年越し蕎麦ってどんな風習? 他にも呼び方があるの?!
年越し蕎麦は、一年の区切りとして大晦日に蕎麦を食べる風習です。その歴史は古く、大晦日に蕎麦を食べる風習は江戸時代に広がったと言われています。
年越し蕎麦には他にもさまざまな呼び名があります。
・大晦日の夜に行う年越しの行事を年取り行事と呼ぶことから「年取り蕎麦」
・大晦日の別称から「大年蕎麦」
・1年の最後の月末という意味で「大つごもり蕎麦」
他にも地方によって、大晦日蕎麦、年切り蕎麦、縁切り蕎麦、寿命蕎麦、運蕎麦、福蕎麦、思案蕎麦などと呼ばれています
年越し蕎麦を食べ始めた由来とその意味は?
年越し蕎麦の由来には諸説あります。
元々あった蕎麦を食べる慣習が根付いたとする説
・商家で慌ただしい月末に蕎麦を食べる「晦日(みそか)蕎麦」という風習があり、年末も同様に蕎麦を食べる慣習が根付いた。
・鎌倉時代、年越しができない貧しい人たちに承天寺が蕎麦餅を振る舞った。「世直し蕎麦」と呼ばれたこの慣習が広まった。
蕎麦で験担ぎ(ゲン担ぎ)をしたとする説
・蕎麦が細く長く伸びることから延命・長寿を祈願した。
・蕎麦は切れやすいことから、苦労や借金と縁が切れるよう願った。
・当時、金細工の職人が金粉を集めるときに蕎麦粉を使っていたため、金運アップの願いを込めた。
・蕎麦は風雨に強い植物であることから、健康を祈願した。
年越し蕎麦を食べるタイミングはいつ?
年越し蕎麦、毎年何時くらいに食べていますか?
「除夜の鐘を聞きながら23時前後に食べる」ご家庭が多いようです。また「元日蕎麦」といって除夜の鐘を聞いてから食べる地域もあります。
本来、年越し蕎麦に「正しい時間帯」はありません。12月31日の何時でも構わないのです。
ただ、両年にまたがって食べると験担ぎの効果が薄れてしまうと言われています。年が変わる前に食べ切ったほうが良いでしょう。
年越し蕎麦を食べるのは節分だった?!
今でこそ年越し蕎麦といえば大晦日に食べる蕎麦を指しますが、江戸時代は、年越し蕎麦といえば、立春の前日の「節分」に食べる蕎麦を指していたと考えられています。
節分とは季節の節目である立春、立夏、立秋、立冬の前日を指しますが、立春前日の節分は冬から春への節目であり、旧暦では新たな年を迎えるタイミングだったため、大晦日のような感覚があったからです。
明治に入り新暦になってから、大晦日に食べる蕎麦を年越し蕎麦と呼ぶようになりました。今でも、節分に蕎麦を食べる風習がみられますが、こちらは節分蕎麦などと呼ばれています。
年越し蕎麦は温かいほうが良い? 冷たくても良いの?
年越し蕎麦を食す年末は寒いので、「年越し蕎麦と言えば温かい蕎麦」というご家庭が多いかもしれません。でも、年越し蕎麦に決まりはないので、温かくても冷たくてもOKです。
年末は秋にとれた新蕎麦が美味しい時期なので、蕎麦の香りをじっくり味わうなら冷たいつけ蕎麦がオススメ。つけ蕎麦なら、蕎麦につける汁の量を調整できるので、新蕎麦の風味をしっかりと感じられますね。
年越し蕎麦が更に縁起良くなる?! あわせて食べたいトッピングと意味とは?
年越し蕎麦に乗せるトッピングを選ぶのも楽しいですよね。オススメの具材とその意味もご紹介します。
・ネギ・・・労を労う(ねぎらう)や、神職の「祢宜(ねぎ)」に掛けて。
・海老・・・腰が曲がっているので、長寿祈願。
・春菊・・・この時期が旬の食材なので、盛り=繁栄を祈る。
・紅白かまぼこ・・・めでたさの象徴。
・卵焼き・・・黄金色で金運や繁栄を祈る。
・油揚げ・・・油揚げの別名は稲荷揚げ。お稲荷さんといえば五穀豊穣、商売繁盛、家内安全の神様なので、新年がうまくいくよう祈る。
今年はこんなトッピングの年越し蕎麦はいかが?
ウチコトでは、蕎麦の定番のトッピングである天ぷらや、沖縄では年越し蕎麦としても食べることがあると言われるソーキ蕎麦のレシピもご紹介しています。
今年もお好みの具材と合わせて年越し蕎麦を楽しんでくださいね。
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年があけたら「年明けうどん」?!
年が明けたら「年明けうどん」を楽しみませんか?
これは、香川の「さぬきうどん振興協議会」が提唱している、新年の幸せを願う行事食です。
年明けうどんは、純白のうどんに新春を祝う『紅』のトッピングを1つ乗せれば完成。紅色であれば好きなものを添えて良いので、梅干しでも海老の天ぷらでも良いそうです。
うどん文化が定着している香川では、長寿の意味や広く長くその家の繁栄を表す縁起物として古くからうどんが愛されていました。
元旦から1月15日までに年明けうどんを食べ、新年を祝いましょう。
おわりに
年越し蕎麦は、いろいろと自分好みに楽しめる行事食です。
ただし、年越し蕎麦の食べ残しはあまり良いことではないので、盛り付ける量には気をつけてくださいね。