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カツオの旬が年に2回ある理由とは? 選び方のコツ、美味しく楽しむレシピも!

古くから日本人に親しまれてきたカツオ。旬の時期が春と初秋と1年に2回あるのはご存じですか? カツオを買う時のコツは? カツオの食文化とは? カツオについて和文化研究家の三浦康子さんに詳しく伺いました。

最終更新日:2024.3.7

目 次

「カツオ」ってどんな魚?

二人以上の世帯の魚の購入金額(2016~2018年平均)

二人以上の世帯の魚の購入金額(2016~2018年平均)

出典:農林水産省「家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2016年~2018年平均)」よりウチコト編集部で作成

古くから親しまれてきたカツオ。家庭での消費量も多く、マグロ・サケ・ブリに続く第4位です(上表)。刺し身やたたき、煮付けなどの家庭料理だけでなく、ツナ缶や鰹節の原料としても使われています。

カツオの基本情報

カツオ

PIXTA

分類:スズキ目 サバ科マグロ族カツオ属
大きさ:40~60cmのものが多く出回る。中には全長1mを超える場合も。
見た目の特徴:腹側に複数の縞が入っている。

カツオは太平洋に広く分布し、潮の流れに合わせて回遊します。南方水域にいることが多く、その周辺では一年中カツオが釣れます。

カツオの旬は年に2回! 味に違いはあるの?

カツオの刺し身

PIXTA

カツオの旬は、春と秋。春は潮の流れに合わせて日本近海に北上し、秋に産卵活動に入るために南下します。それぞれの時期によって、呼び方や味わいが異なります。

カツオの旬 1. 春

呼び方:「初鰹」・「上りガツオ」
旬の時期:3月~5月
特徴:脂が少なめでさっぱりとした旨味。身が引き締まっているのでぷりっとした食感。

カツオの旬 2. 秋

呼び方:「戻り鰹」・「下りガツオ」・「トロカツオ」
旬の時期:9月~11月
特徴:脂が乗っていて濃厚な味わい。産卵に向け肥えているのでこってりとした食感。

カツオの栄養は時期によって変わる?

カツオの可食部100gあたりの栄養価の違い

カツオの可食部100gあたりの栄養価の違い

出典:文部科学省 食品成分データベースよりウチコト編集部で作成

春と秋のカツオでは、栄養価にも差があります。秋のカツオの脂質は春に比べて12倍以上! こってりと濃厚な味わいになります。

カツオの漁獲量ナンバーワンはどこ? 釣り方は?

カツオ漁の方法とは?

カツオ漁は主に2種類の方法があります。

【カツオの釣り方 1】竿釣り(一本釣り)

竿釣り

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カツオの主な釣り方は竿釣り(一本釣り)。近年は人材不足を補うために「一本釣りロボット」など自動化も進んでいます。

【カツオの釣り方 2】まき網

まき網

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カツオの群れに向かって大きな網で包んで、釣り上げます。漁獲量が多い方法ですが、乱獲を防ぐため、禁止している地域もあります。

網に引っかかるカツオは、大小様々なのでカツオの質にバラつきがあります。また、大量のカツオを一度に冷凍処理できず、一本釣りよりも鮮度が落ちやすいという側面もあります。

日本で1番カツオの漁獲量が多いのは、どこ?

2018年の都道府県別カツオの漁獲量上位

2018年の都道府県別カツオの漁獲量上位

漁獲量の単位:トン
出典:e-Stat「海面漁業生産統計調査 大海区都道府県振興局別統計 魚種別漁獲量」 より、ウチコト編集部で作成

静岡県の焼津港が、カツオの漁獲量国内ナンバー1。水揚げしたカツオは、刺身やタタキなどの生食用の他、鰹節やツナ缶などの加工食品の原料にもなっています。

生で食べるなら新鮮なカツオを! 選び方のコツとは?

カツオの刺し身

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スーパーの鮮魚コーナーで新鮮なカツオを選ぶには、どんなポイントをチェックすれば良いのでしょう?

カツオの選び方 1. 短冊や刺し身の場合

  • 血を含んだ水気(ドリップ)が出ていない。
  • 身が鮮やかな赤色をしている。


血合いが黒っぽくなっているものは鮮度が落ちているので、加熱して味わうのがオススメです。

カツオの選び方 2. 1尾まるごと買う場合

  • 太っていて、身が締まっている。
  • 目が澄んでいる。
  • 縞模様のコントラストがくっきりとしている。

カツオの刺し身は何故「タタキ」にして食べるの?

カツオのタタキ

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代表的なカツオの食べ方と言えば「カツオのタタキ」。そのまま刺し身では食べずに表面をさっと炙って薄く切り、薬味と一緒に食します。

カツオのタタキの発祥には諸説ありますが、一説には「食中毒を防ぐために表面を炙り、調味料を手でたたいてまぶしていた」といわれています。

カツオは縄文時代から食されてきた!? カツオの歴史とは?

鰹節

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古来よりカツオは貴重なタンパク源として食されてきました。縄文時代の遺跡にその形跡がみられ、『古事記』には「堅魚」ということばで登場しています。当時は、足の早いカツオを干すことで日持ちさせていたそう。これが、鰹節の原型といわれています。今のような鰹節の形になったのは室町時代。干したカツオを焙煎し、薄く削る技術が誕生しました。

カツオの刺身が人気になったのは鎌倉時代末期。『徒然草』の中で、最近もてはやされるようになった魚だと書かれています。

鰹節の用途が広がったのは江戸時代。煮物・汁物料理が盛んになった影響で、そのまま食べるだけではなく、出汁をとるために使われるようになりました。とくに紀州(今の和歌山県と三重県の南部)で作られた鰹節は「熊野節」と呼ばれ、人気があったそうです。

鰹節は海外でも馴染みのある食べ物?!

鰹節は海外でも食されているのをご存じですか? たとえば、島国・モルディブでは、削った鰹節をそのまま料理に加えて食べるのが一般的で、土産物としても人気だそう。

鰹節以外にも節はある?

鰹節

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魚などをいぶして乾燥させたものを「節」と言います。鰹節以外にも、マグロやサバ、アジで作った節もありますよ。特徴は以下の通りです。

マグロ節

原材料:キハダマグロの幼魚
味の特徴:優しい甘味のある上品な味わい

サバ節

原材料:小型のゴマサバ
味の特徴:甘味とコクがある

アジ節

原材料:ムロアジ
味の特徴:あっさりとした風味

カツオはツナ缶の原料にも!?

ツナ缶

PIXTA

ツナ缶の原材料はマグロだけだと思っていませんか? 実はツナ缶にはカツオが多く使われています。

ツナ缶の原材料は主に4つで、ビンナガマグロ・キハダマグロ・カツオ・メバチマグロです。ツナとは、スズキ目サバ科マグロ族に分類される魚の総称で、カツオも含まれています。

種類としてはマグロの方が多く使われていますが、マグロ自体の価格が高いのでツナ缶の値段にも差があります。特にビンナガマグロはマグロ自体が高値なので、「ホワイトツナ」と呼ばれる高級ツナ缶として流通しています。

生で、焼いて、煮ても美味しい! カツオを家で楽しもう!

春と秋、それぞれのカツオの良さを活かすレシピをまとめてご紹介します。ぜひいろいろなレシピで味わってくださいね。

定番のたたきからアレンジまで!「初ガツオ」レシピまとめ

カツオのタタキ

東京ガス 食情報センター

秋の戻り鰹は濃厚な味わい!「鰹のごちそうレシピ」まとめ

鰹のからし揚げ丼

東京ガス 食情報センター

おわりに

カツオの旬は2回あり、それぞれ味の特徴が違うのですね! カツオは日本人にとって古くから馴染みのある魚。ぜひいろいろな食べ方で楽しんでくださいね。

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公開日:2020.5.12

最終更新日:2024.3.7

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