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バターとマーガリンの違い

バターとマーガリンの違い、料理での使い分け方法や代用できる場合とは?

日々の料理やお菓子作りに欠かせない「バター」や「マーガリン」。どのように違い、どう使い分ければよいのでしょうか。また最近では「ファットスプレッド」や「ショートニング」と呼ばれる商品も店頭に並び、違いがよく分からないという方も多いのでは? バターやマーガリンの違いについて詳しくご紹介します。

最終更新日:2023.3.28

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目 次

バターとマーガリンの違い、ファットスプレッドやショートニングとは?

バターとマーガリン 違い

PIXTA

バターとマーガリン。どちらもパンのお供やお菓子作りに欠かせない存在ですね。最近では「バター風味」や「バター入り」と銘打ったマーガリンもあり、違いが分かりにくいと感じてしまうことも。さらに、バターでもマーガリンでもなく、ショートニングやファットスプレッドと表示された商品もあります。

これらはどう違うのでしょうか。また、どう使い分けたらよいのでしょうか。雪印メグミルク株式会社さんにご協力いただき、バターとマーガリン、ファットスプレッドの違いを中心に詳しくご紹介していきます。ショートニングについては、法律で定められた規格を参照し、参考情報としてご紹介しています。

バター、マーガリン、ファットスプレッドの違いは?

バター、マーガリン、ファットスプレッドの違いは?

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上の表はバター、マーガリン、ファットスプレッドの違いをまとめたものです。

どれも似ていますが、そもそもマーガリンやファットスプレッドは、バターとは原料や製造方法が異なる「別物」です。バターの原料は生乳ですが、マーガリンやファットスプレッドは食用油脂が原料です。

バターとマーガリン・ファットスプレッドでは、定める法律も異なります。バターは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」、マーガリンやファットスプレッドは「日本農林規格(JAS規格)」により成分規格や製造方法などが定められています。

バターは牛乳から乳脂肪分を取り出して固めたもの。法律で乳脂肪分が80.0%以上、水分が17.0%以下と定められています。

マーガリンやファットスプレッドは、コーン油、大豆油、紅花油などの植物油脂の原料に、乳化剤やビタミン、乳成分などを添加し、練り合わせて作られます。マーガリン類の中で、油脂含有率が低く、食用油脂80%未満のものが「ファットスプレッド」に分類されます。

ファットスプレッドは油脂が少なく水分が多いため、ヘルシーでより軽い味わいで、軟らかくパンに塗りやすいという特徴があります。またチョコレートやナッツが配合された商品もあり、バラエティー豊かです。

バターやマーガリン、ファットスプレッドの由来や歴史

バター

PIXTA

雪印メグミルクさんによると、バターの歴史は古く紀元前までさかのぼるそう。遺跡からバターを作るための道具と推定される土器が出土したり、歴史書にバター作りと想定される記述があります。「最古のルーツがどこか」には諸説あるものの、はるか昔から食された食材だということは確かです。

日本にバターが広まったのは明治時代。ちなみに「雪印北海道バター」の始まりは、1925年の北海道。手回しチャーンを使って製造していたそうです。先人の苦労がしのばれますね。

一方、マーガリンの発祥は1869年のフランス。隣国プロシアとの戦争でバターが欠乏したことをきっかけに開発されました。バターの代用品として開発されたマーガリンが日本に入ってきたのは、明治時代の中頃。ちなみに当時は「マーガリン」ではなく、「人造バター」と呼ばれていたそうです。

なお、ファットスプレッドはヘルシー志向に伴い、マーガリンをより低脂肪にする形で規格化されました。低カロリーな上に軟らかく扱いやすいことから人気を博し、昨今ではマーガリン以上に売れ筋商品が目立つようになりました。

ショートニングとは? ラードの代用品だった!

ショートニング

PIXTA

パンのお供やお菓子の材料に使われることが多いショートニングですが、1880年代のアメリカが発祥。マーガリンとほぼ同じ時代に開発された商品です。

なお、ショートニングは、バターではなくラードの代用品として開発されたそうです。マーガリンやファットスプレッドとの違いは、植物性油脂だけでなく動物性油脂も原料として使用できること。「日本農林規格(JAS規格)」ではショートニングの定義として、「食用油脂以外のものを使用していないこと」や「水分が0.5%以下であること」などが定められています。

参考:中沢君敏、島田哲夫、梅沢貢「ショートニングに関する研究(第1報」、油脂化学協会誌(1955)、Vol4.Issue2, P.57-60

バターとマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングの栄養価を比較

バターとマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングの栄養価を比較

uchicoto
各食品100gあたりの数値で記載
出典:文部科学省食品成分データベースよりウチコト編集部にて作成

バターとマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングの栄養価はどのように異なるのでしょうか?

バターとマーガリンのエネルギー量や、脂質の量で比較してみましょう。一般的には、バターの方がリッチな味わいで高カロリーというイメージがありますが、エネルギー量や脂質の量はマーガリンと大差ないことが分かります。ファットスプレッドと比べると、有塩バター(713kcal)、マーガリン(715kcal)に対し、ファットスプレッドは579kcalとマーガリンより136kcal低くなります。

大きな特徴といえるのが、ビタミンAとカルシウム。バターには、豊富なビタミンAとカルシウムが含まれています。牛乳を原料とする食品ならではの栄養価の高さです。

マーガリンには、カルシウムが含まれないイメージがあるかもしれませんが、バターにカルシウムが12mg含まれているのに対して、マーガリンには14mgものカルシウムが含まれていました。これは、植物油の中にはごま油などカルシウムを含む油も存在することや、マーガリンの味わいを豊かにするために、乳成分などが添加されていることの影響があるといえそうです。一方、ファットスプレッドには8mgと少なく、ショートニングには全く含まれていません。

また、マーガリンには、ビタミンDやビタミンB2も豊富に含まれています。バターと比べて、多様な商品設計が許されるマーガリンならではのメリットですね。ご自身のライフスタイルや好みに合わせて使い分けたいところです。

バターとマーガリンの使い分けのコツとは? 代用はできる?

バターを練る

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バターとマーガリンの違いを見てきましたが、共通点も多いことが分かりました。家にどちらも常備している場合、どのように使い分けるのがよいのでしょうか。また、どちらかが手に入らない時に代用は可能なのでしょうか。

バターはマーガリンで代用できる? また逆は?

バター風マーガリン

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バターは乳脂肪で作られているため、コクや風味が強いのが特徴です。一方、マーガリンやファットスプレッドは、植物油を原料としているので、あっさりした味わいに仕上がります。

ただ、マーガリンの中にもバター風味だったり、コクの強いタイプもあります。バターの代わりにマーガリンを使っても問題ないケースも多いでしょう。実際、レシピに「有塩バター」と記載がある場合には、マーガリンでも代用可能な場合が多くあります。

ただ、レシピに「無塩バター」や「バター(食塩不使用)」と指定がある場合には、マーガリンでは代用できません。食塩不使用バターを使用した方がよいでしょう。理由は「市販のマーガリン商品の多くは食塩が含まれているため」です。
※「ケーキ用マーガリン」など、食塩を添加せずに用途を限定した商品もあります。

多くのお菓子のレシピに、塩が入っていないバターが採用される理由は2つあります。1つは味がしょっぱくなりすぎるのを防ぐこと。2つ目は、小麦粉に水分や塩が混ざるとグルテンが生成され、粘りやコシのある生地になってしまうためです。パンのように粘りを出したい場合はよいのですが、ケーキのようにフワッと仕上げたい場合には、塩がじゃまになってしまうことがあるのです。

【実験1】バターとマーガリンはどう使い分ける? クッキーで仕上がりを比較

クッキーと紅茶

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バター、マーガリン、ショートニングでお菓子を作ったら、どのように仕上がりに違いが出るのでしょうか。まずはシンプルなクッキーのレシピで比較してみました。

マーガリン、バター、ショートニング

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左から時計回りでマーガリン、バター、ショートニングの順

ボウルにバター(またはマーガリンかショートニング)と砂糖を加え、なめらかになったら卵黄に加えてすり混ぜます。
※加える油脂(バター、マーガリン、ショートニング)は同量です。上の写真は左からマーガリン、バター、ショートニングの順で並べています。

マーガリン、バター、ショートニングに薄力粉を加える

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左から時計回りでマーガリン、バター、ショートニングの順

薄力粉を加えたものが上の写真です。左からマーガリン、バター、ショートニングの順で並べています。薄力粉を一度に加えてヘラでさっくりと混ぜながら固まりにしていきます。

バターやマーガリンのボウルが混ぜやすく、手軽に作れたのに比べ、ショートニングはボソボソと崩れやすく、なかなかひと固まりにまとまりませんでした。一番作業が楽だったのはマーガリン。元々柔らかく、他の材料ともよく混ざりました。

マーガリン、バター、ショートニングを使用したクッキー生地

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左からマーガリン、バター、ショートニングの順

生地がまとまったら、ラップで包んで冷蔵庫で1時間ほど寝かせます。上の写真は左からマーガリン、バター、ショートニングの順で並べています。

型抜きされたクッキー生地

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上からマーガリン、バター、ショートニングの順

寝かせた生地を冷蔵庫から取り出し、のし棒で1cmほどの厚みに伸ばした上で型抜きしていきました。型抜きした生地をクッキングシートに並べ、オーブンで焼き上げていきます。上の写真では上からマーガリン、バター、ショートニングの順で並べています。

焼きあがったクッキー

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上からマーガリン、バター、ショートニングの順

焼き上がったものがこちら。上からマーガリン、バター、ショートニングの順です。

見た目の違いは大きくなかったものの、味わいには大きな違いがありました。バターはコクがあり、風味豊かで食感は固め。サクッとした焼き上がりです。マーガリンはしっとりした食感で、味わいはあっさり。ショートニングは口に入れた瞬間のさっくり感はあるものの、ポロポロと崩れやすくなりました。

【実験2】バターとマーガリンの使い分け! フィナンシェで仕上がりを比較

フィナンシェ

PIXTA

上の章ではバターを使う前提のレシピで、バター、マーガリン、ショートニングの3種の油脂を使用して比較しました。ただ、バター向きのレシピだったため、マーガリンやショートニングでの調理に向いていなかった可能性があります。

そのため、今度はバターとマーガリンどちらも使えるミックス粉でフィナンシェを作り、仕上がりを確認してみました。
※有塩バターとマーガリン、どちらも使用できるミックス粉と記載があります。

まずは生地を作る段階です。マーガリンは元々が柔らかいので、作る少し前に冷蔵庫から出しておけば、すぐに粉と混ざりました。

一方で、バターはマーガリンと比べて少し固め。湯煎で少し加熱してやっと柔らかくなり、粉に混ぜる準備が整いました。バターは少し手間がかかるのがデメリットかもしれません。

フィナンシェの生地

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左がマーガリンで作った生地、右がバターで作った生地です。
どちらも粉と混ぜて型に入れると、見た目はそこまで変わりがありません。

焼きあがったフィナンシェ

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焼き上がりの様子です。

フィナンシェの断面

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カットしてみても、そこまで見た目に大きな違いは見られませんが、違ったのは味です。マーガリンはさっぱりしていて、軽くあっさりとした味わいになりました。一方で、バターの方はかなり濃厚なバター風味を感じます。

バターとマーガリンの違い

uchicoto

バターとマーガリンには、それぞれの良さがあります。「あっさりと仕上げたい時はマーガリン、濃厚な味わいを出したい時はバター」と使い分けるとよいでしょう。

また、柔らかく使いやすい&価格が安いのはマーガリンです。それぞれの良さがあるので、料理や食事、好みに合わせて選択するとよいですね。マーガリンやファットスプレッドは、バターと比べると、塗りやすさや加工しやすさのメリットもあります。

マーガリンやショートニングは体に悪い? バターは?

太った男性

PIXTA

バターとマーガリン、ショートニングの栄養価や特徴は分かりましたが、体への悪影響はあるのでしょうか。

バターやマーガリンには脂質が多く、太りやすい!?

パン食に欠かせないバターやマーガリンですが、カロリーの高さから控える人も少なくないようです。
確かにバターやマーガリン、ショートニングは「脂質」の多い食材ですが、「脂質」は身体のエネルギーをつくる栄養素の一つであり、食品から摂取することが望ましいとされています。その一方で、脂質の取りすぎは肥満や生活習慣病のリスクを高めるともいわれます。適度に楽しみつつ、過剰摂取には注意が必要です。

「マーガリンやショートニングにはトランス脂肪酸が含まれる」から体に悪い!?

以前はトランス脂肪酸が多く含まれる、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングを避ける風潮もありましたが、実際にトランス脂肪酸の何が問題なのでしょうか。

トランス脂肪酸とは、脂質の構成成分の一種です。農林水産省のサイトによると、「食品から取る必要がないと考えられており、むしろ、取りすぎた場合の健康への悪影響が注目されている」と記載があります。
ただし、現時点ではトランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究は欧米人対象の調査が多く、脂質が少ない日本人に対してどれくらい影響があるのか、複数の種類があるトランス脂肪酸のうち、どれが健康に悪影響を及ぼすのか、など、解明されていないことも多いようです。

また、以前からマーガリンやファットスプレッド、ショートニングにトランス脂肪酸が多いといわれてきましたが、実はバターにも天然由来のトランス脂肪酸が含まれています。

商品にもよるので一概には言えませんが、食品安全委員会が実施した調査の報告書(2007年)によると、マーガリンとファットスプレッドには平均値で100gあたり5.50g、バターには平均値で100gあたり1.95gの「トランス脂肪酸」が含まれていたことが記載されています。

なお、雪印メグミルク株式会社​では、トランス脂肪酸の削減への取り組みを続けています。現在のファットスプレッド「ネオソフト」に含まれているトランス脂肪酸の含有量は、2004年に比べ1/16の量まで少なくなっています(2004年8g/商品100g 2021年0.5g/商品100g)。
こうした企業の努力の賜物が、商品に表れていることが分かります。

トランス脂肪酸が気になる方は、「バターだから」「マーガリンだから」と種類だけ見て判断せずに、実際のトランス脂肪酸の含有量を調べて比較検討するとよいですね。健康意識の高まりからメーカーさんの方でも開示することが増えており、商品に記載されているケースもあります。またウェブサイトで確認したりカスタマーサポートに問い合わせする方法もあります。

出典:食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査報告書」(2007年)
参考:農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」

おわりに

バターとマーガリンは、実は全く違うものだと分かりました。お菓子にする場合は味わいに違いが出やすいので、ご自身の好みや利用シーンに合わせて使い分けたいですね。ただし、どのような食品もそうですが、必要以上に過剰に摂取することは避けたいところです。バランス良く活用して、日々の料理やお菓子作りを楽しみたいですね。

参考:雪印メグミルク株式会社「バターの歴史」
参考:雪印メグミルク株式会社「マーガリン誕生秘話」
参考:雪印メグミルク株式会社「バターの基礎知識」
参考:農林水産省「マーガリン類の日本農林規格」
参考:農林水産省「ショートニングの日本農林規格 新旧対照表」
参考:農林水産省「ショートニングの日本農林規格」
参考:岡本 隆久, 丸山 武紀, 兼松 弘ほか 「最近の家庭用ファットスプレッドの品質特性について」, 油化学/39 巻 (1990) 4 号/書誌, p.271-279

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公開日:2023.2.7

最終更新日:2023.3.28

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