東京ガス
暮らし情報メディア
ウチコト

ここから本文です。

部屋のニオイが気になる! 原因別の消臭対策6選

自分ではなかなか気付きにくい部屋のニオイ。家に人を招くときに「部屋のニオイは大丈夫だろうか・・・」と気にされる方も多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、エステー株式会社の研究グループに所属する森本真由さんに、部屋のニオイのさまざまな原因とその対策についてお聞きしました。

最終更新日:2024.2.1

目 次

気になる部屋のニオイの原因と対策とは? ニオイの種類別にご紹介

鼻をつまむ女性

PIXTA

普段の生活の中で、ふとした時に部屋のニオイが気になる方もいるのではないでしょうか。部屋のニオイは、原因を知り、対策をしっかり行えば、発生を防ぐことができるんです。

エステー株式会社の研究グループで主にエアケア製品の研究をされている森本真由さんに、部屋のニオイのさまざまな原因と、その対策について教えていただきました。

【気になるニオイその1】生ごみのニオイ

もえるゴミ用のゴミ箱

PIXTA

特に夏場などの暑い時期になると、自宅のキッチンで出た生ごみのニオイが気になる人も多いのでは。
料理をする機会が多いとすぐ三角コーナーにたまってしまい、対処に悩みますよね。

森本さん「生ごみをキッチンに置いておくと、生ごみから発生する雑菌が原因となり、イヤなニオイの発生につながってしまいます。生ごみを放置してからどれくらいでニオイが発生するのかは、その時の気温や湿度、水分量によるため一概には言えませんが、雑菌は気温が高い状態で繫殖しやすいため、夏場はニオイが気になりやすくなります」

生ごみのニオイの対処方法

生ごみのように雑菌が生み出すニオイの対策法の1つとして、「生物的消臭方法」があります。

森本さん「生物的消臭方法とは、ニオイの原因となる雑菌が繁殖しないようにして、悪臭の発生を抑える方法です。最近では、生ごみのニオイに特化した専用の消臭剤で、ごみ箱のフタ部分に貼り付けるタイプやキッチンに吊るすタイプもありますよ。あとは、雑菌は水分を多く含んだ環境を好むので、生ごみの水分を減らしてすぐに処分するのも方法の1つです」

生ごみ用のごみ箱はニオイが部屋に広がらないようにフタ付きのものを選び、フタ部分に貼るタイプの消臭剤を取り入れることで、ニオイを最小限に抑えることができますね。

森本さん「根本的な対策としては、生ごみを長時間放置しないようにすることも大切です」
悪臭を発生させる雑菌自体を早い段階で除去し、ニオイを発生させないことを意識したいですね。

【気になるニオイその2】油ものの料理のニオイ

とんかつ

PIXTA

揚げ物など、一度に油を多く使って料理をすると、部屋中に油っぽいニオイが充満してしまうことがあります。

森本さん「料理を頻繁にされる方であれば、料理のニオイが染みつきやすいです。特に油料理はニオイがでやすいですね。揚げ物などをすると油が飛び散り、カーテンやカーペットなどに付着してしまいます。そこから時間が経つと油が酸化してニオイが発生します」

キッチンとリビングダイニングが一緒になっているご家庭では、油っぽいニオイが気になることが多いのではないでしょうか。

油のニオイの対処方法

油のニオイが部屋についてしまったときはどのような対処方法がよいのでしょうか。

森本さん「キッチン周りやお部屋の空間のニオイが気になるときは、スプレータイプの消臭剤を使用することで対処できます」

特にキッチン周りでは、食品と香りが混ざらないよう無香タイプのものを使用するのがおすすめだそう。

森本さん「カーテンやカーペットのニオイが気になる場合は、ニオイに応じた消臭スプレーを選びましょう。また、洗ってよいものであれば洗濯をしてしまうことも一つの手です」

また、事前にできる対策としてはどのようなものがあるのでしょうか。

森本さん「まず料理をするときは、ニオイが周囲に広がらないよう換気をするようにしましょう。また、汚れが付着してしまったところはすぐに拭き取るようにすることで、ニオイの発生を防ぐことができます」

ニオイの元である油を周囲に広げないために、ぜひ習慣にしたいですね。

【気になるニオイその3】洗濯物の室内干しのニオイ

洗濯物のニオイが気になるイメージ

PIXTA

森本さん「洗濯物を室内干しすることの多い人は、生乾きのニオイが部屋に漂っていることがあります。洗濯物が生乾きになると、雑菌が繫殖することが原因でイヤなニオイを発生させてしまうのです」

洗濯をしてきれいに洗ったつもりでも、雑菌を完全に取り除けていないこともあるためです。
どのように対処するべきなのでしょうか。

室内干しのニオイの対処方法

イヤなニオイがする洋服やタオルに、除菌剤や抗菌効果のある消臭スプレーを使用し、ニオイの元である雑菌を除去しましょう。

森本さん「洗濯するたびにニオイが気になるという場合は、洗濯槽に雑菌や汚れがたまっている可能性が高いです。洗濯槽クリーナーを使って、定期的に掃除をするとよいでしょう」

また、ニオイを発生させない干し方についても教えてもらいました。

森本さん「室内干しでも、室内の風の通りをよくすることで洗濯物が乾きやすくなり、生乾きを防ぐことでニオイの発生を抑えることができます」

夏場は特に湿度が高いので、部屋干しの洗濯物が乾きづらくなりますよね。雨の日でも風通しがよくなるよう、干し方の工夫をしてみましょう。また、最近では雑菌が発生しにくい洗剤も発売されているので、そのような洗剤を使うことで生乾き臭を抑えることも効果的なのだとか。

室内干しの洗濯物を上手に乾かす対策については、以下記事でもご紹介しています。参考にしてみてください。

【気になるニオイその4】タバコのニオイ

タバコ

PIXTA

森本さん「部屋の中でタバコを吸う方は、煙のニオイが部屋に染みつき、気になるニオイの原因となってしまいます。タバコの煙にはアセトアルデヒドといった消臭しにくい成分が含まれており、壁などに付着しやすいです。焼肉なども同様で、加熱によるニオイは部屋に染み込みやすい特徴があります」

タバコのニオイの対処法

森本さん「タバコのニオイが気になるときは、換気をして空気の入れ替えをし、タバコ専用の消臭剤を使用しましょう。急いで消臭したい場合には、スプレータイプのものが即効性がありおすすめです。ご自宅に空気清浄器がある方は併用するのもよいですね」

【気になるニオイその5】ペットのニオイ

ペットの猫

PIXTA

森本さん「ペットを飼っていらっしゃるおうちは、ペットの体臭や排泄物のニオイが部屋に広がってしまうことがあります。特に犬は体臭が強く、猫は尿臭が強いとされています」

動物でも、種類によって排泄物や体臭のニオイの強さは違うのだそう。ペットの種類に合わせた対策を行っていきましょう。

ペットのニオイの対処方法

森本さん「犬のように体臭が気になる動物の場合は、定期的にきちんと洗ってあげましょう。ペット専用として販売されている消臭スプレーも販売されているので、そのようなアイテムを試してみるのもおすすめです」

また、尿臭などの排泄物のニオイはどのように対処するのがよいのでしょうか。

森本さん「排泄物を放置すると部屋の中にニオイが広がるので、トイレの砂やシートをこまめに交換することが大切になります」

忙しくこまめに交換できないことがあるという方は、消臭効果があるトイレグッズを選ぶのもおすすめだそうです。

【気になるニオイその6】クローゼットの中のニオイ

クローゼット

エステー株式会社 提供

森本さん「お部屋の中で、クローゼットのニオイが気になるという方もいらっしゃいます。洗濯をしていない洋服をしまってしまうと、汗や汚れから雑菌が繁殖してしまい、イヤなニオイが発生してしまいます」

クローゼットの中のニオイの対処方法

森本さん「洗濯できる衣類はきちんと洗ってからクローゼットにしまうようにしましょう。また、洗濯が難しいコートなどは、クリーニングに出すことができればよいですが、なかなか頻繁に出すことは難しいですよね。そんな時は、汚れを払い、風通しのよいところで陰干しして、湿気を取り除いてからしまうことで、ニオイの発生を少なくすることができますよ」

また、クローゼットは狭い空間なので、長い間閉めたままにしているとニオイや湿気がこもってしまうのだとか。定期的にクローゼットを開けたり、除湿剤を使用するのもおすすめです。

こんな場所のニオイ対策はどうすべき?

消臭スプレー

PIXTA

ここまで、部屋のニオイとして挙げられる原因とその対処法を森本さんに伺いました。
「部屋以外にも、ニオイが気になる場所がいくつかある・・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。以下でチェックしてみましょう。

トイレのニオイ

トイレの消臭剤

エステー株式会社 提供

お客さまが利用することもあるトイレは、特にニオイを発生させたくないですよね。

森本さん「トイレは尿の飛び散り臭が発生します。特に小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では、便器と自分の身体がサイズに合っていないので、尿が便器の周囲に飛び散ってしまうこともあり、飛び散ってしまった後に完全に拭き取ることができず、ニオイが染みついてしまっていることがよくあります」

トイレのニオイの対処方法

トイレにアンモニア臭などが染み付くのを防ぐためには、普段から清潔にしておくことが大切。

森本さん「尿に含まれるアンモニア臭などの成分が、壁やトイレマットなどに染み込んでいることが多いです。置き型の消臭芳香剤を活用してニオイを軽減させるのもよいですが、飛び散った尿をこまめに拭き取ったり、普段から汚れのないように保つことが大切になります」

放置してしまうと、尿にホコリなどが付着してなかなか落としにくい頑固な汚れになることも。できるだけこまめな掃除を習慣付けたいですね。

また、トイレの使用後のニオイも気になることがありますよね。

森本さん「トイレの使用後のニオイは、即効性のあるスプレータイプの使用がおすすめです。イヤなニオイを瞬時に除去できます。香りがあるものと無香料のものがありますが、ご自宅に合うものを選ぶとよいでしょう」

玄関のニオイ

消臭剤を置いた下駄箱

エステー株式会社 提供

玄関を開けたとき、なんだか気になるニオイがするといった経験がある方もいるはず。おうちの顔にもなる玄関は、清潔な印象を与えるようにしておきたいですよね。

森本さん「玄関のニオイの主な原因は、靴の臭い、靴に染み込んだ汗臭、下駄箱の中の湿気由来のカビがあげられます」

玄関のニオイの対処方法

森本さん「靴を脱いだ後にすぐ下駄箱にしまうのではなく、干して湿気を取り除いてからしまうことでニオイの発生を抑えることができます。また、同じ靴を履き続けると汗が靴に染み込みやすくなってしまうので、何足かローテーションすることで、ニオイの原因となる菌の繁殖を防ぐことができます」

お気に入りの靴でも、休めながら履くように気を付けたいですね。
また、玄関の中でも特に下駄箱は狭く、ニオイや湿気もこもりやすいため、下駄箱内に置き型の脱臭剤や除湿剤を使用するのもおすすめです。

浴室のニオイ

浴室

PIXTA

疲れを癒すお風呂が、ニオイの発生源になってしまうのは避けたいですよね。
浴室のニオイはカビが主な原因なのだそう。

森本さん「浴室に皮脂汚れや石鹸カスが残っていると、菌やカビのエサになるので、ニオイの発生につながります。また、水を使う場所なので、湿気もカビを発生させやすくしてしまいます」

浴室のニオイの対処方法

浴槽に風呂釜クリーナーを入れている様子

エステー株式会社 提供

森本さん「菌やカビのエサになる皮脂汚れや石鹸カスを残さないように、浴室の床や壁を掃除するようにしましょう。また、浴槽内の汚れは配管部分にたまりやすいので、浴槽を掃除するだけでなく、風呂釜クリーナーを使って浴槽の配管内も掃除するとよいですね。また、湿気があるとカビが増殖してしまうので、お風呂を使用した後は換気扇を回すように習慣づけるとよいでしょう」

お風呂上りに浴室の水滴をさっと拭くことも、湿気を抑えるためにおすすめなのだそう。快適にお風呂を使うために習慣にしておきたいですね。

浴室暖房乾燥機の「乾燥」機能を活用しよう!

浴室暖房乾燥機

TOKYO GAS

浴室暖房乾燥機が付いている場合は、入浴後に2時間ほどの「乾燥」運転がおすすめです。

浴室のカビの様子の比較

TOKYO GAS

上の図は浴室のカビの生え方を比較実験したものです。
「何もしない」浴室にカビが生えるのは当然の事ですが、「換気だけ」していてもカビは生えてきます。それに比べて「浴室乾燥」をすると、すばやく湿気が取り除かれ、カビが生えにくくなることが分かります。

「浴室乾燥」は浴室をカラッと乾いた状態をキープできるので、カビの発生も抑えて浴室のお掃除の手間を減らすことができます。夜、洗濯と入浴をした場合、就寝中に洗濯物と浴室を一緒に乾燥するのも経済的でおすすめです。

【番外編】「消臭剤」「芳香剤」「炭」の違いや特徴って?

玄関に消臭剤を置いている様子

エステー株式会社 提供

気になるニオイを除去する際、「消臭剤」「芳香剤」「炭」の活用が挙げられますが、そもそもこれらにはどういった特徴や違いがあるのでしょうか。

森本さん「消臭剤は、ニオイを化学的・感覚的作用によって除去・軽減するものがあります。例えば、トイレの代表的な悪臭であるアンモニアはアルカリ性なので、酸性の消臭剤を使い、中和反応によって消臭することができます。こうした成分の反応性を利用して、イヤなニオイを除去する特徴があります。玄関やリビング、トイレなど、さまざまな場所に適した種類があるので、場所や用途に合ったものを選ぶとよいですね。

一方の芳香剤は、イヤなニオイのする空間にいい香りを漂わせることで、ニオイを軽減させ、消臭する役割を持ちます」

中和反応のイメージ図

エステー株式会社 提供

消臭剤は化学反応の力によってニオイを根本的に除去する効果があり、芳香剤はイヤなニオイを軽減させる役割なのですね。

森本さん「炭は、化学反応によるものではなく、炭自体の持つニオイを吸い取る特徴を活用して消臭します。これは物理的消臭法と言います。炭の内部には目には見えない無数の穴があり、さまざまな悪臭成分をまとめて吸着することができるんです。複合的なニオイに効果的と言えますね。冷蔵庫の脱臭剤として備長炭や活性炭を利用した消臭剤を目にすると思いますが、下駄箱やトイレなどでも効果を発揮しますよ」

炭の物理的吸着(脱臭)

エステー株式会社 提供

特に消臭剤にはスプレータイプや置き型タイプがありますが、この2つにはどんな特徴があるのでしょうか。

森本さん「置き型タイプは開封後、比較的長い期間で対策することができるものです。商品によって持続期間は異なりますが、2~3カ月程度のものが一般的ですね。一方のスプレータイプは瞬間的に消臭効果を発揮することができます。置き型タイプとスプレータイプを組み合わせて使うことも効果的ですよ」

さまざまな種類の消臭剤が発売されているため、その場所に合った消臭剤を選び活用することが大切ですね。

消臭に関するお悩みQ&A

ワンルームのお部屋

PIXTA

ここまで、ニオイ別の対策を教えていただきましたが、消臭に関する気になる疑問についても森本さんにお答えいただきました。

Q1.ニオイが強い時に、香りの強い芳香剤を使うのは逆効果?

森本さん「ニオイには相性があるので、気になるイヤなニオイと強い芳香剤を合わせてしまうと逆効果になることがあります。例えば、タバコのニオイが気になる場合は、タバコのニオイに効果的なものを活用するべきです。消臭剤を手にする際には、ニオイに適した商品かどうかチェックすることが大切ですね。」

対象となるニオイに合った消臭剤や芳香剤で対策することが重要ですね。

Q2.消臭剤・芳香剤を、除湿剤や空気清浄機と併用しても大丈夫?

森本さん曰く、基本的に併用して問題ないとのこと。

「例えば靴箱のような狭い空間は、湿気を多く含んだ状態で密閉するとそこから雑菌が繁殖し、ニオイの原因になってしまうので、除湿剤を活用しながら消臭剤も使うことをおすすめします」(森本さん)

Q3.効果的な換気方法は?

森本さん「換気をする時は、空気の流れを意識して換気をすることが大切です。例えば、1カ所の窓だけでなく、対角線上にある2カ所目の窓を開けることで、空気の通り道ができ、効率よく換気が行えます。間取りによっては対角線上に2カ所の窓がない場合もありますので、そんな時は扇風機を使って空気の流れを作るのがおすすめです」

換気扇は、部屋のニオイを外へ送る出口の役割を果たしますが、換気扇だけでなく、対角線上の窓をプラスで開けることによって、外の空気を室内へ送り込むことができ、空気の循環ができます。

外の気温が低く窓を開けるのは避けたい場合は、窓は開けずに空気清浄機を使うのも手なのだそう。気温に合わせて工夫できるとよいですね。

おわりに

部屋のニオイのさまざまな原因とその対策について、エステー株式会社で研究グループに所属する森本真由さんに伺いました。
「ニオイの原因を調べて、原因に合った対策をすることが大事です」と森本さん。快適なお部屋で過ごすために、ぜひ部屋のニオイの対策をしてみてくださいね。

  • この記事取材協力

    エステー株式会社

    エステー株式会社

    R&D部門 研究グループ 第2チーム 森本真由さん

    エステーは、空気を通して暮らしを明るく元気にすることをビジョンとして、消臭芳香剤「消臭力」、防虫剤「ムシューダ」、脱臭剤「脱臭炭」、除湿剤「ドライペット」、米びつ用防虫剤「米唐番」など、独自の空気ビジネスの新技術を活かした事業展開を行っています。

    エステー株式会社

    もっと見る
SNSでこの記事をシェア
FacebookX(旧Twitter)LinenotePinterest

コピーされました

公開日:2022.8.30

最終更新日:2024.2.1

※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の責任において行ってください。
本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
詳しくは、「サイトのご利用について」をご覧下さい。

同じカテゴリの記事

お気に入り追加

追加した記事は、お気に入り一覧でご確認いただけます。