年々増えている「空き家」、問題は全国で深刻に
ここ数年、「空き家」に関するニュースが増えてきました。
空き家が増えると、不法占拠や放火など犯罪のリスクが高まることから、地域の防犯という点でも問題視されています。また、建物が劣化してくると、倒壊の危険も。空き家があることで災害のリスクが高まるため、近隣住民にとっては悩ましい問題になります。
とはいえ、家主が亡くなってしまったり、介護で住まいを離れることになったり、転勤などでやむを得ず長期間家を空けなければならない場合など、空き家になっている理由はさまざま。
もしかしたら、ご両親の家を相続して空き家を所有したものの、どうすることもできずに放置している、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
空き家率は13.6%と過去最高に!
空き家数及び空き家率の推移〜全国〜(昭和38年〜平成30年)
平成30年の総務省の最新統計によると、空き家数は846万戸。平成 25 年と比べて26万戸(3.2%)の増加となりました。空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)は、13.6%。平成25年よりも0.1 ポイント上昇し、過去最高となりました。
なぜ空き家は増えている? それは固定資産税がかかるから!?
「空き家を更地にすると、固定資産税が6倍かかる」という話を聞いたことがありますか?
相続などで、住む人のいない空き家を所有した場合、更地に戻すよりも空き家の状態にしておくほうが固定資産税を節約できるため、手を入れずにそのまま放置しておく人が多いのです。
しかしこれは、厳密に言うと、正しくない解釈。ちょっと複雑なのですが、大切な話なので整理しておきましょう。
住宅用地は、税金の負担を軽くする特例措置があります。一方で更地(=非住宅用地)にはこのような特典はありません。というわけで、たとえ住めないような家でも、建物が建っているだけで固定資産税が安くなるという解釈は正解。
住宅用地では、固定資産税が1/6に軽減されます。つまり、更地にすると「固定資産税が6倍になる」のではなく、本来払うべき通常の固定資産税に対して「減額特例が受けられなくなる」というのが正解です。
さらに厳密に言うと、この減額が受けられなくなるといっても、税金は6倍にはなりません。
土地の広さや用途(区分)によって、税の設定は細かく異なるため、更地にしたところで必ずしも「6倍になる」わけではないのです。
「特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇がなくなる
特定空き家とは、2015年に施行された「空家等対策特別措置法」に定義づけられている空き家のことです。
●そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
●著しく衛生上有害となるおそれのある状態
●適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
●その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
これらの状態が見られる場合…つまり、あまりにもボロボロの家だと「特定空き家」となってしまい、固定資産税の軽減という優遇が受けられないのです。
空き家の維持・管理が、節税に関わってきます!
空き家を所有することになったら、近隣迷惑、防犯、税金の面でも「特定空き家」にならないようにすることが大切ですね。
しかし、家は住む人がいなくなると、とたんに劣化します。
定期的に換気をしないと、湿気がとどまってしまい、床や壁がはがれ落ちたり腐ったりする原因に。また、定期的に通水をしておかないと、水回りの配管も劣化してしまいます。庭の草木が伸び放題だと、近隣からの苦情の対象にも···。ツタなどが家に根を張ったり、シロアリや害獣が巣をつくったりすることで、壁などの躯体を傷つけ、倒壊の原因になってしまいます。
でも、所有する空き家が、必ずしもこまめに通える距離にあるとは限りません。
遠く離れた実家や、海外転勤などで住まいを離れる場合などは、空き家の維持をどうすればよいのでしょうか。
東京ガスの空き家管理サービス「実家のお守り」で、賢く空き家を管理
2022年3月、東京ガスでは、これまでの住宅に関する様々なノウハウを生かし、誰も住んでいない家のお手入れを行うサービス『実家のお守り』をスタートしました。
サービス内容は、月1回空き家を訪問し、換気や通水、草木の確認や草むしり、郵便物の回収などを行った上で、写真報告してくれるというもの。
利用料は月額9,900円(税込)~※。遠方に住んでいて、空き家の管理のために休日を費やしている方や、高い交通費を負担している方にも、ありがたい価格設定ですね。
東京23区や東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の都市部でスタートしています。
草木のお手入れは、近隣からの苦情対策として。また、月1回、人の出入りがあることで、防犯対策にもつながります。
※ベーシックプランの利用料です。プラン詳細はこちらをご確認ください。
おわりに
大切な住まいの寿命は、人の出入りがあってこそ。固定資産税を抑えるためにも、空き家はできるだけよい状態で維持・管理しておきたいものです。ご自身が所有する空き家だけでなく、空き家の維持・管理にお悩みのご両親にも、空き家管理サービスはおすすめですよ!