【チョコレートとココアの違い】原料は同じ「カカオ豆」
チョコレートとココアは、どちらも原料は同じ「カカオ豆」。さらに途中までは同じ工程で作られるんです。
上の画像は「カカオポッド」とよばれるカカオの実です。カカオポッドの中に「カカオ豆」があります。
カカオポッドを割ると、中には白い果肉で覆われた種子があり、その種子が「カカオ豆」です。
カカオ豆を発酵させると化学変化をおこし、カカオ豆の色や香りの成分が出来上がります。
乾燥したカカオ豆を砕いて皮などを取り除き(上記画像)、さらに炒ってチョコレート独特の香りを引き出し、すりつぶしたものが「カカオマス」。
ここまでは、「チョコレート」も「ココア」も製造過程が一緒です。
「チョコレート」と「ココア」の違いは?
「カカオマス」の中には「ココアバター」と呼ばれる脂肪分が半分ほど含まれています。
チョコレートとココアの違いのポイントとなるのが、この「ココアバター」。
- 「カカオマス」から、「ココアバター」を一定量取り出した残りが「ココア」に。取り出した「ココアバター」はチョコレート等に使います。
- 「カカオマス」にココアバター、砂糖、ミルクなどを更に加えたものが、「チョコレート」となります。
以下にそれぞれの製法をご紹介します。
【チョコレートとココアの違い】「チョコレート」の製法
カカオマスにココアバター、ミルク、砂糖等を加えて長時間練り上げます。この時、よりチョコレートらしい芳ばしい香りが生まれるのだとか。
なめらかになったら、型に流し込んで冷却して固めます。それを型から外せば、私たちが普段口にしているチョコレートの完成です。
ちなみに、ビターチョコレートとミルクチョコレートの違いは以下のとおりです。
ビターチョコレート
乳製品などのミルクが入らない、カカオマスが40~60%のチョコレートのことをビターチョコレートいいます。ただし、ミルクが少し入ったチョコレートもビターチョコレートという場合もあるそうです。
ミルクチョコレート
全脂粉乳や脱脂粉乳、クリーム粉乳などの乳製品(ミルク)が入ったチョコレートをミルクチョコレートといいます。
【チョコレートとココアの違い】「ココア」の製法
カカオマスから一定量のココアバターを取り除いたかたまりを砕いて、パウダー状になるまで細かくしたものが「ココアパウダー」。これに砂糖、粉乳を加え、簡単に飲みやすくなるよう調整したものを「調整ココア」といいます。
じゃあ「ホットチョコレート」と「ココア」の違いって?
ホットチョコレートとココアの違い、ご存知ですか? 実は、2つの用語としての厳密な区分はないそうです。
一般的に「ホットチョコレート」はチョコレートを温めた牛乳などでのばした飲み物。「ココア」はココアパウダーをお湯や牛乳に溶かした飲み物といったイメージがあるようですが、ココアパウダーから作るものも、ホットチョコレートと呼ばれることがあります。
お店などでどちらのタイプか気になったら、オーダーする際に聞いてみても良いかもしれませんね。
「カカオ」の歴史
カカオの食文化としての歴史はとても古く、その始まりは紀元前1100年頃のマヤ文明の時代にまで遡ります。現在のメキシコ南部や中央アメリカなど、「メソアメリカ」と呼ばれた地域で栽培され、当時は食べるだけではなく貨幣や貢物としても使われていました。
次第に、カカオはそのまま食べるのではなく、「ショコラトル」と呼ばれる飲み物として飲用されるようになります。「ショコラトル」は、カカオ豆を乾燥させて煎り、殻をとったものをすり潰して粉にし、トウガラシやとうもろこしの粉を加えて水で溶いて作られたもので、これが「飲むチョコレート」の始まりと言われています。
16世紀になるとカカオはヨーロッパに渡ります。そこで砂糖やバニラを加えられ「甘い飲み物」として広まり、現在のチョコレートの原型が作られました。
子どもにチョコレートやココアをあげる時の注意点
カカオには少量の「カフェイン」が含まれています。また、食物繊維が豊富なため、人によってはお腹がゆるくなってしまうことも。
お子さんにあげる時には、たくさん与えすぎないように注意しましょう。
おわりに
普段何気なく食べているチョコレートやココア。その違いや背景を知ると、また違った楽しみ方ができそうですね。