私たちは毎日どのくらいのお湯を使っている?
世帯あたりの用途別エネルギー消費割合
家庭で利用しているエネルギーの約30%がお湯を作るために使われています。
家庭の中のどのような場面でお湯を使う様子が思い浮かぶでしょうか? 台所で食器を洗う、お風呂に入る、シャワーを浴びる、手や顔を洗う、とさまざまシーンでお湯を使っていることがわかると思います。
例えば、食器洗い10分で約100L、お風呂のお湯は約200L、シャワー5分で約50Lのお湯を使用しています。ペットボトル(2L)で換算すると、食器洗い10分はペットボトル50本分、お風呂のお湯は100本分、シャワー5分は25本分のお湯を利用していることになります。思ったよりも多くのお湯を利用しているのではないでしょうか?
今回は、お湯を上手に使い、使用量を減らすためにどのようなことができるのか、台所やお風呂を使うときにできることに加えて、機器の買い替えでできることをご紹介していきます。
台所でできる上手なお湯の使い方
まずは、台所で上手にお湯を使う方法を2つご紹介します。台所でのお湯の使い方について、気にする機会がなかった方も多いと思いますが、今日からチャレンジしてみましょう。
ポイント1.蛇口のお湯の温度を下げて使ってみよう
台所でお湯を使うときには、お湯の温度設定を見直してみましょう。温度を下げると省エネになり、節約にもつながるのでお得です。
ポイント2.給湯器のお湯から沸かせば時短で省エネに
給湯器はガスコンロよりも熱効率が良いため、お湯を沸かすときには、水から沸かすより給湯器のお湯から沸かすほうが省エネになります。
お風呂でできる上手なお湯の使い方
次に、お風呂で上手にお湯を使う方法を4つご紹介します。お風呂は一番お湯を使う場所なのでちょっと気をつけるだけで大きな節約につながります。
ポイント1.お風呂の設定温度を下げる!
冬に入浴するときは、お風呂の設定温度を高めにしがちです。設定温度を下げることで、省エネになります。
ポイント2.追いだき機能を使ってお湯を大切に!
給湯は追いだきよりも効率が良く、お湯を沸かすだけであれば省エネですが、残り湯がまだ温かいときには、追いだきを使うと省エネになります。
ポイント3.浴槽の湯量を少なくする!
お風呂の水量を見直してみましょう。湯量の設定を変えて、お湯はりの量を20L少なくするだけで省エネになります。
ポイント4.シャワーを1分短縮する!
出しっぱなしにしがちなシャワー。ひとり1日1回1分、使用時間を短くするだけで省エネになります。小まめにお湯を止める習慣をつけましょう。
省エネ機器で上手にお湯を使おう
最近の機器は、お湯を上手に使う省エネの工夫が取り入れられています。買い替えの時にどんな機器を選んだらよいのかポイントを4つご紹介します。
ポイント1.高効率ガス給湯器を選ぶ!
ガス給湯器を買い替えるときには、省エネタイプの高効率ガス給湯器(エコジョーズ)を選びましょう。従来型に比べ、エネルギー効率が向上しています。
ポイント2.保温性の高い浴槽を選ぶ!
浴槽を買い替えるときには、保温性の高い浴槽を。お湯が冷めにくくなるので、足し湯や追いだきに使うエネルギーを減らすことができます。
ポイント3.節水シャワーヘッドを選ぶ!
水を「出す/止める」を手元のスイッチで切り替える省エネタイプのシャワーヘッドを使えば、使用時間が短くなり、水もガスも節約できます。
ポイント4.省エネ型の水栓を選ぶ!
従来型のシングルレバー混合栓の中央部分は水とお湯が混ざっているため、レバーを上げる位置によっては、給湯器が作動している可能性があります。省エネ型の場合、湯と水の切り替わりを意識しやすい工夫がされています。
ポイント5.ミストサウナで上手にお湯を利用
ミストサウナをご存じでしょうか。銭湯などでよく見かける「ドライサウナ」ではなく、家庭用に普及している「ミストサウナ」は、細かい霧状の温かいミストを浴室内に噴霧します。シャワー浴や全身浴に比べ、水の使用量が少ないのも特徴です。
ミストサウナについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
自宅に欲しい!【ミストサウナ】の効果5つとおすすめの入り方
おわりに
今回は、お湯がよく使われている台所とお風呂でできる、お湯を上手に使うポイントと機器を買い替えるときのポイントを紹介しました。使い方をちょっと工夫するだけで、お湯を作るための電気やガスの消費を抑え、光熱費の節約につながります。また、光熱費を抑えることで、地球温暖化の一因であるCO2(二酸化炭素)排出量を減らすことにも貢献できます。
今回紹介した以外にも、私たちが暮らしの中で簡単にできることはたくさんあります。東京ガス都市生活研究所の「ウルトラ省エネブック」でもご紹介していますので、もっと知りたいという方はぜひご覧ください。
出典:東京ガス都市生活研究所「ウルトラ省エネブック」(2023年1月)
文責:東京ガス都市生活研究所 主任研究員 博士(環境情報学)、技術士(応用理学部門) 久米村秀明
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