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何度洗濯してもタオルがなぜか臭う・・・。雑巾のような嫌なニオイは菌の仕業かも?

タオルから発する嫌なニオイ。特に部屋干しで発生しがちですね。その部屋干し時のニオイの原因の一つには雑菌から排出される代謝物が関係しています。この原因菌は乾燥や紫外線に強い特性を持っています。また水分や梅雨時期の温度を好み、栄養分となる汚れがあると活性化してしまうのだとか。そこで花王さんに嫌なニオイの原因や対処法について伺いました。

最終更新日:2024.1.15

目 次

不快なニオイ。その原因は、菌の代謝物だった!

洗濯物のニオイを嗅ぐ人

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タオルやバスタオルから嫌なニオイを感じたことはありませんか?

「部屋干しで生乾きだったのが原因かな」と思って、洗濯し直して天日干しに。しっかり乾かしたはずなのに、使い始めるとまたタオルからニオイがぶり返す・・・。こうしたタオルのニオイは悩みのタネですね。

2011年、洗剤メーカーの花王さんが洗濯物の雑巾臭のような生乾きのニオイの原因が「モラクセラ菌」によるものだと突き止めました。この菌は、乾燥や紫外線にも強くタオルや衣類の繊維の中に一度棲み着くと、なかなか取り除くことが難しいそうです。

花王株式会社・商品PR部の河野さんに部屋干し時の嫌なニオイの対処法について詳しくお話を伺いました(花王株式会社・商品PR部 河野さん/以下、花王・河野さん)。

花王・河野さんによると、「部屋干し時のイヤなニオイが起こるのは、衣類についた雑菌が原因」とのことです。

「ただその菌は普段から普通に衣類に付いているもので、それ自体が臭う訳ではありません。その菌が衣類に付いた汚れや皮脂を栄養分にして排出する代謝物(フンのようなもの)が、あの独特の生乾き臭を出してしまうのです」(花王・河野さん)

タオルには、生乾きの嫌なニオイの原因菌が好む環境が揃っている

タオルで手を拭く

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菌が活性化し始め、ニオイの元となる代謝物を排出する条件は、温度と水分、皮脂などの栄養分(エサ)の3つが揃うこと。

キッチンや洗面所のタオルは、「湿っている時間が長い上、皮脂や食べこぼしなどの汚れが恒常的に付着している」ことから、菌にとっての好条件が揃っているといえます。

「水分を含んでいる時間が長いほど菌は繁殖しやすくなります。水と汚れに触れる機会の多いキッチンや洗面所の手拭きタオルには、皆さんが想像している以上に雑菌が繁殖している可能性が高いと考えていいと思います」(花王・河野さん)

吊り下げたタオル

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たとえ清潔にした手や体を拭くタオルであっても、湿った状態が長く続くことで雑菌が増えてしまいます。

バスタオルを毎回洗わずに何度か乾かして使うという人は要注意。花王・河野さんによると、ニオイの原因菌は繊維に棲み着くと、乾燥してもなかなか死滅しないそうです。

カラッと乾いたバスタオルなのに、風呂あがりに体を拭くと臭う・・・という経験はありませんか? それは繊維に棲み着いた菌が汗や皮脂などで活性化している証拠です。

バスタオルは「お風呂あがりのきれいな体を拭くものだからと」と何度も使わず、こまめに洗う方が良さそうですね。

乾燥・日光に強い! ニオイの原因菌の特徴を知ってタオルの嫌なニオイを防ぐ

タオルを天日干しする

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「ニオイが気になるタオルは天日干しにすればいいのでは?」と考えてしまいがちですが、菌の中には「紫外線にも強い」という特徴をもつ物もあります。

「生乾き臭の原因菌は乾燥と紫外線に強いのが特徴です。そのため、一度付いてしまうと、通常のお洗濯だけでは取り除くのがなかなか難しいのです」(花王・河野さん)

河野さんによると菌が活性化する条件は「水分」と「栄養分」と「温度」。

では、どのような対策が有効か伺いました。以下に詳しくご紹介します。どれか一つだけを重点的に行うのではなく、以下のポイントすべてを押さえてタオルのニオイを予防しましょう。

タオルのニオイを予防するコツは、できるだけ早く乾かすこと!

一定の間隔を開けて洗濯物を干す

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タオルが濡れた状態が長く続くと、雑菌繁殖の温床に・・・。菌は水分や汚れがあると活性化してしまいます。活性化する前に乾かすようにしましょう。

「タオルだけではなく、洗濯物同士はできるだけ間隔を空けなるべく広げて干します。扇風機やサーキュレーターを使って風を当て、空気を動かしてあげるのも早く乾かすコツです」(花王・河野さん)

菌を活性化させないためにも、できるだけ速く乾かしたいですね。

タオルを速く乾かすコツ1「ピンチハンガーでじゃばらに干す」

じゃばら干し

uchicoto

上の写真は、花王さんおすすめの「じゃばら干し」。大判のタオルやバスタオルは、ピンチハンガーを使ってじゃばらになるように干すと、重なりが減り、より広い面に風が当たって速く乾かすことができます。

タオルを速く乾かすコツ2「重なり部分を減らして干す」

重なり部分を減らして干す

uchicoto

大きなバスタオルなどは半分に折って干す人も多いですが、重なった部分は乾きづらくなります。風に当たる面が多くなるよう、上の写真のように重なり部分を減らすように広げて干すのがポイントです。

実はNG! カーテンレールに洗濯物を干すこと

カーテンレールに洗濯物を干す

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カーテンレールを物干し竿代わりにしているお宅、少なくないですよね。でも花王・河野さんによるとこれは避けた方が良い干し方だそうです。

「カーテンレールつまり窓際壁際は空気の流れがあまりなく、洗濯物が乾きにくい場所です。また、カーテンは洗濯の頻度が低く、想像以上に汚れが付着しているケースが多いです。せっかく洗った洗濯物にカーテンの汚れがついてしまうことも」(花王・河野さん)

窓際や壁際は、部屋の中でも空気がたまりやすいところでもあります。部屋干しをする際は、室内の中央付近など、空気が動く場所がオススメです。

家電を活用して、空気の流れや湿度をコントロールしよう

扇風機と洗濯物

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扇風機やサーキュレーターは、タオルを部屋干しする際の強い味方。タオルに直接風を当てるだけでなく、部屋の中の空気をかき回すことで、速く乾かすことができます。

除湿機と洗濯物

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部屋干しをすると室内の湿度が上がりやすくなるのも気になりますね。湿度の高い季節は除湿機を併用するのも手ですよ。

浴室乾燥を活用すれば、タオルを乾かしながら浴室のカビも防止できる

浴室乾燥機

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浴室乾燥機のついた浴室に干すのも効果的です。浴室は湿度が高そうなイメージがありますが、換気扇や窓が付いているので、実は空気の流れを作りやすい場所です。

浴室暖房乾燥機がついている場合は、「換気」より「乾燥」運転がオススメ。

「換気」は空気を入れ替えるだけですが、「乾燥」運転は温風をあてながら換気をするので、洗濯物が早く乾きます。洗濯物を乾かしてくれるだけではなく、浴室内のカビを防いでくれるので一石二鳥ですよ。

タオルのニオイを予防するコツ1「洗濯前に分別しておく」

山積みの洗濯物

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濡れたタオルをそれ以外の乾いた衣類と一緒に洗濯カゴに入れていませんか?水分や汚れが含まれる洗濯物は、菌が活性化しやすい環境。

乾いた衣類と濡れたものと一緒に入れておくと、湿り気と同時に汚れや菌も移ってしまうことも。

「毎日洗えない場合は、湿ったものと乾いたものを別々のカゴに分けておくのも一つの手。洗濯槽をカゴ代わりにするのも、洗濯槽のカビや雑菌が繁殖する原因になってしまいますので、おすすめしません」(花王・河野さん)

タオルを干す

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濡れたタオルは他のものと一緒にカゴに入れず、すぐ洗えない場合には、少し干して乾かしておくか、洗う前に漂白剤につけ置きしてから洗濯すると良いですね。

タオルのニオイを予防するコツ2「ため込まずこまめに洗濯」

洗濯物を入れる

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タオルの皮脂や食べこぼしなどの汚れは、菌にとって格好の栄養分。タオルに付着した汚れはしっかりと落とす必要があります。

また、吸水力があるタオルに洗剤を隅々まで行き渡らせるには、洗濯機に大量の洗濯物をつめこまず少量ずつ、洗濯機の容量の7-8割程度で洗うのが大切、と河野さん。

「汚れをきちんと落とすのに重要なのは、洗濯液を衣類にしっかり行き渡らせることです。理想は、洗濯槽の中で洗濯物がゆらゆらと泳げる状態。洗濯物の量が多いときは、タオルだけを分けて洗うのもいいですね」(花王・河野さん)

洗濯機の中に一度に詰め込み過ぎず、ゆとりを持たせて洗うのがニオイ対策のポイントです。

台ふきんを他のものと一緒に洗濯機で洗うのは避け、できれば塩素系漂白剤でつけ置き漂白を

ふきんとスプレー

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水分を含んでいる時間が特に長く、食べこぼしなど汚れがついている「台ふきん」は、家中でもナンバーワンを争う菌の温床です。

「台ふきんを洗濯機で他の洗濯物と洗ってしまうのはおすすめできません。可能な限り、一日の終わりには塩素系漂白剤を使ってつけ置きし、しっかりと除菌して乾燥させましょう。」(花王・河野さん)

タオルの嫌なニオイを落とすには「酸素系漂白剤」を上手に使おう

液体漂白剤

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菌の中には乾燥や紫外線にも強く、一度衣類に棲み着いてしまうと、なかなか通常の洗濯だけでは十分落としきれないものも。

ニオイや菌が気になる場合は、漂白剤で原因となる菌を除菌するのが最善です。

「繰り返し使うタオルの洗濯におすすめなのは、酸素系漂白剤をいつもの洗濯にプラスすることです。頑固な汚れや不快なニオイの元を防ぐことができます」(花王・河野さん)

それでもぶり返すニオイは「つけ置き漂白」を

つけ置きする

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「洗い上りは洗剤や柔軟剤のいい香りがするのに、使うとなにか臭う・・・というタオルは、洗濯前に酸素系漂白剤でつけ置きしてから洗濯をするのもおすすめ」と、河野さん。

水かぬるま湯に漂白剤を溶かし、タオルを30分つけ置きした後で、いつものように洗濯機で洗います。

「酸素系漂白剤には、液体タイプと粉末タイプがあります。より高い洗浄効果を求めるなら、粉末タイプがおすすめです。またつけおきには、40度程度のぬるま湯が効果的です」(花王・河野さん)

2020年6月に花王さんから新発売された粉末の酸素系漂白剤は、ウイルス除去を実現するものも。漂白剤を上手に使いこなせば、快適さや安心感はさらに高まりそうですね。

おわりに

新しい生活様式の定着に伴って、手を洗う回数が一気に増えました。そのせいか、洗面所やキッチンのタオルは、いつもなんとなく湿った感じ。洗った後のスッキリ感も、心なしかなくなった気さえします。

いつもそばにあるタオル。心地よく使えれば、生活の質や満足度にもつながります。ニオイのない清潔なタオルで、日々の暮らしを豊かにしたいですね。

タオルの生乾き臭をスピーディに消す簡単な方法とは?

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公開日:2016.3.24

最終更新日:2024.1.15

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