もやしはデリケートで傷みやすいの? その理由とは?
他の野菜に比べて傷みやすいもやし。もやしの消費期限は、驚くほど短いです。購入後、冷蔵庫に入れて保管しても、2~3日で傷んできます。消費期限以内でも、扱い方や保存方法を間違えるとすぐ茶色く変色して、傷んだもやし特有のニオイがしてきます。
なぜ、もやしは他の野菜と比べてこんなに傷みやすいのでしょうか。
その理由は、もやしが「発芽中の新芽」だからです。成長中の野菜は、細胞分裂が活発で、衝撃や温度変化、菌からの攻撃に弱い非常にデリケートな状態です。ぶつけたり潰すなどぞんざいな扱いをすると、もやしは折れたり傷ついて、劣化が進みやすくなります。
もやしの保存期間にも影響大! 新鮮なもやしの見分け方
もやしの新鮮さを長く保つには、もやしを購入する時に鮮度もチェックしましょう。新鮮なもやしは色白でハリがあり、子葉は薄黄色をしています。また手で袋を持ったとき、パリッと硬い感触があります。もやしの根や子葉が茶色くなっていたり、ヘナッとして水分が出ていたりするものは、保存環境が良くない可能性もあるので避けましょう。
冷蔵庫で長持ちさせる「もやしの保存方法」
もやしの劣化を抑えるためには、できるだけ低い温度で保存し、呼吸を抑えることが大切。それにより冬眠のような状態に近づけられるんだそう。
以下に、具体的な保存方法を見ていきましょう。
【もやしの冷蔵保存1】袋に穴を開けてから冷蔵庫に保存
生きているもやしは呼吸しているので、時間が経つと袋が膨らんで水がたまってしまいます。それを防ぐためには、もやしの袋に数カ所穴をあけ、凍らない程度〜10°C以下で保存しましょう。
また、低温であればあるほど呼吸が抑えられて、もやしの成長(老化)速度が緩和されます。そのため、冷蔵庫のチルド室で保存するのが最適です。ただし、凍ってしまうようなら、冷蔵室での保存が良いでしょう。
野菜室は温度が高めなので避けた方が無難です。※当日使う場合は野菜室に入れてもOKです。
【もやしの冷蔵保存2】 一度湯通ししてから冷蔵庫で保存
一度湯通ししてから、ペーパータオルなどで水気をしっかりと切り、密閉容器に入れて冷蔵庫に保存します。湯通しすることで雑菌が減り、劣化速度を抑えることができます。
湯通ししたもやしは、そのままナムルやおひたしに活用でき便利ですよ。
【もやしの冷蔵保存3】水につけた状態で冷蔵庫に保存
もやしを水洗いした後、密閉容器に入れ、もやし全体が空気に触れないくらいの水を加えて冷蔵庫に保存します。保存期間中は、中の水を1日1回交換します。この方法なら、1週間くらい保存できるそうです。ただし、その分水溶性の栄養素は流出してしまうこともあるので、できれば早めに食べ切るのがおすすめです。
冷凍して美味しく食べられるもやしの保存方法
もやしはシャキシャキとした食感が持ち味。冷凍するとそのシャキシャキ感が損なわれ、水っぽくなってしまいます。もやし本来の味や食感を楽しむ料理ではなく、しっかり味付けするものか、もやしが柔らかくても気にならない料理に使うようにしましょう。
たくさん買ってしまって使い切れない時にお試しください。その際は、購入後早めの冷凍が良いでしょう。
【もやしの冷凍保存1】袋のまま冷凍する方法
袋のまま冷凍保存する場合は、急速冷凍します。料理する際は自然解凍ではなく、冷凍のまま調理に使いましょう。
【もやしの冷凍保存2】ゆでてから冷凍する方法
食感を損なわない程度にサッと湯通しし、水気をよく切って保存容器や保存袋に入れて冷凍します。水分はキッチンペーパーなどを使ってしっかり切っておきましょう。この時、もやしが折れないように気を付けてください。
保存前に一度熱を通しているので、使う時はサッと火を通せば食べられますよ。
もやしの豆知識
もやしは生で食べられる?
もやしは、加熱調理することを前提として生産されているので、生食はおすすめではありません。また、加熱調理した方が青臭さがとれて、美味しくなる野菜です。
もやしは調理前に洗った方が良いの?
もやしは清浄な水で洗ってから出荷されているので、基本的に調理前の水洗いは不要だそう。ただし、もやしの鮮度や保存状態によってはニオイが気になる場合もあるので、その時は水洗いしてもよいでしょう。
もやしをより楽しむ調理方法
もやしの種類によって、調理のポイントが若干異なります。それぞれの種類に合わせて応用してみてください。
緑豆もやしやブラックマッペもやし
- ゆでる時
たっぷりのお湯にサラダ油(大さじ2)と塩(ひとつまみ)ともやしを入れて、再沸騰してからさらに10~15秒ほどゆでます。
- 炒める時
フライパンにサラダ油を入れて熱し、よく熱が通ったらもやしを入れて手早く炒めます。炒める時間が長くなると水っぽくなるので注意しましょう。
大豆もやし
- ゆでる時
水から一緒にゆでて、沸騰した後に1~5分ほどゆでます。ゆでる時間は、豆の大きさなどを考慮しながら決めましょう。
- 炒める時
大豆もやしは、いったん下ゆでしてから炒めると青臭さがとれて美味しくなります。
「もやし」をおいしくいただくレシピまとめ
常備菜に!「もやしとさつま揚げの煮浸し」
もやしとさつま揚げを煮汁でサッと煮ます。温かくても冷めてもおいしい人気の簡単お惣菜です。
フライパン1つで!「もやしのかにたま風」
シャキシャキのもやしが入ったほんのり甘いかにたま風です。ふんわり半熟になったら裏返さずに盛りつけるので、簡単で失敗しにくいおすすめレシピです。
食感が楽しい!「大豆もやしの炊き込みご飯」
大豆もやしのシャキシャキした食感に豆の甘みと歯ごたえがおいしいご飯です。好みでコチュジャンを足せばビビンバ風に!
1袋使い切り!「もやしのカレー春巻き」
もやしを1袋使った野菜たっぷりの春巻きです。カレー風味でご飯のおかずにも酒の肴にもなる一品です。
おわりに
鮮度が大切なもやしを美味しく食べるには、やはり購入後すぐに調理するのが良いようです。ただし、保存方法を一工夫することで、もやしを長持ちさせることができます。長期保存できるとまとめ買いもできますし、ちょっと一品、という時に重宝しそうですね。