更新日: 2018年03月20日
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【教育研究家に聞く】赤ちゃんが離乳食を食べない!? 5つの原因と対処法

せっかく準備した離乳食。赤ちゃんが食べてくれないとがっかりしたり、心配になったりしますよね。でも、赤ちゃんにも食べない理由があるそうです。教育研究家の征矢里沙さんに、赤ちゃんが離乳食を食べないときの、原因と対処法をご紹介いただきました。

「赤ちゃんが離乳食を食べない・・・」心配しなくて大丈夫!

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赤ちゃんの離乳食は、生後5~6ヶ月から始めるとされています。

でも、まずお伝えしたいのは、「1歳未満の赤ちゃんが離乳食を食べなくても、元気に過ごしているなら、心配しなくて大丈夫! 」ということです。

実は、離乳食についての考え方や、与え方、国の指導内容などは、時代によってどんどん変わっているのです。

つまり、「人間の赤ちゃんはいつから離乳食を食べる」という絶対的な目安はないんですね。多くのご両親にとって意外かもしれませんね。
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母子手帳などは、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」に基づいています。

しかし、この元になっているのは、平成17年度の乳幼児栄養調査というもので、すでに10年以上前の調査です。

その調査の中でも、
「離乳については、乳児の食欲、摂食行動、成長・発達パタンあるいは地域の食文化、家庭の食習慣等を考慮した無理のない離乳の進め方、離乳食の内容や量を、個々にあわせて進めていくことが重要である。子どもにはそれぞれ個性があるので、画一的な進め方にならないよう留意しなければならない」
とあります。

個々の家庭環境の違いや、個人差も踏まえて対応した方がよいということですね。

だから、1歳未満の赤ちゃんが、離乳食をなかなか食べてくれなくても、健康診断で栄養不足を指摘されたりしない限りは、焦らなくても大丈夫。
赤ちゃんとママのペースに合わせて、ゆっくりやっていきましょう。

参考:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(平成19年3月)

栄養面から見た離乳食の必要性

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現代では、母乳の研究が進んで、母乳が赤ちゃんの栄養として非常に優れていることが分かっています。母乳をあげる母親の栄養状況も豊かになっています。

また、一昔前は母乳に比べて劣ると言われていた粉ミルクも、今は栄養面が大きく改善されています。

ですので、現代では、1歳未満で母乳やミルクをたくさん飲んでいる頃は、基本的には栄養面では問題ないと言われています。

もし心配であれば、お医者さんに連れて行って、母乳やミルクが足りているか、栄養が足りているかを相談してみましょう。

教育面から見た離乳食の必要性

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生後5~6ヶ月から離乳食を始めるのは、栄養面だけでなく、教育的な面も言われています。
食べ物をもぐもぐして飲み込む力、母乳やミルク以外の味の体験、食事による生活リズムづくり、などなど。

ただしこれも、早ければ早いほどよいというものでもなければ、いつ頃から始めなければ悪影響がある、というものでもないと考えられます。
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たとえば咀嚼の力ですが、母乳を吸うとき、赤ちゃんはちゅうちゅうと吸引しているのではなく、乳首をもぐもぐと噛んで乳を押し出し、舌で絞り出すという動作をしています。

顎の発達という面から言えば、ほとんど飲み込むだけの柔らかい離乳食よりも、母乳を吸うためにもぐもぐしている方が、顎を使うという説もあるのです。

食べ物を食べることは、人間の最も原始的な本能です。早いうちから食べる練習をしないと、食べられなくなるというものではありません。

色々な体験や教育は、赤ちゃんの発育にともない、これから沢山機会があります。焦らずに進めていきましょう。

赤ちゃんが離乳食を食べないときの原因と対処法

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とはいえ、赤ちゃんが離乳食を食べないときに実際にどう対応したらいいのか、迷いますよね。赤ちゃんが離乳食を食べないときに考えられる5つの原因と、それぞれの対処法をご紹介します。

【原因1】まだ食べることに興味がない

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食べることは人間の本能ですが、まだ母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんが、いつから・どれくらい「食べ物」に興味を持つかは、個人差があります。

まだ5ヶ月未満でも、パパやママが食事しているのを見て興味を持つ子もいれば、1歳近くなってもあまり興味を持たない子もいます。

大人になっても、食べることが大好きな人もいれば、そこまで興味がない人もいますよね。こういう個性や性格は、育った環境だけでなく、生まれつき備わっていることも多いのです。

また、興味のある・なしは、個性や性格だけでなく、身体の発達度合いも影響しています。
まだ、心も身体も、食べる準備ができていないのかもしれません。

【対処法1】誘ってみて、食べなければ片付ける

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離乳食に何回か誘ってみて、あまり食べなければ、無理に食べさせず、そのまま片付けるようにしましょう。

その際、手をかけて一生懸命作ったのに食べないとがっかりしてしまうので、冷凍やレトルトや瓶詰めも活用して、負担にならないようにするとよいかもしれません。

作った物をなるべく小さ目の小分けにして冷凍しておき、食べる分だけ解凍していくというのも手です。

【原因2】内容が発達段階に合っていない

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同じ月齢でも、歯の生え具合や口の筋肉の発達は、個人差が大きいもの。育児書通りの月齢のレシピを使っていても、赤ちゃんに合っていないこともあるようです。

特に、これまで食べていたのに食べなくなった場合には、新しく取り入れた食材や固さが合っていない可能性があります。

【対処法2】その子に合わせた段階のものを

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たとえば、何らかの事情で出産予定日よりも大幅に早く生まれた低出生体重児の赤ちゃんは、「修正月齢」といって、実際の月齢だけではなく、発達の目安となる月齢を提示されます。

低出生体重児に限らず、生まれたタイミングや身体の大きさ、あるいは目に見えない個人差によって、発達度合いが異なるかもしれません。

上手く食べられていないかもしれないと思ったら、離乳食を始めるのを遅らせてみたり、前の段階に戻してみましょう。

【原因3】味や触感が好みに合っていない

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味の好き嫌いは、赤ちゃんでもあります。「これが好きみたい」と思って食べさせていても、急に好みが変わることもあります。

また、触感の好き嫌いというものもあります。

ドロドロの食感が苦手で離乳食を拒否し続けていた赤ちゃんが、カミカミ期になって急にパクパク食べ出すこともあるそうです。

【対処法3】食材や調理法を変えてみる

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栄養バランスが心配かもしれませんが、母乳やミルクで栄養バランスが取れているようなら、「食べられるもの」をあげるだけでもよいと言われています。

もしも可能であれば、食材や調理法を変えることで、味や触感を変えて試してみるとよいでしょう。

今は、レトルトでも様々な食材・味付け・調理法のものが売っているので、それを使って試してみるのも手かもしれません。

家で作った物より、レトルトの方がよく食べるという場合もあったりします。

【原因4】環境や道具が合っていない

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離乳食そのものではなく、椅子や食器、スプーンなど、環境や道具が気に入らないという場合もあります。

離乳食初期であれば、椅子に座ることに慣れていなくて、座って食べることに抵抗があることも。また、大人と同じようにスプーンを使いたい、逆に自分で手づかみで食べたいなど、食べ方にこだわりがあることもあります。

【対処法4】環境を変えてみる

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椅子に座ることに抵抗があるようだったら、ママやパパの膝の上で食べさせてみましょう。食べることに慣れたら椅子に座れるようになります。

食べ方にこだわりがあるようなら、まだ難しいだろうと思っても、できるだけやりたいように食べさせてみましょう。

その際、前掛けだけでなく袖まで覆うようなエプロンをつけたり、ビニールシートを敷いたりすれば、汚れてしまうストレスが軽減できます。

ただし、食べずに食べ物で遊ぶだけのようなら、片付けてしまって大丈夫。

また、大人のフォークや箸などを使いたがる場合は、もはや遊びであり、あえて使わせる必要もありません。身体に刺さるなど思わぬ事故に繋がる可能性があるので、「これは大人のものだよ」とはっきりと伝え、渡さない方が良いでしょう。

【原因5】食べたい気分にならない

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赤ちゃんは、そのときどきの気分によって、やることやできることがコロコロ変わります。

「気分」というと、気まぐれに振り回されているような気持ちになりますが、要は「本能」のようなものだと考えていいでしょう。

ミルクや母乳でお腹がいっぱいだったり、眠かったり、体調が悪かったり、他に遊びたいものを見つけたり・・・まだ理性が発達していない赤ちゃんは、本能で行動するからです。

【対処法5】楽しく食事する姿を見せてあげる

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そんなとき、親の方が何度もしつこく食事を勧めたり、怒ったりすると、赤ちゃんが食事自体を嫌いになってしまう可能性があります。

食事は楽しいもの、というイメージを持たせてあげられるように、無理強いはせず、家族が楽しく食事をしている姿を見せてあげるとよいでしょう。

つい離乳食で一生懸命になって、自分の食事を後回しにしがちですが、パパやママが美味しそうに食べている姿を見ると、赤ちゃんも食べたい気持ちになることもあります。

また、単純に体調が悪ければ、食欲は落ちます。そんなときは母乳やミルクだけでもよいので、赤ちゃんの負担を減らしてあげましょう。

1歳以上になっても離乳食を食べないときは?

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1歳未満なら大丈夫、とお伝えしてきましたが、1歳を過ぎたらどうなのでしょうか?

1歳を過ぎると、手足もどんどん動くようになり、自我が発達してきて、個性もよりはっきりしてきます。

その上で、やっぱり食べるのを嫌がったり、食べずに遊んでしまう場合もあります。
ママのおっぱいやミルクがまだまだ大好きという子もいます。

それでも、母乳やミルクで栄養を採れていて、健康診断で異常がないなら問題ありません。

ただし、乳児期後期から幼児期(生後9か月~2歳)は、ママのお腹の中で蓄えた鉄分がなくなり、一方で発育によって必要な鉄分が多くなるので、鉄分不足になりやすいと言われています。

離乳食を食べない場合は、フォローアップミルクを飲ませてみるなど、栄養をより意識するとよいかもしれません。子ども用のサプリを検討するという手もあります。
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なお、どうしても興味がなくて離乳食を遅らせた場合、初期段階から始める必要はなく、その子の月齢・年齢に合わせて、いきなり完了期の食事を始めても大丈夫です。

離乳食の頃は全く食べず、大人と同じ物にしたらやっと食べた・・・ということもあるそうです。

この頃になると、「まだ食べない」という子どもの割合が減ってくるので、とても心配になるかと思います。

でも、一生母乳やミルクしか飲まない子どもはいません。色々試してみてもダメなのであれば、育て方や環境が悪いわけでもないはずです。

あまり思い詰めすぎず、医師や行政の子育て相談、家族や周りの人などにも相談しながら乗り切っていきましょう。

おわりに

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赤ちゃんが離乳食を食べないときの、原因と対処法をご紹介しました。
1歳未満の赤ちゃんが離乳食を食べなくても、焦らなくて大丈夫。いつかは食べてくれるようになります。それまで、ママ・パパがなるべくストレスを溜めずに過ごすことが大事です。

ちなみにうちの子ども達でいえば、上の子は食にちっとも興味がなく、身体も小さかったので、離乳食の開始を9ヶ月くらいまで遅らせました。一方下の子は、普通に6ヶ月くらいから食べることが好きで、歯が生えるのも完全食に進むのも早かったです。兄弟でもこんなに違うんだなと思いました。
子どもとママ・パパのペースに合わせて、楽しく進めていけるといいですね。

大人の取り分けで簡単に作れる「離乳食レシピ」をご紹介!

大人の食事から取り分けて簡単につくれる、「取り分け離乳食」レシピをご紹介します。家族の食事を作りながらササッと取り分けで作れる離乳食レシピを、赤ちゃんの成長(初期ゴックン期、中期モグモグ期、後期カミカミ期、完了期パクパク期)にあわせてご紹介します。
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【献立】
・さつまいもご飯
・鮭の幽庵焼き
・彩り野菜汁
・小松菜としらすのお浸し
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【献立】
・ロールキャベツ
・スフレオムレツバケット添え
・いちごとヨーグルトのデザート

プロフィール紹介

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征矢里沙
・『生きる力』をはぐくむ教育研究家
・NPO法人いきはぐ代表

子ども達の『生きる力』をはぐくむという観点から、様々な教育を研究。大学卒業後、社会人経験を経て、NPO法人いきはぐを設立。全国100ヶ所以上の学校・幼稚園・保育園等を実際に訪問して取材をするなど、『生きる力』をはぐくむ教育を広めるために活動。現在、1歳と4歳の男児二人の母としても奮闘中。

ホームページ:NPO法人いきはぐ

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