【パーシャル】と【チルド】の違いはなに?
「チルドとパーシャル、どう違うの?」とたずねられたら、説明することができますか?
ご家庭の冷蔵庫にも記載がありなんとなく「これはパーシャルかなぁ」という感覚で使っている方も多いかもしれません。
しかし違いを知ることで、パーシャル、チルドの使い方がわかり、活用の幅が広がりますよ!
※「パーシャル」は「パーシャルフリージング」の略語になりますが、この記事では「パーシャル」と表記いたします。
【パーシャル】と【チルド】の違いはズバリ「温度」
パーシャルとチルドは、「冷蔵室(5度程度)よりも低温、冷凍室(-18度程度)よりも高温」という点は共通しています。それぞれの温度の違いは以下の通りです。
◎パーシャル…日本工業規格(JIS)で「約-3度」と規定
「半凍結・微凍結状態」まで冷却し保存が可能
◎チルド…日本工業規格(JIS)で「約0度」と規定
「凍結寸前」の温度に冷却し保存が可能
【パーシャル】と【チルド】の使い分けとは?
温度の違いはわかりましたが、パーシャル、チルドをどの食材でどう使い分けたらいいのでしょうか?
【パーシャル】に適した食材
「肉類・魚介類」の保存が適しています。
-3度なので、食材の細胞周りが「少し凍っている状態」。ですから冷蔵、チルドより鮮度が長持ちするようです。冷凍ほどカチカチに凍らないので、解凍せず調理が可能で、時短が期待できますね。
お刺身などは表面だけを凍らせることで切りやすくなるメリットも。
切るときにお刺身を傷ませることも少ないのでより美味しくいただけるとか。
冷凍はパーシャルより保存できる期間は長いのが特徴ですが、その分、解凍に時間がかかったり、肉、魚類は冷凍・解凍の際、劣化してしまいがちです。
「すぐ調理はしないけれど、長期保存しない」肉類・魚介類はパーシャルでの保存がおすすめのようです。
【パーシャル】保存期間はどれくらい?
メーカーにもよりますが、肉や魚などの生ものでも約1週間は保存することができるそうです。その間、鮮度や栄養も長持ちするのは嬉しいポイントですね。
またカチカチに凍らせないので、作り置き食材とも相性が良いのだとか。上手に活用できれば時短にもつながる便利な機能です。
【パーシャルの】で下ごしらえもラクチンに
◎玉ねぎのみじん切りがスムーズに!?
玉ねぎをあらかじめパーシャルにいれておくと、みじん切りするときに涙が出にくいそうです。
涙を出させる成分(硫化アリル)が低い温度だと気化しにくくなるので、冷たいうちに素早くみじん切りにするととっても効果があるそうです。
◎長芋もらくらく切れる?
長芋をパーシャルで保存しておくと、微凍結のおかげでネバネバが減り、短冊切りなどがしやすくなるとのこと。
山芋などはネバネバするので切るときに手が滑って危ないですよね。こんな方法で対策が取れるとスムーズに調理も進み時短につながりそう。
◎まな板をほとんど汚すことなく魚の調理ができる
魚を捌くと内臓や血でまな板が汚れてしまいますね。調理前にパーシャルで保存しておけば、内臓が微凍結されたまま包丁をいれるので、まな板も包丁も汚れにくく後処理もラクに行うことができます。
料理の下ごしらえに手間取りそうな時、ぜひこの方法をぜひ試してみてくださいね。
【チルド】に適した食材とは?
「発酵食品」(みそ、納豆)
「練り物製品」(ちくわ、はんぺん)
「乳製品」(ヨーグルト、生クリームなど)
「豆腐」や「漬け物」(水分の少ないもの)、「生麺」
0度付近ですので、食材が「凍る寸前」のため、「凍らせたくない食材」を「冷蔵」よりも長持ちさせたい時に便利なのがチルド。
※パーシャルがついていない冷蔵庫の場合は、肉類、魚介類もチルドで保存すると、冷蔵よりも鮮度が保てるようです。
【チルド】保存期間はどれくらい?
パーシャルと比較して比較的高めの温度設定なチルド。生ものの保存期間はどれくらいなのでしょうか?
メーカーにもよりますが、だいたいミンチ肉で2〜3日、生魚で約4日、肉類で約3〜5日くらいだそう。冷蔵庫よりは鮮度が保てそうですが、なるべく早めに調理してしまった方が安心ですね。
【チルド】で試したいこんな活用法
◎サラダをパリッとおいしく!
サラダ用の野菜を氷水のかわりに、チルドケースで冷やしておくと、水との接触がないので、ビタミンCも逃げ出しにくく、パリッとした歯ごたえも!
美味しくて栄養も逃げ出しにくいなんて、一石二鳥ですね。
既に完熟してしまっているトマトは、チルドケースに入れると熟成を遅らせることができるので長持ちさせることができるそうです。
(本来、水分が多い野菜や果物はチルドでの保存は向かないので、完熟トマトでのお試しをおすすめします)
おわりに
パーシャル、チルドは、数度の温度の違いですが、凍結をするか、しないかで保存する食材も変わってきます。
2つの違いを知って食材のおいしさをとことん引き出す保存ができると良いですね。