低糖質で食物繊維たっぷり! おからパウダーの魅力
こんにちは。管理栄養士の辻本なみです。
皆さんは、「おからパウダー」を使ったことがありますか?
健康志向の高まりから注目されているおからパウダー。その理由のひとつに、おからパウダーには食物繊維が豊富に含まれている点が挙げられます。食物繊維は便のかさを増やし、腸の壁を刺激してお通じをスムーズにしてくれるなど、健康には欠かせない成分。現代人は食物繊維が不足しがちと言われているので、おからパウダーで摂取できると嬉しいですよね。
さらにおからパウダーにはたんぱく質も含まれ、小麦粉の代わりに使えば糖質カットもできます! 美容や健康が気になる女性を中心に人気があるのは、そのためですね。
こうした背景からおからパウダーの需要が高まり、最近ではスーパーでも見かけることが多くなりました。手軽に購入できるため、私もよく利用しています。
おからパウダーと生おからは違うもの?
おから(生おから)は大豆から豆乳や豆腐などを作る過程で残った搾りかすです。その生おからを乾燥させて粉末状にしたものがおからパウダーです。
おから料理といえば「卯の花」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。水分を多く含みしっとりとした生おからは、使い道が限られてしまいがち。独特のにおいや味もあり、もしかしたら苦手な方もいるかもしれませんね。一方で、おからパウダーは粒子が細かく、味の癖が少ないため、いろいろな料理に使いやすく、お菓子の材料にもなる万能食材です。
ハンバーグやポタージュなどの料理や蒸しパン、ケーキ、クッキーなどスイーツだって作れますよ。「子どもにおからを食べさせたくても、卯の花などあまり食べてくれない・・・」という場合にも、おからパウダーなら子どもの好みの料理が作りやすいです。
おからパウダーは生おからより価格が高いと感じていませんか? 実はそんなことはありません! スーパーなどで価格だけを比べるとおからパウダーの方が高いかもしれませんが、おからパウダーは水で戻すと約4〜5倍に膨らみます! さらに生おからと違ってストックができ、使いたい分だけ使えるので、コストパフォーマンスもいい優秀な食材だと言えます。
栄養面では、生おからよりも水分が抜けたおからパウダーの方が、100gあたりの栄養価は高いです。例えばたんぱく質では、生おからは6.1g、おからパウダーは23.1g。カルシウムでは生おからは81㎎、おからパウダーは310g、食物繊維総量では生おからは11.5g、おからパウダーは43.6g。使い方や使う量にもよりますが、おからパウダーの方が少量でも効率よく栄養摂取ができると考えられます。
おからパウダーで作れるおやつや料理の人気レシピは?
おからパウダーの人気は、ますます高まっているように感じます。私のSNSやレシピサイトでも、おからパウダーの情報を載せるとアクセス数がぐっと増えます。テレビ番組やレシピ本を見ていても、おからパウダーが取り上げられることが多くなったと感じています。
おからパウダーを使ったおやつレシピで人気なのが、おから蒸しパンやパンケーキ、クッキーです。おからパウダーは小麦粉のおおよそ1/8の糖質量なので、小麦粉の一部または全てをおからパウダーに置き換えることで、摂りすぎが気になるおやつの糖質量を減らすことができます。またおからパウダー自体に味の癖が少ないので、ココアや抹茶などを使ってレパートリーを増やして楽しむことができます。
おからパウダーを使ったおかずでは、お好み焼き、ハンバーグ、ポテトサラダなどが人気。お好み焼きでは小麦粉の代わり、ハンバーグではパン粉の代わりになります。
また、おからパウダーの水分を吸って膨らむ性質を生かして、ハンバーグやポテトサラダの「かさまし食材」として使うこともできる点が魅力ですね。栄養面だけではなく、食事の満足感もアップさせてくれるため、人気の食材となっているのだと思います。
おからパウダーの使い方は? 料理やおやつに使うポイントとは
おからパウダーは「小麦粉の代用」として使われることが多いです。小麦粉の一部または全部をおからパウダーに置き換えておかずやおやつを作ることで、糖質やカロリーを控えることができます。
【料理に加えてとろみを付ける】
また、カレーやシチュー、スープなどのとろみをつけたいときにも便利です。小麦粉や片栗粉を使わず、仕上げにおからパウダーをふり入れればOK!
ただ、小麦粉とおからパウダーは性質が異なるので、注意も必要です。小麦粉を使ったレシピをそのままおからパウダーに置き換えても、同じような仕上がりにならないことは覚えておいてください。
【ドリンクなどにちょい足し】
手軽に食物繊維を補いたいのであれば、いつもの食事に「おからパウダーのちょい足し」がおすすめですよ。ヨーグルトやコーヒーなどのドリンク、味噌汁など普段食べているものにおからパウダーを混ぜるだけで、手軽に食物繊維が補えます。
【粒子の細かさをチェック】
おからパウダーは商品によって粒子が細かいものと粗いものがあります。スイーツやスープ、ドリンクなど口当たりよく仕上げたい場合は、粒子が細かいものがおすすめです。卯の花など生おからとして使いたい場合は、粗めのものを活用します。
ちなみにおからパウダーは4倍程度の水で戻すと、生おからと同じように料理に使えますよ。
どのおからパウダーを購入するか迷ったら、商品パッケージなどの使用用途を確認して購入してくださいね。
おからパウダーを使うときに注意したいこと
おからパウダーに限らずですが、「体によいから」といってたくさん食べればよいというものではありません。
食物繊維の摂りすぎでお腹が張る方もいます。また、おからでお腹がいっぱいになり、他の食材の食べる量が減ると栄養バランスが崩れてしまいます。
特に、子どもはおいしいとついつい食べすぎてしまうので、食べる分だけ盛り付けるなど、配慮してあげるとよさそうです!
子どももパクパク食べる! おからパウダーレシピ2選
今回は、おからパウダーを使った子どもも食べやすいおやつとおかずを紹介します!
黒みつきな粉がけ! もちもちおから団子
最初に紹介するのは、おからパウダーと片栗粉で作るおから団子です。きな粉と黒蜜でいただく以外に、みたらし団子、おしるこ、フルーツポンチの具材にと、いろいろアレンジも楽しめます!
材料(2人分)
《お団子》
おからパウダー・・・30g
片栗粉v30g
水・・・120ml
《トッピング》
黒みつ・・・適量
きな粉・・・適量
作り方
【手順1】
ボウルにおからパウダー、片栗粉を入れてゴムベラで混ぜ合わせる。
【手順2】
水を加えて、全体がまとまるまでゴムベラで混ぜる。
【手順3】
2を一口大に丸め、火が通りやすいように中央部分にくぼみを作る。
【手順4 】
鍋に湯を沸かし、沸騰したら3を入れる。
【手順5】
団子が浮き上がってきたら、更に3〜4分程度ゆでる。ゆで上がったら水をはったボウルに入れて冷やす。
【手順6】
粗熱が取れたら、水気を切って器に盛り付ける。黒みつ、きな粉をかける。
おからパウダーと片栗粉でも、もちもちのお団子になりますよ! 生地のかたさは耳たぶぐらいが目安です。生地が柔らかい場合は片栗粉を、かたい場合は水を少し追加しましょう。生地がかたすぎると仕上がりもかたくなってしまうので、注意してくださいね。
おからパウダーで作るお好み焼き
次に紹介するのは、小麦粉の代わりにおからパウダーを使用したお好み焼きです。一般的なお好み焼きと違い糖質控えめなので、おかずとしてご飯と一緒に食べやすいです。
もちろんおやつにもおすすめです!
材料(2人分)
《生地》
キャベツ・・・150g
青ネギ・・・1本
卵・・・2個
おからパウダー・・・25g
だし汁・・・100ml
豚こま肉・・・60g
米油・・・小さじ2
《トッピング》
お好み焼きソース・・・適量
削り節・・・適量
青のり・・・適量
作り方
【手順1】
キャベツは粗みじん切りにする。青ネギは小口切りにする。
【手順2】
ボウルに卵、おからパウダー、だし汁を入れて泡立て器で混ぜる。
【手順3】
2にキャベツ、青ネギを加えて混ぜる。
【手順4】
フライパンに米油小さじ1をひいて温度調節機能を160℃に設定する。3の生地を1/2量入れ、ゴムベラで形を整え、豚こま肉1/2量を広げのせる。ふたをして焼く。
【手順5】
焼き色がついたら裏返して再びふたをし、火が通るまで焼く。同様にもう1枚焼く。
【手順6】
器に盛り、お好み焼きソース、削り節、青のりをかける。
おからパウダーは粒子の細かいものを使用しています。小麦粉の代わりにおからパウダーを使うことで食物繊維をプラスでき、糖質も控えめなお好み焼きになりますよ!
健康志向や食品ロスが気になる方にもおすすめのおからパウダー
おからパウダー(乾燥おから)には100gあたり43.6gの食物繊維が含まれています。小麦粉と比べて糖質が少なく、たんぱく質も含まれているため、ヘルシー食材として注目されています。さらに、おからパウダーは小麦粉と違いグルテンが含まれていないので、グルテンフリーを心がけている方にも嬉しい食材です。
賞味期限が短いため廃棄されることも多かったおからを、乾燥させて保存性を高めたおからパウダー。おからパウダーを食べることは、食品ロス対策にもつながります。
今回紹介したようなおやつや料理にしなくても、おからパウダーは手軽に使えるのも特長です。毎日食べているヨーグルトやお味噌汁におからパウダーを混ぜるだけで食物繊維を補えるので、忙しい方にもおすすめです。
おわりに
さて、次回は連載第3回! テーマは「子どももパクパク食べる、なすとピーマン料理のコツ」です。なすとピーマンが苦手でも喜んで食べてくれるレシピをご紹介するので、またぜひ見に来てくださいね!
参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)