空き巣の侵入手口の4割は鍵の閉め忘れ?!
外出時に、鍵を閉めたか不安になったことはありませんか。警視庁のデータによると、空き巣の侵入手口の4割以上は無施錠、つまり鍵の閉め忘れを狙ったものです。
しかし、東京ガス都市生活研究所のアンケートによると、外出時の自宅の様子に不安を感じる方のうち、自宅の防犯対策を行っている方は約3割に留まっており、過半数の方は防犯対策を行っていないという結果となりました。
「やらなくては」と思いつつ、「何から手をつけてよいか分からない」「そもそも防犯対策の具体的なイメージが湧かない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、まず取り組んでいただきたいのが鍵の閉め忘れの対策です。
今回は、防犯アドバイザーの京師さんに、鍵の閉め忘れの対策の中でも注意するべきポイントや、すぐに実践できる具体的な対策を教えていただきました。
参考:警視庁 「侵入窃盗の防犯対策」
参考:東京ガス都市生活研究所レポート 「あたりまえの毎日を続けるために ~自宅の防犯に関する意識と実態~」
こんな方は要注意! 危険のサイン
「これまで被害にあったことがないので」「オートロックマンションに住んでいるから」といった理由で安心してはいませんか?
例えば、コンビニやごみ捨てなどのちょっとした外出時に、「5分もかからないから」と言って鍵を閉めなかったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
京師さん「実際、5分程度の短時間で侵入される事件も起こっています。例えば、『同じマンションの住人に狙われていた』あるいは『前から空き巣に目を付けられていた』など、普段から目を付けられていて、わずかなタイミングを見計らって侵入する空き巣もいます」
オートロックのマンションに住んでいる場合でも、安心はできないとのこと。
京師さん「マンションに入るタイミングを居住者と合わせれば、オートロックの有無に関わらず誰でも侵入することができます」
また、4階以上の方は、1~2階に比べて狙われにくいだろうと慢心し、施錠をしていないことが多い傾向にあるそうです。空き巣はその心理を巧みに読み、あえて4階以上を狙って侵入することもあります。
京師さん「どのような環境に住んでいても、狙われやすいのは気が緩んでいるときです。『もしかしたら』という危機意識をもって、防犯対策を行うことが大切です」
鍵の閉め忘れの防止対策3選
お金をかけずにできるものから、専門のセキュリティ会社に警備を依頼するなど本格的なものまで、防犯対策と一口に言ってもさまざまなものがあります。
「何もしないことが最も危険、という意識が大事」と京師さん。まずは、ご自身ができることからはじめてみましょう。
ここでは、被害の原因の多くを占める、鍵の閉め忘れを防ぐことに着目した防犯対策を詳しくご紹介します。
【対策1】固定の場所をつくろう
鍵の閉め忘れは、鍵を家の中に置き忘れるところからはじまります。鍵を持って家を出る習慣をつけることで閉め忘れ防止につながります。
京師さん「おすすめの方法は、玄関ドアののぞき穴の上にフックを取り付けて、鍵をかけておくことです。外出時には鍵の閉め忘れを防止することができる上、のぞき穴に重なるように鍵をかけておくことで、在宅時にはのぞき穴からの盗み見を防ぐこともできます」のぞき穴の上にフックが取り付けにくい材質や形状の場合は、盗み見防止のために、のぞき穴の上にカバーをかけるなどして、外から見えないような工夫を行いましょう。
京師さん「また、玄関ドアにフックが取り付けられないという方は玄関の靴箱の扉を開けたところにフックをつけるか、靴箱内の目立つ場所に置いておくのがおすすめです。靴箱内であれば靴を履くために開けることが多いので、忘れる確率も低くなります。」
【対策2】チェックする習慣をつくろう
京師さん「工場の作業などで行っているような指差し確認は、実はとても効果的です」
特に一人暮らしだと、他に声を掛けてくれたり、気づいてくれる人がいないので、声や体を使って意識的に確認を行うのはおすすめとのこと。
また、長期で出張・旅行に行くようなときには、外出前のチェックリストを作るのもよいそうです。長期の外出は普段にまして準備することが多いので、しっかり対策をしてから出発したいですね。
【対策3】スマートフォンを活用しよう
最近では、スマートフォンのアプリでも、防犯対策ができるようになっています。
京師さん「カメラを連動できるものや、自宅にアプリ連動機能があるセンサーを設置し、戸閉りをモニタリングできるものもあります。外出先でも手軽にセキュリティの確認ができることが、スマートフォンアプリの利点です」
おわりに
鍵の閉め忘れ防止を中心に、防犯アドバイザーの京師美佳さんにお話を伺いました。「自分は大丈夫」と考えている人ほど狙われやすいため、日常生活の中で防犯意識を高めていくことが大切だということが分かりました。ご予算に合わせて、ご自分でできる防犯対策を実施しましょう。また、家族みんなのくらしを見守るサービスなどを活用して、毎日を安全に過ごしていきたいですね。
あわせて読みたい
ガスコンロの消し忘れ・つけっぱなしを防ぐためにできることとは?