そもそも漂白剤を使うタイミングって、いつなの?
皆さんが漂白剤を使っているタイミングはいつでしょうか?
ライオン株式会社のお洗濯マイスター、大貫 和泉(おおぬき いずみ)さんによると、衣料用の漂白剤を使うべきタイミングは大きく分けて3つあるそうです。
【漂白剤を使うタイミング1】シミが付いたとき
うっかり付けてしまった食べこぼしや、料理をつくっていて飛び散ってしまった油汚れ・・・。衣類にシミがついてしまったら、なるべく早めにお洗濯するのがベストだそう。
大貫さん「汚れは時間がたてばたつほど落ちにくくなりますので、シミなどの汚れがついたら、その日のうちにお洗濯していただくのをおすすめしています」
洗濯の前には食べ物などの固形物をきちんと落としておくことも大事です。
大貫さん「外出先などすぐに洗濯ができない状況で汚してしまったときは、まず固形物をハンカチやティッシュでつまみ取り、汚れのタイプによって以下の応急処置をしておくと、汚れが落ちやすくなりますよ」
【漂白剤を使うタイミング2】黄ばみや黒ずみが気になるとき
半年前や一年前にしまい込んだシャツ。衣替えで出してみると、なんだか黄ばんでいる・・・。そんな、すこし時間が経った黄ばみも、液体酸素系漂白剤を使ったお洗濯をするとキレイになりますよ、と大貫さん。
大貫さん「黄ばみの程度によって完全に落ちないものもありますが、漂白剤を使用することで効果が期待できます」
【漂白剤を使うタイミング3】ニオイが気になるとき
いわゆる「部屋干し臭」は、洗濯の時に落としきれなかったわずかな汚れが化学的に変化したり、菌による作用を受けたりするのが原因です。
大貫さん「部屋干し臭の気になる方は、洗剤と一緒に液体酸素系漂白剤を入れて洗濯機を回しましょう。漂白剤の消臭抗菌効果で、乾かすときのムワッとした生乾きの嫌なニオイを抑えることができます」
【漂白剤の選び方】漂白剤は3種類。それぞれ得意分野が違います!
漂白剤は、洗剤のように汚れを繊維から取り除くものではありません。
大貫さん「漂白剤は、黄ばみ・シミなど繊維についた「色素」を化学的に分解し、色素本体の色を失わせて、脱色するものなんです」
その分解・脱色のメカニズムが、大きくわけて3タイプあるとのこと。まずはそれぞれの違いを比べてみましょう。
酸化型の2種類(塩素系、酸素系)は、酸素による酸化反応によって、漂白効果を得るもの。
還元型漂白剤は、物質から酸素を奪う反応を利用して、シミの色素の構造を変化させ、色を脱色させるもの。
それぞれに漂白(脱色)のメカニズムが違うんですね。
迷ったら液体酸素系漂白剤を1本持っておけば安心!
いろいろな種類があるのはわかったけれど、では、どれを選べばいいのでしょう。
大貫さんのおすすめは、液体酸素系漂白剤。
大貫さん「液体酸素系漂白剤は、衣類に直接塗布できて、色柄物や幅広い衣料に使用できます。ただし使用する場合は、洗濯表示を確認して、酸素系漂白剤が使用できるかどうかを確認してから使用してくださいね」
酸素系漂白剤の粉末と液体は、どう違うの?
色落ちの心配がない酸素系漂白剤ですが、粉末タイプと液体タイプが売り場に並んでいます。これらはどう使い分ければよいのでしょう?
大貫さん「粉末と液体は主成分が異なります。液体は直接衣類に塗布できたり、ウォオッシャブルウールやシルクにも塗布して使える万能タイプ。粉末は弱アルカリ性なので、漂白力が強い反面、塗布ができずウール、シルクには使用不可です」
「漂白剤」と「蛍光剤(蛍光増白剤)」はどう違うの?
漂白とは違うアプローチで、「白さ」を追求する洗剤もあります。それが、蛍光増白剤入りの洗剤です。
大貫さん「蛍光増白剤は、白く見せるようにする一種の染料です。市販の白い衣類の多くは、仕上がりをより白くするために、製造段階から蛍光増白剤が使われています。
でも蛍光増白剤は、着用時や外干し時の日光で分解されたり、洗濯を繰り返すうちにだんだん落ちてしまうんですね・・・。これを洗濯のたびに補い、元の白さに戻すために、洗剤の中に蛍光増白剤が入っているものがあります」
蛍光増白剤入りの洗剤は、パッケージの裏面の成分に「蛍光増白剤」と記載されており、入っていない洗剤は「無けい光」もしくは「蛍光剤無配合」と目立つように記載されています。
蛍光増白剤が入っている洗剤がいいのか、入っていない洗剤の方がいいのかは、個々の家庭の状況によります。
白い衣類が多い家庭は蛍光増白剤入りの洗剤が便利ですし、生成り(きなり)や淡色の綿、麻などの天然繊維素材の衣類には、蛍光増白剤の配合されていない洗剤がおすすめです。
【液体酸素系漂白剤の使い方1】全体の汚れは、日々の洗濯で「全体漂白」を
白物をより白く、色柄をよりくっきり鮮やかにしたいときは、「全体漂白」で黄ばみや黒ずみを抑制します
黄ばみ・黒ずみの予防は、毎回の洗濯で行うのが効果的。
大貫さん「液体酸素系漂白剤は消臭・除菌効果もあるので、お風呂の残り湯で洗濯をしている方もぜひ使用してみてください。洗い上りがすっきりしますよ」
【全体漂白の方法】
1.洗濯機に衣類を入れる
2.衣類用洗剤と液体酸素系漂白剤を投入口に入れる
3.洗濯スタート
洗濯機に漂白剤の投入口がない場合は、各洗濯機の取扱説明書を確認しましょう。漂白剤投入のタイミングがわかりますよ。
【液体酸素系漂白剤の使い方2】ポイント汚れは「直塗り漂白」を
食べこぼしのシミ、襟や袖口の汚れ、汗ジミなどのポイント汚れは、汚れの部分に液体酸素系漂白剤を直接塗ります。
このとき気を付けるのは、汚れに十分に液剤がしみ込むよう、たっぷり漂白剤を塗ることと、すぐに洗濯機で洗うこと。
大貫さん「漂白剤の原液を直接塗ったまま放置すると、色落ちや繊維を傷める原因になります」
【直塗り漂白の方法】
1.液体酸素系漂白剤を汚れに直接塗る
2.すぐに洗濯機に衣類を入れ、洗剤を入れる
3.洗濯スタート
【液体酸素系漂白剤の使い方3】ガンコな汚れは「つけ置き漂白」を
時間が経ったシミや黄ばみ・黒ずみなど、ガンコな汚れを落としたいときは「つけ置き漂白」を。
大貫さん「洗剤(水量30L分)と液体酸素系漂白剤(適量)で、衣類が浸かるくらいの量の水(約5L)に溶かした“濃い目の洗剤液”を作るのがポイントです」
【つけ置き漂白の方法】
1.1回分の洗剤と液体酸素系漂白剤を、衣類が浸かる程度の水に溶かす
2.1.の濃い目の洗剤液に衣類を入れ、30分~2時間程度つけ置きする
3.洗剤液ごと洗濯機に入れて洗濯する
洗濯機に入れる際は、他の洗濯物も一緒に入れて洗濯してOKです!
【取り扱いのコツ1】真っ白にする塩素系漂白剤、留意点はコレ!
「混ぜるな危険」の表示がある塩素系漂白剤。キッチンやお風呂など水回りの漂白剤としては身近な存在ですが、衣類の漂白に使うときは注意が必要です。
大貫さん「家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含む)は、非常にアルカリ性の強い製品です。濃度が高すぎると布地を傷める可能性がありますので、適正濃度を守りましょう。酸性の洗剤や酸素系漂白剤と一緒に使用すると、急激に分解して危険な塩素ガスが発生する場合があり危険です。注意してください。」
もちろん色柄ものへの使用はNG。お気に入りの服がうっかり色抜けしてしまわないよう、液剤の飛び散りにも気をつけましょう。
【取り扱いのコツ2】鉄さびを落とす還元系漂白剤、留意点はコレ
還元系漂白剤は、酸化型漂白剤(塩素系・酸素系)の酸化作用とは異なり、還元の酸素を奪うはたらきでキレイにします。そのため、鉄サビ(酸化が進んだ汚れ)など、酸化型漂白剤では落ちない汚れを落とすのが得意!
ただし、還元系漂白剤には除菌・殺菌効果はありません。ニオイが気になるときは還元系漂白剤以外のものを使いましょう。
還元系漂白剤も塩素系漂白剤と同じく色柄物はNG。日常使いの漂白剤に酸素系漂白剤がおすすめされている理由は、こんなところもありそうですね。
おわりに
知っているようで知らない漂白剤。昨今はマスクの除菌・殺菌などで再び注目度が上がっていますが、漂白剤の種類によっては除菌・殺菌効果がないことも、お洗濯マイスターのアドバイスで改めて知ることができました。さまざまな種類と用途がある漂白剤。上手に使って、毎日の暮らしを少しでも快適&安心なものにしたいですね。
取材協力:ライオン株式会社Lidea「「漂白剤」の正しい使い方は?洋服のシミや黄ばみを効果的に落としたい」
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