴する男性

PIXTA

(丸山さん)「大人が多い家だと、お風呂に入る時間がバラバラになりがちです。ふたを活用してお風呂の温度を下げないよう工夫しましょう」

家族の人数やライフスタイルに合わせて、お風呂の使い方も見直した方が良いのですね。でも真冬や入浴の間隔が2時間以上空くと、どれだけ対策しても水温はかなり冷めてしまいます。

こうした生活習慣のお宅の場合にはエコジョーズ(省エネ高効率給湯器)にリフォームするという方法もあります。さらに、ガス温水式床暖房やガス温水式浴室暖房乾燥機をお使いの場合、ガス料金が3%~6%お得になる料金プランも。詳細は以下を参考にしてみてくださいね。

ガス代の節約術3「シャワーは節水ヘッドを使い、使用時間は短めに」

シャワーをする女性

PIXTA

「シャワーで身体を温めながら浴びるとお湯が無駄になるため、浴槽で温まり、髪の毛や身体を洗い流す時のみ、シャワーを使うようにしましょう。シャワーヘッドを節水タイプに変えるだけで水圧が上がり、短い時間の使用で流し終わるので、おすすめです」(丸山さん)

45℃のお湯をシャワーで流す時間を減らすと1分ごとに8.8円(※4)の節約になるそうです。節水シャワーヘッドに変えるだけで、30∼50%の節水につながるとのこと。

止水機能付きシャワーヘッド

uchicoto

ヘッドの手元に止水機能も付いているタイプなら、こまめにお湯を止めやすく、より節水効果が高まります。

「シャワーはこまめに止める習慣を身に付けましょう。手元のボタンでお湯を止められるシャワーヘッドなら手軽にオンオフできますよ。最後に入った人は、身体を流す時にシャワーではなく残り湯を使うのも効率的です」(丸山さん)

※4.45℃の湯を流す時間を1分間短縮した場合
出典:資源エネルギー庁 「家庭でできる省エネ:無理のない省エネ節約」

ガス代の節約術4「ガスコンロの炎の大きさを調整する」

ガスコンロの炎

PIXTA

「鍋の底からガスコンロの炎がはみ出ると、はみ出た分のエネルギーは無駄になってしまいます。鍋の底から炎がはみ出さない程度の中火を意識しましょう」(丸山さん)

調査によると1日3回の湯沸かしで、炎を強火から中火に変更すると1.1円の節約になるそうです(※5)。また、炎が大きいと持ち手が焦げてしまうこともあるので、鍋を長持ちさせるためにも炎の大きさに注意しておくとよいですね。

ガスの炎で熱するフライパン

PIXTA

また熱効率が良い鍋は、フライパンのように鍋底が広く平らなものだそう。鍋底が濡れていると水滴を乾かすのにもエネルギーを使ってしまうため、底の水気を拭いてから五徳に載せるのもポイントです。

※5.水1L(20℃程度)を沸騰させる時、強火から中火にした場合(1日3回)
出典:資源エネルギー庁 「家庭でできる省エネ:無理のない省エネ節約」

ガス代の節約術5「メインは炒め料理」「煮込み料理は余熱調理」

鍋をタオルや保温カバーで保温する様子

PIXTA

(丸山さん)「ガス代を節約するには、強火でささっと調理できる炒め物が適しています。煮込み料理を作りたい時は圧力鍋を使って短時間で調理したり、一度煮立ったら火から下ろして保温性の高い素材で包み、余熱で調理する方法がオススメです」

丸山さんはいつも新聞紙で全体を包み、その上からバスタオルで包むそう。専用の保温カバーや鍋帽子も市販されています。また、火の通りにくい根菜などは電子レンジで下茹でしてから鍋で調理することで、ガスの節約につながるとのことです。

ガス代の節約術6「調理や皿洗いの時は38~40℃に設定」

給湯器のコントロールパネル

PIXTA

上の「ガス代の節約術1」では給湯の設定温度を低くする方法をお伝えしていますが、キッチン側でさらに低く設定することも可能です。給湯の設定温度は最低で37℃から設定できます。

※油汚れの場合は37℃のお湯より38~40℃程度のお湯を使った方が落ちやすくなります。

ただし、風呂場の給湯パネルで「優先」機能が設定されている場合、キッチンの給湯パネルで温度設定が変更できません。これは、安全性のためにキッチン側で急激な温度変更ができないよう制限し、浴室の給湯パネルで設定した温度が優先される機能になります。そのため、優先ボタンを押して解除してからキッチンで給湯温度を変更する必要があります。

ガス代の節約術7「食洗機の導入を検討する」

食洗機を活用する様子

PIXTA

「洗う食器の量が多い時はお湯を使って手洗いするより、食洗機の方がお得になります」(丸山さん)

お湯でお皿を手洗いする場合、掛かるのはガス代と水道料金ですが、食洗機の場合、水道からの水を電気で湯沸かししてお皿を洗うので、電気代と水道代が掛かります。

資源エネルギー庁のデータでは、1日2回、給湯器のお湯を40℃で手洗いした場合と同じ回数、食器洗い乾燥機の標準モードで比較した場合、1日あたり水道代と光熱費(ガス代・電気代)が合わせて17.7円(※6)お得になります。

このように、食洗機は60~80℃のお湯を貯めて効率的に洗浄する仕組みなので、電気代と水道代を節約できるというメリットがあります。ただ食洗機の導入には機器代もかかるので、ご自身の場合どのくらいの節約効果があるかは事前に試算してみると良いですね。

※6.給湯器(40℃)、使用水量65L/回(冷房期間は、給湯器を使用しない)の手洗いの場合と給水接続タイプで標準モードを利用した食器洗い乾燥機の場合の比較 手洗い、食器洗い乾燥機ともに2回/日
出典:資源エネルギー庁 「家庭でできる省エネ:無理のない省エネ節約」

ガス関連の節約術「サポートサービスに入っておく」

定期点検のイメージ

PIXTA

「私は給湯器のサポートサービスを有料で契約し、定期的に点検してもらっていますが、ガスの給湯器は高額なので日々のメンテナンスが大切です。契約しているガス会社にサポートサービスがあれば入っておき、給湯器の不調があれば、早めにメンテナンスや点検を依頼するとよいでしょう」と丸山さん。

いざという時に使えない! なんてことは避けたいもの。この機会にサポートサービスを検討するのも手ですね。

おわりに

たくさんのコツをご紹介いただきましたが、丸山さんによると「一番大事なのは習慣化し続けること」とのこと。ご家庭によって生活スタイルや価値観は異なります。自分に合ったものから少しずつやってみると良いですね。

手軽にできる省エネ方法をご紹介「ウルトラ省エネブック」

ウルトラ省エネブック

TOKYO GAS

エネルギーは、毎日の生活のあらゆるシーンで使われ、暮らしを支えています。
普段の生活の中で手軽にできて、地球にもお財布にも優しい省エネの方法はまだまだたくさんあります。

東京ガスでは「ウルトラ省エネブック」サイトで、手軽にできてお得な省エネ方法や、ちょっとした省エネのアイデアなど幅広くご紹介しています。「これならやれそう!」というものから始めてみてはいかがですか?

毎日使うものだから、もしもの備えを東京ガスで!

ガス機器スペシャルサポート

TOKYO GAS

ご自宅のガス給湯器やガスコンロが故障したらどうしますか?
「修理をどこに頼んだらいいかわからない・・・」「修理費がいくらかかるのか心配・・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなあなたにおススメなのが、「ガス機器スペシャルサポート」です。
 
「ガス機器スペシャルサポート」は、月々定額の1年契約で、急なガス機器の故障に備える修理保証サービスです。
 
さらに、水まわりから、電気設備、エアコンまで、壊れると困るあれこれのもしもに備えるオプションメニューもご用意しています。
 
※東京ガスのガス供給エリア(東日本ガス地区、東彩ガス地区・日本瓦斯(ニチガス)真岡地区は除く)にお住まいで、かつ東京ガスと家庭用のガス小売契約を締結しているお客さまが対象となります。

  • この記事取材先プロフィール

    丸山晴美

    節約アドバイザー/ファイナンシャルプランナー/消費生活アドバイザー 

    丸山晴美

    公式HP 丸山晴美の「らくらく節約生活。」

    22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物取扱主任士(登録)、認定心理士、家庭の省エネエキスパート検定合格、調理師などの資格を持ち、食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演等で行っている。2019年7月から「ゆとりうむプロジェクト」理事に就任。

    主な書著等は『得するお金のスゴ技大全』(宝島社)、『50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します』(幻冬舎)、『節約家計ノート2023』(東京新聞 2022年10月発売予定) 他多数。

    もっと見る
SNSでこの記事をシェア
FacebookX(旧Twitter)LinenotePinterest

コピーされました

公開日:2022.8.22

最終更新日:2024.9.26

※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の責任において行ってください。
本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
詳しくは、「サイトのご利用について」をご覧下さい。

同じカテゴリの記事

広告)東京ガスのガス機器スペシャルサポートキャンペーン
広告)おうちの機器なら東京ガスの機器交換におまかせ!

お気に入り追加

追加した記事は、お気に入り一覧でご確認いただけます。